マイマイダンジョン〜転生して魔力極振りチート魔導士になった俺は現代知識で世界を救う〜   作:我島甲太郎

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第161話 赤ちゃんプレイ(母乳オプション有り)

 ああ、なんということだ。

 この世の楽園はここにあった。

 

「君は、本当に度し難いな……」

 

 俺はラウンジのソファでアザゼルに膝枕されながら、彼の右おっぱいに吸い付いていた。

 

 お目目の上に左おっぱいがたぽんと乗って、何も前が見えない。

 見えないのが、なおよい……。

 

「もう、やめないか……んっ……」

 

 強く吸うとお口の中に(あふ)れる母乳。

 天使のおっぱい、おいちいよ~。

 

「な、な、な……何をしておるんじゃああああああ!!!」

 

 アンバーの大きな叫び声がホテルのラウンジに木霊(こだま)した。

 どうやらお風呂から帰ってきたらしい。

 

 俺は乳首からチュポンと口を離すと、顔をアンバーの声がした方に向けた。

 顔に乗っていたおっぱいがズレて、また柔らかな感触が伝わった。

 

「見て分かるだろ。赤ちゃんプレイをしているんだよ」

「そういうことを聞いておるのではない! なぜアザゼルとそのようなことをしているのか聞いておるのじゃ!」

 

 パジャマ姿の彼女は恋人の浮気に怒り心頭のご様子。

 お風呂上がりで火照ったほっぺがさらに赤くなっている。

 

「なぜ? おっぱいを求めるのに理由が必要なのか。それは誰にも分からない……」

「たわけめ! お仕置きをして欲しいならそうと言えばよい!」

 

 アンバーは悟りを開きつつある俺を強引にアザゼルの膝から奪い取って脇に抱えた。

 くるりと背を向けたアンバーにアザゼルが右手を差し出す。

 

「お代」

「お代、じゃと……?」

 

 俺はアンバーの脇に抱えられたままポーチをゴソゴソして化粧箱を取り出すと、中に入っているミスリルの首飾りを二つ、それと先ほど作ったミスリルの球体を手に乗せてアザゼルの方に差し出した。

 

「どうぞ」

 

 それらはふわふわっと空中を飛んでアザゼルの手に渡った。

 

「毎度あり」

 

 ぱふぱふに赤ちゃんプレイ。

 母乳のオプション料金込み込みである。

 

「またお願いできますか?」

「次に会う時には私は錬金術スキルをマスターしているだろう。望むならば別のものを用意し(たま)え。できるものなら、だがな」

「考えておきます。アンバー、もういいよ」

「お主らのやり取りを見ているだけでアホらしくなって、怒る気も失せたわい……」

 

 どうやらお仕置きは回避できたようだ。

 ほっと安堵していたら、アンバーが脇に抱えていた俺を床に落とした。

 

「いてっ」

「わしはもう寝る。お主は一人で風呂にでも入ってくるがよい」

 

 アンバーはそう吐き捨てると、床から起き上がった俺を無視して2階の客室に続く階段に向かって去っていった。

 

「アザゼルさん」

「今日は店仕舞いだ」

 

 まろび出た乳房を仕舞っているアザゼルに素っ気なく返された俺は、肩を落としながらトボトボと浴場に歩いていったのだった。

 

 

 翌朝、ラファエルお手製のモーニングセットを頂いた俺達は、お土産のサンドイッチが入った四角い(かご)を手にホテルの玄関前に立っていた。

 

「とても有意義な一日になりました。ラファエルさん、本当にありがとうございました」

「このホテルで過ごした一夜は忘れられぬ思い出となったぞ。色々な意味でのう」

「ご飯超美味かったにゃ! リピート確定にゃ!」

「ふふふ、喜んで頂けて何よりです。さあ、外までお見送り致しましょう」

 

 探索者服の上から防寒着を着た俺達は、念動スキルでスマートに扉を開いたラファエルに続いてホテルの外に出た。

 山頂の冷たい風がひゅるりと頬を()でる。

 

 すぐ目の前にある大きなダンジョンゲートを囲っているコの字型のホテルの内側には、昨日までなかった金属製の外階段ができていた。

 

「こちらです」

 

 ラファエルに続いて手すりの付いたオシャンティーな階段を(のぼ)ると、俺達はすぐにホテルの屋上に出た。

 昨日までは三角屋根だったのに、屋上は完全に真っ平らになっている。

 

「どうでしょうか。飛行機の発着場として利用できそうですか?」

「余裕も余裕にゃ。これなら5台はイけるにゃ」

「お気に召して頂けたなら(さいわ)いです」

 

 ホバークラフト機構の搭載された飛行機なら、ヘリポートくらいの広さのスペースがあれば停めることができる。

 もっとも、それは器用さの高いパイロットが操縦する限りの話だが。

 

「全然音がしませんでしたけど、どうやって一晩でここまで改装したんですか?」

「家賃を払わない食事も取らない、役立たずの居候に仕事をさせました」

 

 料理人のラファエルに取っては後者の方が大事なのだろうな。

 張り付いたような笑顔が怖いです。

 

「では、ゆくとするかのう。ミュールよ、飛行機を出すのじゃ」

「いでよ、忍者ハヤテ号!」

 

 ミュールが腕を前に出すと、和風なカラーリングのプロペラ飛行機がドスンと屋上に現れた。

 

 そそくさと飛行機に乗り込んだ俺達は小さく手を振るラファエルに見送られながら屋上から飛び立った。

 

 ヘルモン山脈の山頂に建つグレゴリーホテルの周囲を飛行機でぐるりと回ると、3階の窓枠に座っていたアザゼルがこちらにチラリと目を向けた。

 

 彼が手のひらを上に向けると虚空に小さな金属片が現れる。

 青い光を放って色を変えた金属片を指先に挟んだアザゼルはそれをフリフリと横に振った。

 

 ミュールが西に操縦桿の舵を切ると、俺達の乗る飛行機は天使の隠れ家に背を向けて、雲の流れる青空を勢いよく飛び去っていったのだった。

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