ありふれた狐達は世界最強 作:マサヒロ (旧名デイブレイク)
脳内で原作BGMを流しながら読んでみてください。
それではどうぞ!!
化け物に襲われていたハジメと香織だがシロクマの仮面ライダーに助けられ、安全と言われたビルの屋上に来ていた。
二人は長時間の全力疾走で座りこみ、肩で息をして、香織は柵に寄りかかっていた。
シロクマの仮面ライダーはドライバーに装着された機械――『レイズバックル』を取り外すと、30代くらいの髭を生やした男性が出てきた。
「あ、あの!助けてくれてありがとうございます」
香織は男性に感謝を伝え、ハジメも会釈をする。
男性は二人の方に向き直るとポリポリとこめかみをかきながら笑顔で答えた。
「消防士だからね。つい、人命救助を優先してしまう」
その時ウシの仮面ライダーがゾンビブレイカーを引きずりながら現れる。
「よく言うよ。その人助けもスコア稼ぎの為だろ」
「スコア?」
香織が疑問をこぼす。
「君と一緒にしないでもらいたい」
「一緒だろ」
ウシの仮面ライダーは男性の横に移動しながらそう言うと男性と同じようにレイズバックルを取り外すと変身を解除し、中からハジメ達より少し上、10代後半から20代前半の青年が現れる。
青年は男性に顔だけ向けると眉間にしわを寄せて
「善人ぶるなよ、見返りを求めてるくせに」
と、吐き捨てる。
何も言い返さない男性に鼻で笑うと、周りを見渡す。
「アイツの姿が見えない・・・一発逆転を狙うつもりか?」
「まさか城を!?それは無理だ!」
青年のその言葉に男性はありえないというような表情をして否定する。
その時
「ア゙ナダダディヴァナディナンディスカ!!」
状況を理解の整理ができていないハジメが活舌が怪しくなるほど声を荒らげ、怒鳴り散らす。
フラフラと立ち上がり再び声を荒らげて問いただす。
「一体何がどうなってるんですか!?」
その言葉に青年はわずかに厳しい目で
「この世界は直に終わる」
とだけ短く答える。
その言葉に香織は恐怖で顔が引きつり、ハジメも愕然とするしかなかった。
その時、ハジメは父親のゲーム制作会社の開発現場で聞き慣れた音――法螺貝の音が響き渡り、辺りに影が落ちる。
ハジメが上を見上げると、鯨と日本の城を組み合わせ、触手を生やした化け物が空を飛んでいた。
「「えっ・・・?」」
「城か、マズイ!!」
化け物の姿に唖然とするしかない二人。
ただ、その脅威を知っている男性と青年は顔を険しくする。
そして、その化け物が4人がいるところ目掛けて触手を振るった。
【SET】
「ガァ・・・・・・!」
触手の攻撃でハジメと香織の身体は衝撃波で少し飛ばされる。
青年は回避し、男性が戦おうとドライバーにバックルを装着した瞬間、触手が変身した男性の身体を吹き飛ばし壁に叩き付けられる。
そして立ち込めていた煙が晴れた時、
「・・・しま、った」
【Mission Failed】
「「・・・・・・えっ?」」
システム的な音声が鳴り、赤黒いノイズのような光がドライバーを中心に走りドライバーの中央に装着された装置『コアID』に亀裂が入る。
そして男性は紫色の粒子と化し、消えた。
その場には男性の持っていた緑色のバックルだけが残されていた・・・
「あっ・・・!?」
「えっ・・・!?」
ハジメと香織はその光景に息をのむしかなかった。
【PLAYERS RANKING】
そのシステム音声を青年が聞くと、携帯端末を取り出しシロクマのライダーの表示が〈ROSE〉になっていたのを確認すると冷笑を浮かべる。
「よし。1人退場」
その冷たい言葉に香織は青年に怒鳴りつける。
「何笑ってるんですか!?人が消えちゃったんですよ!?」
「そうですよ!何で助けなかったんですか!?」
二人のその言葉に青年は冷たい表情で受け流し、
「お二人で仲良いのはいいが、他人の心配している場合か?」
と言ってその場を離れる。
その時城の化け物が咆哮する。
城の化け物の触手が周りの建物を破壊し、頭頂部からビームを放った。
触手の叩き付けで建物は崩壊し、ビームの熱で崩壊した建物が燃え上がる。
その衝撃はハジメ達の居るビルにも届き、ビルそのものに二人を隔てるように亀裂が入る。
そして、香織が居る場所が崩壊した。
「キャァァッッッ!」
「あっ・・・!」
ハジメは香織の手を掴もうとするが、わずかに届かない。
その時、エンジンの唸り声が近づいてきた。
エンジン音のした方向を見ると、特徴的な赤いバイクが跳び、ビルの壁を走る。
そのバイクを運転してる人が空中で香織を受け止めると、ビルの破片を華麗によけ、しっかりと着地した。
「えっ、今のって?あっ!白崎さん!」
ハジメはヘルメットのバイザーから僅かに見えた横顔に見覚えがあった。
そして、バイクの人物の所に行くためにビルを下りていく。
その光景に青年は軽蔑の表情を浮かべ
「今更人助けかよ、何考えてんだ?」
吐き捨てると、和装モドキの化け物の方に向き直るとバックルをドライバーに装着した。
「この勝負俺がもらう」
赤いバイク――『ブーストライカー』が完全に停車すると、香織は腰が抜けたかのようにブーストライカーから降りる。
「死ぬかと思った・・・」
バイクのドライバーがブーストライカーから降り、ヘルメットを外すとドライバー――英寿の素顔が露になる。
英寿がヘルメットをブーストライカーに置き、香織と同じ目線になるようしゃがむと話しかける。
「怪我はなさそうだな」
「ありがとうございます。この恩は忘れません」
香織は深々と頭を下げ、感謝を伝える。
だが、
「いや、忘れたほうがいい。こんな世界なんて」
英寿は立ち上がりながら破壊の限りを尽くす城の化け物を見てそう言う。
その言葉に疑問を漏らすしかない香織。
「白崎さん!!」
その時、ハジメが走ってきて息を切らしながら合流する。
「大丈夫?」
香織は頷いて答える。
「うん大丈夫だよハジメくん、この人が助けてくれたから」
「ごめん。助けることできなくて・・・」
ハジメは香織に対して、頭を下げて謝罪する。
香織はハジメのその行動に首を横に振った。
「大丈夫だよ!ハジメくん、助けようとしてくれたもん!」
香織は笑顔でそう言う。
その言葉にハジメは少しだけ救われた気がした。
「・・・!ありがとう白崎さん・・・英寿君もありがとね!白崎さんを助けてくれて」
ハジメは英寿を親しげに呼び、感謝を伝える。
英寿は笑顔でハジメに応える。
「あぁ、久しぶりだなハジメ」
「うん!久しぶり!」
二人の親しげな様子に香織はハジメに問いかける。
「ハジメ君、知り合いなの?」
香織の問いにハジメは頷いて肯定する。
「うん。小さい時によく一緒に遊んでくれてたし、実家の手伝いもしてくれてたんだ」
するとハジメは何かを思い出したかのように、英寿を問い詰める。
「それより、英寿君何でここにいるの?それに何で手紙を返信しなかったの?英寿君の親に連絡したら、家を出て行ったって聞いたし」
英寿はハジメの質問を軽くスルーしながら、ハジメと香織の距離の近さを面白そうな目で観察する。
「なんだ?お前の彼女か?」
「いや、彼女じゃないから!!今、初めて・・・ではない?けど会ったばかりだし!」
その揶揄いに二人はお互いを見て、香織は顔を赤く、ハジメは首を横に振って否定する。
「・・・別に彼女だって言ってくれていいのに・・・」
香織はハジメの言葉にかなーり不服そうな顔をしているが。
ハジメのその言葉に英寿は笑みを絶やさずに振り返る。
「じゃあ、俺にもまだチャンスがあるってことか」
「「はぁ!?」」
その言葉に香織はハジメの腕を掴んで振り返り、少し下がると小声でハジメに話しかける。
「ちょっとハジメくん、本当にこの人知り合いなの?もし本当に知り合いなら、縁を切った方がいいと思うかな?かな!?」
「白崎さん・・・気持ちはわかるけど、そこまで言わないであげて・・・」
「うっ!、ごっ・・・ごめんなさい・・・」
香織のその言葉にハジメは若干涙目になりながら返し、香織が謝る。
そんな二人を見ていた英寿は二人に笑顔で近づいて、肩を組んだ。
「ずいぶんな口だが、諦めない限り世界は変えられるからな」
英寿は交互に二人を見て肩を叩いてからから、前に歩き出す。
ハジメは肩を叩かれた衝撃でよろめき、近くの瓦礫に寄りかかり呟く。
「・・・そんなわけないでしょ」
その言葉に英寿は足を止め、香織はハジメを心配そうな眼で見る。
「なんとなく思ってた」
「僕達の世界って、就職したり、結婚したり、宝くじが当たって億万長者になるようなことも無く、
「ハジメ君・・・」
ハジメは俯き、身体は膝から崩れ落ちる。
そして、彼の瞳からは涙がとめどなく零れ落ちた。
「なのに、世界ってある時一瞬で終わるんだなって・・・」
そして、ハジメは城の化け物の破壊の数々や、死体だらけになり、和装モドキの怪物が闊歩する街が脳裏をよぎる。
「心配するな。恐竜が絶滅したって世界は再生してきた」
英寿は前を向いたまま、ハジメを鼓舞するように話す。
その言葉にハジメは顔を上げ、ありえないというような表情をする。
「いつの時代の話だよ。それに、そんな都合よくいくのはアニメや漫画とかの世界だけだよ・・・」
「こんな世界は終わらせよう」
英寿は二人に向き直り
「もう一度、やり直すために」
そう言った。
「やり直す・・・?」
香織が英寿の言葉に疑問を漏らした。
そして英寿が再び前を向いたとき、
「「「「「「「「「「ジャー」」」」」」」」」」
さっきまでと比べ物にならないくらいの化け物と城の化け物がそこにはいた。
ハジメは逃げようと後ろに後ずさり、香織もそれについていく。
ただ、英寿はその場を動かなかった。
「英寿君!!このバイクで今すぐ逃げよう!!道路交通法とか今は無視して三人で!!」
ハジメは必死にそういう。
それをみた英寿は昔ハジメに見せていたような自信満々の笑みを浮かべ、ハジメの方に顔だけ向ける。
「安心しろ!その必要はない。お前はそこのガールフレンドをしっかり守ってろ」
「「えッ??」」
英寿はそういうと懐から銃を模したバックルを取り出した。
そしてそのバックルを腰のドライバーに装着する。
【SET】
装着音が鳴るとともに英寿の横に【MAGNUM】の文字とシリンダーのようなものが浮かび上がる。
英寿は大きく右腕を回し顔の正面に持ってくると指で狐を形作り、その手をそのまま前にだすと手首をスナップさせて指を鳴らした。
「変身!」
バックルのシリンダーを回転させ、トリガーを引いた。
するとバックルから六発の弾丸が発射され、【MAGNUM】の文字とシリンダーを撃ち砕く。
その破片が鎧へと再構築され、英寿の方に向かってくる
【MAGNUM】
【READY FIGHT】
その音声と共に英寿の頭に仮面が装着され、鎧が英寿の体を覆う。
そして白いマフラーが風でたなびいた。
その光景を目の前で見たハジメと香織は、
「「狐!?」」
と驚きを隠せない。
英寿は大きく右腕を回し、右手に装備した銃『マグナムシューター40X』を前に突き出し、左てで右腕の上腕に触れる
「さぁ、ここからが・・・・・・ハイライトだ!」