Avemujicaが唐突に解散して、一週間後、
白宮円香は椎名未希に対して、豊川祥子に会いたいと言った。
「Avemujicaが解散か…」
「祥子ちゃんのバンドだよね?会いたい…祥子ちゃんに…」
「どうするつもりなの?」
「祥子ちゃんは、きっと泣いている。
怒っているように見えて、すっごく泣いている!
円香にはわかる!祥子ちゃんもきっと、
こんな思いで、バンドをしたいって、
Avemujicaをしたいって、思っていない!」
「円香…」
「円香は祥子ちゃんの本当の気持ちが知りたい!」
「気持ちはわかるけど、彼女が言うかどうか…」
未希と円香は一緒に、ある人物に会いに来た。
その人物は…長崎そよだった。
「何の用?」
「祥子ちゃんの連絡先、教えて」
「わかったわ」
と、そよは円香と未希に、豊川祥子の連絡先を教えた。
「羽丘に転校したんだ」
「うん」
「家は?」
「あの大きなお屋敷。豊川グループの本拠地よ」
「豊川グループ?」
「あっ、円香は知らないか…」
「円香ちゃん。祥子ちゃんは、
すっごく悲しんでいるから、心の奥底から。
それと」
「?」
「睦ちゃんに会わせてあげないと、ダメだから」
と、睦の連絡先と住所が書かれたメモ用紙を、
未希に渡す。
「わかった。助けたい!円香もそう思う!」
「気を付けてね」
「わかった」
「行くよ。円香」
「はいっ!」
後日、円香と未希は、豊川家にやって来た。
「ここが祥子ちゃんの家か…」
「インターホンを鳴らすね…」
そして、案内人に案内されて、祥子の元へ…
「…何の用ですか?」
「円香!祥子ちゃんの助けになりたい!
ねぇ、聞かせて!祥子ちゃんは、
きっと、バンドがやりたいって、
楽しくやりたいって思って」
「何がわかるのですか!?」
と、祥子は絶叫した。
「あなたは元々、部外者じゃないですか!
それに、未希さんも二代目を名乗っていて、何のつもりですか!?
Avemujicaも、クライシックも、もうどこにも…」
と、祥子が泣き出す。
「大丈夫…大丈夫だよ…そよちゃんから聞いたよ。
睦ちゃんに会いたいって」
「どうしてそれを?」
「睦ちゃんに会いに行くよ」
「嫌ですわ…だって、睦は…私のせいで…壊してしまった…
それに、会ったとしても、睦が傷つく…」
「そんなこと無い!睦ちゃんって子もきっと、
祥子ちゃんと仲直りがしたいって思っている!」
「私だってそう思いますわよ…でもっ!でもっ!」
泣き崩れる祥子を、円香が優しく抱きしめる。
「祥子ちゃんも睦ちゃんも一人じゃない。
円香たちがいるから」
「白宮さん…会いたいですわ…睦に!」
と、祥子は睦に会う決意をするのだった!