白宮円香。18歳の誕生日。
彼女は、11年間の時を経て、突如目を開けた。
遡る事、11年前、彼女は7歳の時に、
大事故に巻き込まれ、18歳の誕生日の時まで、
彼女は、11年間、眠り姫の状態だった。
「ようやく目が覚めたな、円香さん」
「…」
寝ぼけているのか、円香は、
どうなっている状態か、全く理解できなかった。
「落ち着いて聞いて欲しい。
円香さん、貴女は、11年間、眠りについていた」
「…!?」
円香は、何が何だかわからない状態だった。
「7歳の時から、今日本日、18歳の誕生日に至るまで、
円香さんは、眠りについていた」
「…円香が…?」
「はい」
「11年間も…」
「はい」
「それって…」
「そういうことです。
貴女の時間は、11年間止まったままです」
「…」
円香は言葉を失っていた。
「時間が…止まっていた…?」
「はい。貴女は、今日に至るまで、
11年の間も昏睡状態になっていました。
そして、その間に、両親も亡くなってしまいました」
「パパもママもいないの…?」
「はい」
「じゃあ、円香、どうやって生きたらいいの?」
「大丈夫です。考えています」
数日後、身元引受人として、
父方の祖母が引き取りに来た。
目を覚ましたとはいえ、孤独にさせる訳にも、
いかなかった。
そして、一カ月後、白宮円香は、
夜間定時制高校に入学した。
「いきなり高校に通えって言われても…
ここなら、小学一年生の問題を学んでいたら、
大丈夫よ?」
「わかった」
祖母が、色々と手続きをしてくれたようだ。
円香は、とりあえず、その学校に入学した。
「ここが、円香が通う学校…?」
「あぁ、ひとまず、一日中面倒は見られないから、
夜間だけは、ここで過ごして欲しい」
「はーい!おばあちゃん、わかった!」
と、円香は元気よく挨拶をした。
入学式に出席した、白宮円香。
1年A組、出席番号7番である。
「円香は7番か…」
それから、一週間後
「あっ、えっと…白宮さん?」
「円香のこと?」
「うん。あっ、円香ちゃんって、
その…歌うこと好き?」
「うんっ!円香、お歌大好きだよ!」
「じ、じゃあ、バンドに入ってもらえない?」
「ばんど…?」
「私、椎名未希って言うんだ!
実は、幼馴染の子達と一緒にバンドをしていてね、
それで…歌う子が、なかなか、いなくて…」
「じゃあ、円香が、歌う!」
「えっ?ホントにいいの?」
「うん!その…ばんどって、よくわからないけど、
すっごく、楽しそう!」
「あ、ありがとう!じ、じゃあ、明日、
早速だけど、みんなと顔合わせしてもらうね!」
「すっごく、楽しみ!」
「ありがとう…円香ちゃん…私も、凄く嬉しい」
こうして、円香は、バンドのボーカルをすることになった!