女性憲兵提督の無人島鎮守府記   作:休日ぐーたら暇人

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……なんだか、クエストとその報酬の様な事になってしまったな。


12 条件

1週間後……無人島鎮守府

 

 

「……それは本当ですか? はい! もちろんです! はい、はい! わかりました!」

 

そう言って能義崎は満足そうに電話を切った。

 

 

「どうしたのでありますか、能義崎殿?」

 

 

「うん、朗報と言えば朗報だけど…間宮が出張で此方に来てくれるそうよ」

 

 

「ま、間宮殿が!? あの、間宮殿でありますよね!?」

 

 

「えぇ…でも、ちょっと厄介な話も有るんだけど…とりあえず、みんなを呼んでくれる?」

 

 

「了解であります! 大変でありますよ! 間宮殿が来ますよ!!」

「……嬉しいのは解るけど…ちょっと騒ぎ過ぎね」

 

苦笑いを浮かべながら呟く能義崎だった。

 

 

 

暫くして………

 

 

「提督! 間宮さんが来るって本当か!?」

 

木曾を筆頭にあきつ丸が呼んできた鎮守府の面々が執務小屋に殺到して来た。

 

 

「えぇ、本当よ。間宮さんと補給の輸送船2隻が来るわ」

 

それを聞いて艦娘達は喜びの声を挙げる。

既に話題は間宮さんの作った料理の何を食べようかと言う事になり、仲間達と相談しあっている。

 

 

「みんな、静粛に…この間宮さんの派遣には交換条件があるわ」

「交換条件…ですか?」

 

 

皆を代表するかのように鳳翔が訊いてきた。

 

 

「えぇ、交換条件って言うのが……」

 

 

 

3時間後………補給航路付近海域

 

 

 

「はぁ…間宮さんのアイス……間宮さんのモナカ……間宮さんの…」

 

 

「綾波、あまり間宮さん、間宮さんと言うな」

 

 

「そうそう、そう言ってると、間宮さんが逃げるっぽい」

 

 

「それに今回の任務は潜水艦の討伐…難しいけど、不可能ではないよ」

 

綾波の呟きに木曾が止める様に言い、夕立がツッコミを入れ、時雨がホローに入る。

この光景を後ろで見ていた、あきつ丸と鳳翔。

 

 

「やっぱり、間宮さんのお菓子は人気ですね」

 

 

「まったくであります。自分も楽しみでありますが」

 

「あらあら…その交換条件が補給航路付近の通商破壊中の敵潜水艦部隊撃滅、と言うのはちょっと意地悪に感じますね」

 

 

「意地悪…なのでしょうかね? まあ、ご褒美が待っている、と思って、ここは気持ちを切り換えるであります」

 

 

「うふふ、その方が良いかもしれませんね」

 

そんな会話を交わしながら木曾戦隊は哨戒を続ける。

 

 

 

その頃……

 

「はぁはぁ……くそ…」

 

 

「…姉さん」

 

戦闘撃沈により『浄化』された深海棲艦から再生した重巡洋艦の那智・羽黒は逃げていた。

たまたま遭遇した駆逐艦4隻の艦隊と戦闘になった。

本来なら駆逐艦4隻の艦隊など簡単に蹴散らせる筈だった。

ただ、『2隻欠けている』事を気にするべきだった……そこに重巡洋艦と戦艦が現れた事が全ての答えだった。

 

 

「……羽黒、お前だけでも逃げろ」

 

 

「なにを言ってのる、姉さん! 今は…」

 

 

「お前は無傷だ! お前の足と運なら逃げられる! 私はここでくい止めるから、一刻も早くここから離れろ!!」

那智は敵戦艦からの射撃から羽黒を庇った為に大破していた。

故に那智は羽黒を逃がそうとしていた。

 

 

「そんな…姉さん! 嫌だよ! また別れるなんて嫌だよ!!」

 

 

「馬鹿者! こうしていては自滅…」

 

そう言った時、那智の耳にエンジン音が聞こえた。

自らを葬った存在ゆえに敏感だった那智……そのエンジン音が自らの上を飛び越え、その先に居る深海棲艦の駆逐艦2隻と重巡洋艦、戦艦に襲い掛かる。

 

 

 

 

「第二次攻撃隊発艦!」

 

そう言って鳳翔の矢が放たれる。

矢は99式艦爆に変化し、大空に舞って行く。

そして、99式艦爆は深海棲艦艦隊に空爆を仕掛ける。

 

 

「よし! 戦艦は俺の獲物だ! 重巡洋艦は任せた! 突撃!!」

 

木曾がそう命じると木曾は真っ先に突撃し、時雨、夕立、綾波は呆れながらも突撃する。

 

 

「鳳翔殿、支援は任せるであります」

 

 

「わかりました。お任せ下さい」

 

対潜哨戒の故に鳳翔は99式艦爆をガン積みしていた為、数は多く、命中率も良かった。

航空支援を鳳翔に託したあきつ丸は那智・羽黒に近付く。

 

 

「自分はあきつ丸であります。御二方、無事でありますか?」

 

 

「あ、あぁ…私は那智、妹の羽黒だ…ぐっ!」

 

損傷が響いたのか苦痛で那智が倒れる。

それをあきつ丸と羽黒が受け止める。

 

 

「これは…傷は深そうであります。羽黒殿、那智殿を曳航するであります」

 

 

「はい! 姉さん、もう安心していいからね」

 

 

 

……暫くして、戦闘は鳳翔の航空支援を受けた木曾達が全艦沈めた事で終了。

木曾達は那智と羽黒を護衛し、鎮守府へ帰還した。

 

 

 

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