藤咲七海の羽丘女子学園高等部以外の居場所、
それが、パラダイスという、
不登校仲間や、家出少女達が集まる場所だった。
とはいえ、パラダイスのアジトは、
都内の再開発エリアの、
廃ビルの一角である。
「ななみーん!」
「りーな!」
「ねぇ、今日は何して遊ぶ?
学校って、本当に楽しいの?」
「うんっ!羽丘女子学園に通っていて、
友達も出来たし、仲間も出来た!
毎日が充実しているよ!」
「そう…ななみんは、
自分の居場所を、見つけられたんだね」
「そ、そうかな…?」
「私は、このパラダイスが居場所だから、
学校には行かない」
「でも、学校は楽しい場所だよ?」
「それは、ななみんの意見でしょう?」
「そ、そうだけどさ…」
「どっちの居心地が良いの?
羽丘?それとも、ここ?」
「どっちも、あたしの居場所!居心地が良いんだもん!」
「ななみんは、素直で優しい子だね」
「人から、そういう風に褒められても、何もでないよー!」
「ねぇ、これから、暇?カラオケ行かない?」
「あっ、いいね!
あっ、クラスの歌がすっごく上手な子がいるけど、誘ってみようかな…?」
「うんうん!誘って!誘って!」
七海は、千尋を誘った。
「お、お待たせ…な、七海ちゃん…」
「この子は?」
「東雲千尋ちゃん!
あたしが所属しているバンドのボーカルでね、
歌がすっごく上手でね!それでね!もう、天使の歌声でね!
癒されるよー!心が浄化されて、洗われるよ…」
「ふーん、千尋ちゃん…だっけ?
よろしくね!私は、りーな!里奈だよ!」
千尋は七海の背中に隠れた。
「アハハ…千尋ちゃん、普段は、
あこちゃん以外の子には、心を開かなくてね…
未だに、あたしにも、心を開いてくれない…」
「あこちゃんって…」
「宇田川あこちゃん!」
すると、千尋が…
「あこちゃんはね、千尋のあこちゃんなの、
ドラムを叩く姿にうっとりしてね、
カッコいいんだよ!それで…カワイイあこちゃんもだけど、
あこちゃんは、ちひろだけの、あこちゃんだから…!」
「フフッ、面白い女の子ね」
「でしょー?うちのバンドのマスコットキャラクターで、
天使なんだ~!たまに、ニコッって笑ってくれると、
幸せが訪れたりするんだ~!」
「幸せか…おすそ分けしてもらいたいな~?」
「やっぱり、あこちゃん以外の人は、嫌だ」
「でも、来てくれたじゃん?」
「あこちゃんが、ドラムの練習で忙しいって言うから…
本当は、あこちゃんも、誘いたかったのに…」
「千尋ちゃんは、普段から、あこちゃんとセットだからな…」
「あこちゃんって子、魅力がありそうな子だね」
「うんっ!千尋の恋人で…婚約相手だもん!
運命の相手だもん!」
と、千尋は瞳をキラキラさせて、そう語るのだった。
「さ、さぁ!カラオケにレッツゴー!」
「おーっ!」
三人はカラオケ店にやって来た。
「千尋ちゃんは…パスパレの歌が得意なんだよ~?
声カワイイしー聴いただけでも、萌え死にそうだよ~!」
「…歌うね」
千尋は、彼女たちのことは、無視して、七海と里奈の為に、
パスパレの歌を、歌のだった。
その千尋の癒されるような、キレイな歌声で、
見事に二人の魂が昇天になった!