【完結】特撮ヒーローのライバル系カイジン、異世界に転生す。 作:ふくつのこころ
アーサーが身につけたラクリマとラクリマユーザーを切り離す技とは、すなわち、
そんな戦い方はデッドヒート自身が目指すものではなかった。
燃え上がる必殺剣はアンデッドキラーのバックルに叩きつけられる。
バックルに亀裂が走り、ラクリマが割れた音がした。
「や、やった!?これでエレンも!!」
アンデッドキラーのバックルに亀裂が入るも、排出されたのはラクリマだけだった。
一瞬、魔力が放出され、ドロップからの変化が解除されたかと思われた。
『というわけにはいかないんだよ』
「ドクター・パラドックス!?」
バックルから聞こえてくる、パラドックスの声にアンデッドアーサーは驚愕する。
『私の
パラドックスは勝ち誇るようにアンデッドアーサーに宣言する。
「……見ていたのか?オレたちの戦いを」
『なあに、簡単さ。ラクリマは私のテクノロジーと魔法の愛し子だよ?仕掛けを作らないはずもなく。
出来損ないの相棒くん、私たちの世界には映像をおさめる技術があるんだよ』
パラドックスは楽しそうにアーサーに説明する。
息子に等しいデッドビートにはわかることが前提なのは、信頼か視界に入れていないだけか。
『なにより、死して尚脈打つ鼓動。
君のデータは私の脳にインプットしてある。
対策なんて簡単にできる。最も、失敗作の君が魔法を習得するとは思わなかったけど』
実に予想外だったとパラドックスは言うが、その声から抑揚は感じられない。
デッドビートはパラドックスの変わらない言動に苦笑いした。
「……ドクター、オマエは相変わらずだな。これはオレが習得した
『ほう?では、誰が習得したというんだね?
アンデッドアーサーの声がパラドックスにとって聞き覚えのあるものになると、パラドックスの声は興味を帯びたようだ。
パラドックスがアーサーとデッドビートの二人のいずれにも興味を持っていないことが知っている、パラドックスが興味を持つのは、いつだって未知のテクノロジーだ。
これまでの自分により良い刺激を与え、さらなる存在へと自分を
この世全てが自分の実験場であり、自分を含めたすべてが等しく被験者であることを信じて憚らない、それがパラドックスだった。
それが
「
『デッドビート……』
なんでもないようにデッドビートは言うが、アーサーは感慨深くなった。
デッドビートがいなければ、自分でも戦う力を願わなかっただろう。
いつかの日の森の中で命を落としていてもおかしくはないのだから。
『そういうのは良いんだ、興味が無いからね。君が友好な関係を築けるとなると、やっぱり、
パラドックスがケラケラ笑うと、パラドックスバックルに内蔵した機械が起動する。
『リジェネレイション!』
デッドヒートエンドはアンデッドアーサーの必殺剣である。
多くのラクリマユーザーが変化したドロップをラクリマと分離し、倒してきた。
だが、アンデッドアーサーの優しさや甘さを象徴する分離する能力はドクター・パラドックスの
リジェネレイション、再生を意味するコールとともにアンデッドキラーのパラドックスバックルは
アンデッドアーサーの優しさを嘲笑うように。
「分離できない!?」
『アッハッハッハ!私が君たちに
パラドックスは驚愕するアンデッドアーサーに勝ち誇るように笑う。
さも最愛の我が子を庇うようにいうが、パラドックスは
愛を利用することはあっても、パラドックス自身が理解することはない。
ゆえに、パラドックスは
「パラドックスバックルに何を仕掛けた!?」
『人間を怪物にするにあたって、何がネックだと思う?ヒントは私が嫌いなものだ』
アンデッドキラーが紫電を再び纏うと、
パラドックスの声は子供にクイズを出すように軽いものだが、そこには明らかな侮蔑が込められていた。
アンデッドキラーがパラドックスバックルに手をかざすと、サメのヒレのように湾曲したブレードを二本、両腕に生やす。
「そんなもの、答える必要はない!!」
『ずいぶん、つまらないことを言うね?君。……出来損ないはそんなことは言わないからな、アーサー君の方か。私が作ったモノをそうもおかしくさせたのは、おそらく、私を倒した
ならば、本気を出そう。
アンデッドキラーが俊敏な動きでブレードを用い、アンデッドアーサーに切り掛かるアンデッドキラーのバックルから弾むようにパラドックスは笑い声を上げる。
エレンの理性を失い、本能のままに切り掛かるだけだったアンデッドキラーはパラドックスバックルが光り輝くと、アーサーがデッドビートと入れ替わる時のように動きが
一撃一撃がアンデッドアーサーに必殺となりうる威力を出す、それは周囲を切り刻むような風さえも起こしている。
アンデッドキラーの超人の肉体、パラドックスの豊富な知識。
どうやっているのかわからないが、これはまずいことになったとデッドビートは思った。