能義崎歩弥 女性
(のぎざきあゆみ) 24歳
少佐(憲兵少尉)
所属 横須賀鎮守府 南方方面分遣隊
今作の主人公。
憲兵少尉であるが、提督拝命の辞令により、大束中将の南方方面分遣隊の一員として無人島鎮守府に配属を命ぜられた。
本人は何もしていないと言っているが、この憲兵隊に配属されてから3年間の間に数々の違法提督の逮捕・拘束に出動、真っ先に鎮守府へ乗り込む為、『斬り込み隊長』と同僚・先輩達からは言われていた。
違法提督には容赦がないが、普段は優しく面倒見が良い為、艦娘や妖精の新たな配属先を探したりしていた。
家事全般はそつなくこなせる。
家族は両親の他に幼稚園で保母さんをしている姉がいる。
あきつ丸 艦娘
所属 横須賀鎮守府 南方方面分遣隊・(憲兵隊)
能義崎の秘書艦兼相棒。
とある一件で能義崎に助けられ、能義崎が預かる形で憲兵隊に配属された。
その後、能義崎と共に事案の解決や出動現場での深海棲艦との遭遇戦で活躍。
能義崎が提督となった際、その秘書艦として無人島鎮守府に着任した。
「じゃあ、いただきま〜す」
「「いただきます」」
能義崎、あきつ丸、そして夕立は合掌の後、持ってきていたレーションを開けて昼食をとる。
なお、メニューはビーフカレーとご飯、うどん。入っていた袋には皿代わりの容器が2つだ。
「能義崎殿、粗茶であります」
「ありがとう、あきつ丸。それで夕立さん?」
「ぽい?」
あきつ丸が水筒に入れていた粗茶を入れたコップを受け取り、夕立へ顔を向ける。
「なぜ、貴女はここに居るのかしら? この島は無人島で私達しか居ない事になってる筈だけど?」
「護衛任務の帰りに深海棲艦に遭遇して、ここまで逃げて来たぽい」
「そして、そのまま隠れていたわけでありますか」
夕立の説明にあきつ丸が頷きながら言う。
しかし、能義崎は疑問を持った。
「(それなら、所属している提督が戦死か行方不明で報告している筈よね…でも、最近は聞かないし…)ねえ、夕立。貴女の提督は?」
「私の提督さん? 提督さんは…」
夕立の言った名前を記憶の中から手繰り寄せ……溜め息を吐いた。
「どうしたでありますか?」
「う〜ん…夕立の提督、確か数日前に『物質の横領・横流し』とかで捕まってた」
「……あっ、何処かで聞いた名前だと思いましたが…そうでありましたか」
「あれ、だと、私って帰る場所は無いぽい?」
「ぽい、では無くて、確実に無いわね」
長期遠征から帰って来た時には提督が憲兵に捕まり、居場所が無くなっていた……と言う話は憲兵であればザラに聞く話であった。
「まあ、夕立に関してはウチで預かりましょう。そっちの方が今はいいだろうし…あきつ丸、海図」
「どうぞ、能義崎殿」
受け取った海図を拡げ、さっそく周辺海域哨戒のブリーフィングを行う。
「いま私達が居るのはこの島。そして、夕立も知っている通り、ここから数キロの海域にトラック鎮守府から南方の鎮守府への補給航路が通っている。この鎮守府はこの航路を守る為に出来たと言っても過言ではないわね。そこで、今回はこの島から補給航路までを哨戒してもらうわ。質問は?」
「はい、なんでこの島ぽい?」
「先程言いました通り、ここはトラック鎮守府と南方方面鎮守府の中間地点にあります。そして、この一帯は各鎮守府の限界警戒ラインの外側…つまり、空白海域なのであります」
「その空白海域を埋める為の鎮守府…それがこの島ね。まあ、今は何にもないけど…さて、さっそく出撃してもらうわ。夕立、あなた損傷は?」
「大丈夫ぽい! でも、弾薬と燃料が空っぽぽい」
「弾薬・燃料はありますので、補給出来次第、出撃するであります」
「わかった。では、お願いね」
暫くして……
「ねえねえ、あきつ丸」
「なんでありますか?」
燃料・弾薬の補給を終えた夕立とあきつ丸は2人で哨戒を行っていた。
そんな中、夕立があきつ丸に話し掛ける。
「あきつ丸は提督さんと付き合いは長いの?」
「まあ、長いと言えば長いでありますね。憲兵隊に居た頃ですから…あっ、そろそろ、補給航路であります」
海図を見ながらあきつ丸がそう言った矢先……
「航路上に敵ぽい!」
夕立の声に顔を上げ、指差す方を見ると駆逐艦クラスの深海棲艦が補給航路上をうろうろしていた。
「駆逐艦イ級1隻…夕立殿、自分が援護します。夕立殿が敵を撃破して下さい」
「了解ぽい!」
速度を上げる夕立を横目にあきつ丸は10㎝連装高角砲を向ける。
「距離よし、狙いよし…砲撃、開始であります!」
そう叫ぶと同時に10㎝連装高角砲が吼える。
砲弾は狙い通りイ級の手前に着弾する。
それに気付いたイ級は此方を見る。
だが……
「油断大敵…であります」
その言葉に合わせたかの様に次の瞬間、イ級の本体側面に夕立の12.7㎝連装砲から放たれた砲弾が直撃した。
「さて、とどめよ!」
夕立の脚部に設置された61㎝三連装魚雷発射管から酸素魚雷が発射された。
無人島の砂浜
「お帰りなさい」
イ級を撃沈し、哨戒を終えて戻ってきた2人を上着を脱いで作業をしていた能義崎が出迎えた。
「お疲れ様であります」
「お疲れさま〜」
「その様子だと損傷は負ってないみたいね」
「能義崎殿は夕飯の準備でありますか?」
「えぇ、ちょっとジャングルに入ってみたけど、自生している物があって助かったわ。芋とかあったし…夕飯は一工夫出来そうよ」
「提督さん、料理出来るぽい?」
「得意…って言う程でもないけど、自炊するくらいわね。あきつ丸、夕立と一緒に寝床を確保してきて」
「了解であります」
……そんなこんなで無人島鎮守府着任1日目が終了した。
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