ー異世界への侵略者ー地球を侵略しにきたエスパー宇宙人、死して異世界へと転生する。超能力?何それ?強すぎ!!   作:ゼリアサイ8世

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2-9「必ず成し遂げる」

 

 かくして俺たちは冒険者協会を出たわけだが、ひとまずどうやって依頼された地に向かうのかを話し合わなくてはならなかった。

 俺たちは冒険者協会を出てすぐの道端で話し合う。

 

「目的地はマメマート領のズンダ村ってとこらしいんだが、ホワイにさっき聞いた限りでは馬車で二日ぐらいって話だったよな?」

 

 俺はホワイに改めてそう確認する。一応受ける任務を完全に決めきる前段階でそこらへんの話をある程度ホワイには確認しておいたのだ。

 

「うむ、その認識で構わんぞ。儂の黄金馬車を使うのもやぶさかではない!」

 

 そんな黄金馬車何て聞くからに目立ちそうなものを使おうと返答してくれたのは、俺が確認するよう問いかけた黄金の鎧を身に纏った男であるホワイだ。そんな発言に対して馬鹿はというと、

 

「え〜。()達なら馬車とか乗るより走った方が速くない?別に荷物を運ぶってわけでもないんだしさ」

 

 やっぱり馬鹿は馬鹿らしい提案をする。黄金馬車以上にあり得ない提案を否定しようとする俺に対し、意外にもホワイは賛成な様子であった。

 

「名案であるな!となればどちらかがクリューソスを抱えて移動せねばなるまい?」

 

 マジでやることになりそうになってる雰囲気にはイカれてる以外の感想はないが、この自信を見るに馬車より速く移動できるという点は嘘ではないようだ。そしてそれくらいの実力があることも知れて、改めて王道十二星騎士が強いのだと実感する。

 

「待ちなって!()は最速の女だよ。やろうと思えばあんな所までなんて一秒もかからないんだって」

 

 そんなミリタリあの発言をきっかけに、そういえば冒険者協会に行く時一瞬で連れて来られていたことを俺は思い出す。どうやらミリタリアの瞬間移動は俺のそれより遥かに性能が高そうだ。

 そしてそんな結論を経て、ようやく俺はミリタリアの意見に肯定的になる。ズンダ村に普通に行こうとすれば二日近くかかるそうだから、先にクライア達に報告しなくてはと考えていたがこの分では必要ないか?

 

「それじゃあとっとと連れてって、、、っ!」

 

 それを言ってる間に目の前の景色は変わる。まさしく瞬きの速度よりも速い一瞬で、俺たちは既に目的地と思われる場所に着いていた。これはつい先程に経験したのと同様のものだ。

 ちなみに目的地とは無論ズンダ村のことである。オークの集落の場所は任務の紙には書かれておらず、依頼主の元に最初に行くよう明記されていた。依頼主はそこで俺たちを見極めてから場所を伝えたいのだろう。

 

 目の前の景色はレーベン領でもよく見た街並みで、特段変わり映えはしない。幾つかの家々と細々とした畑がある普通の農村、そんな印象だ。

 実際のところここがズンダ村なのかは知らないが流石にこんな移動をしておいて間違いはないだろう。

 

「ミリタリア、、その移動をするなら事前に言わんか!急に景色が変わると流石の儂も驚いてしまうわ」

 

 デカすぎる声を惜しまずミリタリアに対して、そう文句を口にするホワイ。ちょっと前に俺に対して宣言してくれた、声の音量下げる発言を無視していることはさておき、俺もそれは思うのでその様に言ってくれて実にありがたかった。

 

「ごめんね〜。でも文句ならクリューに言って。クリューが初めから()を頼りにせず、ホワイにばっかり聞くんだもん。つい自分も頼れるところを見せつけてやろうって思っちゃうもん。女ってのはそういうもん!」

 

「うむ、あいわかった!クリューソス貴様そのようなことを言うのはやめんか!!」

 

「そういう言い訳くさい責任転嫁で本当にそれに従うことってあるんだ。いやでも冷静に考えてミリタリアが考えなしにやったのが悪いだろ。もう少し落ち着いて行動できないの、お前は?」

 

 何故だが俺に飛び火したが冷静にことに対処する。そしてその元凶を咎めるように口にすると、ホワイがそれに反応する。

 

「クリューソス!、、、、、、、できるわけがないであろう」

 

 突如として『本当にどうしようもないものもある』という哀れみのある顔をするホワイ。その豪胆な顔つきに、それは似合わない。

 ここまで言われるとかマジであいつ。

 

「う〜ん、ホワイは後でお仕置きね」

 

 ミリタリアはムカついたのかそれを言い、ホワイが少し怯えた様子を見せたところで一旦会話は打ち切りになる。

 まぁそんなくだらない会話はさておき、俺はさっき把握した町並みを改めて透視で見渡し、村長を探す。任務の紙には村長が依頼主であるとも書いてあったからだ。最悪村長でなくとも人を見つけられればそれで良い。その人に村長の所在地を聞けば良いわけだから。

 

「クリューソス、、村長を探すのであればミリタリアに任せれば良いではないか!」

 

 ホワイは相変わらずの大きい声でそれを言ってくる。俺は具体的にミリタリアが何をできるのか詳しく知らないが、ホワイがこう言うということは村長を比較的容易に探せるのは事実なのだろう。こいつには確か魔眼があるし、おそらくはその効果に基づくものだろう。

 

「そうだよクリュー。ここで宣言しよう!()に不可能はなし。何故って?()、最強だから」

 

 お前は五条悟か?というツッコミは置いといてマジでこいつをいつか全力で殴りたい。そう思うのは俺だけではないはずだ。

 

「そんなんいいから、早くどうやって探すのか教えてくれ。それが無理なら村長の場所だけでもいい。俺は今探すの中断したんだぞ。とっとと見つけてくれ」

 

 ホワイの発言がなければ俺は透視によって村長をもう見つけていたかもしれないのだ。そんな時間を無駄にしそうなのであれば、俺がこう言うのは当然の権利だ。まぁ俺の場合は仮に見つけてもそいつが本当に村長かは分からないし、この短期間で見つけられる可能性は実際のところ低いが。

 そしてホワイがわざわざミリタリアに探せと言ったあたり、俺なら生じるこれらの問題点も、ミリタリアならまとめて解消できるのだろう。

 

「分〜かってるってもう、せっかちなんだから。それじゃあ皆さんご一緒に!3、2、1、〜〜GO,シュート!!!」

 

 そう言うとまたまた景色は移り変わり今度は一つの木造の建物の目の前に着く。さっきの場所はみんなが集まる広場といった比較的大きめで見通しも良いところだったが、ここは町外れにあるといった印象を受ける位置にあった。ちなみにミリタリアの掛け声についてはもうツッコむのを諦めた。

 

「こんな辺鄙な場所であってるの?」

 

 俺はここが村長の家であることが信じられずそう聞いてしまう。まぁ村長がいるというだけなら村の会議を開く場所、つまりは集会場などの可能性とかもある。が、それにしでもこんなところには置かないだろう。

 一応外観は家っぽくはあるのだが、はたして。

 

「クリューってまだ()を疑えるんだ。()がやるって言ってできなかったことって一度でもあったかな?あるはずがない。何故かって?()、最強だから」

 

 マジでもういい加減ツッコまないからな。

 

「いいからとっとと入るぞ。お前らと話してると無駄に話が続いて面倒なんだよ」

 

 俺はそう言い、小屋の中に入ろうとする。しかし俺の発言に対して、ホワイとミリタリアはどちらも納得がいかない様子であり、俺に猛抗議してくる。

 

「ちょい待ち、クリュー!それは()じゃなくてあっちでしょ!()ほど無口な大和撫子もいないって街中のインタビューでも言ってました!」

 

 手を上げ、挙手するかのような姿勢でそう言うミリタリアは、ホワイを指差して自分は悪くないと言う。まるで自分の言ったことを間違っていないと言うような顔ぶりだ。

 

 絶対そんなことは言われてないし、一々余計でイラつく発言をするお前は大和撫子ではないと誰もがわかりきっているだろう。てか街中のインタビューって概念異世界にあんの?別にあってもおかしいとは言い切れないが、やっぱこいつ転生人だろ。

 あぁ〜割とマジで死なねぇかな、、コイツ。、、勿論冗談なんだけどさ。

 

 しかしホワイもミリタリアのその発言には納得のいかない様子で、

 

「ミリタリア、、馬鹿なら馬鹿なりに本当に無口になるなどせんとどんどん哀れになってゆくだけだぞ。まぁもはや取り返しつかないレベルでそう思われてはいようが。それはそれとしてである、残念ながら話を長引かせるのは儂ではない!」

 

 確かにミリタリアに比べればホワイは話を長引かせてはいないだろう。それにミリタリアのは無意味なウザさだが、ホワイのは無意味な長さはあっても全体的に見たときに意味はある。どちらがマシかと言えば答えは明白だろう。しかしそれは普通に接する場合だ。

 

「いや正直どっちもどっちだけど、強いて言うならホワイの方がマシとは思うよ。うん。でも、ホワイの方も方で問題はそれなりにあるぞ。ミリタリアの方は最悪無視すれば良いけど、ホワイの方はそれでも勝手に話し続けるし」

 

 俺は思ってることそのままを包み隠さず言う。

 それを言うとミリタリアは喜びで飛び上がる。こいつはマジで直感で生きてるのかと思わせるぐらい感情のままに動くな。野生的だと表現するべきなのだろうか?

 

「ほれ、見たことか。クリュー分かってる〜。()のことよく馬鹿にするこいつの方が馬鹿みたいだね。ねぇ知ってる馬鹿っていう方が馬鹿っていうことわざ。それをたった今()が証明してしまいました〜」

 

 証明されたのは、その理論を本当に信じているというお前の馬鹿さかげんだろうと思うし、そもそもそれはことわざじゃねぇ。仮に証明されたとしてもしたのはお前じゃなくて俺な。

 まぁでもそれを言うとまた話がややこしくなりそうなので無視しようと思うも、俺がさっき言った通りホワイはミリタリアを無視しない。

 

「おかしいであろう!此奴の話は意味のない、ただの自慢話などだが、儂の話はその一切が英雄譚。誰もが憧れ、恋焦がれる、そんなある種の物語であろう」

 

 ホワイもまた自分がおかしいとは思っていないので、こいつらとの話はマジで終わる気がしない。

 

「もう分かったから!いい加減中入ろうって!」

 

 あまりの長引きように『いい加減にしろ』という意味を込めての怒声を上げる俺だった。俺はこいつらにそれを言うためにドアに向けて背後を向けていたのだが、そんな俺の後ろからドアの開く音が響く。何かホワイと初めて会った時もこんなんだった気がする。

 

 背後のドアの中から出てきた人はいかにも優しそうな好青年だった。この人が村長なのだろうか?それを聞くよりも先に青年は話し出す。

 

「あの、何の用でしょうか?あまり家の前で大きな声を出さないでもらいたいんですが」

 

 こいつらのせいで案の定俺たちは怒られることになった。勿論相手の言い分は一切間違っておらず、俺たちが悪いわけなので、こいつらが余計なことを言い出さない内に俺が代表して謝っておこう。

 

「あぁ、すいません。俺たちは冒険者で、オークの集落についての任務でこちらに来ました。オークの集落に関する情報をもらいたく、こちらまで来たのですが」

 

 礼儀正しく俺は青年に状況を説明する。すると青年は『ぱあっ』と喜んだ様子を見せる。それ相応に今回のオークの集落に対して危機感を抱いていたのだろうことが、そこからは感じとれた。俺はここで少なくともミリタリアやホワイ達とのおふざけ感覚では絶対にいられないなと気を引き締める。無論、最初からそのつもりではなかったが、改めてという話だ。

 

「そうでしたか!では是非中へお入りください」

 

 そうして『どうぞ』といった感じで腕を入り口に向けて伸ばす青年。俺たちはそれに従い中へと入る。今更だがここが家であったのは事実なようである。

 室内は外観通りといった雰囲気で中には大きめなデーブルが一つ、椅子がいくつかあり、奥には台所がある。いたって普通の家屋だった。そしてそのテーブル近くの椅子には一人、村長らしき人物がいた。

 その人は白髪で髭を伸ばしており、本当にいかにもな村長がそこにいた。

 

 俺たちが中に入ると青年は続いてテーブルの近くに案内する。その案内に従い俺はテーブル近くの椅子に座り、後に続いてミリタリアも座る。ホワイは黄金の鎧が重いからか座らず立っている。俺とミリタリアは隣り合わせだが、青年と村長は俺らと向かい合わせになるように座っている。全員の位置が定まったところでようやく話し合いが始まる。

 まず初めに話し始めたのは青年だった。

 

「まずは我々の紹介から、私はソラマ・クビーンといいます。それでこっちが私の祖父、ダイン・クビーンです」

 

 青年はまず自分を紹介してから、村長らしき人に指を刺し、紹介してくれる。しかしマメマート領のズンダ村のソラマっていい加減ツッコんだ方がいいのだろうか?豆とずんだとそら豆だろ?ダインの方に関しては大豆か?あまり名前についてとやかく言いたくはないので考えずにいたが流石にここまでまくるとな。

 そんな風に俺が考えていると、ソラマは自己紹介をさらに続ける。

 

「ちなみに私が村の長をやっている者です」

 

  『いや、そっちの爺さんの方じゃなくて、結局おまえなんか〜い』と思わずツッコミたくなる気持ちはあるものの、話が進まなくなりそうなので今回は抑える。何かとツッコミ役に回っている俺だが別にしたくてしているわけでもないのだから当然だ。

 そんなふうに我慢しているとミリタリアは、

 

「いや、そっちのおじいちゃんじゃないんか〜い!!!見るからにそっちじゃん!」

 

  と、空気を読まずに口にする。『だから、言うんじゃねえって!』って言いたいが、俺はそれではこの馬鹿と同レベルだと再び口に出したい衝動を我慢する。しかしこいつはマジで我慢ってものを知らんのか?人がせっかくそうしたってのに。

 マジでいつか殺したいわ。

 

「い〜や、そこは『だから言うなって!』って怒るところでしょ!笑いの分からない男だね〜クリューは。いや、待って、()が笑いのセンスまで最強なのか。そうかそうか、つまり()はそういうやつだったのか」

 

 何故か知らないがミリタリアに呆れられるが、俺がこのとき何を思ったかと言われればもはや語るまでもないだろう。

 とりあえず外出たら殺す。

 それだけを決め、三度目の我慢をする俺は正直称賛に値すると思う。

 ソラマが話を戻したそうにしてるが、ミリタリアのせいでタイミングに迷っていそうだったので、俺が直接話を戻そうとする。

 

「なるほど。村長さんはそちらでしたか。一応こちら冒険者協会で受理した正式な依頼書となります」

 

 そう言い俺がソラマに差し出すのは言った通り冒険者協会で受理した紙だ。それを見たソラマは俺たちのことを完全に信用したようで、

 

「はい!わかりました。それでは早速オークの集落の方に向かっていただきたいのですが問題ないでしょうか?実は集落があると発覚してから狩りに出かける回数が減っていて食料がもうだいぶ少なくなってきていて、なるべく早くが良いのです」

 

 その様な事情を語られ、俺としてはなるべく早く行動したいと考えるが、俺はミリタリアやホワイとは違いちゃんと仲間への確認を怠らないのだ。もう既にこいつらへの仲間意識は持ちたくないなと思いつつあってもだ。

 

「ミリタリア、ホワイ、どうする?すぐ出来るか?」

 

 正直こいつらが嫌と言うとは思えないが。

 

儂は別に構わんぞ(だいじょ〜うぶ!)

 

「まとめて喋んな!」

 

 何でこいつら譲り合うとかしないのマジで。ホワイも最初の内は案外問題なさそうと思ったが、やはりミリタリアと同レベルか?流石にそれは侮辱すぎるか?こいつらと話していると本当に疲れる。

 

「大変そうですね」

 

 ソラマがそう同情して言ってくれるのは、こいつらと関わり合う中で非常に救われた。

 ソラマはそれから立ち上がると、少し動き棚があるところまで移動する。棚から何かを取り出そうと、しばらく探した後、ようやく見つかったのか、それを取り出してこちらに持ってくる。

 

「これがズンダ村付近の地図になるのですが、、」

 

 地図の中央にはズンダ村が位置しており、東西南北がしっかり示されていた。

 ソラマは続けて地図のある点を指差す。

 

「この赤い点の位置にオークの集落が存在しています」

 

 指さされた赤い点はズンダ村の北西に位置しており、正直かなり近めの位置に思えた。ホワイも同様の感想を抱いたのか、口を開き始める。

 

「ほう、、儂の想像よりもかなり近い。これまでにこの村が襲われなかったのは奇跡、、、とまではいかんが、かなり稀有な事例であろう。急務性を考えればBランクの依頼でもおかしくはない」

 

 ホワイは不幸中の幸いといった感じでその様に話す。それを聞き俺は冒険者協会の仕事の杜撰さを少しだけ訝るが今はそんなことを考えている場合ではない。今の俺の仕事は一秒でも早くオークの集落を潰してズンダ村の住民を安心させることだ。

 

 俺の最終的な目標を考えるとそんなのは一時的な安堵にすぎないのにな。

 

 そして自分達でもホワイが言うことは分かっていたのだろう。俺が改めてソラマの顔を見ると、ソラマは『だから早く倒して欲しい』といった表情をしていた。

 

「わかりました。すぐに俺たちがオーク達を倒してきます」

 

 俺がそう言うとソラマは喜びを見せる。

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

 それを聞き終えると俺たちは地図を持ってこの家を出ようとする。俺たちがドアから出ようとしたとき、聞き慣れない声が聞こえてくる。それは、

 

「気をつけるんだ、ぞ」

 

 さっきから一言も発していなかった、確かダインとかいうおじいちゃんだ。俺はそのおじいちゃんの思いやりに感謝する。全くこいつらとは大違いだ。

 ソラマもダインさんもいい人だ。こんな人たちが困っているんだ、出来れば助けてやりたい。

 ここで俺はまた自身の最終目標を思い出し、僅かに憂鬱になる。だが今はそんなことを気にし続けるよりもするべきことがある。それをせず気に病み続けるなどもっと許されることではない。

 今回の任務はもとより頑張る気だったが、俄然やる気が湧いてきた。必ず成し遂げてみせる。

 

「ありがとう。ダインさん。それじゃあ行ってきます!」

 

 そう言い、俺たちは意気揚々と外に出る。出ると同時に景色が変わる。

 

 ん?

 

 目の前の景色には何もない。あるとするなら空といったところだろう。だがそれもすぐに終わる。空を見ているのも束の間、俺はどこかに落下していく。

 俺たちがどこにいるのか?現在どんどん落っこちて行ってることと、落っこちているのに空が見えたことから答えは決まっている。そう、空中だ。

 

「う〜ん、これは」

 

 あまりに衝撃的すぎて一瞬冷静になり、そう声を漏らす。そんな声を漏らす間に俺の体勢は大きく変わってしまう。

 俺はさっきまで地面に直角になるように空を浮いていたが、そこから落っこちるわけなので当然その体勢のままではいれない。結果としてパラシュートをつけていないスカイダイビングのように横になる。

 目の前には地面があるかと思いきやあったのは大量のオークの群れ。つまりここは俺たちの任務先な訳だ。

 さて、こんなことを相談なしにやり、俺を焦らせているのが誰の仕業なのかはもはや言うまでもなく、、、

 

「「馬鹿かお前は!!!!」」

 

 俺とホワイの声が重なり、思わぬ形で初めての任務に赴くこととなったのだった。頭が冷静になったのなど一瞬だったのだ。

 

「は〜〜〜、、、、人間って面白!!!」

 

 馬鹿が何か言ったのが聞こえたが、とりあえず、、マジで後で必ず絶対ぼっこぼこに殺す!

 

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