大崎甜花が旅するポケットモンスターの世界+α 作:形のない者
静かな病室に響く小鳥のさえずり。開かれた窓から風が入り、カーテンがなびく。
翼を伸ばして飛び立つ小鳥の影と朝の陽射しを顔面に浴びた甜花は、熟睡から目を覚ます。
「……んっ……
────あれ……?」
寝ぼけ眼で周囲を見回す甜花は、現状をなんとなく理解し、ぽつりと呟く。
「甜花……また、病室で起きちゃった……」
──この数日で命の危機を感じたのは何度目だろう。
おつきみ山の暴走ポケモンに襲われた時は無我夢中で戦ったが、今思い出せば身の震えが止まらない。そして、本当の悪党と対峙し、本物の拳銃を向けられた時は……寒気がした。
(街が襲われて、街中が燃えて……でも、なんだか現実感がなくて……まるで、ゲームみたいな出来事の連続で……)
「……いや。ゲーム……なんだけど……」
(それでも……本当に、怖くて……)
「……そういえば、なんで……ミュウツー? 謎な存在……だった……」
──考えれば考えるほど分からない。
あまりにも多くのことが起こりすぎて、甜花の頭はパンク寸前だった。
しかし、ひとつだけ。これだけは自覚しなければならないことは、きちんと覚えている。それはミュウツーから告げられた言葉。
「超越者……いったい、誰のことなんだろう……?」
甜花はリュックサックを漁り、デビ太郎を取り出して抱きしめる。
(むきゅう……って抱きしめると、落ち着く……)
デビ太郎を抱きしめることで心の平穏を取り戻す。
だが、そのふわふわとした感触が届いていたのは、最初だけだった。
「…………」
腕が震えている。震えているが故に抱きしめる力が弱く、デビ太郎をしっかりと抱けていない。
(……ど、どうしよう……)
不安に思うのも無理はない。
この先、今までのように戦っていける自信が、甜花からなくなりつつあった。
(だって、あれは……
あれは────ポケモンバトルなんかじゃ、ない……っ)
昨日の戦いは、殺し合いだ。
簡単に他人の命を奪える銃。人を殺すつもりで命じられたアクアジェット。
それが、たとえ、自分を守る為だったとは言え────
(モリノさん……モリノさんは、甜花なんかを、守るために……)
────本気で彼女は、なんの躊躇いもなく。
(マチスを、──そうとした……)
自分が知る社野凛世は、そんなことしない。
でも、この世界のリンゼは違う。それは、この世界にいるほかの人たちもそう。
(この世界じゃ……“トレーナーはそうして当然”なんだ……)
悪の組織と戦う主人公。
甜花の知るポケットモンスターのストーリーは、あくまでポケモンバトルという勝敗のシステムに限定されていた。しかし、それはゲームでの話。
一旦それが現実となれば、悪の組織とは文字通り、手段を選ばず目的を遂行する、恐怖の集団に成り上がる。
(……ナパーム弾でも死なないポケモン……
インド象に踏まれても平気なポケモン……)
簡単に人なんか殺せるポケモンはたくさんいる。
悪い人に捕まって使役されるポケモンは、それだけで簡易的・驚異的な動物兵器になる。
「……──こんな……こんなポケモン……甜花……嫌だ……」
本音が口を衝いてこぼれる。
すぐそばに、そのポケモンたちがいることを忘れたまま。
「ろと……」
「──! あ、むーちゃん……」
また甜花を驚かせようと隠れていたのか、寝台の下からロトムが顔を出す。
しかし驚かせるタイミングを完全に逸したらしく、バツが悪そうに俯きながら出てきた。
その様子は甜花にとって、自分の失言で落ち込んでしまっているように見えた。
「! あ、あの……むーちゃん、今のは……」
「ロト? ロトロト!」
ケラケラと笑うロトム。
その楽しそうな表情を見た甜花は、すぐに杞憂と知る。
なによりロトムは、大崎甜花がこの世界の住人ではないことを知っている。彼女が危険な目に何度も遭い、精神的にかなり参っていることも承知している。だからこそ余計なことで気を揉んでほしくないと、ロトムは無邪気を装って笑い続ける。
「…………ありがとね、むーちゃん……?」
「ロトォ!」
その気遣いを察した甜花は、ふと入院着を着たまま、床に足を下ろす。
「ロト?」
「えっと……ちょっと、だけ……お外、行ってくるね……」
それだけ告げた甜花は、逃げるように病室を後にする。
「ロト……」
──ついて行こうと思ったが、ついて行けなかった。……いや、ついて行くのをやめた。きっと、今は、ちょっとだけ……ひとりで居たい気分なのだろう。
「ロト……!」
ならば、そっとしておいてやるのがいいポケモンというものだ。
──それはそうとして追いかける。
もし、また落ち込むようなことがあれば、後ろから脅かして、怖さなんて吹き飛ばしてやる。
「ロトォ! ロトロトォ!」
◇
病院の廊下は、たくさんの患者で賑わっていた。
その中をそそくさと歩く甜花は、一人になれそうな場所を探す。
「なぁ……お前、あれ見たか?」
「あれって何よ?」
「昨日から話題になってる、あのスピード少年のことだよ!」
「あぁ……七年前の再来と云われてる?」
「そう! やっぱり図鑑所有者ってすげぇよなぁ……。マサラタウンのオーキド博士からポケモン図鑑を貰った連中は11歳で旅に出て、最短三日、遅くても一年以内にはセキエイリーグを優勝しちまうんだから!」
「んで、今年の図鑑所有者は、たしかフシギダネ1匹でニビとハナダのジムを突破したのよね?」
「さらに足の速さも尋常じゃねぇんだ! ありゃあランニングシューズのおかげだぜ! 時速240キロで走るギャロップなんか目でもねぇ! あれはマジで人間やめた動きだったぜ……!」
「でも、たしかジグザグに走るのよね? まっすぐ走ればいいのに。変なの。なんだか不気味ね」
「バトル以外は寡黙でクール! 作業のようにジム戦をクリアし、並み居る四天王とチャンピオンを赤子の手をひねるように倒す! ヒュー! おれもああいう伝説を打ち立てたかったぜぇ!」
「私からすれば、キャタピー1匹でリーグを優勝した昔のトレーナーの方が信じられないけどね」
喧騒の中でも特に目立つ男女の会話。聞き耳を立てている訳ではないが、窓の外を眺めていた甜花の耳に会話の一部が入ってくる。
(何の話だろう……? 甜花のこと、じゃないよね……だって、フシギダネ、持ってないし……)
窓の外に見える景色は、整えられた芝生の庭。
入院している子供とポケモンが走り回り、車椅子の人が談話しながら日光浴している。
「あ、あそこ……あそこにしよう……!」
庭の端で、ひっそりと佇む緑の木立。その木陰でお昼寝したら、さぞ心地よいことだろう。そう思った甜花は、たたっと小走りして階段を駆け下りる。一階の廊下から開放感あふれる庭に出て、目当ての木立に背中をあずけ、横になる。
「にへへ……」
久しぶりのお昼寝である。
この世界に来てから数日。ろくに休憩を取った事がなかった。以前の自分からは考えられない事だが、きっと見知らぬ世界にただひとり残されたせいで、内心ひどく焦っていたのだろう。
「もう、甜花……だめ……おやすみ、なさぁい……ふわぁ……!」
大きな欠伸をした甜花は、数分前に起きたばかりだというのに、健やかなる眠りに就いた。
◇
……悪い夢を見ている。
「甜花さんっ! そろそろ次の街を目指しましょう!」
「え、もう……? でも、甜花……自信、ない……」
「だいじょーぶですっ! あたしとリンゼさんが付いています! だから安心して、一緒に旅をしましょう!」
手を引っ張ってくる。その手が、ひどく強引に感じられた。
「や……やめて……」
「? なんでですか? 早く次の街に行きましょうよ! だって、そうするべきですよ!」
「はい……カホさんの言う通りです……次の街はタマムシシティ。そこで三つ目のバッジを……」
ふと、勘付いた。
彼女たちは、甜花の知る旅の仲間ではない。
目のハイライトが消えている少女。
笑顔だけど、まったく笑っていない少女。
やけに人工的な……人であって、人ならざる気配。
「さぁ!」
「旅へ……」
強制されている。そう感じた。
大崎甜花は、この現実から早く脱却するべきだと、言われているように感じた。
(……て、甜花……)
「早く!」
「旅へ……」
有無を言わさず、有無を許さず、有無に関わらず。
『 貴様は この世界に 居るべきでは 無い 』
何か途方もない存在から、非情な勧告を受ける。
(でも、甜花……甜花……っ!)
怖い。この場から進みたくない。
『 それは許さない 疾く我が前に現れるべし さすれば望み通り 塵芥残さず葬ってやる 』
(え……? まさか、この声……超越者……?)
『 なればこそ よく覚えておけ 』
光に包まれる世界。
その先で、超越者と呼称するべき存在は────声なき声を、甜花に届ける。
『 我が名は この世の運営者 我が腕は千にあらず 廿五を救う四十でもない 』
(……?)
『 我は 貴様の持ち込んだ筐体によって 24分の1、あるいは2をすくい取る者』
(…………??)
『 どちらにせよ 我が神であることに変わりはない 』
(……──むずかしいこと言ってるけど、要はラスボス……?)
『 ……今は眠れ 後は歩け ただ 我は この世に混沌をもたらす異物を排除するのみ 』
────とどのつまり、大崎甜花を殺す。
最後にそう告げた超越者は、甜花が見ている夢への干渉を切り閉ざした。
◇
「────…………、……っ!?」
ハッとして目を覚ます。
不気味な夢を見た。
現実に引き戻された意識は、特に何の問題もない、平和な病院の庭園にある。
「夢……でも、あれは……」
──忠告。
そのように感じられた。
「……甜花。なるべく早くクリアしなきゃ、いけないのかな……?」
上の空で呟く。
木漏れ日の中、寝ぼけ眼でウトウトしてきた甜花は、その場でうたた寝を始める。
「…………────すぅ……」
「ゴンッ!」
「ひゃうっ!?」
だが突然、ゴンベの鳴き声に起こされた。
「あ、ゴンベ……どうしたの……?」
「ゴン! ゴンゴン!」
何かを喋っているようだが、甜花には何を言っているのかてんで分からない。
ゴンベの方も、自分の話している内容が甜花には伝わらないことは承知の上で口を動かしている。
「ゴンゴン。ゴンッ!」
「……えっと……お話は、終わり……?」
「……ゴン!」
(……何を、言いたかったんだろう……?)
何か伝えたい事があるなら、喜怒哀楽の態度で示したり、絵を描くなり、ジェスチャーなりすればいい。そうすれば、少しは言いたいことが分かるだろう。だがゴンベは真顔で、ただただ鳴き続けた。何かを伝えたいという意思さえ感じられず、ただ言いたい事をひとしきり言いまくって、勝手にひとりで満足しているように思えた。
「ごぉん……」
それからゴンベは甜花の傍らに座り、木立に背中を預けてお昼寝する。
その自由奔放ぶりを眺めていた甜花は、まさか……と疑いを持った。
「……もしかして、今のって……甜花への、愚痴……?」
「ゴン!」
即座にゴンベは頷いた。ならば、そういう事なのだろう。
(ど、どんな愚痴を言われたんだろう……?)
「えっと……甜花……ダメダメで、ごめんね……?」
「…………」
ゴンベは何も応えない。さらに狸寝入りを決め込んだのか、耳は立てているくせに、わざとらしいイビキをかく。
「…………」
「…………」
無言の時間。気まずい空気……のはずだが、不思議と甜花はリラックスしていた。
気付けばまぶたを下ろし、浅い眠りに就く。
「…………」
その寝顔を確かめたゴンベは、自分も眠りに就こうと怠惰な姿勢でくつろいだ。
◇
『────。────…………』
ざわざわ、ざわざわ。
何やら庭が騒がしい。
(……んぅ……?)
人々の喧しさに目を覚ました甜花は、同時に太陽の眩しさを遮る影が全身に落ちている事を知る。
(誰かが……甜花の前に、立ってる……?)
「ゴン! ゴンゴンッ!」
急かすようなゴンベの声が聞こえてくる。だが、特に緊急の様子はないため、甜花は自分のペースで起き上がり、ゆっくりと目をこする。
「んぅ……ふわぁぁ~……!」
「ごぉ~~~~ん~~~~!」
──早く起きろよ……。
そんな呆れるような声色で、ゴンベは急かす。
「な、なに……?」
完璧に目を覚ます。
それから甜花の瞳に映ったのは、見覚えのある一人の少年だった。
「────ぁ……」
赤い帽子、赤い服、水色のズボン、黄色いリュックサック。
その装いは、まさに────
「主人公……? でも、だれ……?」
────このゲームの
「ゴンッ!」
刹那、甜花が起きるまで微動だにしなかった少年が動き出し、モンスターボールを構える。その所作が何を意味しているのか理解したゴンベは、これからのポケモンバトルに備えて、腰を低く落とした。
「『プロデューが
勝負を仕掛けてきた!』」
「──!?」
突然、誰に向かって発言したのか。
トレーナーと思われる少年はプロデューという名前なのか。
「『プロデューは
フシギダネを くりだした!』」
「フッシィイイイイ!」
御三家の一匹を繰り出して、戦う気満々のゴンベと対峙した。
「えっ! ……えぇぇぇぇ!?」
(な、なんで……いきなり、バトル……? そ、それに、プロデューって……)
起きたばかりで頭が働かない甜花は、ぼのぼの汗を流して硬直する。
「ゴンッ!」
──さぁ来い! と言いたげに両手の拳を叩き合わせるゴンベは、これからのバトルを楽しみにする。
しかし、勝負を挑んできたプロデューという少年は、
「『たたかう ポケモン にげる』」
そう口にしてからというものの、一切の行動の素振りを見せなかった。
(……?)
「ごん……?」
バトルするのではなかったのか。
プロデューという少年の行動。その意図が分からない甜花とゴンベは、共に首をかしげる。
「……ゴン?」
その時、ゴンベがあることに気付く。
それはフシギダネが咥えている道具。見るからに手紙のようで、どこかフシギダネは手紙を受け取ってほしそうな顔で甜花とゴンベを見つめている。
その意思を汲んだゴンベは、フシギダネの口から手紙をぶん取り、きびすを返して甜花に届けた。
「ゴン! ゴン?」
「え? 手紙……? なんで……?」
「ゴンッ!」
──とにかく開いてみたらどうだ。
そんな主張を感じ取った甜花は、ゴンベの言う通り、手紙の封を切る。
「……あ、これ、レトロメールだ……」
赤い縁。タイル柄のベージュ色に三行・三単語の文字が記されている。下部分の余白にはフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメの顔のマークがあり、その右に『プロデューより』としたためられていた。
「────っ……!」
その手紙を読んだ甜花は、ハッとして顔を上げ、目の前の少年を見つめる。
「そ、そんな……まさか……っ!」
レトロメールに書かれていた内容は、実際のゲームでも記入できる三行の記述。
『あなたは だれ !?
アイドル グループ なに
たいかい かって こい!』
「……ぷ、プロデュー、サー……さん……?」
「『』」
答えはない。
だが、甜花は確信した。
「プロデューサー、さん……!」
きっと、目の前にいる主人公をコントローラーで操作している人物は、プロデューサーにほかならない。
おそらく現実世界で失踪した甜花のことを心配して、色々と調べているうちに、プロデューサーは『大崎甜花がゲームの世界に入った』事実を突き止め、半信半疑ながら、このような手紙を渡してきたのだと、甜花は悟る。
「『』」
何も言わず、佇む主人公。
しかし、その瞳の奥では、答えを待っているプロデューサーの顔が映っているように見えた。
「──……ぐすっ。ひくっ……
…………て、甜花……甜花は……っ!!」
ぽろぽろと涙を落とす甜花は膝を濡らしながら、まず一文目の『疑問』に答えるため自己紹介をする。
「お、大崎甜花……でしゅ!」
噛んだものの、言い直す余裕なんてない。
涙で視界がぼやける。
その先に立つ少年の体が、ところどころ黒い四角形で侵されているように見えたから。
(──きっと、これは……夢なんだ。
なら、起きる前に、ちゃんと……『甜花は無事です』って、伝えなきゃ……っ!)
袖で涙を拭う甜花は、続く二文目の『確認』に答える。
「し、所属は……グループ名は……283プロの、アルストロメリア……!」
そして、最後の『激励』に答えるため、大崎甜花は力強く声を張る。
「だから……大崎甜花は、無事、です……っ! だから……だから……っ!
────ぷ、プロデューサーさん……! 甜花、頑張る、から……元の世界に帰れるように……頑張るから……!
っ……だから────甜花が、WINGの時のように優勝するの……見てて、くだしゃい……っ!」
嗚咽をこらえて、噛みまくりながら、プロデューサーからの激励に応えた。
「……──っ!」
そして前を見上げれば、少年の姿は消えていた。
彼の手持ちであるフシギダネも消えており、周囲の喧騒も静まり返っている。
「ゴン……!?」
しかしゴンベだけは、“突然目の前で人が消失し、それに自分と甜花以外誰も気がつかない”現象を、しっかりとその目で捉えていた。
「……………………っ!」
「ご、ゴン……?」
肩を震わせて、大泣きするほどの号泣。それでも泣き声はこらえているのか、小さい嗚咽だけが聞こえてくる。そして彼女の手元に残された一通のレトロメールは、クシャクシャに握り締められ、涙で濡れて文字がかすれてしまっているが……それでも“消えない痕跡“として、甜花は大切に抱きしめる。
「ごん……」
一方、今にも崩れ落ちそうな甜花を目にしては、さすがのゴンベも心配になる。そのため、どうにかして彼女を元気づけようと考えた結果……俯くゴンベは、ただ彼女のそばに寄り添うことを選んだ。
「…………────っ!」
「ごんっ!?」
不意に、強く抱き寄せられた。
それに驚くゴンベは、いつもなら怒って引きはがすところだが────
「……ごん……」
────今回だけは特別に許してやろうと、ゴンベはぬいぐるみになりきることを良しとした。
◇
──いい夢を見ている。
「でもな、甜花の諦めない気持ちは、最初からあったんだよ」
「今まで、怖くて心の中にしまいこんじゃっていたけど、本当は初めから、甜花は諦めない強さを持っていたんだ」
「甜花が頑張れると思ったから、俺は助けたんだ。甜花は強い子だからな」
「あぁ。何度転んでも立ち上がるなんて、強くなくちゃできないことなんだ」
────……そう言われて、とても嬉しかった。今までにないくらい、綺麗な思い出。
その思い出は、いつも甜花を見守っていてくれる……頼もしい人の、優しい言葉の数々。
「────うん。……甜花、頑張るから……任せて……!」
「はは。……だからって、あまり調子に乗るなよ?」
「う、うん……それは、気をつける……。……──にへへ……!」
夢の中で会話する。
あの人の顔を思い出して、あの人の性格を思い出して。
今日の甜花はぐっすりと寝て、明日の甜花は、明日から頑張ることにしました。
「にへへ……! プロデューサーさん……
────甜花、頑張るから……っ!」