え?競走馬に転生?やってやろうじゃねぇか、この野郎!目指せ!ニジンスキーⅢ 作:INUv3
クリテリウムドサンクルーは飛ばします
いわゆるナレーションで終わりです。
言い訳になるんですが資料が…無い!
ちなみに史実での勝ち馬はソレミアの父です
10月14日のイギリス・ニューマーケット競馬場で行われた
芝1400m 国際2歳G1・第116回 デューハーストステークス
にて、日本調教馬として出走を果たした○外の雄
バリシニコフ(牡3、父・ニジンスキー)が初海外G1制覇という
日本の力を世界に見せ付けてくれた。
これは日本競馬の歴史にて深い転換点となるだろう
バリシニコフの所属は滋賀県・栗東トレーニングセンター
その一角に位置する新進気鋭の厩舎の1つである
騎手は若き天才・
道中は最後方待機にてニューマーケットの芝を堪能し
前半700mを40と言う超ハイペースとなったが
苦にする事なく巡航速度を上げつつ500m地点にて
先頭集団に果敢に突撃し、1番人気のペニカンプ
(牡2 A.フィアベル厩舎所属)を見事に差し切ると
その勢い止まらず残り200m地点から独走し
11馬身という大差にてゴールを果たした。
勝ちタイムは1分21:72(堅良)上がり3ハロンは31.7と
1400mとしては異次元のコースレコードを樹立した
2着は1番人気のペニカンプが王者として死守し
その一馬身後にグリーンパヒュームが3着が入った
勝ったバリシニコフの父は15代目イギリス三冠馬であり
歴史的名馬でもありながら種牡馬としても歴史的記録を
達成した19世紀を代表する超一流の名馬である。
主な産駒として78年キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスの勝ち馬、イルドブルボン
86年ケンタッキーダービーと87年ブリーダーズカップ・クラシック勝ち馬のファーディナンド
86年ダービーステークスと86年アイリッシュダービーの2カ国ダービー馬シャーラニタス
などの名馬や多数の名種牡馬を排出している。
日本では名馬であり名種牡馬、マルゼンスキーが有名だろう。
母は89年オークスステークス勝ち馬のスノーホワイト
母の父はブラッシングルームと言う純銀欧州血統である。
札幌の新馬戦にてスタート後からどんどん加速してゆき
大逃げ、最終的に後続に対して10秒以上の差をつけ
全頭タイムオーバーにする程の怪物性を見せ付けながら
世界レコードを塗り替え、続くダート開催となった
函館3歳ステークスでは騎手の指示を的確に汲み取り
先行を選択、最終直線にて余裕を持って4馬身を付けゴールと
全て違う戦法にて勝利を収め、今回も最後方強襲にて勝利
まさに変幻自在の脚質は異例と言って良いだろう。
勝ちタイム1分21:72(堅良)は1991年の18月18日にて
ドクターデヴィアスがマークした1分23:45を
2秒33更新するコースレコードであった
また、本馬を管理する保田陸雪調教師にとっては
調教師として初G1と共に初海外G1制覇となり
騎手・大岳 隆にとっては
94年ムーラン・ド・ロンシャン賞以来のG1制覇である
馬主は天馬 愛華、生産牧場は白老の天馬ファームであり
何方も2年目にして、コレが嬉しいG1初制覇でもある。
《レース後コメント・騎手》
《1着・バリシニコフ 騎手・大岳 隆》
「いや、課題も無い素晴らしいレースでしたね。それにヨーロッパの本場イギリス、しかも2歳戦最高峰と名高いデューハーストステークスを勝ったんですよ?嬉しい以外に感情がありませんね。こんな良い馬の背からは絶対に降りたくない位ですよ(笑)」
(日本表記では3歳にて日本調教馬初の海外のG1制覇という記録を打ち立てましたがどうでしたか?)
「その鞍上を務めれたのは誠に光栄ですね、これからも彼の背を譲る気も有りませんし、アクシデントが無ければ生涯の鞍上として乗るつもりですが、一先ずは本人を目一杯褒めてやってください、こんなに強い馬は日本じゃ滅多に見れませんしね。」
(ありがとうございます、今回は後方待機でしたが、大岳騎手としては、どの様な戦法を?)
「僕としては先行しながら3番手くらいで進めたいと思っていたんですけど、出た時に本人がそこまで脚を早めなかった事から後方待機を直ぐに選びましたね、でも、不安も無かったですし、負ける気は一切無かったですよ。」
(なるほどぉ、最終では素晴らしい末脚でしたがどうでした?)
「えぇ、まるでフルオープンのスーパーカーに乗りながらアクセルをベタ踏みしたみたいな感じですね。この速度ならばレースレコードは取れるだろうと思ってましたが、まさかコースレコードまで取れるとは流石に思ってませんでしたがね、それと僕が仰け反りそうになるくらい加速力があって凄いですよ、仲乃さんが乗っていた、あのマルゼンスキーみたいですよ(笑)」
(では陣営としては次走は決まっていますか?)
「一応、決まってますが、まだ日本には帰りませんね、ですが凱旋した時には称賛してやってください、これからもバリシニコフと共に勝ち続けますのでよろしくお願いします。」
(それでは、デューハーストステークスで優勝を果たした大岳騎手でした!ありがとうございました!)
「ありがとうございました」
《2着 ペニカンプ・騎手 T.シャネル》
『あの勝ち馬が強過ぎたね、遠い地から渡ってきたニジンスキーのラストクロップは、俺がどれだけ鞭を入れて腕をしならせペニカンプの脚を伸ばそうとしても、ペニカンプがどれだけ頑張って脚を廻して加速して追い付こうとしても絶対に追い付けなかった基礎スペックが全く違ったよ、完敗だ、
だけど次は2000ギニーで相対するだろう、だから負けれないね。』
《3着 グリーンパヒューム・騎手 T.シュウェン》
『彼は紛れもないモンスターだったよ(笑)幸運な事はグリーンパヒュームは自分の競馬を出来た事、不運な事は前に見事な優駿と、その更に前に敵わないモンスターが居た事だろう、あのスーパーホースにはニジンスキーと同じ様な力強さを感じた。』
《4着 エルティッシュ・騎手 P.J.アポリ》
『あんな加速能力がサラブレッドを超えてる馬かどうか分からない奴に勝てると思うかい?解剖してみな、絶対、心臓はアメリカ製のスーパーエンジンだし血液はガソリンが流れている(笑)』
《5着 タッカタム・騎手 M.キーロフ》
『クレイジーホースッ!!!(笑)日本から来た奴は凄まじいね、やっぱり日本製品は壊れなく頑丈で速いで有名なんだろう?とは言え、彼も馬だ、絶対なんて無い、今回は負けたけど挽回出来るチャンスはまだまだ有るし、この子もまだ走れる筈だ。』
《レース後、調教師コメント》
《保田 陸雪》
「彼の血統と馬体に走り方的には1400mは本当に短いと思うんですよ。短距離が苦手と言ってもいいね。出来れば1600mを走りたい位には最低限を下回ってる選択だったからね。今回はどうかな?大丈夫かな?って思いながら見てました。」
(なるほど、先生としては短いと)
「そうそう、それでもコースレコードで勝っちゃうんだから凄いよね、規格外さで言っちゃえば(トウカイ)テイオーみたいだよ本当に」
(調教師として初G1制覇、おめでとうございます。)
「ありがとうございます、本当にね開業1年目、それも来年開く予定を前倒ししたから所属馬一頭だけって考えるとどんな奇跡なんだよって話だよ、それに今回のレースは途中から隆くんが馬に合わせてたけど、バリシニコフ自体は別に普段から我儘じゃないんだよね、どっちかと言うと騎手に合わせるタイプだけど頭が良いからね、今回は先行だと負けるって思って最初は反抗してたんだって(笑)」
(と言うと、本馬自体がレースメイクをしたと?)
「いや、最初の位置取りだけだね、その後は完全に騎手任せだったみたいだよ。とは言え、あのハイペースの中で後方待機の我慢比べ、土とか草とかが飛んできても我慢してたのはコレからのレースメイクで大いに役立つ結果を齎してくれたし、イギリスの本場で余裕なら何処でも走れる様な物だからね、レース選択の幅は一気に増えたし、コレでクラシック戦線にも混ざれるよ」
(では、次走はもしやイギリスの2000ギニーを?)
「いや、その間に2、3走くらいは出したいね。特に今の3歳の内に1回くらいはフランスは走っときたいからG1じゃなくともどっかに出す予定だよ。」
(なるほど、となると目指すのはあのレースでしょうか?)
「うん、多分、そうなると思うけど、ここら辺は馬主の天馬(愛華)さんと話さないと決まらないからね。でも、バリシニコフはヨーロッパクラシックに殴り込みに行きますから、皆さん、これからも声援を送ってやってください。」
(それでは、バリシニコフを管理する保田調教師でした、ありがとうございました!)
「ありがとうございました」
《ウェルス・ルーエン調教師》
(本日は取材への御協力、感謝致します。)
『いやいや、気にしないでくれ、それで私の厩舎を貸し出しているバリシニコフの事だったね、まず初めに彼は凄い馬だったよ。映像越しとは言え、あの力強さには目を見張る物がある、ニジンスキーのラストクロップにしては余りにも出来すぎていると感じてしまったよ。
まずデューハーストステークスの勝ち方、アレは正しくニジンスキーの再来だろう、このレースで後方から一気の末脚なんてニジンスキーを彷彿とさせるじゃないか?更に日本で走った映像も観させてもらってたよ、函館のレース、アレはね、ニジンスキーだね、絶対そうだ、管理をしていた私がそう判断したもの、凄かったよ。あの追いもせず流すだけなのに横綱相撲をさせない巡航速度と加速力、ニジンスキーをダートで走らせられなかった事を後悔してしまう位には私の熱を戻らせてくれたよ。
これからも彼の事は私の年齢的な問題で映像越しが多いだろうけど見ていくつもりだから、また私が暇な時に来てくれ、まだまだ沢山話したい事が有るから。ではね。』
(ウェルス・ルーエン調教師、ありがとうございました。)
やぁ皆!デューハーストステークス勝ち馬で
多分、今年のイギリス2歳チャンピオン候補の1匹
バリシニコフだよ!そんな私なんですが
フランスに遠征し、クリテリウムドサンクルー賞を
中断待機直線一気の末脚で全員沈めながら
後続に10馬身ちぎって勝利を収めてきたぞい!
2着はソレミアの父で有名なポリグロートだったけど
まぁ…彼には申し訳ない事をしたなって思ってますハイ
とりあえず、コレにて3歳欧州遠征は一区切り
日本に帰国する事になったんだけれど検疫が長くてね
大体1週間は検疫の為に厩舎で、のんびりしてたよ。
保田先生や、真由ちゃんや、おっちゃんとかは
その間にイギリス競馬を堪能したりフランス旅行を
楽しんでたらしいよ、私は厩舎でグータラしてたけど
とは言っても3歳の体が出来上がってない時期での
この超弾丸遠征は疲れる物があってね、予想通りに
朝日杯には出ない事に決まったんだけどね。
隆さんは、出ましょうよ〜って先生にダル絡みしてた
多分、凱旋帰国した私を他の騎手仲間に見せ付けたい
そういう思惑があるんだろうね。まぁ冗談9割だろうけど
あと久しぶりの日本の牧草や人参に水の美味しさは
格別だったよ、あっちの飼草も美味しいんだけどね。
やっぱり糖分は偉大だねって事が分かったよ。
それから先生から真由ちゃんには内緒だよ?って
青草とフルーツを沢山貰えた、物凄く美味しかったよ。
それと馬主の愛華さんは、それはもう大喜びでね。
優勝後には必ず私の顔に抱き着いては撫でに来るし
日本に戻った時には、背中にまで乗ってきたよ
一応貴方、22歳ですよね?いやまぁ身長がまさかの
146cmしか無いとは思わなかったけどね?
それに髪も薄めの金色だし肌は真っ白に近いし
スタイルは…うん、ペターンキュッストンだけどさ
香水の匂いや化粧品の匂いもしないから完全に時前だし
紛うことなき美少女なのは変わらないけど身長よ…
思えば函館3歳ステークスの時の口取りも私が顔を
少し下げて、やっと持ててた感じだったものね
まぁ、日本人の平均身長から考えたら仕方が無いね。
でも、私に乗ってトレセンを歩き回るのは流石に
私、あの状態は結構ね、恥ずかしかったんだけど
…えぇ、本人的には全く気にしてなかったみたいだよ。
勿論、先生とおっちゃんの監視の元だったけどね?
そんなこんなで、凱旋帰国した私は取材を受けたり
色んな厩舎の人が来たり、騎手の方が来たりと
それはもう凄い日々を過ごした後に放牧の為
生まれ故郷の白老にある天馬ファームに居るよ
来年のクラシック戦線の為にも休息を取りつつ
英気を養いながら身体を育てて欲しいそうだよ。
蔵崎牧場長には沢山、褒められたし撫でられた
牧場スタッフの皆からはアレやコレやと撫で回された
取材程じゃ無いにしても疲れたものだよねぇ…
それで休息を取るとは言っても競走馬は身体が資本!
仔馬時代にやっていた事を数ヶ月間やるだけだし
大丈夫だろう!って思ったら私の厩舎が凄かったよ
まず、厩舎は愛華さんが出資したのか新厩舎!
馬房は私が住むところ含めて4つしか無くて
私の所だけ何時でも外に出られる様になってるし
冷暖房完備の超金掛かってる仕様になってるよ。
んで外に出ると大きめのパドックっていうか砂場に
前まで森だった場所を切り開いた綺麗な放牧場と
ノーザンテースト並の待遇されてんな〜ってなったよ
まぁ、それに甘える事無く毎朝起きては走り回り
坂路を駆け抜け、ダートコースでパワーを付ける
毎日を送っていたら柵越しとは言え超久しぶりに
母馬であるスノーホワイトと対面出来たよ。
母は私と会うのを楽しみにしてたみたいで
何か大きな物を私が勝ったってのも知ってたよ
だから本当に久しぶりとは言え沢山褒めて貰えた
んで、去年は体力を付ける為に1年を棒に振ったけど
今年は体力着いたし産んで貰う事に決定したからか
血統的な相性から最初はトニービンを選んだけど
不受胎だったからサンデーサイレンスを付けたみたい
それでお腹の方は大きく膨らんでるし順調みたいだね
久しぶりに会ったから会話したけど、元気そうだったよ
んで今はと言うと…
「バリシニコフ、どうです?似合っているでしょう?」
何故か馬主の愛華さんに私はデコられてた
いや、私が反抗しないから何だろうけど
サラブレッドにやる行為じゃないよ…ホント
私の頑丈な鬣には色んな花が沢山付けられ
耳になんて菊の花冠をかけられてるよ
尻尾?さっき梳かして貰えたからか
なんにも手を付けられてないのが救いかな
まぁ、反抗しない理由は愛華さんという
馬主であり、私の生命線である人が居るのもだが
ココが、厩舎の馬房でもなければ放牧地でもない
人が出入りする事務所の客室という事だ
少しでも暴れよう物なら色々な物を壊してしまう
そんなのは社会的に許されない行為だからね。
え?なんで、そんな所に私が居るかだって?
こっちが聞きたいよ、愛華さんに呼ばれたから
放牧地から出て着いて行ったら、スタッフの1人に
身体全体を洗われたし、蹄に溜まった泥とかも
全部洗い流されて綺麗になったまでは良かったよ
その後、気分が良くなった私は誘われるがままに
後ろをルンルンで着いて行ったら、ここに居たわ
「あ、ほら、バリシニコフ、あの映像を見てください、貴方の勇姿がバッチリと映っておりますよ?」
愛華さんが突然、テレビを指差した為、見ると
全力疾走でサンクルー競馬場の最終直線を
駆け抜け、先に抜け出していたポリグロートを
差し切った後、3馬身差を付けてゴールをした
自分が映っていたよ、自分の顔がすっげぇ怖いけど
本当に3歳馬かよ?って位には目が血走ってる
いや、隆さんの指示に従ったから勝てたけどさ
流石に道中ポリグロート以外に絡まれながら
一生、藻掻く羽目になるのはキツかったね。
この指示は欧州遠征後に米国遠征も目標にしてるよ
「本当に厳しい展開となったレースですら良く勝ってくれましたね。お陰で牧場の懐も寂しい思いから解放され、満足の行く厚さまで戻りましたよ♪」
香箱座りをしながら頭を向けていたら
その頭をヨシヨシと撫でられた…
うん、満面の笑みを浮かべている
儚げな美少女?に撫でられるとか
普通に悪い気はしないよね。
とは言え、絵面的に美女と野獣だけどさ
「これから待ち構えるレースは総てが一筋縄では行きません…フランス・クラシックこそ間隔と検疫の関係で断念しましたが、イギリスの競馬界からは熱心なオファーを貰いましたし、アイルランドからも最後の産駒だからと乗り気な反応を頂けましたから、この2つのクラシック…英愛三冠に加え、欧州4歳マイルの内3レース目として各国の2000ギニー覇者が集うセントジェームズパレスステークスを、そして…欧州三大レースであるエプソムダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、凱旋門賞…この合計9レースを制覇しに行きます。勿論、ダービー、KGⅥ&QES、凱旋門は前哨戦を挟む事が決まっております。つまり前哨戦を含めた場合は12レースとなりますが…バリシニコフ、貴方ならば行けると皆が確信しております。」
…やっぱり、私の走りと消耗の仕方を見て
欧州三大レースを含んだIXクラウンの取得
ココを目指すのは当然と言っていいだろう
全力を出しても1日でケロッと飼草を食べ
脚の疲労、内蔵へのダメージ、筋肉疲労等
色々な要素すら無に帰す回復力は異常だろう
そして、愛華さんは19世紀後半最強と名高く
世紀の大種牡馬・ノーザンダンサーが送り出した
最強の傑作産駒で、私の偉大なる父
ニジンスキー*1ですら成し遂げられなかった
欧州三大レース&イギリス三冠の同時達成を
目標としたのだろう…今は亡き無念を晴らす為に
「確かに無謀と罵られるレース選択でしょう、貴方はもしかしたらマイル馬であり、2000mは長かったかもしれなく逆にステイヤーであり1600mや2000mは短過ぎたのかもしれない…ですが貴方ならば必ず勝てる、と感じてしまうのです。私は父の偉大な背を追い掛け続けながらも、様々な競争馬を若輩者とは言え見てまいりました、中には凱旋門賞を勝ち名馬へと仲間入り、後、名種牡馬になり今、多数の産駒を排出し時代を築いているトニービンの現役を見ておりました…その私が憧れた世界の名種牡馬のラスト産駒であり、惚れ込んだ名馬の初年度産駒という栄えある場に誕生したのが貴方なのです。スノーホワイトにはあまり似ず父の生き写しの様な貴方に夢を託したくなったのは必然と言えましょう?」
う〜ん、想いが重すぎやしませんかね?
ここだけ、凱旋門賞の不良馬場位に重いよ
え?私、こんなに期待を背負ってるんですかぁ!?
にしても愛華さんがここまで言うなんてね…
普段はお淑やかで別の意味の重さっていうか
上品さが人の形してるみたいな方なんだけどね?
ほら良く似合うドレスと日傘をさして歩いてるし
うん…いや、勝つつもりだけど期待が重いよ…
「うふふ…ここまで言葉を選ばず、話せるのは貴方だけですわ…この様なレース選択を課し貴方を追い込む悪女である私が言えた事ではありませんし場違いでしょう…バリシニコフ、必ず勝てとは申しません…でも、必ずこの長閑で穏和な白老にある天馬ファームに帰ってきてください…ヤクソク、ですよ?」
分かったよ、天馬 愛華さん
私は完全無欠のパーフェクトサラブレッド
だけど、私は何処まで行っても競争馬なのだ
レース中の不慮の事故で怪我だってするだろう
だから、完全な約束は出来ないけど…
この牧場に帰ってくる。その約束は守るよ
滋賀県栗東市、栗東トレーニングセンター。
様々な競争馬が、このトレーニングセンターにて
日本のレースへと向け、調整を続けている場所
その広大なトレセンに拠点を構える保田陸雪厩舎
管理馬として3歳馬1頭しか居ない現状から
早くも脱出、来年には3歳馬としてターフを走る
若き優駿達の卵を抱え始め、多数のスタッフも
本格的に仕事を開始した新進気鋭の厩舎の
調教師室にて調教師・保田 陸雪を始めとし
ターフの魔術師と呼ばれた父・大岳 國彦の
背を追い掛けジョッキーの人生を歩み
若い頃からメキメキと成績を上げ続け
先々月には日本調教馬による海外G1勝利を
見事に導いた偉大なる騎手の1人であり
今をときめくスーパースター、騎手・大岳 隆
そして日本調教馬として初の海外G1を勝った
名馬・バリシニコフの調教を担当する・国崎 五叉路
そのバリシニコフの体調管理等を新社会人であり
尚且つ、まだ見習いで任されている・姫島 真由
バリシニコフの馬主の天馬 愛華の代理として
この場に来ている天馬家筆頭執事・
の五名が募っていた…その理由とはずばり
厩舎の看板競争馬であり3歳という若さで
粗方の初めてを達成した異常なサラブレッド
バリシニコフの調教メニューを練っていた。
「やっぱり自分としてはレースは使わず坂路とダートで心肺機能とパワーを強化していく方針が良いと思うんだ、既にスピードは十二分だからね。」
そう話したのは保田 陸雪調教師である
確かにバリシニコフは3歳ながら世界レコードを
叩き出すなど、スピードは十二分と言える
「う〜ん、俺としては先生と概ね同意見なんだけど坂路はなぁ…幾らバリシニコフの回復力が高いからと言って沢山やったり流石に溜まると思うんですよね。」
次に調教師の言葉に賛同をしつつも
坂路には苦言を呈したのは国崎 五叉路調教助手
そう、バリシニコフも生きとし生ける生物なのだ
幾ら異常な回復力があろうと疲れるものは疲れるし
精神がどうなのかとか考えたら切りこそないが
そこで勝敗を分けるなら慎重に行きたいだろう
「僕はプールと芝を走らせたいですね。これから1年間は芝コースしか走らないでしょうし日本の芝でスピードを鍛え終わった後に遠征してあっちの芝で慣らしながらパワーとスタミナを鍛えたいと思ってます。あと無敗なので出来れば無敗のまま引退させたいですね。生涯無敗の三冠馬はホースマンの夢ですし」
調教師の論を聞きながらも自分の論を話すのは
バリシニコフの主戦騎手である大岳 隆である
本人的にはバリシニコフには過度な調教をせず
軽めの調教をしながら本番を待たせたいが
それで勝てるかどうかは分からない為
自身の中の折衷案を提示する事にしたようだ
「でも、バリシニコフって馬体が全然完成していない感じがするのですよね。となると大岳騎手の言うプールと芝に加えて足元に優しいウッドチップコースを使いながら脚に気を付けて調教を付ける事も手段の一つだと思いますよ?」
ウッドチップコースを提案しながら
バリシニコフの馬体の完成度を報告したのは
厩務員見習いでありバリシニコフ専属厩務員の
姫島 真由である、彼女の言葉も理には叶っている
「では、皆さんの案を参考に致しますと…やはり、今まで通りの調教過程を踏んだ方が安牌である…その様で宜しいですかな?」
最後に纏めて決めたのは北海道の白老にて
バリシニコフと共に長めの年末を堪能している
オーナー・天馬 愛華の代理人として天馬家から
直々に来た天馬家筆頭執事・古川 遷宮であった
天馬家は先々代の当主から始まる競馬家であり
資産家でありながら競馬に卒倒するあまり
毎日何処かの競馬場に誰かが出没するで有名な
癖強変な家である…尚、3代目がバリシニコフの
オーナーであり、オーナーの最初の所有馬である。
「う〜ん…それでも良いんだけど、余りメディアに取り上げられたくないから調教はメディアが撮りずらい場所でしたいんだよね…ほら、キャップの再来だとか、テイオー*2に続けとか持て囃されるのはバリシニコフの精神的に悪いでしょ?」
「まぁ、それはそうなんだけど…でも先生、バリシニコフは既に立派なG1馬、それも3歳でG12勝という偉大な記録を遺してるんですよ?つまり、どう足掻いてもメディアの標的にはなっちゃいますよ」
「ですよねぇ…私たち開業して1年も経ってないから、そこまでツテも発言力も無いですもんね…メディアを追い返そうにも報道の自由って言う権利を振りかざされては…」
「流石に厩舎の問題となると部外者になる僕ではどうする事も出来ないですよね…それに僕はオグリ*3の時やマックイーン*4の時にメディアに顔売れちゃってるし」
そう、ここで表面化してきた問題とは
バリシニコフ人気による第三次競馬ブーム
その発生によって出てくるだろうと推察される
オールドメディアによる悪質な撮影である
あのオグリキャップの時に仕出かした事は
競馬界では重く受け止められており
今でもオールドメディアによる撮影を断りたい
出来る事なら、バリシニコフに近付けたくない
そこまで考える程度には大事なのだ
「私共、天馬グループ及び天馬家はバリシニコフを可能な限り護る事を会議による決定こそしていますが、バリシニコフの人間に対して誰彼構わず優しく友好的過ぎる姿勢では警備の人間ですら虜にし、この馬なら大丈夫だろう、等という下劣な考えを産む可能性を考えられ、難しいのではないか?と別の側面から問題が発生するだろうと決議が出ております。」
日本有数の資産家である天馬家ですら
匙を投げたくなる程度には競争馬の警護は
難しいのだ、人間ならば意思疎通が容易だが
相手は人間の言葉を理解してしまっているだろう
そう考えられてはいるが相手側からの意思疎通が
難しいのでは遥かに難度が変わってくるのだ
バリシニコフが言葉を話せればと思う者は少なくない
そうして何度も話し合いは続いて行った…
この投稿では、メタ発言をするのは
バリシニコフ・本馬のみに固定している為
補足説明欄での解説も全て、その年代まで
に起こった事だけをツラツラと書いときます。