鬱展開は嫌なので死んだフリをすることにしました 作:サクラモッチー
コーラル「ただ、学校の連中は曇ってるみたいだけどな」
アンバー「oh.......」
フォスが死んだ。
この情報はあっという間に学校内にいる宝石達の間に広まり、金剛を含めた全員がそのことを悲しんだ。
本来、宝石は死ぬことはないのだが....月人との戦闘の際、謎の爆発に巻き込まれたことによって、フォスは修復不可能な程に粉々になったのだと宝石達は思ったのか....その遺品と思われるネクタイの一部を大切に持ち帰った。
彼らの中で特に悲しんだのは、フォスを助けようとしたゴーシェナイトとモルガナイトで、二人の悲しみは尋常ではなかった。
他の宝石達は二人のせいではないと慰めたが、それでも二人の悲しみが癒えることはなかった。
「.......」
それは、ボルツも同じだったのか....彼は顔にその感情を出さなかったものの、もうここには居ないフォスのことを思い出しながら、唇をギュッと噛んだ後、ある特殊体質であるが故に洞窟で暮らしている宝石に、シンシャに会いに行っていた。
「ボルツ....俺に何の用だ?」
突然現れたボルツに対し、警戒しながらそう言うシンシャ。
そんなシンシャに対し、ボルツは.....悲しみの感情を胸の中にしまいつつ、こう言った。
「......フォスが死んだ」
ボルツがそう言った瞬間、シンシャは一瞬何を言っているのかが分からなかったのか....ポカーンとした顔になっていたのだが、徐々にその言葉の意味を理解してきたのか
「....は?」
思わず、そんなことを呟いていた。
「何を....言ってるんだ。あの馬鹿がそう簡単に死ぬはずが無いだろ?どうせ月人に攫われた、はず」
震えながら、信じられないという様子でそう言うシンシャ。
そんなシンシャを見たボルツはそうなるよなと思った後、彼に向けてこう言った。
「奴は月人に捕まった後、謎の爆発に巻き込まれた。モルガとゴーシェ曰く、月人との戦闘の際に発生した爆発の衝撃はとてつもないモノだった。なら、奴が生きている可能性は」
「あるかもしれないんだろう?」
「.......」
ボルツの言葉に対し、食いつくようにそう言うシンシャ。
その顔には、僅かな希望に縋りたいという思いが浮き出ていた。
だが、それはボルツも同じだったのか....さっきと同じように唇を強く噛んでいた。
「ボルツ、今すぐ俺を海岸に連れていってくれ。あそこに行けばフォスの欠片が」
「僕だってそう思った!!」
「!?」
シンシャの言葉に対し、そう叫ぶボルツ。
その顔には、いつもの冷静さや冷酷さは少しばかり落ち着いていて....その代わり、悲しみの表情が出ていた。
「僕だって最初はそう思った!!フォスの探したいダイヤに着いていく名目で海岸にも行った!!だが....奴の欠片はどこにも無かった!!その時、僕は初めて死というものを理解した」
ボルツがそう叫ぶと、シンシャは険しい顔になると
「ボルツ....お前は本当にフォスが死んだと思ってるのか」
ボルツに対して、そう言った。
その言葉に対し、ボルツは手をギュッと握ると....彼に向けてこう言った。
「......そう納得するしかないだろう」
その言葉を聞いたシンシャはチッと舌打ちをした後、洞窟の壁にもたれ掛かったかと思えば.......こう言った。
「....俺は信じない」
その言葉を聞いたボルツはだろうなと呟いた後、シンシャに背を向けると、彼に対してこう告げた。
「......昨日、フォスのモノと思われるネクタイの一部が見つかった。先生は明日、フォスの『葬式』というものを行うつもりだ」
「..............」
「必ず来い。僕からはそれだけだ」
そう言った後、その場を後にするボルツ。
その後ろ姿を見送ったシンシャは、一言
「どうしてお前は......いつも面倒なことに巻き込まれるんだ........」
そう呟いた後、その場に崩れ落ちると....残酷にも光り輝く星々が浮かぶ夜空を見上げるのだった。
【悲報】
モルガやゴーシェ達だけではなく他の宝石達も曇る