ー異世界への侵略者ー地球を侵略しにきたエスパー宇宙人、死して異世界へと転生する。超能力?何それ?強すぎ!!   作:ゼリアサイ8世

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3.「念力」

 

『魔物』それはこの世界における最も身近な危険と言える存在達であり、その種類は千差万別である。それこそゴブリンのようなものもいればドラゴンのような奴までいる。ゲームでよくいる奴らと基本同じと考えて良いだろう。

そしてそんな魔物達であるが殺すには少しコツがある。それは体内にある魔石を破壊すること。あるいは体から魔石を切り離すことだ。

 

それを踏まえた上で改めて眼前のオークについて考える。はっきり言って俺の超能力と魔物達の相性は悪い。超能力で最も攻撃に使いやすいのは念力だが念力は単純な力押ししか出来ない。斬撃や魔術のように体を貫通させて攻撃ということが不可能なために超能力だけでの勝利は厳しいものがあるだろう。異世界で俺だけ使える能力なんてチートであるべきだろうに。世知辛い。

とはいえ、だ。

 

「ミューザリア星のエリートがお前如き殺せないわけねぇだろ」

 

それを口にした途端、人の言葉を交わせないはずの魔物が言葉を理解したかのように偶然にも攻撃を仕掛けてくる。

オークは右腕を振りかざしてくるが、その巨大な腕が当たる直前に念力で体の動きを補助しつつオークの巨大な手の甲に乗るよう飛び上がる。着地と同時にめいっぱいの力を込め、今度はオークの顔向けて飛び上がる。

それに対してオークは残された左腕で振り払うかのようにビンタに近い動きをする。

ビンダをするにあたって向けられる手のひら、俺もそれに合わすようにして手のひらを向けて一言。

 

「『(はち)』」

 

その言葉を口にした途端にオークの腕は動きを止める。正確に言えばアークの腕の動きが押し返されるようにして止まることになる。

『撥』は念力の一種であり、ある一方向に対してのみ永続的に力を加え続ける超能力だ。イメージ的には巨大扇風機とかでものすごく強い風を吹かしているようなものだ。

 

兎にも角にもそれによって大きな障害なくオークの眼前の前に来る。俺は現在五歳児の俺の掌には到底収まるとは思えないオークの首、その両端に両の手を回す。

 

「『撥』」

 

体格的にオークの首を完全に挟み込む形とはいかないまでも異なる二方向から力を注ぎ込まれることでオークの首は少しづつ圧し潰されていく。

それを察知したのかオークは首にいる俺を腕や顔を使い止めようとする。先程左腕に対して使った『撥』は首に対して『撥』を使うために既に解除してしまっている。

つまりオークが俺の攻撃を止めることは不可能ではない。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

両手での『撥』を初めてから一秒。それだけでオークの首を完全に圧しつぶすことに成功。捩じ切られるような形でオークの首と胴は分離することとなる。

前世で何回も殺したことがある人間たちならこれで死ぬが敵は人型とはいえ魔物、これで死ぬことはない。

このようにして魔物の体を分離させた際、魔物は魔石が体に残っている方を変わらず動かすことができる。

顔か胴か、動いた方に魔石があるということだ。

個人的には顔にある方がサイズが小さいのでまた両手での『撥』をするだけで殺せるから楽で助かるのだが、どうなる?

 

オークの体を分離して、すぐさまに背後に下がった俺はオークの体を観察し続ける。どちらに魔石があるのか結論はすぐに出た。

 

胴か。

 

着地するよりも先、後ろに飛び上がっている最中にオークの胴体の方が頭がなくなったことに困惑しながらも地団駄を踏んでいるのが目に映っていた。

そして体のバランスを崩し、オークは既に体を横に倒れ伏していた。

死にこそしないものの感覚器官そのものは人と変わらず欠損するということだ。オークは現在頭が無くなったことで視覚と聴覚といった戦闘に必要な能力が無くなっているのだ。

こうなれば時間がかかり、多少面倒とはいえ殺すのは容易である。

 

俺は地面に横になるオークの腹の上に佇むと足から『撥』を最大出力で放つ。今度は地面と挟み込む形でオークの体を圧しつぶして真っ二つにする。

それの繰り返しで動き続けた方を破壊し続けた結果。

 

 

「なんだよ、人間と同じく心臓の位置じゃねぇか」

 

オークの魔石を破壊することに成功した。

魔物の魔石は本来金になるので抜き取る形で終わらせられるのならそうするべきというのが一般的だ。今回はオークに初めに宣言した通り苛立っていたのもありつい破壊してしまった。

まぁ喰われた子供のことを思えばそう悪くはない。

 

さて、そろそろマサリと合流しなくてはな。そんな事を考えて俺は踵を返そうとする。魔石以外の部分の魔物の死体に関しては本来放置は好ましくないが今回は事情が特殊だ。致し方ないってやつだ。

俺はマサリが俺に向けて放った未だに脳に反芻し続ける言葉や、単純にオークの元へ強行して向かった件に関する言い訳などの返答を考えながら歩く。

 

痛い(いってぇ)な」

 

俺の背後からこれまでに一度だって聴いたことのない声が耳に響いたのは歩き始めて三秒ほど経ってからだった。

 

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