鬱展開は嫌なので死んだフリをすることにしました 作:サクラモッチー
宝石の国には28体の宝石がいる。
過去には多くの宝石が居たみたいだが、その大半が月に攫われてしまったらしい。
そんな事実に対してシビアだな思いつつ、ほとんどの宝石が寝静まった夜の学校の中を散歩していた時
「よぉ」
俺は海中からひょっこりと頭を出す宝石と遭遇するのだった。
ウワァァァァァ!?デタァァァァァ!?
「海坊主!?」
「いや違うからな!!」
綺麗なツッコミありがとうございます!!って言ってる場合じゃねぇ!!
何で海中から宝石が出てくるんだよ!?てか、こんな宝石原作でも見たことが無いし.......一体、何者なんだ?
「初めまして、フォスフォフィライト。俺はコーラル。ここら辺の海でテキトーに暮らす宝石だ」
コーラルってことは.......
「君、珊瑚なの?」
「へぇ、フォスフォフィライトにしては物知りだな」
俺の言葉に対して海中から陸に向けて体を出しながら、そう言う赤い宝石ことコーラル。
....というか、何で俺のことを知ってるんだ?
「そういうお前は何でボクのことを知ってるの?」
「何でって.......俺もお前と同じ
「!?」
コーラルがそう言った瞬間、目を見開く俺。
転生者って他にもいたのか!?
というか
「何でまた僕が転生者って分かったの!?」
何でそのことを知ってるんだよ!!
「俺の知るフォスフォフィライトは爆弾なんか作らないし、いつもならブーブー文句ばっか言うくせに口だけは一丁前なのに、崖から落ちてからのお前はほんのちょっぴり真面目になった。このことに疑問を抱かない奴なんていねぇよ」
「ゔっ....」
デスヨネー。
「けどよ、お前は最終的には神様になる存在だろ?何でまた抗うんだ?」
最終的には神様になる.....か。
「僕は神様じゃなくて、ただの宝石として生きたいし....何より鬱展開に耐性がないから、そういうのを避けたいだけだよ」
コーラルに対し、俺はそう言うと
「まぁ、お前の言うことは分かる」
コーラルはその言葉に少しだけ納得したのか、そんなことを言った。
.......お前は何様なんだよ。
「こんな世界に生まれちまった以上、俺らは月人に狙われ続ける。だから俺はのんびり海の中で暮らしてたんだがな」
「ただのニートじゃん」
「ニートじゃねぇ。ちょっと海の底でグータラ生活してただけだ」
「それをニートって言うんだよ」
俺がそう言うと、コーラルはムスッとした顔になりつつもこう言った。
「で?お前は俺に何を望むんだ?」
そう言うコーラルの顔は、まるでその悪巧みに加えろと主張しているような表情になっていて
「とりあえず、月人との戦いの時にバラバラになった体を回収してくれたらありがたいな」
俺はそんなコーラルに対してそう言った。
一方、コーラルはというと
「海中に破片が落ちる前提かよ」
やれやれという表情でそんなことを言った。
「だって、死を偽装するには爆弾を使うのが手っ取り早いんだもん」
「そんなの初耳なんだが」
俺の言葉に対し、呆れ返るコーラル。
.......俺は別に変なことは言ってないぞ。
「まぁ、泳ぎは得意な方だからお前の破片は回収してやる。だが....お前はその後のことを考えているのか?」
後のこと....ねぇ。
もちろん、考えてはいる。
最も、このことを他の宝石達に知られたら夢物語だと一喝されそうだけど。
「あぁ、考えてはいるよ」
「へぇ、それじゃあどんなことをするつもりなんだ?」
そう尋ねるコーラルの言葉に対し、俺は.......こう答えた。
「とりあえず旅がしたい」
今のところ、大陸と呼べる島は確認できているだけでもこの土地だけ。
だけど.......本気で探せば島の一つや二つは見つかるはず!!
そう思いながら、コーラルの方を見ると
「ククク....アハハハハ!!いいねぇ!!」
大爆笑をしながらそう言った。
「実はな、俺も近々ここら辺の海から移動しようと思ってたんだよ!!」
「え?そうなの?」
お前、動けるニートだったのか。
「あぁ!!だからお前のやりたいことは俺にとって都合がいいんだよ」
「なら良かったよ」
コーラルの言葉に対し、ニコッと笑う俺。
何はともあれ、これで仲間が出来たな。
「あ、そうだ。このことは金剛にチクるなよ」
「分かってるって」
俺がそう言うと、コーラルはフッと笑うと
「それじゃあ、また満月の日に会おうぜ」
そう言った後、海の中へと飛び込んで行ったのだった。
「さてと、僕も寝ますかね」
コーラル
本作に登場するオリキャラ。
一人称は俺。
フォス(転生者)と同じく人間から宝石に転生した存在。
海で生まれたので宝石の中では珍しく泳ぐのが得意。
学校の近くの海で暮らしており、フォスの異変を海の中からこっそり聞いていた。
髪色は赤で、とても綺麗な髪らしい。