ー異世界への侵略者ー地球を侵略しにきたエスパー宇宙人、死して異世界へと転生する。超能力?何それ?強すぎ!!   作:ゼリアサイ8世

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2-3.「剣盾」

 

 意気揚々と自身の名を告げた男はその意気のまま満足気にこちらを見つめながらつっ立っている。そんな男に俺は何の反応も示さずに見つめ返す。

 そんな睨み合うような状態から数秒が経過してから、男は呆れたような顔になる。何事か?そう俺が考えるよりも先に男の口が開かれる。

 

「いや、名乗ってくださいよ。片方が名乗ったらもう片方も名乗る。それが礼儀でしょ」

 

 礼儀礼儀、タラバもそうだったがこいつら騎士は礼儀を重視しているのか?いや、タラバは最初そうだっただけでそうでもないか。

 

 しかし、どうしよう。タラバに関しては友達だからこそしっかり戦った。でもこいつは全然知らんやつだし逃げてもいいわけで、

 

「貴方が考えているようなことはさせませんよ。悪いですけど私と会った時点で逃げるという選択肢は消えています」

 

 俺の考えが読まれたというわずかな動揺。そしてその隙をつきいつの間にかそいつは俺の背後に回り、首筋に剣を立てていた。それは先ほどの『わざとかわさせたと』いう言葉が真実だと暗に証明していた。

 

「やるじゃないかお前」

 

 と、俺は精一杯の強がりを見せるが、セコンドと名乗った男は特に気圧されることもなく、剣を首に当て続ける。

 

「分かったよ名乗るよ名乗る」

 

「初めからそうすれば良かったのです」

 

 そう言うと男は剣を首から引っ込める。

 そして再び背後から離れ、俺の正面に出てくる。先ほど同様それは目にも止まらぬ速度だったが先ほどより警戒していたため見えなくはなかった。

 

 

「クリューソス・レーベン。称号とかは言わねーぞ」

 

 タラバの時とは違い名前意外に何も言わないのは俺があいつに情報をわざわざ与えてやりたいと思えなかったからだ。

 

「だいたいさ。俺は八蟹(オクタ)に勝ってんだぞ。十二(ドデカ)が勝てると思ってんのか?」

 

 少しでも相手の判断力を落とすようにできる限り腹立たしい口調で煽るようにそう口にする。

 

「それは相性というものでしょう。あの人はその硬さ故にダメージを与えられない。だからスピードもパワーも私に劣っているのに強さにしたとき私より強いんだ。でも今回は、、、お分かりですね?」

 

 先ほど背後に回った際に少なくともスピードについてはタラバより上だと分かっている。

 現状体力をかなり消耗しきっているこの状態で純粋な身体能力で負けてるのはかなりきつい。

 この差を埋めるどころか覆すには()()を使う他ないが、、この酷使しきった体でもつかどうかが怪しい、、

 

 

 しばしの睨み合いの中、俺は未だ治りきっていないタラバとの戦闘で負った傷に無詠唱での治癒魔術を使おうとする。しかしそれをしようとした瞬間、セコンド・ラーバと名乗る男は攻撃を仕掛けんと近づいてきた。俺はそれをぎりぎりで視界に捉える。

 

 

 近づいてくるセコンドに対し、撥の最大出力を発動する。

 

「撥!!」

 

 超能力も魔術と違い詠唱こそないものの、技名を言うことで出力を上げることができる。わざわざ『廻壊』などといった技名をつけて言うのもそれが理由だ。

 

 

 最大出力の『撥』。普通なら一瞬で吹き飛ぶが、あいつが事前に加えていた推進力との相殺に時間がかかる。

 その間にあいつは地を踏み、横に移動する。

 一瞬にして『撥』に適応したか、そう悩んでる暇もなく、横に移動したセコンドはこちらに向かってくる。

 

「撥!」

 

 俺は今度はセコンドに対してではなく、俺自身に対して『撥』を発動し後ろへ下がる。

 先ほどのあいつの進行を時間がかかったとはいえ相殺しきれつつあったということは、こちらの『撥』による出力はあいつの進む力以上ということになる。

 

 つまりこのまま『撥』を使っての移動をし続ける限りはセコンドは俺に追いつけない!

 

 とはいえこの速度で木にぶつかればタラバでもない俺の体はボロボロになるだろう。そのため慎重に少しづつ距離を取る。

 そうして数十本の木をかわしながら下がり続け、しばらくして再び立ち止まる。

 これでセカンドが俺をさっき離れてからずっと追い続けていたとしても、追いつくまでにはしばらく時間がかかるだろう。

 テレポートを酷使により使えなくなった今、あいつの攻撃を避けるもしくは止めたりするのは厳しい。今のように『撥』で無理矢理逃げ続けるのがせいぜいだ。

 となるとやりたくはなかったが()()をやるしかなさそうだ。()()はサイコキネシス同様使いすぎるとダメージを負うし、この体じゃおそらく万全な状態に比べて保たないだろう。下手したら発動した時点で死ぬ。

 とはいえ他に選択肢なし、やるしかない。

 

「もし成功したらスピード勝負だな」

 

 とっとと決着をつけて、()()を解除する。

俺は左の手首を体の前に出し下に向ける。そこから更に左手の手首の内を右掌で覆うようにして握ると、呟くように一言。

 

再誕せよ(re・birth)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   PS(プレイス)(ワン)

 

 

 そう口にすると同時に、決して強くはないが確かに青白い光が周囲全体に向け、男の体から放たれた。

 

 ------

 

 

 彼が正体不明の技で遠ざかってからもうかなり経っていた。

 残念だが彼は決して私から逃げることはできない。私の魔眼、跡追人(あとおいびと)の魔眼は一度見た相手の魔力の動きを追える。

 そしてどんな人間も扱う技量の差異こそあれど体内に魔力を有している。つまり私の魔眼は一度見た相手のことはどれだけ離れていても追える魔眼ということだ。

 そんな私の魔眼を使い彼を追ってるわけだが気がかりな点がある。撥!だとか言っていた謎の魔術らしきものは確かに発動しているのに魔力を使用していないのだ。

 魔術、、あるいは魔法でもいいがそれらを使おうとすれば私は相手の魔力の動きを捉えて発動を察知する。

 先ほど膠着(こうちゃく)していた状態で私が攻撃を仕掛けたのは彼の魔力の動きを捉えたからだ。その魔術が何だったのかは捉えられないが。

 そう、確かに私は先程の彼の魔力の動き自体は捉えられていたのだ。つまり彼が特殊な何かを有しており、魔力の動きが見えないとかではない。

 となると特殊なのはあの技の方だろう。武術の類でもないだろうことからすると、本当になんなのだろうか?

 そんなことを考えていると、

 

 止まった?

 

 ここから距離にして二百メートルぐらい先であの男はただ一人で立ち尽くしていた。

 

 戦う準備ができたのか?あるいは疲れ切ったのか?いずれにしよこの距離ならすぐに追いつく。だが私は少し無理をして速度を上げる。

 彼の背後から奇襲を仕掛ける。

 先ほど話してみて分かった。私の相手であるクリューソス・レーベンは不意打ちなどを考えず正々堂々と戦う方が腹が立つ性格だろう。何故ならそれはあり方が美しくとも勝利に貪欲とは言えないからだ。泥臭くとも卑怯であろうとも勝利を取りに行く。そんなやり方の方が彼は気にいるだろう。

 相手に礼儀を尽くすのが騎士だ。であればその流儀にのっとろう。

 

 作戦は成功し背後に回り私は間髪(かんぱつ)置かずに攻撃を仕掛ける。

 

 彼の脇腹から脇の下より少し下に向かうように、わずかに上へ傾けながら左に向かって斬る。

 

 はずだったが斬ることはできなかった。まさか、、、かわされた!

 あり得ない。

 先ほどまでまで私の速度についていけず、常にギリギリの対処になっていたはず。そんな私の背後からの不意打ちだというのに何故だか知らないが今回の彼は完璧に対応してみせたのだ。

 

 彼は私が剣を振る直前まで背を見せていたが、私が振り始めると同時に飛び上がった。そう高くはない。私の肩あたりまでだ。横になりながら飛んだことでそれぐらいの高さでも剣をかわすのには十分だったのだ。

 

 横になった状態から私に向かって蹴りを繰り出す。顔面にそれは当たり、、

 

 気づけば先ほどの位置からかなり離されて地に伏していた。

 顔を上げれば回転蹴りをした彼が着地するのが目に映る。

 

 改めて彼の容姿を認識し、それと同時に彼の姿に違和感を覚えた。

 髪の銀色が先ほどよりわずかにだが濃くなり髪色とは別に周囲が銀色に光り輝いていた。そしてよく見れば目の色、正確には瞳孔が青から青白くなっていた。

 

 ------

 

 ふぅぅ、、

 

 着地してから数秒が経過し、倒れているセコンドに近づく。速度は以前までとは比べ物にならない。

 少なくともその速度ば先ほどまでのセコンドを超えていた。

 

 殴る直前突如としてセカンドの前に盾が現れ殴ってしまう。しかし盾を殴った反動による痛みは感じなかった。

 それに違和感を感じる俺に対し、すぐにセコンドは立ち上がり距離を取るが、そのときには既に盾はなかった。

 俺は改めて攻撃を仕掛けず会話を試みる。

 

「どうした?何か言いたそうな顔だな?」

 

 あいつは今の俺の姿に多分だが違和感を覚えるはずだと思いそう口にする。別にたいしてそんな顔はしていなかったが、あいつを煽る意味合いでもそう問う。

 

「いいえ別に。こんな隠し玉があったとは驚きですが、だからといってそれを卑怯だなどとは申しません」

 

 不意打ちで終わらせたくないから殺気をダダ漏れにするぐらいの戦闘狂。そのくせに変わらず騎士道を崩さないセコンドに対し、うそつけ、と俺が腹を立てている中、

 

「しかしまぁそうですね。その姿は何なのですか?

 流石に私も興味が湧きましたよ」

 

 そう至極当然の疑問がセコンドから投げかけられる。

 

「聞いたはいいけど教える気なんてねぇよ。タラバだったらまだ話してたかもな」

 

「そうですか。提案なのですが三分ほど休憩をとりません?お互い疲れた頃合いでしょう?」

 

 俺はその突然の休戦的な提案に驚かされるが、答えは当然NOだ。

 俺の体の大人化がどれだけもつかわからない以上時間はかけるべきじゃないし、PS(プレイス)(ワン)を発動している今なんてもっと時間をかけれない。

 

「面白い提案だな。でも却、、!」

 

 俺がそれを言い切るよりも前にあいつは近寄ってきた。

 

 もちろんその攻撃は今の俺なら比較的余裕を持ってかわせる。

 しかしこれで、さっきまでは疑惑だったのがこれで確定だな。

 

 あいつが攻撃を仕掛けたタイミングは最初の膠着状態に仕掛けられたのも、つい先程のも、俺が治癒魔術を黙って発動させようとしたときだった。

 つまりセコンドは魔術の発動を感知できると見て良い。

 

 となるともう一つ()()()()()()があるな。

 

 かわした状態から反撃に転ずる。

 再び殴りかかろうとする俺の前に再び盾が出現する。だが今回は注視していたために、この盾がどこから出現したのかが分かった。

 

 剣だ。剣が盾に変化したのだ。

 俺が殴る直前に剣を俺とセコンドとの間に軽く投げ盾に変化させたというわけみたいだ。この剣と盾の状態を変えるのはこの剣が元々魔剣の類なのかあるいはこいつの魔法によるものか。

 

 俺はここで一旦距離を取ろうとわずかだが下がり体勢を整える。

 

 しかしセコンドは浮かぶ盾を取ると、その盾を俺に対し向けている状態で近づいてくる。

 今の身体能力は俺の方が上だ。

 その程度の防御どうとでもなる。

 

 近づいてくるセコンドに対し、左腕で脇腹を狙う。当然盾で守ろうとしてくるが、それはフェイント。

 本命は右手だと、すぐさまその左手を引き右手で殴ろうとする。

 

 その時、盾は剣に変わり俺に向け振り上げられた。

 俺が右腕で殴るのと、セコンドの剣が俺を斬るのは同時だった。

 殴りは効き、ひとまず吹き飛ばせたがまずいな。

 剣は俺の脇の下から十cmぐらいを斬っていた。

 しかも一般に刃は引くときに最も力が込められる。下手に吹き飛ばしたせいでダメージは大きくなっていた。

 

 治したいけどそんなことをしてる間もなくセコンドは俺へと近づき、攻撃を仕掛けてくる。

 

 傷を我慢しながら『撥』を発動し、何とか近づいてくるセコンドを吹き飛ばそうとする。

 だかすでに横向きに移動すれば意味はないと知っているセコンド相手にそれは効かない。

 そしていよいよ再び俺の元にやって来られる。来られるのと同時に先ほど同様俺を斬ろうと剣を振り下ろす姿が目に映る。しかし俺はそれをかわし殴る。だが、奴はまたも吹き飛ばされながら俺を切り裂く。

 互いに先ほどと同じくダメージを負うことになる。

 

 セカンドが吹き飛んでから地に着くまでの間に、俺は無詠唱で火起(ファイア)を使おうとする。

 その瞬間にテレパシーであいつの心をのぞく。

 すると俺が火起を使った瞬間に敵意が上がるのがわかる。

 

 セコンドは地に足がついた瞬間に超スピードでこちらに近づいてくる。

 もはや『撥』では時間稼ぎがほとんどできない状態にまで適応されてしまっていた。そのため数秒でセコンドには俺の元に来られてしまう。

 

 ここからは殴る、かわされる、斬りかかられる、かわすの攻防がしばらく続いた後、ようやく俺の拳があいつの顔面に当たりそうになる。そのタイミングで3度目の盾の登場であった。

 

 盾を殴る俺。だがあいつは剣を投げてから盾に変えている。つまり盾は今空中にあり、俺以外誰も力を加えらない状況にある。ならば盾ごとお前を殴ればいい!!

 

 そうしようとした時だった。

 

「開放」

 

 その一言を聞き取ると同時に、盾から一気に大量の力が放たれるのを感じ取る。

 俺の左腕はその力をもろに受け、筋肉は破裂しまくる。そしてこれではもはや治癒魔術無くしてまともには扱うことは叶わないだろう。

 

 俺が左腕を怪我して発生した一瞬の隙も見逃さず盾を掴み剣に変えて攻撃を仕掛けんとするセコンドだったが、

 

 俺はすぐさま状況を立て直し、この足で全力で後方に下がる。俺と攻撃をかわされたセカンドとの睨み合いの状態が再び発生する。

 さっきの技は何だったのか?『開放』というのはおそらく何らかの蓄積していたものを開放という意味だろう。わざわざ今になって発動させたということはこの戦闘中の今ちょうどに俺にこれだけのダメージを与える蓄積になったということだろう。

 考えうるのはいくらでもあるが、

 

「セコンド・ラーバ、お前強いな」

 

 そう称賛を口にする俺に対してあいつは騎士らしく素直に受け取る。

 

「ありがとうございます。でもそれを今になってわざわざ言うとは思いませんでした。もうわかりきってることだとばかり」

 

 本当に心外と言った表情のこいつは元の外見も相まってアニメキャラだったら女子に人気なタイプに見えた。可愛らしい男とでも言おうか。だが残念なことに俺はそういうのあまり趣味ではない。むしろどちらかといえば嫌いなタイプだ。

 

「ところで、さっきのあれは何だったんだ?」

 

「あれ、というのは『開放』と言ったやつのことであっていますか?でしたら残念ながら教えられません」 

 

 教えない、か。まぁ妥当だな。俺も自分の力について詳細を教えてないわけだし、こいつの場合はそれに合わせるのが礼儀といったところだろう。

 

 とりあえず状況を整理しよう。

 まずはセコンド・ラーバの方からだ。

 あいつにはすでに数発攻撃を加えているため、相当なダメージを負っているはずだ。今の俺はPS I で身体能力も上がってるしな。

 また、あいつは俺の魔術の発動を察知できる。治癒魔術だろうと初級の火炎魔術だろうと敵意を抱きすぐに仕掛けてきたことから発動する魔術まではわからない可能性が高い。

 そして最後にあの剣盾だ。剣と盾の状態を変えることができる。また、何らかで蓄積したものを放出することができる。これらが魔法もしくは俺の知らない魔術によるものなのか、あるいは剣そのものの効果なのかは分からない。

 

 次に俺の情報だ。

 まずダメージに関しては俺の方が多い。おそらくあと二回程斬られるたら普通に死ぬ。

 魔術に関しては使用するのは厳しい状況だが、仮に使えた場合タラバと違い、効きはするだろう。魔術が通用しなかったのはタラバの硬さと魔法の組み合わせ故だからな。そこまでの硬さはセコンドにはない。

 そしてPS Ⅰの状態の今なら身体能力的にはむしろ少し優っている。

 他の超能力に関しては依然として効かないことはないだろう。やっぱり超能力を主に使うに限るな。

 

 作戦はできた。

 

「よし、いこう」

 

 俺は睨み合いを止め、セコンドへ向けて走り始める。距離はそう離れていないため、すぐに近づけた。そして今回もまた殴ろうとする。

 使い物にならなくなって左腕ではなく右腕で殴ろうとする俺にまたいつものごとく盾が現れる。

 だが俺は右腕が盾にあたる直前、その動きを止める。それと同時に左足を上げ、あいつの腹に蹴りを決めようとするが、それを読んでいたのかあいつは盾を回収し剣に変え振り下ろす。その一連の動きは俺が蹴りを当てるよりも僅かに速く、俺を左から袈裟斬りにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はずだった。セコンドは突然何かに顔面を殴られ吹き飛ぶ。誰かかが助けに来たのか?違う。

 俺はフェイントで止めたように見えた右腕から『觸』を伸ばし、盾だけをかわして顔にぶつけたのだ。

 

 吹き飛んだあいつを殴った觸ですかさず掴む。

 掴んだ俺は『撥』で空中に上がる。

 

 『觸』で相手を掴んだまま空中に上がる。これだけでもう何をするかわかるだろう。

 

 空中で回転し遠心力を利用しどんどんとその勢いを強めていく。

 もはやこの一連の動きは説明するまでもない。

 本日二度目の

 

廻壊(めっかい)!!」

 

 以前までも十分な火力だったが、さらに今回はPS(プレイス) (ワン)による身体能力も加わり、更に火力が上がっていた。

 

 

 だから先ほどタラバの硬度とは別の意味でクレーターが大きくなり、タラバを放ったのと同等のクレーターができる。、、、、、、はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりえぐいなぁ。その技。二人の戦い僕も混ぜてや」

 

 

 

 先ほど倒したはずの男は立ち上がり、先ほど倒せるはずだった男を助けた。

 

「ラバダですか。ありがとうございます。できればもっと優しく受け止めていただきたかった」

 

「これでも精一杯優しく受け止めたんやで」

 

「本当ですか?まぁいいです。ラバダわかってるとは思いますが、」

 

「当然わかっとる。クリューには悪いけどこれは仕事なんや。手は抜けん。」

「ここからは2vs(たい)1や」

 

 俺は察する。かなりめんどくさい状況が出来上がっつしまったのだと。

 

「めんどくせぇ状況になった」

 

 そんな状況に俺は思わずそう本音を隠しもせずに漏らしてしまう。

 

 こうして2vs(たい)1の状況が出来上がり、再び長引くかと思われたこの戦いは予想に反し、これより時間にしてわずか一分四秒後、決着を迎える。

 

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