ー異世界への侵略者ー地球を侵略しにきたエスパー宇宙人、死して異世界へと転生する。超能力?何それ?強すぎ!!   作:ゼリアサイ8世

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2-4.「最強の」

 

 相手は二人、だがおそらくどちらも俺以上に窮地に立たされているはずだ。

 俺は治癒魔術で少しづつだが治しているのに対し、あいつらはダメージをずっと引き継いでいる状態だ。まぁそれもセコンドが魔術発動を見切ってくるためタラバとの戦いの時程効果は見込めていないのだが。

 

 タラバの方は今立っているのが、奇跡なぐらいに厳しいはず。セコンドの方もタラバが受け止めたとはいえ真に最高火力の『廻壊』を受けた以上それ相応のダメージを受けたはずだ。

 

 そんな状態の二人相手とはいえ2対1は流石に不利だとは感じている。

 それに何となくだがそろそろ大人化が切れる気がする。初めてだから完全に勘だが。このまま解除されれば間違いなく負ける。

 今必要なのは二人を最速で倒す作戦。分断して各個撃破かあるいはまとめて倒す大技を放つか。

 

 瞬間、タラバの腕の衝撃波が飛んでくる。

 PS(プレイス) (ワン)の状態になる前からかわせたものだ。これを回避するのは容易く、横に行くがかわした先には剣がある。

 当然セコンドの剣だ。横振りなのでしゃがんでかわす。

 しゃがんだ俺に対しタラバは衝撃波、セコンドはすぐさまに下に振り下ろす。

 

 今ならしばらく時間を空けたし使えるだろう。

 テレポートを発動しタラバの近くまで行く。

 俺の様子からしてもう使えないものだろうと判断していただろうタラバの意表を突き、口に手を当て觸を発動する。

 先ほどもやってみせた技だ。もう一度くらってみせろ!

 俺は觸を体内で操作して内部から打撃を食らわす。

 

 

 

 

 まずは一人目っと。

 

 

 タラバに体内からの攻撃をくらわせた俺はそんな風に数を数えつつタラバの体から離れようとする。これで残りはセカンドのみであると。

 だご、この時の俺は油断していた。こいつらが最強とされているといことを完全にみくびっていた。

 

「残念やったな!クリュー!」

 

 

 離れようとする直前に見たタラバの表情は余裕そうであり、俺はその意味をすぐに理解する。

 体内からの打撃、本来それは防御不可能の攻撃たり得るはずだったのだ。しかし、おそらくだが今回はタラバ体内は体の外側同様に硬くなっており、俺の觸によるダメージは通らなかったのだ。

 

 

 

 まさかこいつ体内を体外と認識することに成功したのか!これなら最初の魔法の開示が嘘でないと言える。

 何故なら確かに生物学上では口から肛門までの道のりを外側であると定義されるからだ。しかしさして学が発展していないこの世界でその考え方に気づき、それをこうも早く実戦に適応させてみせるか。

 

 さすがは国最強の集団の一人の立場を背負うだけはある。

 今回の俺の攻撃は効いていないことはないがほぼ無意味と言っても過言ではないだろう。

 

 そして技が思ったよりも効かなかった結果、俺に大きな隙ができるがそれを易々と見逃すような奴らではない。

 

 俺はタラバからの打撃とセコンドからの斬撃、そのどちらもをくらう結果となった。

 くらった直後に仕方なくテレポートで数メートル先に離れるが、時間を空けずのテレポートとなってしまう。結果として俺はテレポートの酷使で血を吐くことになる。この血反吐には当然だがタラバとセカンドの攻撃によるものも大きい。

 いくらテレポートで余波として残る衝撃を消したとはいえ、食らった瞬間の衝撃によるダメージが消えるわけではないからな。

 

 

 そして体内の血液を吐き出すのと同時に、超能力の粒子も外に出ていくのを感じる。そして先程までの容姿の変化が無くなる。

 これは本格的にまずいな。今のでPS Ⅰがきれてしまった。これじゃセコンドの動きに適応できなくなってしまう。

 

 そもそもPS(プレイス) (ワン)とは何のか?

 これは透視やテレポート、テレパシーなどといった超能力のうちの一つではなく、サイコキネシスの応用だ。

 

 そもそも全ての超能力は自分の体内にある不可視、不可触の粒子を外に出そうとして発生させる技だ。サイコキネシスは最も単純で『撥』の場合は粒子をただその方向に飛ばすだけ。觸は粒子を固めて使う。透視は目から粒子を発してその粒子一つ一つが情報を目に視覚として送ってくれて理解する。他にも色々あるが全て外側に出たタイミングでしか発動しないのだ。俺は『撥』で自分に対して力を発動したりしていたが、それは結局外から発動した力を内側に向けて力を送っていただけ。つまり内側から外に直接サイコキネシスで力を加えることはできないのだ。

 仮にそれができたら何があるのか。単純だ。内側から外に向ける力とは肉体の力そのものとなる。足から地面に加える力が強ければ強いほど速くなるのと同じ。至ってシンプルな強化方法となるのだ。

 そしてそれを可能にするために俺独自に開発したのがPS(プレイス) (ワン)だ。

 結論からいうと俺は放出した粒子を再び体内に取り込み、その後その体内の粒子で自分の体の動きに合わせてサイコキネシスを発動する。

 まず一回も放出してない粒子は実際には存在しない粒子として体内に存在している。いわば魔術発動前の魔力と似たようなものだ。

 それを一度放出することで実際に存在している粒子に変換できる。この状態のあり方は原子のようなミニマムなそれに近い。ではどうやって再び体内に取り込むのか。それは粒子を血管に入れることだ。血液は体全体を巡るために効率よく粒子が全身に行き渡る。だから俺はPS(プレイス) (ワン)発動するとき、動脈が皮膚に近いとされる手首を触り、そこから粒子を注入するのだ。

 こうして血管を通して体中に行き渡った粒子を一斉に操作し踏み込む時には下向きに力を加えるようにするなど命令する。

 

 これがPS Ⅰの概要だ。ちなみにこれを編み出したのは故郷の星の誰かというわけではなく、先程独自と言ったことから分かる通り俺だ。

 

 さて解説はここで止めだ。これ以上今使えない技を説明したところで仕方がない。

 傷が新たに出来上がり、いよいよ出血がやばくなってきた。別にどれだけ血を流そうとPS Ⅰは継続可能だが、純粋に体がダメージを負いすぎて強制的に解除させられてしまった。

 そんな俺の様子を見てセコンドが口を開き始める。

 

「ラバダ、彼の身体能力向上はおそらく終わった」

 

「ん?そういやさっきから妙に見た目変わっとったな。何があったんやとは思っとったが」

 

 セコンドには俺があの状態になったから身体能力が上がるのを分かられている。タラバだけだったら力を隠していただけとか言えたが、

 

「それとこれはおそらくですが、彼は早期に決着をつけたいと思っている節がある」

 

 どうやらセカンドには俺の狙いを読まれていたようだ。しかしどのタイミングでだ?

 そんな疑問を抱いた俺に、答えを向こうから提供してくれる。タラバに説明する一貫だろうが、正直俺にとってはこっちの方がありがたかった。

 

「私が休憩時間を挟みませんかという提案をしたとき、彼はそれをすぐさま断った。治癒魔術で体を治すのを優先したいなら、嘘か嘘でないかは一旦後回しにしてでも提案を受け入れるべきです。少なくとも受け入れる話に持っていけば私は一瞬でも演技で襲わないフリをするはずと考えるはずです。なのにしなかった。これが答えです」

 

 そうしてご丁寧に解説してくれるセコンド。本当にありがたい。

 だがまずいな。まさかあの質問でこんなに狙いがバレていたとはな。あの時俺はセコンドが言うように少しでも時間を無駄にするわけにはいかなかった。普段の俺ならもっと冷静に対処できたのだろうけど、今回は焦っていたのもあってボロが出やすくなっていたか。

 

「とはいえ、それはおそらくあの身体能力強化が切れてしまうからでしょう。なのでもう気にしなくていいかと思います」

 

 その発言は俺にとって嬉しい誤算だった。俺が恐れていたのはPS Ⅰの解除よりも大人化の解除だ。どちらもちょっとした制限付きなのが功をそうしたか。

 そのセコンドの発言に対し、タラバは懐疑そうな視線を向ける。

 

「ほんならもうその情報意味ないやん。なんで今言ったん?」

 

「意味なくはないでしょう。その時間制限付きの強化が切れたということは、それを単純に保てなくなったか、もしくはもっと単純に時間制限が来たということです。ならいずれにせよしばらくあの強化はありません」

 

 セコンドがそう言うとタラバはようやく合点がいったのか頷いた後、

 

「なるほどなほんなら叩くんは、」

 

「今です!」

 

 二人は俺にとどめを刺そうと近寄ってくる。

 タラバももはや後方で衝撃波を打つだけではなさそうだ。

 だが俺もあの二人が話している間、だらだらと言葉を交わすだけで時間を潰していたわけではない。作戦をいくつも考え、そして浮かんだ考えの一つを選んだ。絶対に攻撃を仕掛けられないよう治癒魔術も使わないままに。

 

 そして今魔術を使うかどうかなど関係なく二人に詰め寄られている。絶体絶命のピンチ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんなタイミングを待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人差し指人差し指人差し指人差し指人差し指

 中指中指中指中指中指中指中指中指中指中指

  ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀小薬小

⠀ ⠀ 目目目  ⠀ ⠀ ⠀ 指指指

  ⠀ 目目目     小薬小

  ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 指指指

 親指親指親指親指親指親指親指親指

 親指親指親指親指親指親指親指親指

  ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀⠀小薬小

  ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀ ⠀指指指

 

 

 

 片手で作られた(きょう)を覗き込み口にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔域侵略(インベリア)

 

 その単語を口にした男を信じられないという表情で奴らは見る。

 

夜想皚皚陰(やそうはっかいえい)

 

 瞬間当たり一面は真っ暗闇に呑まれた。

 

 

 

 

 

 ------

 

 

 

 

 

 私は彼の発した一言が信じられなかった。その歳で魔域魔術が使える天才などいてたまるかと。

 魔域魔術こと魔域侵略(インベリア)が使える人間は一つの大陸に四人いればいい方といわれる。ましてやそれをあの歳で使えるなど、それこそアリス大陸の『魔導王』と(うち)のとこの糞BBAぐらいなはずです。それはあの兄ですら不可能だろう。そんな確信が確かにあった。だからこそ、彼のその魔術の詠唱だけは信じられなかった。

 

 しかし、その疑いは瞬間にして信じざる負えなくなる。

 あたり一面は黒くなり、私は確かな彼の体内の魔力の動きを魔眼は捉えていた。

 

 魔域は主に発動者の魔法と組み合わせの良い効果と性質を持っている。つまり魔法と組み合わせるニコイチな魔術なのだ。

 しかし彼はその年であることと今までの戦闘スタイルからまだ魔法を使えていないのだと思っていたが、よもや隠していたのか?

 もしくは魔法との組み合わせを抜いて純粋な境域の性質のみ、!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 こ、れ、は、

 

 自分の心が闇に呑まれていく。

 何だこ、殺せ殺せ殺せ殺せ!、れは、、

 どうせ誰も、、やめろ!、私を見てくれ、、やめろ!、、ない。

 

 

 

 

 

 

 あれ、、何で私は戦っていたんだ?

 そうだ死のう。今死のう。もう生きててもいいことはない。

 

 

 

 親は私を見てくれない。いつも兄の方ばかり気にしている。死ね!私の兄はいつ生まれた?兄のあの笑顔が無性に腹が立つ。死ね!せっかくの星騎士もあいつの方が先になり、地位も上。期待はどんどん私から兄。兄なんていらなかった。いなかった。死ね死ね死ね死ね死ね!こんな、、

 

 

 

 

 

 

 死のう!

 

 

 

 

 

 自身の喉元に剣を持ってくる。辺りの景色はその一切が黒に覆われ何も見えないが、何度も触れてきた剣だ。確かにそこにあると認識することができた。

 

 

「さよなら!」

 

 

 そう言い、俺は剣を首を切る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 方向とは真逆、首に向けてではなく。周囲の空間、その一切を斬るように私の愛剣を振るった。

 

 その時、空間は崩れ、元の森の光景となる。

 

 

 

「はぁはぁはぁはぁ、、、」

 

 危なかった。本当に精神が病み、飲み込まれそうになった。私の普段からの精神統一の修行が身を結んだようであり、ギリギリでとどまることができた。

 

 辺りには先ほどの空間を作った男はすでにおらず、私とラバダだけがそこにいた。しかし私の魔眼は相手が視界から外れようとその居場所を認識できる。それは私の背後だろう?

 

 振り向く動きは見せず、そのまま背後を斬りにかかる。しかし、すでに彼はその場にいない。

 

 妙な瞬間移動技か!

 

 その移動先は先ほどの境域からまだ立ち直れていないラバダの側。

 しかしラバダはギリギリで意識を取り戻し、彼に対して一撃くらわせようとするも、腕が当たる直前に何故か止まる。

 止まったのはラバダの腕のみでなく、クリューソスの動きもだった。おそらく、また何らかの未知の力を使ったのだろう。

 

 それに戸惑うラバダを置いてけぼりに彼はラバダと二人で空中に浮かび回転した。あれは先程私に対し使用した技に違いない。

 危険!そう判断した私。

 しかしこの時私はラバダを助けるのではなく、その攻撃した隙に彼を倒す方向で考えていた。我々も既に限界であり、できるならばもう決着は直ぐにつけてしまいたい。だとするならばあの技の隙はこれ以上ないほどのチャンスだ。

 だからわざと攻撃はワンテンポ置いて行う。そしてその時はきた。

 

「廻壊!」

 

 彼がそう口にしラバダを叩きつける。しかしそれでできた隙に対してすかさず私は攻撃を仕掛ける。

 その時だった。突如背後に魔力を魔眼が捉えた。

 このタイミングでの魔力、私がそう動くと思い事前に罠を仕掛けておいたのか!であればそれなりの魔術が罠としてあるはず。どんな魔術かは知らないが見て避けるしかない。あくまで魔力の動きを見るだけの私の目はどんな魔術が発動するのは実際に肉眼で見る他ないのだ。

 

 そう思い振り返った私が見たのは、

 

 

 !残念賞!

 

 残念賞、そんな文字だけが形を成して宙に浮いていた。

 

 なんじゃそりゃ。

 

 呆気に取られた私は掴まれ、

 

「廻壊!」

 

 今度こそその技をモロに食らうこととなったのだった。

 

 叩きつけられる直前、剣を魔法で盾に変える。魔剣としての性質である『吸収』をするよう指示する。

 

 私の魔剣は衝撃の吸収と開放が効果としてある。この攻撃も今回はそれで耐えれる。

 そしてついに地面にぶつかる。しかし盾と地面の間の衝撃は吸収できたが私と盾との間の衝撃を吸収できず、盾を持っていた左腕は骨が折れ、肉が露わとなる。何とか受け身を取るものの、体全体がダメージを負っていた。

 そしてなんとか立ち上がり上を向くと、彼は私に近づこうと下がってきていた。

 先程吸収した衝撃を彼が近づいた瞬間に叩き込む。そうして身構える私。

 残り(いち)メートルを切る。あれほどの衝撃はおそらく開放すればタラバのあの武術のような衝撃波と化すだろう。そして彼は『開放』が衝撃波となる可能性があることを知らない。

 そんな風に案がまとまって少しして、今それをすればラバダの衝撃波のようなものが生じ、確実に当たる距離にまで彼は近づいてきた。

 

「開ほ、、」

 

 その時だった目の前の男は突如として少年になった。この場合の少年とは五、六歳の少年を指す。元々十七、八であろう少年はそれほどまでに若くなったのだ。顔つきも髪色も何もかも違ったが、その目に宿った闘志が彼が同一人物であるという確信の材料になった。

 

 だがそれを残り(いち)メートルの間で考え、行動に移すなどできるはずがなく、なにより子供の姿に攻撃することを一瞬とはいえ躊躇ってしまう。そしてそんな一瞬がこの場では命取りで、私は子供を盾より内に侵入されるのを許してしまう。少年は私の口に手を当て、、

 

「タラバじゃないんだ。体内の攻撃なんて防げないだろ」

 

 それを口にされた瞬間から、私の体内がまるで破裂するかのような痛みに襲われた。

 

 それが止んだ時にはすでに私は気を失っていた。

 気を失う直前に少年から一言、、

 

「楽しかったよ」

 

 それに対し、「私も」と返せなかったのが何よりも残念に感じた。

 

 ------

 

 

「はぁはぁ、、」

 

 楽しかったと口にし、男を気絶させて立つ。

 テレパシーでタラバとセコンドの感情の起伏を調べる。

 気絶が演技の可能性は限りなく低そうだ。

 

 セコンドに対して使った体内に対しての『觸』は子供状態の出力になっても体内だからこそ効いた。もしこれ以上誰かと戦うことになったら次はそんな状況を作れず出力も足りず、殺されてしまうかもしれない。

 もう足を折ってトドメを刺すとかも言っていられないぐらいには体力がない。いますぐこの場を離れなくては。

 

 どうやって?子供の俺がどうやって?だいたいここまでやって大丈夫だったのか?とにかく逃げるしかない。家のこととかは一旦後にして、まずは逃げよう。もし、家が何かに被害に遭うようならそうなってから対処に回ればいい。今はとにかく逃げなくては、、!

 

 子供の体に戻ってもできた傷は元通りとはいかず、傷が子供の体の形に沿って小さくなっただけだった。そして俺は今出血死しそうになっているとようやく知覚する。

 地面に倒れ込む俺。治癒魔術を発動しすぐにでも出血を抑えなくては。しかしそれは意識を失うよりも先に間に合いそうもなく、どんどん気は遠のいていく。

 こうなってしまっては仕方ない。気を失った俺があいつらよりも早く起きて逃げるしかない。

 少しでも死なずに早く起きる確率を上げるため治癒魔術をかけ続ける俺は地面に伏し、視界の半分が地面で埋まっている視界で何かを捉える。

 

 着物?

 

 地球でいた時に家庭科で習ったような着物が見えた。見える範囲は着物の下側だけだけで、朦朧とした意識でも黒と赤と黄色でできているのがわかった。

 確かあれだ十二単(じゅうにひとえ)とかいうやつだ。

 

 そんな相手の服装は置いといて、新たな敵か!と思案する。

 再び大人に戻るか、テレポートや他の超能力ですぐさまここを離れるか。そんなことを考える余裕は既になく、

 

 俺の意識はそこで途切れた。

 

 ------

 

 三人の男を眺め、決着がついたのを見計らって、その戦いの勝者に近づく。

 

「ラバダのやつとセコンドに勝つなんて『ヤリおる!』って感じ」

 

 そう口にするのは地球で言うならせいぜい小学四年生、年齢で言うなら9から10といった幼い少女だった。実際にそんな歳かは不明だが、少なくとも体格も顔つきもそうだった。

 

 その少女は日本では所謂十二単と称される服装をしていた。それらは黒を基調とし、他に赤と黄色を少し織り交ぜていた。

 だが少しおかしなことに少女は明らかにサイズを間違えていた。小学四年生の体格の少女が、成人したの女子用の着物を着ていたのだ。それはあまりにおかしな話だった。結果として彼女の服の多くは地面を擦っていた。

 

 少女は変わらず服を擦りながら、倒れている少年に近づき、

 

四穣(しじょう)

 

 それを唱えると少年の体は目にも止まらぬ速さで何事もなかったかのように元に戻っていた。

 その後、他の倒れている二人にも同様に回復を施すと三人を軽々と持ち上げた。

 それは実際に力を加えているのか、あるいは倒れている少年のように特殊な力で使っていたのか。どちらかは不明だが、いずれにしても少女が少年一人、わずかに武装した男一人、蟹の巨体の獣人一人、を持っているように見えるというのは異質な光景だったことは間違いない。

 

 少女は彼らを持ち、空中へと浮遊する。この方法もまた不明。

 浮いた少女は辺り見渡し、目的地を見つける。すると、すぐさまそちらに向かって動き出した。

 その速度はセコンド・ラーバの全力もPS Ⅰ状態のクリューソス・レーベンの全力も、軽く上回り、全ての地球上の兵器をも上回る速度。光の速度をわずかに下回る速度だった。

 





ここまで読んでくださったなら分かったと思いますが戦闘描写を上手く書くの難しすぎ。作者はいいとして正直読者に伝わった気がしない。

途中の !残念賞! にセコンドが引っかかった理由はEX-2を見ていただければ察されるかなと。ではまた。
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