藤咲七海が、学校から帰ろうとしたら…
懐かしい顔を目の当たりにした。
「ななみん!」
「あっ」
「久しぶりだね!ななみん!元気?」
「うん、りーな。
あたしは充実とした学校生活を送っているよ!」
小宮 里奈
藤咲七海とは、小学生時代の幼馴染であり、
かつての不登校仲間。
(パラダイス)の三代目ヘッドを務める、
15歳の少女。
(自分の学校は町)という理念を持ち、
小学校卒業後、中学校に通わずに町で遊んでいる。
「パラダイス」は里奈がリーダーを務める、
行き場の無い子達や、不登校児を集めて居場所を、
自分達で作り、楽園を創造する目的にしている。
七海は中学に通いながらも、接触していた。
七海からの、あだ名は、(りーな)
逆に、里奈からは、(ななみん)と呼ばれている。
「聞いたよ?ななみんって、
バンドで、ベースやっているって!」
「えぇ、おかげさまで、充実とした、女子校ライフ、
送っているよ!」
「それが、ななみんの幸せ?」
「えっ?」
「だって、ななみん、昔だったら、学校なんて、行かなくていいって言っていたじゃん」
「そ、それは…デマとか偏見が流れていたから…」
「そりゃ…カットモデルやヨガしていたら、
そうなるか…」
「でも、セレブっぽい私生活は、ママに強要されて、やっているだけで…」
「それも、知っている」
「でも、あたし…ワガママでさ、遊びたかったんだ。学校に行きながらも」
「どうして?学校はダメなところだよ?」
「で、でも!羽丘は違うと思う」
「そう」
「ななみんが、居場所を見つけたのは、喜ばしいことだけど、
昔みたいに、私と遊ばないの?」
「そりゃ…あたしも、遊びたいけど…」
「この都内は、色々な学びがあるんだよ!学校とは違って!」
「…それは、否定できないけど…」
「じゃあ、何で、学校に行っているの?
それに、通っているの?」
「憧れだったの」
「えっ?」
「高校に通うなら、全日制で、制服着て、
思いっきり、青春を送りたい!
それが、あたしの一番の夢だったの!」
「それで、羽丘女子に?」
「うんっ!だから、今、あたし、最高に充実している!」
と、七海はニコッと笑いながら、里奈に向けた。
「でも、私は学校には、通わない」
「フフッ、何だか、里奈らしいね」
「そーう?外で、色々な体験が出来て、こっちの方が充実していると思うんだけどな~」
「それも、悪くないけど、でも、あたしは、
もう、戻らないから、前みたいに、
一緒に、夜中まで遊んで、ママに怒られちゃって、
その理由がね…肌に悪いとか、寝不足は、肌の大敵とか、言っていてね…」
「セレブ志向のママは違うね」
二人は、過去の話で、盛り上がるのだった。