私の心に光を当てたなら   作:アッシュクフォルダー

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第一話 私の心を誰が照らすのか?

私の名前は、市津菜月。

花咲川女子学園 高等部の三年生だ。

 

私は一年の時から、弦巻こころや北沢はぐみと出会い、

それ以来、目ざわりで、うっとしく思っていた。

 

どうして、こんな奴等が、私と関わるんだ?

と、疑問に思う程。

 

私は喜びの笑顔を嫌っていた。

 

特に、こころやはぐみが、

目の前でバカみたいに楽しそうにしている姿が、

嫌で嫌で仕方がなかった。

 

私はいろいろ過去に良くない思い出を持っている。

だから人が嫌いだ。

花女も人たちとも馴れ合うつもりはなかったが、

ハロハピの弦巻こころと、

北沢はぐみは特に苦手だ。

 

こうして私は、今日も笑顔パトロールという名の、

デートに誘われ、いや強引に引きずれれた。

 

「今日はやまぶきベーカリーでセールやってるわ!

いきましょう!はぐみ、菜月!」

 

こころに引っ張られはぐみに背中を押されて、

私たちはパン屋に入ることになった。

パンの焼けるいい匂い、慣れ親しんでいる客たちは見ていて微笑ましい。

小さく笑うと、こころとはぐみが

 

「菜月、バンド始めてから、少しずつ笑顔が増えてきた」

 

と言ってくることが多くなった。

 

「いやいや、笑顔パトロールで早起きして、死にそうなんだけど」

 

「でも、楽しいでしょう?」

 

「なーくんだって楽しい方がいいでしょ?」

 

いや、だから誰も楽しいと一言も言ってないから。

それに今週は壊滅してる、理系科目の補講があるのに。

国語以外できないから、混乱している。

なんで笑顔パトロールに付き合ってるんだろう。

 

「なーくん、今週補講でしょ?なら、元気になるところ行こう!」

 

「さすがはぐみ!いいアイディアだわ!」

 

今度は二人にどこに引っ張られるのか、

ため息ついていたら流星堂の前に来た。

あの二人、意外と私の好きなもの覚えててくれたんだ。

 

「和の宝物がいっぱいね、ここは」

 

思わず微笑んだ私を見て、

二人は「笑顔パトロール大成功!」と喜んでいた。

美咲も花音さんも瀬田さんもどこか優しげな表情でこちらを見てきた。

癪に障るような嬉しいような複雑な気分になった。

 

「菜月、バンド始めてから笑顔になる回数増えたわよね」

 

「こころんも、そう思う?はぐみもそう思うんだ」

 

「全く…お前たちは…私の全てを知っているじゃあるまいし…」

 

「でも!はぐみ!なーくんのこと、もっと知りたい!」

 

「私も菜月のこと、知りたいわ!」

 

「はぁ…」

 

本当にそんなことあるのだろうか?まあ、最初のように、

ギクシャクした関係ではなくなったけど。

もし、こころたちが"友達"であれば、

私も少しは変われたたのかな。

いい方向に変わっているなら、それでいいか。

 

もう少し、ハロハピと関わってみてもいいかな。

たまに嫌だと思うことがあっても。

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