みんなの傷になりたいおバカ   作:曇らせ大好きな浪人生

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登場人物が増えたら誰のセリフか分かんなくなりそうだけど、どうしよう…台本みたいにセリフの前に名前つけるのもなんか違う気がするし…


空白の2年間

あれから2年が経ち、訓練兵団に入団する時期がやってきた。スマホや電話などは当然ないし、手紙もこんなご時世なのでお察しの通り使えず、この2年の間俺たちは一度も出会うことはなかった……

 

俺は特訓のメニューにパルクールを取り入れていた。もし立体機動装置が故障し地面に墜落したとしても、パルクールの能力があれば障害物を巧みにあやつって巨人を殺せるかもしれない、そんな考えの下町を走って飛び回っていたせいか、俺はみんなの顔なじみとなったのだ。しかし、俺が訓練兵団に行くことをみんなに伝えると、なぜか名残惜しまれるどころか、みんなほっとしていたんだ、解せぬ。寂しくは無いのか??やはり俺が足場の不安定なところを選んで走り回って、色んなものを壊していたからしょうがないか(当たり前だろ)。まぁそれは置いておいて俺は未来への1歩を歩み出したのだ。まさか初日からあんなになっているなんて思いもしなかった………

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

「貴様は何者だ!!」

「はっ!シガンシナ区出身アルミン・アルレルトです!」

「そうか!馬鹿みてぇな名前だな!親がつけたのか!?」

「祖父がつけてくれました!」

「アルレルト、貴様は何しにここへ来た!」

「人類の勝利の役に立つためです!」

「そうか、それは素晴らしいな!!貴様には巨人の餌になってもらおう。3列目後ろを向け!」………

 

 

キースの通過儀礼を見て教官たちはいう。

「やってるなー。お前も訓練兵の時は初っ端からあれだっただろう。」

「懐かしいです…………あの恫喝にはなんの意味が?」

「それまでの自分を否定して、まっさらな状態から兵士に適した人材をそだてる…そのために必要な過程だ。」

「でも、何も言われていない子もいるようですが…」

「恐らく2年前の地獄を見てきたものたちだろう。面構えが違う。あの恫喝は必要なんてないだろう。」

 

 

その頃俺の前を既に教官は通り過ぎていた。俺はいつもにこにこしていると言われるから教官に酷いこと言われるだろうと覚悟していたのだが、、この2年間で変わったのなら嬉しい話だ。

まぁいい。問題は背中に感じる粘っこい気配についてだ。どうにも視線を感じるのだ、それも少し嫌な感じの……キリッとした顔に相反して芋をむしゃむしゃしてるサシャとかいう意味のわからん女もいるが、そういう例外は置いといて俺みたいな普通のやつは、教官の恫喝を恐れキョロキョロするなんてことは出来ない。確認のしようがないのだ。しかし、俺の後ろにはミカサがいることを知っている……だからどうせミカサに決まってる。この2年間でどうなったかな〜、後で話しかけてみるか。エレンのことも好いてないと原作変わっちゃうし、そこは頼んだぞ神様……

脳内快適(笑)なジャンや、右側に心臓があるコニーの番が終わり、ついにあの芋女が目をつけられた。

「………おい、貴様…何をやっている?」

「?」

サシャは誰のことを言ってるのか分からずそのまま芋をかじる。

「貴様だ!貴様のことを言っている!!何者なんだ貴様は!!」

「んんっ、ゴクッ!ウォールローゼ南区ダウパー村出身、サシャ・ブラウスです!」

「サシャ・ブラウス……貴様が右手に持っているものはなんだ?」

「ふかした芋です!調理場にちょうど頃合のものがあったので、つい!」

「きさま…盗んだのか…何故だ?なぜ今芋を食べだした…?」

「冷めてしまっては、元も子もないので、今食べるべきだと判断しました…。」

「……いやっ、分からないな…。なぜ貴様は芋を食べた…」

「ンッ…それはなにゆえ人は芋を食べるのか、という話でしょうか?」

皆が横目で芋女を見つめる。心なしか皆引いているようであった。俺はついでにミカサを見やる……ミカサはサシャなんて見ずにずっとこっちを真顔で見つめていた…俺は全身から熱が逃げ出すような感覚があったが、それでも背が伸び、髪も少し伸びて肩にかかるほどの長さになったミカサには子供の頃と違った色気があって、不覚にもドキッとしてしまった………

「ハッ…!チッ、半分………どうぞ…。」

サシャは今の間を教官が芋を欲しがっているのだと勘違いし、渋々3分の1にも満たないほどの欠片を半分と言って差し出す。

「………は……。貴様は死ぬ寸前まで外周を走れ!!飯抜きだ!!!」

 

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

飯の時間になった。あの後俺はミカサに声をかける機会を見つけられず、それはまたミカサも同じようであった。

食堂に入ったおれは、エレンたちを探そうと周りを見渡そうとしたが、その前に俺の真ん前に綺麗な黒髪が映る。

「……セイ。久しぶり。あっちのテーブルに行こう…。」

いつやってきたのだろうか?俺はミカサの動きが目で追えなかった。どういう身体能力をしてるんだ??

ミカサに半ば強引に腕を捕まれ、近くの空いていたテーブルに座る。正面に座ればいいものをわざわざ俺の横にくっついて座るなんて……もちろん嬉しいに決まってる。遅れてやってきたエレンとアルミンも向かいに座ったが出された飯はやはり質素なものであった……

 

俺たちのテーブルの周りには自然と人が集まっていた。どうやらエレンはコニーたち主要キャラ勢と既に話していたらしく、巨人について聞かれる。

「エレンはシガンシナ区出身だったよな!?あの日超大型巨人を見たのか?」

「…だから見たことあるって…。」

「本当か!?どれくらい…大きいんだ?」

「壁から顔を出すくらいだ」

「なにっ!?俺は壁をまたいだと聞いたぞ!」「私も!」「俺の村でもそう言ってた!」

「…いやっ。そこまででかくはなかった。」

「ウォールマリアを破った鎧の巨人は!?」

「…そう呼ばれてるけど、俺の目にはふつうの巨人に見えたな。」

「じゃ…じゃあ!ふつうの巨人は!?」

「うっ………」

エレンはあの時の光景が蘇ったのかスプーンを落としてしまう。かくいう俺もあの時のことを思い出すと未だに頭痛がする。

「……みんなっ!もう質問はよそう…思い出したくないこともあるだろ。」

「スマンっ!―」

「違うぞ!!巨人なんてな、、実際大したことねぇ。俺たちが立体機動装置を使いこなせるようになれば、あんなの敵じゃない。…やっと兵士として訓練できるんだ…。さっきは思わず感極まっちまっただけだ。……俺は調査兵団に入って、この世から巨人を駆逐する!ヤツらをぶっ殺して―」

「おいおい、正気か?今お前調査兵団に入るって言ったのか?」

「あぁそうだが…。お前は確か……憲兵団に入って楽したいんだっけ?」

「俺は正直者なんでねぇ、心底脅えながらも勇敢気取ってやがるやつよりは、、よっぽど爽やかだと思うがなぁ。」

エレンはジャンを睨みながら立ち上がる

「そりゃ俺の事か?」

「おいおい…、俺ァ別に―」

エレンとジャンが睨み合っていると時刻を告げる鐘がなる………。

「…まあ悪かったよ。別にあんたの考えを否定したい訳じゃないんだ。………これで手打ちにしよう。」

「……あぁ俺も悪かったよ。」

まだエレンと何も話をできてなかった俺は、出ていくエレンをあわてて追いかけ、そして、その後ろをミカサも追いかける。ジャンは俺には目もくれず、ミカサに一目惚れしたのかミカサだけを見つめ、行ってしまおうとするミカサを慌てて引き止める。

「ッ……なぁあんたッ…」

「………ア…ット…ソノォ、見慣れない顔立ちだと思ってな。つい、、とても綺麗な黒髪だ。」

「…どうも…。」

「……、前の男とは姉弟なのか?黒髪だし顔も似てるように感じるが…」

「…違う。…セイは私の恩人…私の全て…。」

ジャンは言葉を失った。一目惚れした女は前の黒髪のやつの追っかけであったのである。あいつとは喋ったことがないから、中身については分からずとも、勝ち目のほとんどない負け戦であることに気づいてしまったのである。ジャンは心にセイへの対抗心を燃やすも、打ちひしがれ、出ていくミカサを見送るしか無かった。しかし、ミカサが出ていってしばらくしてようやく我に返ったのか外へ出る。

「おい、エレン。どうして出てくんだ!」

「…セイか。2年ぶりだな…。」

「あぁ…久しぶりだな…。で、どうして出てくんだよ?」

「…いいだろ、ほっとけよ。」

「…良くない。エレンは昔から熱くなるとすぐ衝動的に行動する…」

追いついたミカサがエレンに言う

「またそれか。……そんなことよりお前、髪長すぎやしねえか?立体機動の訓練で事故になるかもしれんぞ。」

ミカサは自分の髪を見つめる。

「…わかった…セイはどう思う…?」

「んっ?…そうだなぁ、確かに長ぇかもな。切ったらどうだ?むしろ俺が切ってやろう―」

「ぜひお願いする。長さも全部任せる。」

「お、おう。任せとけ!髪切りなんて朝飯前だからな!」

「……え……。……もしかして……私のいない間に他の女の髪を切っていた…?」

「ビクッ…ちがう!違うからなミカサ!自分の髪を切ってただけだ!」

俺はすぐに否定する。確かに自分の髪を切っていた時ミカサとお揃いの黒髪をミカサに重ね合わせて切っていた節もあるがほかの女とのそんな思い出は存在しなかった。俺を疑ってじっと目を覗き込んでくるミカサから視線をそっと外す。ミカサはこの2年間で激重ルートを歩んでいたようで、めちゃめちゃ嬉しいじゃねえか!どう曇らせてやろうか………。そのまま宿舎に向かっていく俺たち3人の会話を後ろで聞いていたジャンは、生気を失ったような顔をして通りかかったコニーで手を拭う。

「お、おい!お前!人の服で何拭ったんだおまえー!」

「…………人との………信頼だ…。」

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

 

クリスタがサシャにご飯を持って行っている間、俺たち(あの後ミカサは腕を掴んでなかなか離さなかったが、今日は疲れたんだと言うとしぶしぶ離れてくれた)は宿舎に戻る。

久しぶりにミカサたちと話し、104期メンバーを拝んだ俺は思いのほか疲れていたのかベッドに入るとすぐに意識が遠くなっていった。

そして俺はついにエレンたちに言い出すことが出来なかった。この2年間の間に俺が持っていることが発覚した、予兆なく、数瞬意識を失ってしまうという発作が起こることを………

 

 

 

 




身体能力の代わりに重い病気を持っているセイだが、果たして大丈夫なのだろうか……
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