マイマイダンジョン〜転生して魔力極振りチート魔導士になった俺は現代知識で世界を救う〜 作:我島甲太郎
前ギルドマスターのサマエルはこの世界で最も読心術スキルに
それはすなわち、読心術スキルの対抗策にも
「—―2525年4月11日、アクアマリンを襲ったギガンティックタイタンを討伐、緊急クエストの達成。2525年4月22日、Aランク迷宮アクアマリン一層、
かつて探索者ギルドに潜んでいた月光教徒の狩り出しが思うように行かなかったのも、読心術スキルの対を成す閉心術スキルの存在を証明していた。
「—―2525年6月8日、ジャスティンにてXランク探索者ガルム以下33名を捕縛、人質の救出に成功。後日、ノル王家より感謝状を受け取る—―」
手っ取り早く外部からの魔力干渉を意識的に弾くくらいのことは誰でもできるが、そうしたらやましいことがあると言っているようなものだしな。
「—―2525年7月15日、ユーストにてブルーノに対し再生スキルを用いた無免許の医療行為を行う。2525年7月16日、ユースト近海で2頭のシーサーペントを討伐、緊急クエストの達成—―」
見せる情報と秘匿する情報を取捨選択するなんて、それこそ特別な訓練が必要だ。
「—―2525年7月28日、ギザード・イーラを伴いAランク迷宮イーラを踏破、指名クエストの達成—―」
まぁ、その辺りの秘匿されたスキルの扱いについては裏の諜報に関わる人間くらいしか知らないだろう。
「—―2525年12月30日、エクレア・アクアマリンを伴いAランク迷宮アクアマリンを踏破、指名クエストの達成—―」
迷宮都市イクリプスの天空神殿、探索者ギルド本部の中枢にある審問室。
そこでは俺が積み上げてきた功績、重ねた罪、来歴から習得スキルに至るまで、その全てが審問官ラジエルの心眼によって看破され、白日の下に晒されていた。
「—―2527年3月8日、アクアマリンにてXランク探索者バイロン以下5名を討伐するも未申告—―」
個人情報を探索者ギルドに納めるのは心理的に強い抵抗があるが、Aランク探索者にはそれだけの見返りがあるのだ。
「—―2527年3月27日、テバールにてビーバー、シルキー・カーン両名に対して再生スキルを用いた医療行為を行う。2527年3月28日、フライス航空へカーン族に飛行機10機の供与を指示する手紙を送り、後のルメー統一戦争の引き金を引く――」
具体的な例をいくつか挙げると、魔石の買い取り額が上がり、銀行の融資上限の桁が増え、病院で高度な医療を無償で受けられるようになる。
引退後の再就職は更に有利になるし、社会的地位もBランク探索者の比ではない。
「—―2527年3月30日、最上級天使ユニエルを伴いAランク迷宮ヘルズゲートを踏破するも直後にダンジョンスタンピードが発生、指名クエストの失敗—―」
そして付与される数々の特権の中でも、肉体を若々しい全盛期の状態に保つ天使の秘術は特に人気を
ざっくり言うと、細胞のテロメアを伸ばす医療スキルだな。
「—―2527年~2537年、次元の
探索者ギルドとしてはいざという時に動かせる優秀な駒を強い状態で保持したいという思惑があるようだが、現実はほとんどが女性の美容整形目的で利用されている。
「—―2538年4月9日、魔道学院魔道工学科教授アイリスより錬金術スキルの禁術指定勧告を受ける。2538年7月2日に魔道学院を訪れ、特定魔道技術資格を取得するまでこれを堅守する――」
魂が寿命を迎えるまで永遠に続く美を手に入れることができるのだから当然だ。
それだけで探索者ギルドに魂を捧げるだけの価値があると言えるだろう。
「—―2538年7月17日、メリーベル・ネフライトを伴いダンジョンW442-Aを踏破、指名クエストの達成—―」
俺は自分でどうとでもできるから別に要らないけどさ。
「—―護衛クエストの達成1、指名クエストの達成5、失敗1、緊急クエストの達成2、救援要請の遂行9、Xランクの討伐38、魔石の総売却額2309万メル。以上で、審問官ラジエルによる審問を終了とさせて頂きます」
ラジエルが閉じていた
「補足事項が一つ。ハルト・ミズノは2538年4月18日に最上級天使ユニエルより採種を受けております」
な、なんだと。
やはりあの日、おっぱいで窒息して気絶した俺はユニエルにナニカをされていたようだ……。
『この男を我々の血統図に組み入れる価値があると?』
「魔力量は申し分なく、遺伝的多様性を保持する観点においても十分なものかと存じ上げます」
『なるほど、なるほど……次の定例会議の議題に乗せましょう』
それって要するに、冷凍保存した俺の種を使って高魔力の天使を量産するって意味だよね?
本人の意思とか、少しくらい考えて欲しい。
『さて、探索者ハルト・ミズノのAランク昇格試験の審査結果についてですが……』
メタトロンは姿勢を正すと、本題に移った。
『合格です。そもそも、中級医師免許を交付した時点で問題ないと分かっていたことですけどね』
それはそうでしょうね。
免許証を受け取る前、1時間くらい術式だらけの怪しい小部屋で待たされたもん。
あれ絶対、どこかで審問官が心の中を覗いていただろ。
「探索者ハルト・ミズノ、ギルドカードを前へ」
委員長っぽい容姿をした進行役の天使に
「はい」
懐から取り出したギルドカードを手すりにあるギルドカード置き場っぽい場所に置くと、メタトロンは画面越しにスッと指先を動かした。
浮かび上がったステータスには、きちんとランクAと表示されている。
「退出して結構です。次は探索者ミュールの審問を行います」
「ありがとうございました」
俺がぺこりと頭を下げるとメタトロンは笑顔で手を振って、それからブツリとモニターの電源が落ちた。
忘れずギルドカードを手に取って、俺はくるりと背を向ける。
ちょっとだけ開いた大扉の隙間を通って審問室を出ると、俺に気付いたアンバーがジャイアントサイズのソファからぴょんと飛び降りて駆け寄ってきた。
その脇には読んでいる途中だろう、分厚い本が抱えられている。
「ハルト、どうじゃった?」
「もちろん合格さ。すぐにミュールを起こさないとね」
「あちしはちゃんと起きているにゃ」
上から声が聞こえたのでビクッとして見上げると、何故かミュールが天井にへばりついていた。
「なんで……?」
「今日はそういう気分だったのにゃ」
シュタッと下に降り立ったミュールはポリポリとお尻を