ー異世界への侵略者ー地球を侵略しにきたエスパー宇宙人、死して異世界へと転生する。超能力?何それ?強すぎ!!   作:ゼリアサイ8世

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主人公の転生前の物語、その第三話ですね。
承『狼煙』の続きとなります。



転「契約」

 

 俺は突如として降りかかってきた事実を処理しきれずに落ち着けない中、一つの疑問を抱く。そして直ぐ様に口にしてしまう。

 

「いつ始めたんですか?侵略を。既に地球の七割を占領したって言ってましたよね。いくらこっちが戦力的に負けないと分かっていても私が寝てる間だけでそれをこなすには時間が足りないはずです。しかもこんな大きな音がなる中、今まで起きないのはおかしい。もしかしてあなた達が俺を寝させてたんじゃないですか?だったら何故、そうしたんですか?」

 

 俺は思考がまとまりきらない中、早口で目の前に立つ巨漢に対し、そう臆することなく口にする。箇条書きのように、次から次へと出てくる疑問をただ出し続ける。

 

「落ち着くんだ」

 

 そう宣う男に俺はいよいよ腹を立てる。落ち着けだと?

 

「落ち着けだぁ!?ふざけっ『落ち着くんだ』

 

 そう口にする男は先ほどまでとは違い威圧感があった。俺はそれを感じとるとみっともなく押し黙る。決して怒りが収まった訳ではないが、この威圧感は口を閉じるのには十分な理由だった。俺がここで下手に歯向かっても勝てないとよく理解させられたからだ。

 

「始めたのは二週間前だ。確かに私たちは貴様を寝させていた。理由は貴様が信用しきれなかったからだ」

 

 その男の答えについさっき抑えられた怒りが再び発露する。

 

「信用しきれない?ふざけるな!!俺がどれだけの思いであいつらを裏切って」

 

「その感情だ。その感情が貴様を信用できない理由だ。聞いた話によれば貴様以外の潜入隊員はみな地球(このほし)でできた家族が大切だと言ったと聞いた」

 

 そうだ。俺がそう報告した。俺だけがあいつらと違ってちゃんと裏切った(従った)んじゃないか。みんなを。

 

「それが何だ!俺はそうせずにあんたらに情報を渡した。あんな、、あんな軟弱な裏切り者達を始末してまで!それがなぜ信用できない!」

 

 俺の覚悟と決断を踏み躙るような行為が、何よりも納得がいかなくて俺はここまで感情が込み上げてきていたのだ。それを抑えるなど誰ができようか?

 

「貴様もそうなっていないとは言い切れないと判断したんだ。知っているんだ。貴様は仲間と家族を大切にする男で、隊員試験でほぼ全ての試験を一位で通過した。さらに実力試験では受けた全員を見捨てず合格させた期待の若手No. 1だ。しかも何の関わりも持っていなかったやつらまでだ。そんな男が地球のやつらに情を抱いていないなどとどうして信じれるんだ?」

「確かに貴様は裏切った仲間(ゴミ)を殺せた。その点は信用にも評価にも値した。だが、たった一回の例外でないとも言い切れなかった。だからこうさせてもらった」

 

 そう男が口にしてからしばしの沈黙。それは俺の中で僅かながらの納得があったからだ。そして次の発言も俺からではなく、巨腕の男から発せられた。

 

「そしてその反応から、確信した。やはり私は間違っていなかった。貴様は()()()を助ける男だ」

 

 

 

「それは...」

 

 違うと言いたい。いや、違わなければならない。そうでなければ俺のせいで死んだ人間に対する更なる侮辱にしかならないからだ。

 本当は殺したくなかったけど殺した。それでやっぱり殺したことを後になって後悔したからごめんね〜。ふざけるなって話だ。

 その後の俺は冷静になるまで何も言い返すことができずにただ時間だけが過ぎてった。

 なにもできない自分に俺はただ無念とも言えない何かを感じていた。

 

 しばらくしてバレッド様と共に移動することになった俺。俺は離れる直前に今さっきの爆発音、その原因であろう爆発によって壊されたのだと思われる俺の部屋の壁の大穴から見える外の景色、それを見て自分の罪を真の意味で実感し始めた。

 

 ーーーーーー

 

「この中に入るのもずいぶんと久しいですね」

 

 ここは昊宙舟(そらのそらぶね)の司令室で、昊宙舟(そらのそらぶね)はミューザリアが持つ侵略兵器の中でも最も高い威力と耐久性を誇り、一隻作るのに星の運営予算の三倍近い金額がかかるといわれている兵器だ。よくそんな馬鹿げた金をかけられたものだ。割と実際に意味がわからんな、考えれば考えるほど。こんなくだらない行為に、、、

 

 

 

 昊宙舟(そらのそらぶね)の外観は名前の通り船であり、いわゆる戦艦といった感じだ。そんな戦艦のメインの色は白である。

 そして昊宙舟(そらのそらぶね)は今現在地球の周りを飛んでいる。俺はそこにバレッド様のテレポートで連れてきてもらったわけだ。

 昊宙船(そらのそらぶね)には窓もちゃんとあり、俺は窓の外を見る。

 窓から見える地球は侵略中だと言うのに、それを気にしていないように青く、教科書に載っている通りの地球。俺が初めてここに来る時に見た地球となんら変わりなかった。

 

「私がここに貴様を呼んだ理由、それは貴様にはここで全隊員の指揮を私の代わりにとってもらいたいからだ」

 

 これまたかなりの大役を任されたものだ。さっきまで疑ってかかっていた相手に対してこうも大胆にいくとは。案外こういうのが出世には必要だったりするんだろうか。

 まぁ今は出世のための実績づくりというより、俺が本当に裏切ってないことの証明として素直に受けた方がいいだろうな。

 

 自分で言うのもなんだが俺は天才だ。できないことはほとんどないと言っても過言じゃない。だからこんな大役も躊躇わず受け入れられる。

 

「わかりました。では、ある程度の方針とここの戦力、それと出来ればですが指揮役を仰せ使うのが私なのかお教えくださればと」

 

 そう口にする俺は先程まで雪影家で寝ていた時とは容姿が異なっていた。顔はそのままだが、髪色は黒から銀に、眼孔は青になっていた。俺は正真正銘、雪影船銅ではなくシルバンス・テイリアになったのだった。何故変えたかと言われれば変装はもう必要なくなったからに他ならない。あと、顔見知りが昊宙船(そらのそらぶね)にいればこっちの姿の方が対応しやすいというのもある。

 冷静になった俺が先ほどまでと違い敬語を使う様子に多少驚きながらもバレッド様は答える。

 

「理由については俺は南アメリカにて、とある化け物と戦わなくてはならないからだ。それと方針についてだが、日本とイギリスを落とすんだ。それができるならやり方は何でも良いし、背くやつは殺しても良いんだ。他の島国もそこらを制圧次第、手を出せばいいんだ。戦力に関しては!?、、、何だ!?」

 

「ツッ!」

 

 バレッド様が俺からの問いに応答している中、突如として大きな爆発音が鳴り響く。それと同時に昊宙舟(そらのそらぶね)が揺れて足元がおぼつかないものの何とか体制を崩さずにいる俺は、同じく体勢を崩さずにいるバレッド様を改めて見つめる。ここに帰ってきて早々の異常事態を前に多少の驚きを見せるものの、既にその目つきは先を見据えているようだった。まるでこうなることを知っていたかのように。

 

 朝に爆発音で起こされ、また爆発音かよ。そんなことを思った矢先、それとはまた異なる音声が鳴り始める。

 

 

 チリリリリ!チリリリリ!緊急警報!緊急警報!直ちに当機から脱出してください!繰り返します、直ちに・・・

 

 俺が警報が鳴り響く突然の状況の変化に未だに戸惑っている中、バレッド様はすぐさまに司令室を飛び出す。瞬時に目の前から消えたため、テレポートを使用したのだろう。

 

「一体何が?」

 

 そう溢すように口にしながらもこの轟音の原因を俺は分かっていた。

 窓の外に、ついさっきまではいなかった巨大な何かがいたのだ。そいつはこの舟をはるかに上回り、おそらく地球と同じ、いや倍以上はあるな。とにかくそれくらいの大きさだった。右手には銃のような何か。左手には剣のような何かを持っていた。窓から見える範囲ではそいつの全容は見えず。それくらいしか分からなかった。透視を使って全容を見ることもできるが、それはしなかった。

 何故かと問われれば、それをしない方が目をつけられずに済む。そういった確信めいたものがあったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なぜ契約を破った?異星のものどもよ』

 

 俺は不意に鳴り響く知らぬものの声に目を見張る。その声は決して大きなものではないが確かに聞こえた。脳に直接響くような気色の悪い感じだ。俺たちがミューザリア人が使うテレパシーに近しいが明確に違う何かであると、普段使い慣れているからこそ理解できた。とにかくどのような手段でこんなことを可能としたのかはわからないが、確かに声が聞こえていたのだ。

 そして、その声色に怒りが含まれていることは容易に読み取れた。

 瞬間、窓から見えるそいつの腕が剣を持ち上げ舟を落とさんとしているのを見る。

 

 

 

「テレポート!」

 

 俺はその危険を察知し、窓の外に向けてテレポートした。そうしてついに俺はその存在の全容を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

            ()

 

 

 

 

 

 

 

 

 それがそれを視界に入れた瞬間に抱いた一文字。普通に見れば大きすぎる人間というだけの見た目。だがその佇まいか、あるいは目の前の剣で叩きつけられただけで半壊した昊宙船(そらのそらぶね)の様から察せる力故か、どちらにしろ神としか形容しがたい存在がそこにはいた。

 

 俺はその大きすぎる存在に戦慄する中、ある一人の男がそれへ向かって行くのを見る。その身体の大きさの差はあまりにも開きすぎていて、一見無謀である。

 

「よもや直々に冥王が出てくるとは思っていなかった。だが貴様を倒せると我は判断した」

 

 その男は巨腕(ガルゼス・バレッド)だった。その姿はまさしく神をも喰らわんとする巨人のようにも見えた。

 

 そんな彼の勇姿に感化され、俺も後を追い神を殺しにかかる、、、ということもなく、この時俺が考えていたのは、ただ

 

 

 逃げることだった。

 

 

『おごるな、異星の民の子一人で倒せる我では無い』

 

「その民もあなたの知らぬ間に大きく進化した。それに今のあなたは・・・」 

 

 今俺は宇宙空間に野放しでいるため、当然周囲に酸素は存在しない。だが俺はそれをものともしない。

 ミューザリア人は酸素がなくても活動できる。と言うわけではなく一応酸素は必要である。ただミューザリア人の肺では酸素を自分で作れるのだ。

 寒さに関してもまぁどうにかなるので大丈夫。

 最大の問題は宇宙空間で体の自由が効きにくいことだが、これもサイコキネシスで無理やり自身の体を動かすことで解消する。バレッド様があの化け物のような神を相手している今がチャンス。そう思い俺は地球へと急いで向かわんとする。

 だがそれを簡単に見逃す神ではなかった。

 

『一人として逃しはせん』

 

 再び脳に鳴り響く声、その声の鳴り始めに俺は星をも穿ちかねんと思わされる銃口を神から向けられる。

 

 死を一瞬にして身近に感じとる。

 

「貴様の相手は我だ!」

 

 己を鼓舞するようにそう口にしたバレッド様の巨腕が、冥王と呼ばれる何かに当たる。その一撃はとてもじゃないが効いているとは思えなかった。だが、一瞬でも意識はそちらへ向く。俺はその隙に最高速のサイコキネシスで地球にできる限り近づく。

 

 近づき始めて二秒ほど。ふと、俺の真横に巨大な剣の切先があるのを感じる。何故?そんな疑問よりも先に俺は『死』を感じ取る。だがそれよりもさらに早く、俺は大気圏に突入するのも感じとった。幾つもののことを同時に感じながら、その真横にある剣をかわす間もない俺は、すぐさま日本に

 

 

 

「テレポート」

 

 

 

 俺はここで意識を失った。

 

 ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーー

 

 

「うっ!」

 

 痛みとともに目を覚まし、俺は体の感覚があることを確かめるために全身を動かそうとする。かなりひどい状態だが、致命的となる部位の欠損などはない。これならまだ動こうと思えば幾らでも動ける。

 俺は痛みを堪えながらも立ち上がると、見覚えのある、いやあった光景が目に入った。わずかながらに残った瓦礫や道の形から分かる。そこは何度も通った雪影家から高校への通学路だった。それも雪影家から徒歩三分程度の近さである。

 

 それに気づいた俺は抱く権利すらないのに抱いた不安で雪影家へ移動しようとする。そうして動き始めると同時に俺は血反吐を吐く。

 

「ゴホッゴホッ、、ゴホッ、、、ゴホッゴホッ」

 

 吐いても吐いても止まらない。これは間違いなく、俺が無理な長距離のテレポートをしたからだ。そもそも俺は超能力の中でも最も苦手なのがテレポートなのだ。五十メートル以上の距離をテレポートすると血が出始める。なので滅多なことがない限り自分から使おうとはしない。先程宙空舟(そらのそらふね)からの脱出にテレポートを使った際は、窓越とはいえ半径五十メートル以内だったから平気だった。しかし今回は四百八十キロのテレポート。それがどれだけ肉体に負荷をかけるかは想像に容易い。

 正直死ぬ確率の方が遥かに高いと考えていたので、今生きていること自体奇跡の類だ。そしてそんな奇跡はあくまで命をギリギリで拾うためだけのもの。後のことなど一切考えられてはいない。

 俺は体の中がずっと焼けたような、凍えたような、あるいは何もかも無くなったかのような、およそ人が経験しうる全ての苦しさを凝縮したかのような痛みにもがきながら、時が過ぎるのを待っていた。

 

 

 ------

 

 

 

 数時間変わらず血を吐いた後、ようやく動けるようになった俺は雪影家の前まで、いや雪影家だった場所にやってくる。

 数時間前までいたこの家は既に壊れ、跡形も残っていなかった。その光景を見て俺は何かをするわけでも考えるわけでもなく、ただ座って地を見ていた。

 

 

 

 ------

 

 ふと気づく。あまりにも静かすぎることを。朝の爆発音、あれはこの付近への侵略を始めたのはあのタイミングであることの証明だ。実際、俺がバレッド様にテレポートしてもらう直前に見た際、ここの建物は 爆撃を受けたにしては比較的綺麗だったと記憶している。だが今はもうあたり一面が瓦礫となっている。これは俺が宙空舟(そらのそらふね)にいる間にここを侵略し終えたことを意味している。

 既に破壊したとこに兵がいないこと自体には特におかしなことは何もない。だが、少しぐらい見張り兵がいても良いはずだ。特に俺たちミューザリア人にとって見張りというの簡単なのだから。それは透視を使えるからだ。だというのに透視を使って俺を見てきた奴を俺は地球に帰ってきてからずっと感じていない。

 

 確かに日本を完全に落とすより前に神に舟が襲撃されたせいで、まともな侵略は難しくなっているはず。とはいえ、各部隊の隊長が独断で最低限の行動はしているはず。それを考慮するとやはり現状はあり得ないと言わざるを得ない。

 

 俺はその原因を探そうとし、まずは透視で辺りを見渡す。すると生きている人間をかなりの遠くながらも見つける。あれは、ミューザリア人か?いや、あれは、、、俺はひとまずはそこへ向かおうと決め、ようやく体を動かした。

 

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 そこは以前潜入隊員全員で集まった、廃工場。俺が一線を超えた場所だ。

 何故こんなとこに、という疑問を抱きながら中に入ろうと廃工場の扉を開く。その扉は真ん中から左右にスライドして開けるような扉だった。だが、完全に開き切らずせいぜい十センチ中が見えるようになったところで止まる。何故か?中には数多(あまた)の死体があった。透視を使って見る際に一度そんな状態にあることは分かっていたが、実際に透視を使わないで見てみるとまた違った忌避感を抱いた。

 

 でも俺はそれを黙って受け入れなければならない。これが俺の招いた結果なのだから。

 

 話を戻そう。それらの死体は俺が扉を開くと直ぐ目の前にその顔が見えるほどに廃工場いっぱいに詰まっていたために、扉は簡単に開かなくなっていた。でもこれなら最悪力技で開けられる。俺はサイコキネシスを使おうと決めた。その時だった、目にそれらが映ったのは。透視の際には一人一人の死体の顔など見ていなかったのに、近くで肉眼で見るとなるとそれぞれにどうしても焦点が行ってしまっていた。そして気づく。

 

 死体達の中の一つ、二つ、いや三つに見覚えがあった。

 

 一つは長く美しい黒髪を持ったそこそこ綺麗な女だった。

 もう一つはメガネをかけた女で、おそらくメガネを取ってみせれば先ほどの女よりも美しく見えるだろう顔つきだった。

 そしてもう一つ、その死体で見えたのは他の死体に埋もれていたせいで手のみだった。しかし透視を使うまでもなく理解する。だってその手には見覚えがあった。何度も叩いたり叩き合った男の手で何度も触れたことがあり、男の手にはその男のやっている剣道特有のマメがあった。そして、今見えた手にはそのマメがあった。それを見たとき、抱かないと決めていた感情が流れ出す。

 怒り、悲しみ、後悔、それらの感情が身勝手な感情であると分かりながらも抱かずにはいられない。

 

 

 雪影家では死体を見なかったから耐えられた。でもこれはもう、、、

 

 

 

 誰のせいだ

 

 誰のせいだ

 

 誰のせいだ

 

 (おまえ)のせいだ

 

 (おれ)のせいだ

 

 オレノセイダ

 

 

 

 

 オレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダオレノセイダ

 

 

 

 

 -------

 

 

 

 

 

 オレノセイダオレノセイダ ガシャコーン!!!

 

 

 鳴り響く爆音と共に目が覚める。辺りを見渡し、いつの間にか廃工場から少し離れた森の開けた場所を彷徨っていたことに気づく。無意識に自身の罪から逃げるように動いていたようだ。そのこと気づき、より一層自身のことを嫌悪する。

 

 だがしかし、そんな思考を止めてでも気にするべきことがあった。目の前に立つ一人の人間?のことだった。

 それは人型でありながら、大量の包帯を巻き、その包帯の色は白ではなくまるで鉄が錆びたときのような赤茶色に染まっていた。

 その姿形、大きさ、あるいは衣服など、それら全てが違ったが理解する。いや、させられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             神

 

 

 

 

 

 そう。神は俺を追ってきたのだ。

 

 ------

 

 

 数秒の硬直の後、

 

『殺す』

 

 宇宙空間で聞いたのと同様な脳内に鳴り響くこの声に、俺は先ほどの直感が正しかったのだと確信する。そう確信したほんの少し後に

 

 殺してくれ

 

 そう願った。ついさっきは逃げたのに何故かそんな考えが脳裏に浮かんだ。

 そして奴はどこからともなく先ほども持っていた銃と同じ造形だが、今の自身のサイズに合わせたものを取り出す。

 神は俺に銃口を向け、即座に撃つ。その一連の所作の速度はギリギリだが目で追えるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間、テレポートしている自分に驚く。

 奴の背後に周り、サイコキネシスで奴を吹き飛ばさんとする。しかし奴も俺の正体を知っていたからか、驚く様子もなく、再び銃口を俺に向ける。

 

 未来視で相手の動きの0.1秒先を読む。そこには撃たれた自分がいた。

 

 テレポートは先ほど使ったばかりで、もう一度使えば動きに大きな支障が出る。ならばと思い、サイコキネシスを自身に向けて発ち、先程の廃工場近くの鉄パイプが大量に置いてある所へ飛ぶように無理矢理横に吹き飛ばす。

 何とか攻撃を避けることに成功。そして自身の体勢を吹き飛んでいる中、サイコキネシスで整える。

 しかし間髪入れずに奴はこちらに向けて走り出す。次は剣を取り出し、振り下ろす。その剣が俺の肩に到達し、切り裂き始めた瞬間

 

「テレポート!」

 

 そう叫ぶと同時に消えた俺がどこへ移動したのかと、神は辺りを見渡す。だが実際は違う。

 テレポートと叫びながら俺は相手の目に透視をかけることで、俺を透視させたのだ。そうすることで奴はまるで俺がいなくなったかのように錯覚したというわけだ。

 しかしそれだけでは振り下ろされた剣の勢いで切り裂かれたのではないか。もちろんなっていない。何故ならテレポートと叫んだのは嘘ではないからだ。テレポートさせたのは奴の剣であり、テレポートは自身と触れてる物体の移動が可能だ。だから俺はあえて攻撃を受け、遠くに飛ばしたのだ。でもただ剣を飛ばしても無くなったことにすぐに気づかれてしまう。そうならないために俺は奴が腕を振り下ろした後、また直ぐにテレポートを使い、奴の手の中に鉄パイプを出現させ持たせたのだ。テレポートの連続使用にこそなってしまったものの、まだ反撃は十分可能なくらいには体を動かせる。

 

 それから少しして、奴は周囲を見渡す自身の目に違和感を覚えるのと、いつの間にか握っていた剣が鉄パイプなのにすぐさまに気づく。まぁ、鉄パイプなんてどうしたって肌触りが異なるのだからこれは仕方ないことだ。

 だがもう遅い。そんなことはこちらだって予想済みだ。

 

 サイコキネシスには二種類ある。先ほどまで使っていたような、特定の方向に向けて力を放つ『(はち)』と自身の体から直接不可視の腕を伸ばすような感じで物を掴んだりする『(しょく)』の二つ。そのうち今回は『觸』を使う。

 自身の腕の先からさらに腕を伸ばすようなイメージで伸ばした『觸』で相手の体を捉える。そして『撥』を使い自身を宙に浮かす。その結果『觸』で掴んでいる相手も連動するようにして空中に浮く。俺は空中にて体を横に倒し、体の右側だけに『撥』を加えることで回転する。回転はどんどんと加速していく。『觸』で縛られた奴には遠心力によってどんどんと力が加わっていく。溜まりに溜まったそれを一気に下へ叩きつける。

 

 

 

廻壊(めっかい)!!」

 

 その一撃は地を割り、半径三十メートル近くのクレーターとなった。これで奴もさすがにダメージを『死ね』

 

 その一言が鳴り響き、ある男の胴と首が分かたれる。その声がシルバンス・テイリアが最後に聞いた声だった。

 

 

 ーーーーーー

 

「何で戦った?」

 

 暗い世界、そこで雪影船銅()らしき人物がシルバンス・テイリア()を詰るように語りかけてくる。

 

「今際の際で怖気づいたか?お前以上に訳のわからない状況で死んでった人は多く、もっと怖かっただろうにな」

 

「そう、、、だな」

 

「分かんなら死ねよ。黙って死ね。誰にも迷惑かけない死なんて無いかもしれないけど、出来る限り迷惑にならずに死ねよ。今回の神に殺されるようなことなんてまさしくそれだっただろうに。黙って受け入れてれば、あの神に無駄な時間を消費させずに済んだ。そうすればきっと世界はいい方向に進んでた」

 

「かもな。でも、もう俺には何もできない。後悔しかないが、それでもきっと成果はあった」

 

 そうだ()()()()だけは守れた。

 

「ふ〜ん()()、ねぇ。まぁいいか笑い話だし。それと何やらようやく終わると思ってるようだが、終わらねぇよ。せいぜい長く長く、永劫に苦しみな」

 

 何を、そんなことを口にするよりも速くに俺の意識は、、

 

 ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めると先程までとは打って変わって白く、何もない空間にいた。

 

「ここは?」

 

 疑問が抑えきれずに溢れる。誰が答えると期待していたわけではないのと裏腹に、一つの声があった。

 

「ここは僕の空間さ。君は死んだからここにこれたんだよ」

「疑問には答えたし、僕から一つ提案をしてもいいかな?」

 

 突然背後から聞こえた了承を求めるその声に答えてやろうと振り向いた矢先、俺の返答は関係ないと言わんばかりに視界に入ったそいつは喋り出す。

 

「僕と契約して、転生者になってよ」

 

 その一言が俺の転生記の始まりであり、終わりを悟った俺へ深い絶望を与えた。

 





雪影家の人達は主人公のことを起こそうとしなかったのか?
実は『承』で寝てから『転』で起きるまでの間は昊宙舟(そらのそらぶね)に攫われています。なのでわざわざ一度雪影家へ主人公を戻してから爆撃して起こしてるんですよね。
何故か?
『俺は離れる直前に今さっきの爆発音、その原因であろう爆発によって壊されたのだと思われる俺の部屋の壁の大穴から見える外の景色、それを見て自分の罪を真の意味で実感し始めた』させるためですね。
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