鬱展開は嫌なので死んだフリをすることにしました 作:サクラモッチー
コーラル「観光かっつうの」
「海中散歩が出来るなんて、夢みたいだよ!!」
「たかが海の中を歩くだけで何でそこまで興奮するんだ?」
ハロー!!フォスフォフィライトで〜す!!
俺は只今前にコーラルが発見した島に向けて海中移動中!!
いや〜、海の中は綺麗だねぇ。
まるで人魚になった気分だよ。
「コーラルはそう思うかもしれないけど、僕にとっては嬉しいことなんだ!!」
「そうかよ」
僕の言葉に対し、頭をポリポリと掻きながらそう言うコーラル。
その顔には、呆れの表情が映っていた。
「ところで、島まであと何分?」
「そうだな.......もうそろそろのはずだ」
そんな会話をしつつ俺達が移動すること数分後、俺達は海底から浅瀬に辿り着き
「おぉ....!!」
海中から出る頃には、俺達は島に到着した。
その島には、コーラルの言う通り大きな船があり.......数億年経っているとは思えないぐらいに朽ちてはおらず、まるで今にも動き出しそうな雰囲気を出していた。
.......カッケェ。
「船が!!船がある!!」
「な、言った通りだろ?」
興奮する俺に対し、ドヤ顔でそう言うコーラル。
俺はその船を間近に見ようと思い、そのまま陸に上がって船を観察していると.......どこからか、こんな声が聞こえた。
「可愛い可愛いエンジンちゃん、お願いだから動いてね〜」
この声....もしかして俺と同じ宝石か!?
というかこの船、動く可能性があるな。
「これ、もしかして動くの?」
「かもな」
嘘ぉ!?マジでぇ!?
「ロマンがありまくりだよ....」
船を見つつ、俺がそう呟くと.......その声に気づいたのか、甲板に一人の宝石が出ていた。
その宝石はいわゆる琥珀色の輝く髪を持った宝石で
「な、な、な....何故にフォスフォフィライトがここにぃぃぃぃぃ!?」
俺達を見た瞬間、そう叫んだ。
なるほど、確かにこいつは転生者だな。
けど、とりあえず挨拶しないとな。
「どうも、可愛い系宝石のフォスフォフィライトで〜す☆」
「俺はコーラル、よろしくな」
俺達がそう挨拶すると、その宝石は俺達をマジマジと見ながらこう言った。
「え、えと.......オイラはアンバー。世間一派的に言うところの琥珀です.......」
琥珀....か。
「よろしくね!!アンバー」
「あ、うん、こ、こちらこそ....」
俺の言葉に対し、そう言うアンバー。
その顔は少しだけビビっているように見えた。
「ところでさ、その船に乗っても良い?」
「えぇ!?い、良いけど....何で?」
恐る恐るそう尋ねるアンバーに対し、俺は
「船はロマンの塊だからね!!」
と言うと
「そ、そ、そ.......それな!!」
さっきまでのビビり具合から一変し、めちゃくちゃ興奮した様子でそう言った。
なるほど、アンバーは船が好きなのか。
「生まれたばかりの頃にこの船を見た時から、オイラはこの船がカッコいいって思ってたんだ!!それに....」
「それに?」
「この船はまだ動けるってことをオイラは証明したいんだ!!」
アンバー.......お前
「それ、カッコいい!!」
ロマンがあっていいじゃねぇか!!
「船があれば、わざわざ海底を歩く手間が省けるな」
俺の言葉に対し、同意するようにそう言うコーラル。
コーラル....お前、ロマンが分かる奴だったか。
「ねぇアンバー!!僕らもその船の修復を手伝ってもいい?」
俺がそう言うと、アンバーは目を見開いたかと思えば....こう言った。
「.......いいの?」
そんなアンバーの問いに対し、コクリと頷く俺。
その俺を見たアンバーが嬉しそうな顔になったのは言うまでもない。
「馬鹿なお前にしては名案じゃねぇか」
むっ!!
「僕馬鹿じゃないもん!!ロマンチストだもん!!」
「そんなの初めて聞いたんだが」
人間誰しもロマンを抱くからいいだろ!!
と、そんなことを思っていたら
「二人共、とりあえず船底のフジツボ取ってくれない?」
アンバーはそう言いながら、フジツボを取る用のヘラを渡すのだった。
「「了解!!」」
かくして、アンバーと仲良くなった俺達なのだった。
アンバー
本作に登場するオリキャラPart2
一人称はオイラ。
フォス(転生者)と同じく人間から宝石に転生した存在。
船が漂着しているとある島で生まれ、それから数百年もの間を船の修復に費やしていた。
なので、機械弄りなどが得意。