女性憲兵提督の無人島鎮守府記   作:休日ぐーたら暇人

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「今になってドロップかい!?」とツッコミが入っても何もいえないな…。


無人島鎮守府情勢
(護衛作戦前)

能義崎歩弥 新米少佐
提督レベル10

あきつ丸 レベル27
夕立   レベル18
黒潮   レベル10
時雨   レベル10
木曾   レベル10

鉄鋼3180  燃料3120  弾薬3220  ボーキサイト2980


10 ドロップ

1週間後……鎮守府近海補給航路海上

 

 

 

「風向き…よし。航空部隊発艦!」

 

 

「お姉に続くで! 攻撃隊発進!」

 

鳳翔の弓矢と龍驤の召喚により攻撃隊が発進する。

龍驤は零戦52型、彗星艦爆、天山艦攻。鳳翔は零戦21型と99式艦爆の編成だ。

ただ、そこは有名な『お艦』の航空部隊。忽ちレベルは龍驤に追い付き、今や機体性能差など気にしない程になっていた。

 

 

「よし…みんな、お艦と龍驤の攻撃が終わり次第突入だ!」

 

 

「「「了解」」ぽい!」

 

 

木曾の指示に随伴の綾波、時雨、夕立が了解の意思を示す。

この間に鳳翔・龍驤の攻撃隊が攻撃を開始、重巡洋艦2、軽巡洋艦1、駆逐艦3の艦隊に襲い掛かる。 99式と彗星の急降下爆撃の直撃をくらい駆逐艦が轟沈、軽巡洋艦が傾く。

ここに龍驤の天山が雷撃を敢行し、急降下爆撃に気を取られていた重巡洋艦の横腹を抉る。

これでも重傷ものだが、ここに高速接近していた木曾戦隊が斬り込む。

本来ならこれを阻止する軽巡洋艦と駆逐艦は大破するか轟沈しており、止める者はいない。

 

 

「手負いものだが関係ないぜ! 砲雷撃戦始め!」

 

 

無傷の水雷部隊と重傷の残存艦……これでは結果など見えてしまう。

無論、深海棲艦側も使える兵装で抵抗するが、高速で動き、更に牽制砲撃が徐々に兵装を損傷させていく。

「……よし、全艦魚雷発射!」

 

木曾の指示に綾波、時雨、夕立が次々に魚雷を発射、酸素魚雷は敵艦に向け疾走する。

そして、向こうが魚雷に気付いた時、全てが手遅れだった。

 

 

「敵艦隊の撃滅、確認したっぽい!」

 

 

「皆さん、怪我はありませんか?」

 

 

「お姉とウチの航空部隊で怪我人無しや」

 

 

「あぁ、やっぱり鳳翔さん達の航空戦力は頼りになる」

 

 

「そうですね。航空隊のお陰で私達も暴れますし」

 

 

「ありがとう。鳳翔さん、龍驤」

 

 

……敵艦隊を撃滅した後でこんな会話を交わす鳳翔隊の面々。

その時、夕立が『それ』に気付いて声をあげる。

 

 

「ねぇ、龍驤。あれってなに?」

 

 

「ん、なんや?」

 

 

そう言って夕立が指差す方を見る。

先程の戦闘でちょうど旗艦と思われる重巡洋艦が沈んだ辺りが発光していた。

 

 

「あ、あれは……」

 

 

 

1時間後……無人島鎮守府 執務小屋

 

 

 

「以上、青葉の取材報告、終わります!」

 

 

「青葉殿、『取材』ではなく『出撃』報告であります」

 

呆れながら指摘するあきつ丸に青葉が「テヘペロ」と言いたげに舌を出す。

この場景に能義崎と神通は苦笑するしかなかった。

 

 

「じゃあ、資源取得任務は敵との遭遇戦闘はあったものの、敵を撃滅して無事に戻ってきた…と言うことね」

 

確認する様に能義崎が言うと神通が頷く。

それを確認し、後ろの壁に張り付けてある鎮守府担当海域の大海図に目を向ける。

海図には黄色、青色、赤色の磁石が付けられている。

分類は黄色が『着任前の深海棲艦確認場所』、青色が『着任後の深海棲艦確認場所』、赤色が『着任後の深海棲艦戦闘場所』である。

そして、海図は黄色が少なく、青と赤がほぼ同数と言ったところであった。

 

 

「見ての通りだけど、深海棲艦も知恵を付けてきたのかしら?」

「有り得るであります。深海棲艦は重巡洋艦クラスになると人型になるであります。空母ヲ級に関しては『人』でありますし」

 

 

「そうね…どちらにしろ、敵が補給路を狙い始めた事は確かだし、気を引き締めないとね…ところで神通、貴女の後ろに居る子は誰かしら?」

 

そう言って神通の陰に隠れる様に居る少女に声を掛ける。

 

 

「響だよ。その活躍振りから不死鳥の通り名もあるよ」

 

 

「実は先程の戦闘後に航行しているのを見付けてここに連れて来ました」

 

響の紹介の後、神通が付け足す様に言った。

 

 

「なるほど…じゃあ、彼女はドロップ…なのかしら?」

 

 

「そうだと思います」

 

ドロップ……発生例はまちまちだが、建造以外で艦娘が入手される手段だ。

ただ、ドロップの原理は深海棲艦や艦娘達同様解ってはいない。

ただ、ドロップにも2つあり、戦闘後に撃沈した深海棲艦から『再生』される例と過去に戦闘が起きた場所の付近を航行中に偶然出会う例がある。

まあ、後者は前者との再生時間的な差異でおきる事ではあるが、前記の事が有るからこそ、深海棲艦が過去に沈んだ船の怨霊である、と言う主張の根元になっている。

ただ、このドロップにも多少問題がある。何故なら、提督の中には深海棲艦によって家族等々を奪われた憎しみからなった者も居り、深海棲艦からの再生である事からドロップ組を捨て艦にする提督も数は少ないが居る事は居る。

また、ドロップがタダで入手する事から捨て艦にする者も居る………そんな事例を能義崎は何度か見ていた。

 

 

「わかったわ。神通、響さんを休ませてあげて」

 

 

「わかりました。失礼します」

 

能義崎の指示を受けて神通が響を連れて退出した。

 

 

「さてと…青葉、こっそり退出しようとしているけど、ちょっと話を聞きなさい」

 

 

「あはは……提督は鋭いですね〜」

 

神通に続いて退出しようとする青葉に声を掛けて阻止する。

 

 

「青葉、今は貴女が最上級者なのよ。その自覚はもってよね」

 

 

「わかってますよ〜。私だって伊達で重巡洋艦をやってる訳ではないんですから」

 

 

「それが心配なのであります」

 

青葉の返答にあきつ丸が困惑した様子で呟く。

その時、部屋のドアが乱暴に開いた。

 

 

「て、て、て、提督! 大変だ!!」

 

 

「落ち着きなさい、木曾。いったいどうし…」

 

能義崎の言葉が途切れたのは木曾の後ろから入って来た艦娘が原因だった。

 

 

「重巡洋艦の古鷹です。重巡洋艦の良いところを皆さんに知っていただければ嬉しいです。それと青葉さん、お久しぶりです」

 

 

「……あ、う、うん…久しぶり…」

 

古鷹にどぎまぎしながら応える青葉に能義崎は指示を出した。

 

 

「事情は後で聞かせて貰うわ。青葉、古鷹さんを宿舎に案内して」

 

 

「え、あ、でも…」

 

 

「命令よ♪」

 

 

「……わ、わかりましたよ〜」

 

 

 

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