TS転生したけど、最悪のタイミングでの憑依転生だった   作:名無し一般通過TS好きハーメルン民

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(たぶん)初投稿です

匿名なことに深い意味はありません


第一章 ざまぁ回避の始まり
転生したけど、既に詰みそう


 気がついた時、俺は少女になっていた。

 

 いきなり視界に入ってくる景色が変わった事で、俺は激しく困惑する。

 

 しかし、思考する間もなく、次の瞬間には、『俺』のものではない『私』、つまりこの体の持ち主の記憶が入ってきた。

 

 この世界の常識、『私』という少女について、また自分のパーティについて……

 

 ……くっそ、頭が痛い。

 

「リリィ! 大丈夫!?」

 

 頭を押さえている俺を心配したのか、パーティメンバーである少女、カリンが声をかけてくる。

 

 勿論『俺』はカリンなんて知らない。

 

 これは『私』の記憶から引っ張り出してきた名前だ。

 

「だ、大丈夫……」

 

 何も問題はないと伝えたかったが、頭の痛みが酷く、一瞬言葉に詰まってしまう。

 

 それを見て、さらに心配したのか俺の顔を覗き込んでくるが、手で制しておく。

 

「私は大丈夫だから、今はリーダーを見てて」

 

 俺の意図が伝わったのか、カリンはリーダーの方へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 最悪だ。

 

 よりによってこんなタイミングで、そしてこんな人物に憑依転生か……

 

 ここで、俺は物語でいう、主人公を追放したパーティメンバーの1人になっていることに気づいた。

 

 つまり、まあ、その、なんだ。

 

【ざまぁ】される側ってこった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この体の記憶を辿る限り、俺らのパーティは、スゥという荷物持ちを追放してからダンジョンが全く攻略できなくなっているみたいだ。

 

 ……この体、スゥという少年に対して異常に上から目線だな。

 

 一体どれだけこの少年を嫌っていたんだ?

 

 あ、違う。

 

 ただただスゥのことを下に見てただけで、別に嫌ってるわけではなかったのか。

 

 でも荷物持ちってやっぱり良くない文化だよな、どうしてもパーティ内での地位が下になる。

 

 だから、自然とパーティメンバーに見下される。

 

 ああ、話がズレた。

 

 戻さないと。

 

 まあ、多分追放したスゥが今まで罠を見つけていたか、支援魔法? 的な感じで裏で俺らを支えていたのだろう。

 

 だから、スゥを追放したせいで、落ちぶれたということだ。

 

 勿論、自尊心がお高めのうちのリーダーは、やれ呪いをかけられただの、やれあいつが俺らの邪魔をしてくるだの、と見事な三下ムーヴを今日までに繰り返した。

 

 そうして高難易度のダンジョンに意気揚々と入っていったところ、モブ犬系モンスターに返り討ちにされて、洞窟っぽい今いる場所に逃げ込んだ、ということだ。

 

 あ、ちなみに今はリーダーがそれなりの重傷を負っている。

 

 さっき俺を心配してきたカリンは回復術師。

 

 だからさっさとリーダーの元に行け、と言ったわけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これ、絶対強くなった主人公君が助けに来るやつだよな。

 

 絶対その後でもう一度パーティ入ってくれっていった後、ハーレム作った主人公君にざまぁされるやつだよな。

 

 ざまぁってさ、見てる方は楽しいけどされる側はたまったもんじゃないよね。

 

 だから、俺はここからざまぁを回避するために頑張ろうと思う。

 

 せっかくTS転生を果たしたっていうのに、自分の体をじっくり見る余裕が全然ないって……悲し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず、俺の能力から確認するか。

 

 なぜかこの世界はどう見てもテンプレラノベの世界なのにレベル表示とかステータスとかがない。

 

 つまり、目覚めた能力は自分でも把握しきれてない場合が多いってことらしい。

 

 はい、主人公君は絶対能力勘違いしてた系の人ですね。

 

 主人公君はどう自分の能力を勘違いしてたんだろうなぁ……

 

 気になるけれど、今はその主人公君にざまぁされないようにしないとな。

 

 追放の仕方を思い出すに、主人公君の性格は俺らに対してだけ超敵対的になってるはずだし。

 

 一応優しく助けてくるだろうけど、その後社会的制裁は加えてくるだろう。

 

 ……ちょっと待てよ?

 

 俺らって、戦力にならないと判断した荷物持ちを追放しただけだよな?

 

 追放しただけなのにざまぁされるってなんか可哀想じゃね?

 

 あれ?

 

 ん〜、でも追放モノってそんなもんか。

 

 そうなるように世界が出来てるんだから、理由について深く考える必要はないな。

 

 まあ、罵倒したりはしてるから、ざまぁされても仕方ない……のかなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、話を元に戻さないと。

 

 えっと、俺の能力は、【炎を出す】らしい。

 

 なるほどなるほど。

 

 でっかい炎を出して魔物を丸焼きにしたりすることができる能力、いや魔法か。

 

 …………え?

 

 俺、それしかないの?

 

 いや、確かにすげぇと思うけどさ。

 

 一系統しか使えないの?

 

 普通こういうファンタジーでは何系統も魔法使えるもんですよね?

 

 ……本格的に詰み始めたかもしれない。

 

 これでどうやって現状を打開せよと。

 

 どうしたもんかねぇ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして俺がうんうん唸っていると、回復術師、カリンが俺の方に向かってきた。

 

 リーダーの治療をあらかた終わらせたんだろう。

 

 リーダーを一人にしてて大丈夫なのか? と一瞬思ったけど、リーダーには彼女がいるんだった。

 

 記憶によると……あー、これは完全にラブラブカップルですわ。

 

 絶対カリンがいなくなった後ベタベタしてるね、こりゃ。

 

 俺の前世は彼女いない歴=年齢=(多分)享年だよ!

 

 今、俺の体がどうなってるかは知らないけどな!

 

「リリィ……どうしたの? さっきからなんか変だよ? 何にもないところで唸ったりしてるし……」

 

 カリンが声をかけてくる。

 

 多分カリンには彼女がいない男の気持ちが分かんないだろうからテキトーに返しておく。

 

「ごめん、頭痛が」

 

「そんなに頭が痛いなら薬……あ、持ってきてない……」

 

 カリンちゃん、いい子だよね。

 

 後ドジっ子っていいよね。

 

 こんないい子がざまぁされてほしくないんだけど。

 

 だってこの子、スゥの追放に最後まで反対してたし。

 

 ちなみに俺が憑依してるこの体の子の属性は無口クールロリだった。

 

 ……最高か?

 

 主人公君はこの無口ロリに罵倒されたことが何回もあるってよ。

 

 羨ましいな!

 

 まあ、全部善意でのアドバイスだったんだらしいけどな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしてもなぁ……ざまぁされないためにどうすればいいんだろ。

 

 リーダーとその彼女はクズっぽかったから救わないとして。

 

 ……あ。

 

 そうだ、リーダー達は俺とカリンちゃんを見捨てたって体にして……この場を頑張って持たせれば主人公君のヘイトが俺らに向かなくなる……?

 

 へっへっへ。

 

 この計画、実行するっきゃねえよなぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「カリン! リリィ! あの糞犬をぶっ殺すぞ! もう一度だ!」

 

 あ、前言撤回。

 

 俺、すぐ死ぬかも。

 

 なんであのアホリーダーは死にかけたばっかりなのにまた挑もうとするの?

 

 勝てないに決まってんだろ。

 

 流石に理解しかねる。

 

 アホというか……もうバカだろ。




Q.TS要素どこ?
A.そのうち出てくる

Q.立ち位置的に後から救済されるキャラじゃね?
A.主人公テンパってそこに気づいてない

Q.主人公、人の体乗っ取ってんのに何も気にしてないのおかしくね?
A.いきなりファンタジーな世界線に飛ばされて脳がハイになってるし、リリィの記憶もあるから乗っ取ったっていう意識があんまりない

Q.続くんか?
A.頑張る
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