白宮円香と要楽奈、若葉睦は、街外れの廃墟に訪れた。
月に何回行うか、わからない、気まぐれの猫集会である。
三人の周りには野良猫がいっぱいいる。
その中でも、野良猫達は、異様に円香に懐いていた。
「円香。すっごく良い奴」
「?」
と、円香が首を傾げる。
「ねこに懐いている。だから、良い奴」
一匹の野良猫が、円香が気になる素振りをしている。
「あっ!ねこさーん!こっちにも!」
「モーティスも、良い奴」
睦自身も野良猫に懐かれていた。
「寝てる?」
「睦ちゃんは、ずっと寝ている」
「えっ?」
と、円香は状況がイマイチ理解できていない。
「モーティスが起きてる」
「睦ちゃん、全然、起きてこないの。
どれだけ、起こそうとしても、目覚めてこないの」
「誰も寝ていないよ?」
「ううん、寝てる」
「睦ちゃん。モーティスちゃんって…」
「モーティスは私だよ?睦ちゃんも私だよ?」
円香自身、睦の二重人格を理解出来ない為か、
ますます、混乱していた。
「心の中で寝ている」
「そっかー」
と、円香自身は理解しきれていないが、なんとなく、理解した模様。
夕方になり…円香の祖父が迎えに来てくれた。
「円香。もう16時だ。探したぞ!」
「おじいちゃん!じゃあ、円香。帰るね」
「バイバイ」
「またね」
「睦ちゃん!モーティスちゃん!楽奈ちゃん!また、遊ぼうね!」
後日、RINGにて。
長崎そよと白宮円香が会話をしていた。
「睦ちゃんとモーティスちゃんって、その…」
「二重人格」
「にじゅうじんかく…?って、なに?」
「ずっと、心の中で眠っているの。
傷つくのが嫌だから、睦ちゃん。
睦ちゃんを守るため、モーティスに支配されている状態なの」
「えっ?」
「傷つけたくないから、モーティスがいる」
と、睦がやって来た。
「睦ちゃん?」
「睦ちゃんには、傷ついたり、苦しめたり、辛い思いをさせたくない。
だから、モーティスがいる。
睦ちゃんを守るために、モーティスがいる」
「円香は、睦ちゃんもモーティスちゃんも、
傷つけない!苦しめない!辛い想いには決してさせない!
だって、円香にとって、睦ちゃんも、
モーティスちゃんも、大切なお友達だから!」
と、一心不乱に、円香は睦に想いを伝えた。
「円香ちゃんは健気だね」
と、睦もとい、モーティスの声のトーンが低くなり、
何気に恐怖心を植え付けられかける。
「えっ?」
「円香ちゃんも、11年間、眠りについて、
生死を彷徨って、いつ死んでもおかしくない状態にもなっていた。
そして、俗世を知らずに、何も知らずに、今に至る。
要は同じ穴の狢だよ」
「そんな…でも、円香は、円香は!円香は!」
「睦ちゃん。その辺にして」
「円香…そろそろ、学校だから…円香は…円香は!
睦ちゃんも、モーティスちゃんも助けたい!」
と、白宮円香は決意を改めてた。