大崎甜花が旅するポケットモンスターの世界+α 作:形のない者
第一部 ポケモンリーグ編 セキエイ高原の章 ~Region Pokemon Battle~
大崎甜花は激闘の末、カントーの四天王とチャンピオン・グリーンを倒して優勝した。さらにエキシビションマッチとして、オーキド博士&キクコVS大崎甜花&チャンピオン・レッドというタッグバトルも開催。主にレッドが無双して勝利した。
かくして大崎甜花は見事、殿堂入りを果たし、機械にその証を入力した。が────大崎甜花の景色は変わらない。となりにはロトムのむーちゃんやゴンベが立っている。
これはどういうことか。オーキド博士に聞きに行く。
オーキド博士は、ひさしぶりに汗を流したと言って、キクコと話していた。大崎甜花が来ると、キクコは去っていく。オーキド博士は、大崎甜花が現れたことの意味を察していた。リーグに優勝してゲームをクリアしたはずなのに、元の世界に戻れない。そうなると、もしかしたら────
「図鑑、完成させなきゃ、ダメ……?」
「さて……わしにもわからん……残念じゃが、可能性のあるものは全て試してみないことにはの……」
大崎甜花はしゅんとする。もしかしたら自分は、ずっとこの世界で暮らすことになるのかもしれないと。しかし諦めるのは、まだ早い。コミヤカホが興奮した様子でやってくる。
「甜花さん聞いてください! ワールドポケモンマスターズが、いよいよパシオ島で開催されるようなんですッ! 行きましょう!! そこで世界最強を決めるんですっ!! そこで本当のナンバーワンになれれば、甜花さんも元の世界に帰れるかもしれません!!」
「カホちゃん……」
ならばと大崎甜花は、WPMに出場することを決意した。
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第一部 WPM&チャンピオンリーグ編 マリィ&リーリエの章 ~New Girls~
大崎甜花は、コミヤカホやモリノリンゼとトリオを組んで、WPMを勝ち抜いていた。
しかし、常に同じチームで戦えるわけではない。大会のルールとして、別のチームと混合して勝ち抜き争いをする場合もある。そのために大崎甜花一行は、新たな仲間探しを強いられた。
そこで大崎甜花は、マリィやリーリエと出会う。ふたりもチームを組んでいたが、あとひとり見つからないということで、快く大崎甜花たちと同じチームになることを受け入れてくれた。しかし、それでは三人と二人のチームとなる。もし決勝まで上がれば、マリィとリーリエは一人足りないことで参加条件が満たせない。ならばとリーリエとモリノリンゼが辞退する。世界最強を目指しているトレーナーは、大崎甜花・コミヤカホ・マリィ。一応、モリノリンゼも目指しているが、大崎甜花のために余計な不和は生み出したくない。リーリエはそもそも目指しておらず、人探しのためにパシオ島に来ていた。そのため最終的には、大崎甜花・コミヤカホ・マリイの三人で、世界最強を争うことになるようだ。
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第一部 WPM&チャンピオンリーグ編 ダークテンカの章 ~OSAKI Tenka&aMANA~
大崎甜花は順調にWPMを勝ち上がる中で、不思議な噂を聞いた。それは大崎甜花とそっくりの人物が、パシオ島のどこかにいるという噂である。もしかしたらその人物こそオオサキテンカなのかもしれない。レオによれば闇堕ちしていてダークテンカといって差し支えない性格をしているというが、とにかく会ってみなければ分からない。もしかしたら元の世界に帰る方法を、知っていないだろうけど、それこそ会ってみなければわからない。
「レッツゴー、甜花!」
大崎甜花と瓜二つの人物。その情報を集めてパシオ島を巡る。そして大崎甜花は、ようやく会えた。見覚えのある後ろ姿。予想とは違っていたが、どうしても会いたかった姿でもある。
「なーちゃん……」
「……? えっ!? もしかして、テンカちゃん!?」
やはり大崎甘奈のようで、大崎甘奈ではない。彼女はオオサキアマナだ。
それでも大崎甜花は、つい泣き出してしまう。ぎゅっと抱きしめて、しばらくしたら泣き疲れて眠ってしまった。
やがて大崎甜花は目を覚ます。オオサキアマナに看病されていた。そしてアマナは、大崎甜花がオオサキテンカではないことを見抜いていた。甜花は説明する。自分は現実世界からゲームの世界に来てしまったことを。
「あ、でも……! ゲームだからって、偽物とか、そういうのじゃ、ないから……! 甜花、みんな、大好き……!」
「──……ふふっ。うん! わかってるよ、甜花ちゃん!」
アマナは全幅の信頼をおいて、大崎甜花の話を信じてくれた。そしてアマナも、ダークテンカがパシオ島にいるという噂を聞いて、ここにやってきたとのこと。ならば一緒に探そう。
大崎甜花とアマナは、ダークテンカの最後の目撃情報を頼りに、シロガネ山に酷似した山道を登っていく。そして山の頂上で、ついに────大崎甜花とダークテンカが、遭遇した。
大崎甜花は息を飲む。暗い顔。鋭い目つき。人殺しの目だ。本当に自分が闇落ちしたかのような表情をしている。怖い顔立ちだ。自分と顔がそっくりなのが、余計に怖い。自分が絶対にしない表情をしている。
そしてアマナは必死に語りかける。いきなり家を出ていって、連絡の一つもなしに、いったいどうしてしまったのかと。
ふいにダークテンカは、ダークボールを取り出す。大崎甜花は臨戦態勢を取った。
「────ナーちゃん。危ないから、下がってて……」
「! う、うん……」
やはりポケモンバトルか。トレーナーなら、バトルで意思疎通を図る。そんな戦闘民族じゃないんだから、と大崎甜花は思うが……郷に入っては郷に従え。もはや慣れた。先ほど取った臨戦態勢も、既にクセになっている。大崎甜花は、既に一人前の戦士として成長していた。
バトル開始。ダークテンカは六匹同時に繰り出す。
「えっ……!?」
大崎甜花は直感した。まさかの六匹同時バトルか。ダークテンカは一言も発していないのに、彼女の手持ちは何をするのか分かっているのか、ダークテンカの指差し一つで攻撃を繰り出す。フシギバナのつるのむちが千本。さながら千手観音の如し猛打。千手柱間の忍術を想起させる怒濤の攻撃は、つるのむち一本一本がハードプラント級だった。その千手つるのむちを、ダークストーンを飲み込んだゼクロム級ダイゴンベが電撃で焼ききっていく。カメックスのコジマ粒子級ハイドロカノンを雷撃で相殺。リザードンのブラストバーンもクロスサンダーで対抗する。ほかにもダークテンカは、エーフィーやラプラス、カビゴンを手持ちに加えていた。ロトム、チルット、ガンリュード、レオが対抗する。
激闘の末、大崎甜花が勝利した。ダークテンカは無言のままポケモンをボールにしまう。六個のげんきのかたまりで全快。そのままどこかへ去ろうとした。大崎甜花とアマナが呼び止める。そしてロトムのむーちゃんとレオが、ダークテンカの行く手を阻んだ。
なぜ自分たちを捨てたのか。逃がしたのか。ダークテンカは答えた。
「もう……誰にも死んでほしくなかった」
それは、かつて大崎甜花が放った言葉と同じものだった。シルフカンパニーでメロエッタとラルトスのすーちゃんを喪った時のこと。その時レオがしっぽではたいてきて目を覚ました。そして直感する。もしかしたらあの時のしっぽビンタは、ダークテンカに捨てられた際、レオが出来なかったことだったのかもしれない。
そしてレオは、かつて大崎甜花にしたのと同じように、アイアンテールでダークテンカの顔面をひっぱたいた。そして泣きながら叱り飛ばす。
「くだらねぇことで悩みやがって! だからロケット団が悪さしてる時も姿を現さなかったのか! じゃあなんだ!? 今お前が持ってる六匹のポケモンは死んでもいいってことか!? 違うだろ! 仲間なら、友達なら、信じろよ!」
かつてダークテンカは、グリーンと共にロケット団と戦って、そこで相棒のポケモンを喪った過去があるらしい。ダークテンカは、どんな相棒を連れていたのだろう。グリーンは、ラッタに違いない。そこでダークテンカは、今のポケモンを全て捨て、ゼロから旅を始めたそうな。
「……テンカちゃん。辛かったよね……でも、ひとりで背負わないで……アマナも、一緒に背負いたいから……!」
アマナはダークテンカに寄り添う。そこで初めてダークテンカは、オオサキテンカとしてひと粒の涙をこぼした。疾うに枯れたはずの涙がこぼれた。
その時、大崎甜花の腹の虫が鳴る。レオの眉間がぴくりと反応し、相変わらず空気を読まない大崎甜花の腹に軽くしっぽビンタを食らわす。
「ひぃん! ごめんなさい……! でも甜花は悪くない……話が長いのが悪い……もう夕方……お昼あんま食べてないし……そろそろ夜ご飯が食べたい……」
「こんの……こういうところは、本当に同一人物だよな……あぁもう帰って飯食うぞ甜バカども! どいつもこいつもひとりじゃなんもできねえくせに、ひとりで背負い込みやがって……! あームカつくぜ!!」
そう言いつつレオは、大崎甜花とダークテンカの首根っこを引っつかみ、ずるずるとポケセンに引っ張っていく。どうやら説教はまだまだ終わらない様子。
一方のアマナは微笑んでいた。ダークテンカはピカチュウのレオと旅をしている間、ほとんどの家事をレオたちポケモンに任せていたと聞く。つまり、あの頃の……いつも通りの日々が、ダークテンカに戻ってきたということだ。
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第一部 WPM&チャンピオンリーグ編 世界王者決定戦の章 ~World Pokemon Battle~
大崎甜花&コミヤカホ&マリィVSサトシ&ダンデ&ダークテンカ。
バトルフィールドには、ゴンベ&ガーディのマメマル&モルペコVSピカチュウ&リザードン&ロトムのむーちゃんがそろい踏み。実は大崎甜花は、ダークテンカにロトムのむーちゃんとレオを返そうと思っていた。しかしロトムとレオは、大崎甜花の手持ちのままでもいいと返す。それでも久しぶりにバトルしたいのでは? そんな大崎甜花の計らいによって、ダークテンカとむーちゃんの懐かしいタッグが実現した。それにゴンベのひと押しもある。ゴンベはロトムをライバルとして認めていた。ロトムもゴンベにリベンジを果たしたいと思っていたので僥倖のことだった。
世界最強を決めるトリオバトル、開始。
ゴンベは様々な石を食べることで状況に対応していき、全てを圧倒。ピカチュウとの雷速勝負で互角に渡り合いながら、ロトムとも殴り合い、圧倒的な力を見せつけていく。
マメマルとリザードンの神速勝負。フレアドライブが激突してフィールドが爆散する。
モルペコはひたすらフォローに回り、チームとしての戦術を強化。
サトシとダンデとダークテンカは、それぞれ我が強すぎる。単独では最強だが、揃ったからといって力押し一辺倒には変わりない。無論、WPMの戦いの中で、少しずつ集団戦闘の合理を学んでいるため、トリプルバトルは素人ではない。それでも大人数バトルにおいては、大崎甜花やコミヤカホの側に一日の長がある。
それでも個体のレベルが次元違い過ぎた。最初にモルペコが倒れて、次にマメマルが倒れる。弱っていたリザードンが倒れて、ロトムが倒れる。最後はゴンベとピカチュウの一騎打ち。
「ピカチュウ!
「ゴンベ! さらさらの砂で、まっすぐ行ってぶっ飛ばせ────っ!!」
ゴンベはさらさらの砂を食べてじめんタイプに変化。電気技を大軽減。その上で頭突きを繰り出す。
黄金電撃と白銀突撃の激突。咆哮からの爆発。爆風がパシオ島を薙ぎ払い、バトルフィールドが完全に崩壊する。その中で立っていたのは────
「────ゴンベ、戦闘不能! ピカチュウの勝利! よって勝者! マサラタウンのサトシ選手チーム!!」
大崎甜花チームは敗北した。惜しくも世界二位の称号を得る。
「────甜花……負けちゃった……」
もし、ここで優勝できていたら、元の世界に帰れていたのだろうか? わからない。どうすれば元の世界に帰れるのか、アルセウスは教えてくれなかった。というより戦いの最中、アルセウスも分からないと言っていた。だから殺しに来たのだ。帰す方法があるなら、とっくに帰していたに違いない。
やはり全国図鑑を揃えなければならないのだろうか。それは一生を費やささないと無理そうだ。ジョイステーションはオンラインに接続されている。新しいポケモンゲームが発売されれば、そのたび新種のポケモンが増える。次のポケモンが発売されるまでの間に図鑑完成ができなければ、また別の地方に旅立つ必要がある。
そして大崎甜花のスマホに、見知らぬ情報が流れた。それはこの世界のニュース速報ではなく、ジョイステーションの通知がポップアップされていた。
《新作ゲームが発売されました。ポケットモンスター・スカーレット/バイオレットを自動的にインストールします》
どうやら懸念していたことが、さっそく起きてしまったようだ。そんなゲーム、大崎甜花は知らない。現実世界に居たら、今ごろそのゲームを買いに行って、一週間くらいでクリアして、また別のゲームを遊んでいたことだろう。
「……甜花、この世界で、おばあちゃんになっちゃうのかなぁ……」
かくしてWPMは、大盛り上がりのうちに終了した。
とりあえず大崎甜花は飛空船に乗って、カントー地方のマサラタウンに帰ることにする。ダークテンカの家のベッドを借りて眠るのだ。また、どうやらパシオ島に大きな嵐が近づいているようだが、飛空船の運行には問題がないらしい。ならば早く帰って休みたい。
そして、また旅に出るのだ。
元の世界に、必ず帰るために。
【第一部 ポケモンリーグ編 セキエイ高原の章 ~Region Pokemon Battle~】
『』準備
『』予選Aブロック
『』四天王カンナ
『』四天王シバ
『』四天王キクコ
『』四天王ワタル
『』チャンピオン・グリーン。殿堂入り
『』後日談。WPMへ。
【第一部 WPM&チャンピオンリーグ編 マリィ&リーリエの章 ~New Girls~】
【第一部 WPM&チャンピオンリーグ編 ダークテンカの章 ~OSAKI Tenka&aMANA~】
『オオサキアマナ!? ナーちゃんとの出会い!!』
『VSダークテンカ! 堕天使を打ち上げる刻!!』
【第一部 WPM&チャンピオンリーグ編 世界王者決定戦の章 ~World Pokemon Battle~】
『大崎甜花VSサトシ! 世界最強はどっちだ!!』