え?競走馬に転生?やってやろうじゃねぇか、この野郎!目指せ!ニジンスキーⅢ 作:INUv3
出来れば今話で2歳戦を終わらせたいね。
今回も駄目だったよ
と言うか資料が少な過ぎたり調教師の
名前は有るが所属が何処なのかや
どこで生産なのかとか調べるのに時間が…
それとコレ、リスニング力問題じゃな?
どうも函館3歳ステークスを父を彷彿とさせる
先行策により見事に優勝を果たした私です。
いや〜、初ダートはとてもきつかったですね!
ストライドでは脚が持ってかれるわ
ピッチではぬかるんでぶっ刺さるわで力がね…
それにしても大岳くんの指示に従いながらの
レースは…こう…気持ちよかったです。
いや、確かに自身の身体能力を見せ付ける如き
鬼神の大逃げも気持ちよかったんだけどさ
スムーズに進路を取って貰えて走れるのは
ビックリするくらい楽なんだよね。
もう大岳くんとは呼ばん、大岳さん
いや、隆さんだね!弟さんが居るからね
そんな私ですが、今は検疫の為に競馬学校にて
のんびりと過ごしている、理由はイギリスにある
ニューマーケット競馬場で10月14日に開催される2歳戦
デューハーストステークスへの出走招待が届いたからだ
と言うか、招待自体は何故か新馬戦勝利後から届いてた
理由は多分、イギリスが誇るダービー馬とオークス馬の
息子を日本で走らせるのは勿体ないと言う事に加えて
私が世界レコードを記録した様が父であり既に亡くなった
ニジンスキーの面影を強く感じたからだろうか?
まぁ、目指せイギリスしてたから良かったんだけどさ
とは言え、前走から中19日でイギリスに向かい走るという
ハードワークが目の前に迫って来ている事実の方がやべぇ
ほぼ休み無しで現地入り後僅か10日程度で出走だって
凄いね、前世なら考えられないクソローテをしてよ。
まぁでも、隆さんからは沢山、首筋を撫でて貰えたし
真由ちゃんは頬をムニムニする様に撫でてくれたし
先生やおっちゃんからは鼻筋とかを存分に撫でて
更には人参や角砂糖とか太りそうな物を沢山貰えた
コレは重賞初制覇のお祝いも有るけど遠征の為だろう
後は牧場の方からも、めっちゃお祝いのメッセージが
届いて来て、ちょっと、私引いちゃったよね…
あ、遠征ですが帯同馬は居りません
だって馬主の愛華さんは所有馬が現役の私である
バリシニコフ以外が1歳が2頭しか居ないのだもの
0歳のセレクトセールでコレッ!って子が居なかったらしい
となると、私が稼がなければならない…そうなったら
もう、走るしかないよね?デューハーストステークスが
終わり次第、クリテリウムドサンクルーを走るってさ
ほぼ月イチ出走だけど大丈夫かな?え?問題はなんだって?
私の脚、幾ら才能が有る私とは言え身体は2歳馬なのだ
無理したら故障するの確定してるのに走れるかボケェ!
って叫んじゃうね〜…叫んでも嘶きにしかならんがな!
んで、真由ちゃんとおっちゃん、愛華ちゃんが雇った
通訳さんにJRAが付けてくれた職員さん数人を引き連れ
行く事になったんだけどさ、先生は?って思ったでしょ?
先生は普通に厩舎の仕事があるから残る事に決まったよ
電話越しに調教内容とかも通達するって聞いてるけどね。
「それで、先生、どうです?バリシニコフの調子は」
「うん、極めて順調だね。飼草食いも変わらないし良い感じに太ったからね。遠征しても問題無い位には図太いからね。多分、飛行機に乗ってもモソモソとカイバを食べてると思うよ?」
そんな事を考えながら
モソモソとご褒美の青草を食べていると
隆さんと保田先生が喋りながら私の居る
馬房前まで来てくれた為、青草を含んだまま
彼等の目の前まで顔を出しに向かう
「おっ、食べながら顔出しに来たな、騎手である僕にもこうして顔を出してくれるのは珍しいですよね」
「だね、ジョッキーや調教師を嫌う競走馬の方が多いと思うからバリシニコフは色々とサラブレッドの範疇に入れて良いか迷う所が多いよ」
先生がそう笑いながら言っている
失礼な、これでもキチンとした良血を引く
父と母に顔向け出来る位には頑張る予定の
競走馬なんだぞ!まぁ、まだ重賞馬だけど
でもいいもんね!この後はG1馬になる予定だ!
「にしても顔に似合わず、大人しくて可愛げのある馬ですよね」
おっ、隆さん、頭撫でてくれるのかぁ
なら、耳ら辺も撫でてよ、そこ気持ちいいんだ
真由ちゃんも良く私の耳で遊んでるんだよ?
こう、私が横になっている時にね。
そこ!草食の癖に横になって寝るなんて…とか
そんな事を言うんじゃねぇ!草の塊 当てんぞ!
「それで、先生、バリシニコフはデューハーストステークスに出す予定なんですよね?」
イギリスのニューマーケット競馬場にて
10月2週中頃に大抵開催される2歳戦G1
格付けは最高格のG1でイギリスの2歳戦としては
最も賞金が高いレース、イギリス国内にとどまらず
ヨーロッパの2歳戦のなかでも特に重要とされており
全欧から選出される
1991年から2013年までの23回中9回という多い回数
この競走の勝馬がヨーロッパ2歳チャンピオンに選ばれている。
デューハーストステークス優勝馬からは
多くのクラシック勝馬が誕生している。
イギリスクラシック三冠を達成したものだけでも
オーモンド、ロックサンド、ニジンスキーがいる。
また競走馬として大成しただけでなく
種牡馬としても極めて重要な活躍を果たしたものも
多数存在する事や、欧州三大レース制覇馬の1頭
ミルリーフもこのレースを勝っている事から
このレースの重要性が伺えるだろう。
「うん、そうそう、もちろん隆くんに任せるつもりだけど大丈夫?」
「大丈夫ですよ、その為にも予定は開けてましたから」
「なら任せるね」
隆さんは一頻り私を撫でた後に先生に交代して
私が本当にデューハーストステークスに出るかの
確認をする、先生は私の下顎を猫のように撫でつつ
デューハーストステークスに出る事を伝えている
そう言うのってこう言う場で話す会話かなぁ?
まぁ良いけどさ、撫でられるの好きだし
とは言え、この年代のこのレースとなれば
一番ヤバイのはペニカンプだろう
既にG1を勝利した競走馬であり翌年にて
英2000ギニーを獲得した偉大な名馬の1頭
私が早熟性の高い競走馬ならば簡単に勝てるだろうが
生憎と本格化は3歳後半だろうと考えている
つまり本格化前の私が本格化を果たしただろう
ペニカンプに勝てる要素が少なすぎるのだ
幾ら素が強かろうと短距離適性は負けている
どうしようか迷っていると思い出した
ニジンスキーすれば勝てるんじゃね…?っと
そう、最後方追走から一気に抜き去るのだ
済まんな隆さん、私、出遅れます!
あ、真由ちゃんは初めての函館を堪能したみたい
私にカメラで撮った写真を何枚も見せてくれたよ
函館の海鮮市場や函館名物の料理に函館山
更には五稜郭公園に五稜郭タワーとか色々とね
行ってきたみたいだね。私も行ければ行きたいね。
ま、競走馬であり、これから実績積む予定だから
遊んでいられる暇なんて全然無いんだけどねぇ!
そんな訳で飛行機に乗せられた私は
今、イギリスのロンドン・ヒーサロ空港に向かっている
勿論、真由ちゃんは私の隣に椅子がある為
そこに座りながら私の口に枯草をぶち込んでくる
美味いけど、そんなハイペースでぶち込むものじゃないよ?
いや、私の胃の強さが可笑しいのは知ってるだろうけど
うん、彼女が後に入ってくるだろう私の後輩達に
この様な事をしない事を切に願っておこう…
そう思いながらモシャムシャモグモグと食べ進めるけど
私の隣には誰も居ないのがね…悲しいね
いや、悲しくは無いし〜?私はずっと1人ですし〜?
「バリシニコフ、明日にはイギリスだって!私、イギリスには初めて行くな〜、あ、アメリカには社会見学の為って思って行ってみたんだよ?その時のベルモントステークスは凄かったな〜…勝ち馬がエーピーインディーっていう競走馬でね?その年のブリーダーズカップ・クラシックも勝ったんだよ!」
え?真由ちゃん、エーピーインディーを生で見たの?
そいつ、次世代のアメリカリーディングサイアーで
アメリカ主流血統であるミスタープロスペクターに
真っ向から対抗出来る唯一の血統なんだよ?
驚きしか感じねぇ…どうなってるの、この子…
真由ちゃんはそこから色んな競走馬の話をしてくれた
幼少期に見た菊花賞にて掟破りの3コーナーからの捲り
それによって三冠馬への道を優雅に煌びやかに飾った
第三代目、自由なる三冠馬ミスターシービーの走りを
その翌年に東京優駿にて勝利を飾った後の皇帝
第四代目三冠馬シンボリルドルフの偉大で雄大なる走り
マイルの皇帝とまで讃えられたニホンピロウイナーの
確かなる先行力と絶対的な未来へ紡ぐ短距離の躍動を
三冠馬二頭を蹴散らし、自身らしい走りを見せ付け
日本調教馬初のジャパンカップ制覇を達成した
カツラギエースの勇猛果敢な意地と根性の走りを
そして更に翌年に見た、競馬界に偉業を残した
父の背を追い続けた二冠馬ミホシンザンの斬れ味を
初の三冠牝馬へと輝いた魔性の女、メジロラモーヌと
マイルの皇帝が去りし後にマイルレースを支配し
天皇賞の頂きすら手にした帝王、ニッポーテイオー
多数の名馬が去りし後に突如として覚醒し産まれた
タマモキャットとオグリキャップによる芦毛伝説の
始まりと、平成三強と言われたオグリキャップ
スーパークリーク、イナリワンが紡いだ89年の話し
そして、アイドルホースが有終の美を飾った後
トウカイテイオーやメジロマックイーン等が
しのぎを削りあった1991年から1992年の話
そして今、ナリタブライアンが二冠を達成し
三冠馬への切符を確かに掴んでいる事を…
色々、話してくれた、知っている事だとは言え
彼女が楽しそうに話すからか、私も優しく
うんうんと首を優しく揺らしながら頷いてしまう
だからだろうか、私も心穏やかに空の旅を終えれそうだ
私は、コレから正史とは異なる歴史に変えていく
私の選択で馬生が変わる競走馬は数多く出るだろう
もしかしたら未来での三冠馬が消えるかもしれん
それでも走り続ける…それが役目であり目標なのだから
イギリスに着いた私は検疫の為に国際厩舎にて
のんびりとした生活を4日程、送っていた
何故、過去形なのかと言えば今日が出れる日であり
新しい厩舎へと移動する日だからだ
ここまで早く検疫を出られた理由は推薦の事と
事前準備を函館3歳ステークス前から始めていた事
この2つが合わさったからだろうと思う…
私は良くわからんから何にも言えないけど
多分、先生やオーナーが頑張って取り次いだりして
ここまで、何とか、こられたのだろうな。
という訳で初めての洋芝を堪能しているのだけど…
「おぉ、凄いな、こんなに早く慣れるなんて、やっぱり両親の血が成せる技なのかな?」
私は、猛烈に感動している!なんて走りやすいんだ!
まるで今まで走っていた整理された芝が
底なし沼の泥の上を走っていたかのように感じる
そこまで違う程度に走りやす過ぎるのだ!
やはり父と母が欧州適性が有るからだろう!
身体が重い感覚から解放されたのだ!
これなら行ける!行けるぞ、国崎のおっちゃん!
「よしよしっ、ふぅ〜…気持ちいいのは分かるがレースまで2週間も無いからな、このまま順調に進める為にもあんまりハシャグなよ?」
おっちゃんに宥められながら脚をゆっくりと停める
そうだな…まぁ、そうだよなぁ、2週間も無い
普通なら3週間程度かけて慣らす所を2週間…
行けるのかは置いといて、大変な毎日になるよな
あ、ちなみに滞在してる厩舎はアイルランドから
許可をくださったW・ルーエン調教師と言う方です
まぁ簡単に言えば、父であるニジンスキーの
調教師さんが態々、厩舎を貸して下さったのだ
理由?ニジンスキーのラストクロップであり
その中でも超良血クラスの私が走る姿を見る為
それだけのようだ…え?軽くねぇ…?
それでもツテ無しだったから渡り船だったね。
アレから数日間は慣らしをしながら
最終週に向け、調整を進めて行った
特に課題であった瞬発力を鍛える為には
ヨーロッパの深い芝が相性良かったのか
私の肉体がドンドン最適化されて行ったのは
流石に国崎のおっちゃんもドン引きしていたよ。
スタミナ面は父から受け継げた事もあり
短距離程度ならば問題無いのが救いだろう
流石に3歳で2400とかは厳しいだろうが
2000m程度ならば楽々と走り切れるだろうな
そして今は馬運車に乗せられたまま競馬場
イギリス競馬と言えばココかエプソムかと言える
競馬の祭典が開催される威厳ある場所
ニューマーケット競馬場に到着した。
周りは日本とは建築基準が違うだろうイギリスらしい
西洋風の街並みと長閑で平和そうな自然が広がる
まだ慣れない場所だが寝る場所が変わろうと私は寝れる
その為、時たま話しかけに来る真由ちゃんや
国崎のおっちゃん、その2人に混じって来る
他厩舎の厩務員らに可愛がられながら、その日を待つ
目指すは国際G1、勝利という美酒を味わうのだ。
20分前
枠 ︎︎馬
番 ︎︎番 ︎︎馬 ︎︎名 ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎単勝人気 ︎︎ ︎︎騎手 ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎斤量
1 ︎︎1 ︎︎アルウィディヤン ︎︎ ︎︎ ︎︎8番人気 ︎︎ ︎︎A.マクラーレ ︎︎57
2 ︎︎2 ︎︎スティレットブレード ︎︎5番人気 ︎︎ ︎︎W.スカイ ︎︎ ︎︎ 57
3 ︎︎3 ︎︎ペニカンプ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎1番人気 ︎︎ ︎︎T.シャネル ︎︎ ︎︎57
4 ︎︎4 ︎︎グリーンパヒューム ︎︎ ︎︎ 7番人気 ︎︎ ︎︎T.シュウェン ︎︎57
5 ︎︎5 ︎︎ファード ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎4番人気 ︎︎ ︎︎M.カースン ︎︎ 57
6 ︎︎6 ︎︎タッカタム ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎6番人気 ︎︎ ︎︎M.キーロフ ︎︎ 57
7 ︎︎7 ︎︎エルティッシュ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ 2番人気 ︎︎ ︎︎P.J.アポリ ︎︎ ︎︎57
8 ︎︎8 ︎︎バリシニコフ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ 3番人気 ︎︎ ︎︎大岳 隆 ︎︎ ︎︎ ︎︎57
《日本時間にて22時50分、競馬ファンの皆さん、こんばんは、3歳から果敢に海外遠征を決めたバリシニコフが出走するイギリス、ニューマーケット競馬場6レース、牡馬牝馬混合2歳芝1400メートルG1、デューハーストステークスの出走予定時間に迫ってまいりました。実況は□□ ○△が、解説を○□ △さんがお送り致します。○□ △さん、よろしくお願い致します。》
《宜しく、お願いします。》
《さて、3歳から欧州遠征へとコマを進めたバリシニコフですが、これがニューマーケット競馬場、初出走でありながらG1となりました、○□さん、コレはどう見ますか?》
《そうですねぇ、前例が無いため詳しくは言えませんがバリシニコフの今までのレース選択から言わせていただけますと前走の函館3歳ステークスから間隔が狭過ぎますが、本馬の走る意欲が消える前に遠征を決めた事は良い選択だと思いますよ》
《なるほどぉ、となりますと後はバリシニコフが本来のポテンシャルを引き出せるかどうか…と言った所でしょうか?》
《えぇ、特に本レースは父であるニジンスキーが勝利し、アイルランドとイギリス、両国の2歳チャンピオンを獲得する事を決定付けた大事なレースですからね。陣営も何としてでもココは取りたいでしょうから事前追い切りを見た感じですが、短期間とは言え念入りな調整を施して来たとは思いますよ》
《ありがとうございます、では次です、事前想定人気はフランス2歳G1であるサラマンドル賞にて勝利したフランス、A.フィアベル厩舎所属のペニカンプが断トツの1番人気、少し人気を離しイギリス、H.セシュル厩舎所属のエルティッシュが2番人気、3番人気に前走函館3歳ステークスを余裕を持って勝利した日本のバリシニコフが入り、D.ヘイス厩舎所属のファードが4番人気、アメリカ、D.ホールティス厩舎所属のスティレットブレードが5番人気となりました。〇□さん、コレをバリシニコフが見据える相手はやはりペニカンプでしょうか?》
《ですね、あの馬の差脚は好意先行を得意とするバリシニコフを負かす可能性が十二分に有りますから、侮れない相手である事は変わる事はないでしょう。》
軽くキャンターを終わらせゲート前まで来る
ここに来る前に真由ちゃんにめちゃくちゃ撫でられた
多分、G1を出るから余り緊張しない様にって事だろう
国崎のおっちゃんも良い笑顔で送り出してくれたし
それで想定人気的に勝てるかどうかって感じの評価に
落ち着いているのは、まぁ、私がパート2から来たから
そう言う事なんだろうな、それでも3番人気は確実に
両親の戦績と功績から出た過剰な人気なのだろう。
W・ルーエン名伯楽はご高齢もあって来れなかったけど
アイルランドには絶対に行きたいから、その時にだ
だから、今日は恩がある2人に捧ぐ戴冠と行こうじゃないか
あ、鞍上は変わらず、隆さん、この人以外には有り得ない
いや、確かにウォード騎手やピゴット騎手も捨て難いが
彼等は日本の騎手じゃないからね、ツテ無しの私の陣営が
大御所騎手の2人に依頼する方法は無いから仕方が無い
それに私は隆さんと欧州競馬を制覇したいんだよ。
だから乗り替わりは彼が怪我する等が無いならば
有り得ない、私は生涯無敗を貫く心持ちだからね。
それと隆さんは既に凱旋門賞で同じ結末を辿った様だ
ホワイトマズルで直線一気を決めたが惜しくも5着と
史実より1着順上と健闘はしたが凱旋門賞で其れは無理
それで勝てるのはダンシングブレーヴくらいな物だが
ホワイトマズル自体が走る気の無い結果だったのだ
仕方が無いとしか言えない、だからホワイトマズルの
所属、本場イギリスでG1を勝たせてイメージを払拭させる
他馬がゲートに入っていき、最後に私が入っていく
体調良好、精神状態良好、鞍上良好、馬場良好、不覚無し
発走の声掛けと共にゲートが開き全馬が一斉に飛び出す
《係員が離れ…デューハーストステークス、スタートしましたぁ!まず先頭争いに参ります、やはり行ったのはエルティッシュです、2番手にはスティレットブレードがハナを奪わんと内側から進行しますが、それでも譲りません、おっとバリシニコフが後方に降りていきます。大岳、これは作戦か》
まずスタート後に数百メートルは3メートルの坂を
登りながら、巡行順位争いが発生していくのだが
エルティッシュが早々に先頭を奪い、ハナを進む
その次に負けじとスティレットブレードが2番手追走
3番手にはタッカタムが前二頭を見る形で進んでいき
1番人気のペニカンプが少し離れた4番手で先団を見ながら
それを見る形でファード、グリーンパヒュームが
前4頭を必ず捕まえんと脚を貯めていくが、その後ろに
アルウィディヤンが虎視眈々と先団を狙い続け
その後ろにて私が最後方へと順位を下げていきながら
馬場が綺麗な外側を陣取り続けていく
隆さんは最初こそ押していたが、途中から辞めてくれた
隆さんの思い描く先行策にとっては愚の骨頂だろうが
今回はこの最後方一気以外に勝機は無いのだ
この選択は欧州競馬に中指を立てる行為だが
父ニジンスキーもこなしたのだ、ならば私にも出来る!
「今日はココが良いんだな?…よし、なら700だ、700から行こう」
隆さんは私にのみ聞こえる声の音量で語り掛ける
其れが伝わっていようがいまいが、そこが分かれ目
700だ…700からスパートをかけ続け、ゴールを切る
だからココは耐え続ける、蹴り飛ばされ飛んでくる
土や草が当たろうと、その痛みすら原動力へと
変え続け、700メートルにて全抜きをする力へと
《先頭のエルティッシュがペースを緩める事なく超ハイペースにて突き進みますが全馬置いていかれず続きます。外からタッカタムが被せに行きますが譲りません、内側のスティレットブレードは少し厳しいか、少しずつ順位が下がって行きます、ここでペニカンプとグリーンパヒュームがジワっジワっと順位を上げます、今3番手4番手!バリシニコフはまだ動かない!残り700!》
隆くんが合図である舌打ちをしたと同時に
私は一気にグリーンパヒュームが通った外の
更に外に馬体を寄せ貯めに貯めた末脚を爆発させる
まず、アルウィディヤンとファードを一瞬で抜き差す
既に心肺が爆発したかのようにバクバクと鳴り続けるが
構っていたら負けてしまうのだ!脚を回し続ける
《先頭変わった!グリーンパヒュームが抜いた!だがペニカンプがその外に進出し先頭を狙う!そして、バリシニコフここで動いた!だが先頭まで5、6馬身は差があるぞ!スティレットブレードを抜き去り、4番手!残り500!》
ズルズルと下がっていくスティレットブレードは
早々に抜き去り3番手のペニカンプ目掛けて走る
自身が風になったかのように感じながらも
この脚は動き続ける、コレなら…行ける!
《ペニカンプが僅かに先頭!だが、ここで来たきたキタァッ!バリシニコフが2番手のグリーンパヒュームを抜いた!前までもう差は無い!》
さぁ…ニジンスキーの血を引く者同士
雌雄を決そうじゃぁないか!
そうだろう?なぁ、ペニカンプッ!
《ペニカンプ先頭!ペニカンプ僅かに先頭!だがバリシニコフは伸び続ける!グリーンパヒュームは届かない!エルティッシュは頑張った!》
さようなら、マイルの王者よ
強きマイルの雄よ、私は先に征く
私は、ここからが始まりなのだ…
ならば!貴様に負ける道理無し!
この並外れた肉体をもってすれば!
8メートルの坂なんぞ無いも同然なのだ!
《バリシニコフが先頭に変わった!残り100!8メートルの坂もなんのその!2馬身!4馬身!6馬身とリードを取った!ペニカンプ2番手、その後グリーンパヒューム、エルティッシュは3番手争いコレは接戦です!だが!日本のバリシニコフ、堂々と1着ゴールイン!離れた2着にペニカンプ!グリーンパヒューム3着!エルティッシュは少し遅れ4着!5着は僅かにタッカタムでしょうか!判定をお待ち下さい!1着は日本、8番、バリシニコフです!勝ち時計は1分21:72、上がり3ハロンは31.7、10馬身以上の大差をつけ、コースレコード勝利を打ち立てました!コレが国内外問わずのG1初制覇と同時に、オーナー、調教師、生産牧場にも初GIと初海外G1の両方を齎しました!》
最後の直線にてペニカンプすら置いてゆき
後続を見ることも無く突き進んで行ってた
と言うか、途中から思考が飛んでいっていた
制御を完全に隆さんに任せたら、こうなった
まぁ、荒ぶり過ぎて三白眼をかましながら
ゴール板後の数十メートルを走ってたよ…
でもやっぱり思う…1600m以下は苦手だ
コレだけ差を付けて何を言うかと言われそうだが
自身に降り掛かってくる負荷が半端ないのだ
もう息は絶え絶えだし、心臓はキュってなってるしで
満身創痍だよ、私、でもレコードは嬉しいし
隆さんや関係各所の皆にG1を届けれた事は満足だよ
後はクリテリウムドサンクルー賞を勝ち抜けるだけ
ニジンスキー三世に向けて、頑張るぞぉ!
今回の一番の被害者の1
ペニカンプ
史実での本レースの勝ち馬であり
翌年の英2000ギニーでも対戦する事が
決定している悲しき競走馬である。
このレースでは例年よりハイペースとなり
自身もコースレコードとなる1分23:39と言う
大記録を打ち立てれていたのだが例の化け物に
大差を付けられて2着となったマイルの王者
だが実力は確か、この世界では産まれる時代を
間違えた競走馬として名が残るだろう。