ー異世界への侵略者ー地球を侵略しにきたエスパー宇宙人、死して異世界へと転生する。超能力?何それ?強すぎ!! 作:ゼリアサイ8世
「
なんか称号が多すぎて一気に飲み込むのには時間がかかる。ということはなく、すんなり入ってくる。見た目でこそ驚いたものの知識としてはガザラグド・ラバダなる人物を知っていたからだ。
俺の迎えにくるという
あくまで称号や名前のみなので見た目は知らなかったが故に初見のインパクトこそあったがこうして冷静に対処できているのだ。
それはそうとそろそろ返事をしなくてはだ。
「はい、お願いします」
俺がそう言うとラバダは嫌そうな表情をする。何か無礼をしただろうかと身構える俺。それを見てラバダは慌てて声をかけてくる。
「あぁ〜!ちゃうちゃう。そうじゃない。クリューソス君、君その口調嫌やろ。無理しとるかんじするもん」
それを聞き俺は納得する。ラバダが嫌っていたのは下手な礼節だったようだ。別に俺のが下手というより、単純にそういった性格なのだろう。断じてムキになっているわけではない。
「ガレス、良いと思うか?」
俺はラバダのその要求に対してガレスに意見を求める。ぶっちゃけ俺としてはその言葉に甘えたいところなのだがこれをまずいとガレスが判断するならそれに従いたい。というのも以前パーネットがああ見えてガレスは社交界で上手くやれてると言っていたからだ。
こういった相手から礼儀をなくせと言われたときどうするのかの参考にしたいと考えたのだ。
「ラバダ様が良いと言っているから良いと思うぞ。むしろしないと不機嫌になるタイプだ」
返ってきたガレスからの結論を聞き、俺は少し考える。どうやら俺から見たラバダ像とガレスのとで相違はないようでなの楽にして良さそうだ。
俺はラバダの方を向いて話し始める。
「えっとぉ、分かり、、いや、分かった。こんな感じでいいかラバダ」
俺のその発言に満足気な表情を見せるラバダ。やはり間違いではなかったようだ。
「ほんなら王様からの命に従い、とっとと出発しよか」
ラバダはこの場では話すことはないといった感じであり、俺を連れ出そうとする。
それに待ったをかけたのはガレスだ。
「少しお待ちください」
そのガレスの発言を聞き、顔を顰めつつもラバダは答える。
「ん?別に君も自然、、、いや逆にやな。何や、言ってみい」
「感謝致します。その恐縮ではあるのですがクリューソスの護衛はラバダ様お一人なのでしょうか?」
「足りん?」
ラバダのその一言は笑顔で放たれた。声色は間違いなく優しい。だが裏には確かに歴戦の猛者であることを彷彿とさせる何かがあるように思えた。
それはかつて俺が戦場で幾度も感じたことのあるものと同様、下手すればそれ以上だった。
「いえ!滅相もありません」
それを冒険者として生きていたこともあるガレスが感じ取れないわけもなく、ガレスはラバダの言葉を否定する。
ここで評価すべきはラバダの完璧な圧のコントロールである。間違いなく殆ど戦闘をかじったことのないパーネットはそれに気づいていないだろう。マサリは気づいている可能性もあるが、少し微妙かな。
「問答は終わりでええか?微々たる時間も出来れば無駄にしたくないんやけど」
ラバダは面倒というより単純な確認をする様子でこちらにそう問いかけてくる。
「私、、俺から少し良いかな?」
「ん?クリューソス君かいな?せやったら馬車ん中で答えるわ」
「いや、出来ればこの場で答えてもらいたい」
その俺の返答に怪訝そうな表情を浮かべるラバダ。
蟹の獣人であるラバダは一般的な顔つきとは当然異なる。当然、表情によって感情を推察するのは難しくなるが今回ばかりは明確にそれを感じ取れていた。
それは俺が裏で
話は戻って、怪訝そうな表情を浮かべながらもラバダはその口を開く。
「まぁ先にも言うたが微々たる時間やからな。ほんまに微々なら
「ありがとう」
『それで、質問は?』といった具合のラバダは急かすように俺を見つめてくる。別に俺も時間を無駄にしたいわけではないので本題に即座に踏み込むことにする。
「ラバダは本当に
そんな突拍子もないことを聞かれるとは考えてもいなかったのだろう。ラバダの目が大きく開かれる。だがすぐに平然とした表情へと戻る。
ここで話は変わるが少し差別的言い回しにはなってしまうが一般的な人間と違うガレスの表情は面白いな。これは別に馬鹿にする意図はなく、単純に珍しいもの見たさ的なあれでだ。
そんなこんなでラバダの返事がやってくる。
「もちろん星騎士の誇りにかけて君を守るよ。と、言いつつ僕はそないな殊勝なもんさして持ってはおらんねんけどな。まぁでも、守ることは嘘やないよ」
そんなラバダの台詞を聞き喜びを見せるガレス。さっきとは異なりラバダの強者ぶりを感じているからだろう。安心して見送る様子だ。
当然パーネットも王道十二星騎士の名声ぶりからか安心している様子。マサリも特に問題ないだろう。
「そうか、なら良いんだ」
俺のその返答に対してラバダは少し不信感を感じていながらも笑顔になる。
「ほんなら、行こうか」
ラバダが馬車の方に腕を伸ばし、指し示す。俺はそれに従おうと一歩踏み出す。
馬車に乗る直前に俺は振り返る。そして、
「行ってきます!」
その一言を比較的大きめな声で言う。このボリュームなら声が三人に届かないことはないだろう。
「いってらっしゃい、無理しちゃダメよ」
「いってらっしゃいませ。説教の準備しておきますね」
「クリューーーーーーーーーーーソスーー!!!!」
しっかりと届いていた俺の声を聞いた三人がそれぞれ毛色の違った返答をする。上から順にパーネット、マサリ、ガレスだ。
パーネットの言っていることはできる限り気をつけることとしよう。正直厳しそうではあるが。
マサリのは前提に対して『ふざけるな』と言いたいが出来ないのが難しいところだ。
ガレスはもう考えることが無駄なのでしない。
かくして俺は馬車に乗り込む。中は広く、座る箇所が左右の壁から直角に飛び出るようにできていた。イメージ的には電車の車両の向かい合って四人で座る席みたいな感じだろうか。
そしてラバダはそんな席に腰を下ろす。電車の席同様座る部分は柔らかくなっておりラバダの体が沈み込んでいた。
俺もラバダの対面に位置するように座る。
ラバダがここで口にする。
「まずは『僕の家まで』や」
ラバダのそれを聞いたのか馬車が走るのを始める。こんな単純な指示のみかつ馬の近くに人がいないのに走ることができるということに俺は驚いていた。
当たり前だがレーベン家の馬車では必ず御者と呼ばれる馬車を操作する人がいたからだ。別に異世界だから運転手がいらないのが当然という話ではないのだ。まぁとにかくこの馬車を引く馬はすごいって話だ。
「ほんなら一気にレッツゴーや!」
陽気にラバダがそう言い始める。俺もそれに乗るようにして『オー!』とちょっと控えめな声で言っておいた。ラバダは嬉しそうな顔をしていたために結果は最高だったと言えるだろう。
あれから数時間が経過していた。
俺は先ほどの質問に対するラバダの答え、そしてその真偽に対して考えていた。
『ラバダは本当に
この質問に対するラバダの答えは要約すると『YES』なのだがそれが嘘か本当なのかが問題だ。
当然俺はテレパシーでその答えを知っている。結論から言えばラバダの答えは、
まぁなんとなく話の感じ的に察してはいただろうが、その認識で相違ない。
パーネットには『無理をするな』と釘を刺されたし、マサリには『説教する準備』だとか言われ、その通りになる可能性が実際に高いのが癪ではあるのだが仕方がない。
王都で王様や王女に会うことは俺の目的にとって絶対のメリットになり得る。ラバダの発言の正否だけで安易に中止することはできなかったのだ。それにレーベン家の面子もある。
俺は確かな胸騒ぎを感じながらハーメリア領を旅出たのだ。
クリューソスが超能力を扱えることを知っているマサリがクリューソスがわざわざあの質問をしたことに対して疑問を抱かなかったのは一応の理由がります。クリューソスがマサリに話している超能力はサイコキネシスやテレポートといった明確に視覚で捉えることができる超能力のみだからです。
それはそれとして、これで一章も終わりです。ここまで読んでくれた方に心からの感謝を致します。
作者的に書きたいのは実は三章からになるので次の章もめっちゃ乗り気って感じではないんですけど頑張って書きます。応援お願いします。