ー異世界への侵略者ー地球を侵略しにきたエスパー宇宙人、死して異世界へと転生する。超能力?何それ?強すぎ!! 作:ゼリアサイ8世
「クリューソス、話聞いてぇぇぇ〜〜!」
ガレスにそんな気色の悪い呼びかけをされたのは夕食をしている時だった。ちなみに発言から分かる通り今のガレスは以前の圧あるモードではなく、ふざけてる時のやつだ。
あの日自分について色々見つめ直してからかなりの日数が経ち今現在三月一日である。俺は既に六歳となり来年度には小学校に行かねばならない。
実はレーベン家が納めるレーベン領にはこの世界においては珍しい幼稚園があったりするのだが俺は通わせてもらえていない。そしてチルマーの働き先がそんな幼稚園だったりするのだが、それはまた別の話か。
あとこちらの世界の小学校に当たる物は小学校の名称で変わらない。意外とこの世界と向こうの世界の単語に差異はない。
「何?」
俺は飛んできたガレスの言葉に少し面倒そうにしながら返事する。理由は単純に面倒なだけだ。本当に。
「いや何、聞きたいことがあってな。クリューソス、王都に行ってみる気はないか?」
ガレスからの予想外な提案に驚きを隠せない俺。ここで言う王都とは俺のいるこの国の首都のようなもののことだ。
といっても国が分からないか。この国の名前はリオレス王国だ。別に覚えてなくてもさして問題はない。
「王都に?そりゃ行けんなら行ってみたいけどさ。いつ?」
「あ〜した!」
「は?」
は?
いや今なんて言ったこいつ。明日って言ったか?
「いやいやいや!?急すぎだろ!なんでそんな!?」
「正直な話、俺も知らないんだよね」
「いやマジでどういうことだよ」
何か色々急だし謎だしで逆に冷静になってしまう俺。
「いやね、リオレス王がクリューソスに会いたいんだってさ」
「王様が?何で?」
「クリューソスが殺したオーク、あれの死体を大層気に入ったみたいでね。状態が良いとかなんとかでさ」
あ〜なるほど。確かに俺はあのオークを殺すにあたって一本腕を消したり、傷もたくさんつけたが最後に魔石を破壊するのではなく即死の魔術で殺したからな。単純に物理的に破壊するよりかはいくばくか綺麗に殺せただろう。
まぁ一回目はかなり物理的にぐちゃぐちゃにして殺したが、蘇ったからあれはノーカンだ。
というかあいつ便宜上オークと呼んでただけだったんだが王都に死体運んだ上で依然としてその呼び名なのか。となるとオークという呼称は正しかったのだろうか?
そんなふうに納得と思案をしながら前に意識を向けるとガレスのニヤケ面が目に映る。普通にうざいので殴りたくなる。
「しかもそれだけじゃないんだな〜これが!」
「まだ何かあったのか?それとその顔やめろ。普通に殴りたい」
「酷い!これでも父親なんだぞー」
「これでもそうだから困るんだよ」
お互いもとい俺からの一方的な言い合いをした後、ガレスはついに『それだけじゃない』ことについてを話してくる。
「なんと!な、な、なんと!我が家の虎の子たるクリューソスがあの絶世の美少女と目される王女様に拝見できちゃいま〜す!って話も来てるの」
ガレスは揚々とそのように語る。その態度には腹立つものの本当にキリがなくなるのでそれに文句は言わない。しかし王女様か、正直その話に関しては全くと言っていいほどに興味がない。
そしてそれを踏まえた上での幾ばくかの思案、少しの時間が経過してガレスからの問いかけがくる。
「それでどうする?」
「ん〜、王様関連ってことはそれ実質拒否権ないようなものだろ。行くよ行く。王都には前々から行ってみたかったしな」
俺がそう言うとガレスはほっとしたように息を吐いた。そう、俺は王都に興味がある。というのも王都にあるという図書館に訪れてみたいのだ。レーベン家、広げてハーメリア領で元の世界に関する情報をあらかた漁ってみたが著しい成果は得られなかった。ハーメリア領に関してはまだ捜索しきれているとは言えない状況下だが、この先望む情報が手に入る可能性が低いことは察しつつあった。そんな中でのこの機会、行かないという答えはあってないようなものだった。
俺の返答に安堵したガレスは、追加で告げてくる。
「本当か!いや〜良かった良かった。クリューソスがもし断ったら
「いや間違ってもするなよ、それ」
「クリューソスが望んでやるならしないさ」
俺はガレスが血気盛んなことに多少呆れる。
しかし聖騎士ね。単なる騎士ではなく聖騎士となると何をするのだろうか?ゲームではよくある役職だが、聖騎士ってゲームによって全然違う意味合いになるからな。この世界ではどうなのだろうか?というかもしかして、
「もしかして迎えがすでに向かってるのか?」
「うん、そうだよ」
なるほどだから明日からなのか。つまり明日迎えが来るからそれに乗れと。乗らなければ無理やり連れて行くって話だったわけだ。だから戦いをガレスは視野に入れていたわけで。
どうやらこの国の王様は随分と暴力的なようだ。
「しかし王様に会う、か。服装とかどうしたら良いんだ?」
「そこら辺は向こうでお世話になるだろうお義父様方に任せているから大丈夫なはずだ。多分」
「聖騎士の方相手には?」
「最低限の礼儀はともかく、服装なんかは普段通りでいいさ。一応クリューソスの方が招待された側なんだからな」
そのような大方の話の筋が決まったところで食堂の扉が開く音がする。もちろん俺でもガレスでもないので新たに一人が入ってきたということだ。
開かれた扉の先にいたのは俺の専属メイドであるマサリだった。
マサリは一回ガレスの方を向くとアイコンタクトか何かで確認した後俺に向けて歩いてくる。
何用だ?
「クリューソス様!あなたにはこれから色々なことについて学んでもらいます!」
「はぁ?」
一つ言っておこう、この日の残りは地獄であったと。
ーーーーー
翌朝、俺とガレス、マサリとパーネットで屋敷の前に立っていた。チルマーは仕事でこの場にはいない。普通に悲しい。
昨日は礼儀作法だったり迎えにくるらしい
よりにもよって何でマサリに教えさせたんだよ。あいつも給仕力低いだろうに。これを言ったらまたマサリに怒られるので言わないが。
さてそんなふうに待っているとついに待ち人、いや別に待ちたかったわけではないのでそう呼称するのは如何なものだろうか?、、、とにかくついに星騎士はやって来たようだ。
俺達の目の前にあるのは絢爛豪華な馬車。レーベン家も貴族ではあり、当然馬車を所有している。だが眼前のこの馬車はレーベン家の所有するどの馬車よりも豪華であると一目でわかる。大きさも相当なものだ。
そしてそんな馬車から人が一人降りてくる。
しかしそれは想像を絶する光景だった。先程俺は『人が降りてきた』と言ったがこの場合の『人』とは俺は『人族』を意識していた。『人族』がどういう種族といえばパッとみんながイメージする人間そのものだ。
こう言うということは当然降りてきた人物は『人族』ではない。その種族の名は
『獣人族』
異世界ではど定番の種族はこの世界にも存在した。
さて、ここで質問。皆んなは獣人と聞いて何を想像した?俺の予想によればケモ耳が生えた可愛らしい獣人だろう。耳は猫か犬か、はたまた兎だっただろうか。
そして性別は女だったりするのではないだろうか?
結論を言えば何もかも違う。何もかもだ。
俺の前にいる獣人、彼が何の獣人なのかは一目で分かった。
『蟹』だ。
しかも体の一部とかではない。体全体が硬い
容姿の話はこれで十分だろう。つまるところ迎えに来たのは蟹の獣人だったということだ。一応言っておくがおそらく男だ。
そんな獣人に唖然としていると彼は俺に近づいてきた。一瞬身構えそうになるのを堪え平静を装う。
「多分やけど君がクリューソス君やろ。ちゃう?」
第一印象からは想像できない物優しげな声色に少し気が抜けるのを感じ取る。もしかしたら結構気さくな人物なのかもしれない。
そう思いつつも失礼があると面倒なので礼儀正しく聞き返す。
「はい。私がレーベン家次男のクリューソス・レーベンです。以後お見知りおきを。その、貴方様のお名前をお聞きしても?」
礼儀作法を習ったおかげか、初対面だからか、どちらか知らないが割と自然と丁寧な口調で話しかけられた。まぁ実はミューザリア星でも偉い人と関わる機会はなくはなかったので、マサリに教えてもらわずとも礼儀作法自体は小慣れたものであったりするのだが。もちろん文化の違いを考慮すればちょっとした礼儀のズレの修正は必要だろうがな。
「あー自己紹介がまだやったね。先に名乗らせるとか騎士の名折れやったわ」
うっかり、といった様子で彼ははすぐさま名乗りを上げる。それは随分と様になっていた。
「
それが初めて王道十二騎士と出会った時だった。