TS転生したけど、最悪のタイミングでの憑依転生だった   作:名無し一般通過TS好きハーメルン民

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(執筆意欲が出たので)初投稿です

不定期更新と言っているのに毎日更新続行中な事に深い意味はありません


転生したけど、主人公君の目が怖い

 俺らが追放した少年、スゥは、俺とカリンにゆっくりと向かってくる。

 

 その目は、冷たい。

 

 

 

 

 ……どっからどうみても主人公がしていい目じゃないでしょ。

 

 後無言で歩いてくるのやめて?

 

 めちゃくちゃ怖いんだって。

 

 恐怖で体が震えそうだから、その目と無言をやめて欲しい。

 

 本当に無言で向かってくるので、その意図が全くつかめない。

 

 だけど、なんとなく俺から話を切り出すのは違う気がする。

 

 彼が喋り始めるのを待つ方が良さそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、無言のまま向かい合うこと数十秒。

 

 気まずい雰囲気が流れるこの空間で、やっとスゥが口を開いた。

 

「……リリィ」

 

「……何」

 

「……いいや、やっぱりなんでもない」

 

 しかし、スゥは悩んだ様子を見せてすぐに口を閉じてしまう。

 

 これはなかなか時間がかかりそうだ。

 

 どうせならさっさと言いたいことを言って欲しいんだけど……

 

 口をもごもごさせてるだけじゃねえかよ。

 

 はぁ……主人公ってこんなんだったっけ……?

 

 弱気ではあるけど、言いたい事はハッキリ言う。

 

 これが俺の主人公像だったんだけどなぁ……

 

 仕方ない。

 

 どうやら俺が話すタイミングを作る必要があるみたいだ。

 

「スゥ」

 

 俺が彼に声をかけると、彼は体を震わせる。

 

 ったく、声かけられたくらいでビクビクするんじゃ……

 

 あ、そうか。

 

 今までアドバイスという名の罵倒をスゥにこの体はしてきてるから、急に話しかけられると怖いのか。

 

 ……なんかごめん。

 

 と、とりあえず話を進めないと。

 

「言いたいことがあるんでしょ?」

 

「あ、あの……うん……」

 

「ほら、言いたいことはさっさと言っちゃいな?」

 

「えっと、あの……その……」

 

 どうして……どうしてこんなにウジウジしてるの。

 

 言いたいことがあるなら口に出すだけで終わるのにさぁ。

 

 ……お? 決心したか?

 

 急に覚悟が決まったような顔つきになったぞ?

 

 これはくるな……

 

「あ、あの!」

 

「何?」

 

「リリィたちに! 強くなった僕を見て欲しいんだ!」

 

「……そう」

 

 

 

 

 なるほど……

 

 よし、ざまぁ展開回避成功だ。

 

 この主人公、ざまぁしてやろう、って全く思ってないな。

 

 まだまだ心が清い少年でした。

 

 うーん、次に発する言葉でこの後が決まるけど……なんて言おうか。

 

「だ、だめ……?」

 

 うん、可愛い。

 

 やっぱりショタもいいな。

 

 だってこの主人公君、身長俺と同じくらいなんだし。

 

 あー、なんでリーダーはこんな良いショタを追放しようとしたんだ。

 

 間違いなく栄養が接収出来たっていうのに。

 

 ……おっと。

 

 危ない危ない、妄想の世界に入り込むところだった。

 

「今は、ダメ……とも言えないし、良いとも言えない」

 

「え!? なんで……?」

 

「私に見せるのは問題ない。だけどパーティに戻りたいならリーダーを納得させないと」

 

「そっか……そうだよね……」

 

 

 

 

 俺の言葉を聞いて、スゥはうなだれてしまった。

 

 おそらく、彼は俺らのパーティに帰りたがっている。

 

 だけど、そうするためには、あのリーダーを認めさせないといけない。

 

 まあ、十中八九リーダーは元荷物持ちをもう一度入れようなんて思わないだろう。

 

 たとえ、どれほど強大な力を手に入れていたとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 カリンちゃんは……まだ眠ったままか。

 

 そういや、スゥは俺と話している最中にカリンちゃんの方をチラチラ見てたな。

 

 もしかしてカリンちゃんことが好きだったりするのだろうか?

 

 まあ、そうだったとしても俺には関係のない話だ。

 

「スゥ、戻るよ」

 

「あ、うん……カリンは?」

 

「大丈夫、生きてる。多分そろそろ目を覚ます」

 

 なんかカリンちゃんの事を凄く心配してるし、この二人の関係はなんだったんだろうね。

 

 『私』の記憶にも、この二人の関係性が分かるような記憶はなかったし。

 

 テンプレだったら、ここは幼馴染ってことが一番多いんだけど。

 

 カリンちゃんが目を覚ましたら聞くか。

 

 

 

 

 ……カリンちゃん俺より大きいけど、どうやって運ぼう。

 

 俺の能力は【火を出す】以外にないから素の身体能力でカリンちゃんを運ばないといけない。

 

 だけど、俺、ロリなんだよね……

 

 この体で身長が高いカリンちゃんを運べと?

 

 俺とカリンちゃんの身長差……30センチくらいあるだわ。

 

 

 

 

 一応、チャレンジしておくけど。

 

「んっ……無理」

 

 ダメだった。

 

 体型の問題がここで出てくるとは……はぁ。

 

 

 

 

「リリィ、大丈夫?」

 

 スゥが声をかけてくる。

 

 こればかりは助かる。

 

 ん? でもスゥもショタじゃ……

 

「スゥ、貴方も私と同じくらいの身長だけど、いけるの?」

 

「ん、まあね」

 

 俺の信頼をよそに、スゥはそう言って楽々とカリンをお姫様抱っこした。

 

 もしかして、スゥって身体強化系の能力……?

 

 羨ましくなんて……いや、羨ましいわ。

 

「じゃあ、上に戻ろう」

 

 この主人公……急にイケメンムーヴしてきたんだが。

 

 もしかしたら能力発動中は性格が変わるみたいなアレなのかもしれないな。

 

 よし、そしたらこのダンジョンから出るとするか。

 

「スゥ、私が途中で出てくる魔物を倒す。だからスゥはカリンを守ることだけを意識してて」

 

 流石にカリンをお姫様抱っこしている今の状態だとスゥは攻撃出来ないと思うから、あらかじめこう言っておく。

 

「……分かった」

 

 多分今の状態でも何かしらの攻撃手段を持ち合わせているんだと思うけれど、スゥは俺の言葉に頷いた。

 

 そして、俺らはダンジョンの入口を目指して走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」

 

 道中で襲ってくるモンスターには、炎を直接ぶつけるだけでどうにでもなる。

 

 これが、さっきまで戦っていたあの犬には牽制にしかならなかったってなんかのバグだろ。

 

 ホラ、今炎をぶつけた頭に角が生えてる狼みたいな魔物は丸焦げになっえるし。

 

 俺の魔法、意外と火力あるんだよな。

 

「リリィ、体力持つ?」

 

「ん、なんとか」

 

 かなり早いペースで走っているので体力はギリギリだが、この調子でいくとダンジョンの入口につく頃までは体力は持ちそうだ。

 

 

 

 

 

 それにしてもダンジョンって殺風景だなぁ。

 

 綺麗な景色が見られるダンジョンもあるみたいだが、このダンジョンはそんな景色はどこにもない。

 

 周りを見渡してもほとんどの場合、壁しかない。

 

 俺らが全滅しそうになっていた所は何故か開けていたんけどね。

 

 まあ、ダンジョンの仕組みはこの世界の誰もが分かっていないらしいから異世界人の俺が分かんなくてもなんの問題もないから大丈夫。

 

 と、そんな事を考えている時、俺はある異変を感じた。

 

 通路、だんだん狭くなってね? ということに。

 

 ダンジョンの通路は、明らかに獲物を誘うかのように狭くなっている。

 

 だが、スゥはそんな事は気にしていないかのように進んでいる。

 

 ……本当にこの道で大丈夫なのだろうか。

 

 俺は念の為、スゥに聞いておく事にした。

 

「スゥ、道違くない?」

 

「え? そんなはずは……」

 

「奥を見て。だんだん狭くなってる」

 

「僕にはそんな風に見えないんだけど……」

 

 しかし、スゥはこの道で問題ないと言う。

 

 だが、俺の目がだんだん迫ってきている壁を認識している以上、ここは簡単には引き下がることが出来ない。

 

「何かの影響を受けてるはず」

 

「ええ? 僕はそんなことないよ……?」

 

 もう一度スゥに問いかけてみるが、スゥから帰ってくる答えは変わらない。

 

 ……いくら主人公君とはいえ、本当にスゥを信用してついていっていいのか?

 

 俺は今、急に不安になってきていた。




Q.TS要素は?
A.…………

Q.TS要素はいつ出てくるの?
A.ダンジョンから脱出したら絶対に出てくる

Q.主人公たちの見た目の詳細は?
A.これから良い感じに描写したい
(一章が終わったくらいに登場人物紹介する予定)

Q.何話くらいで完結?
A.決 め て な い

誤字報告ありがとうございます
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