女性憲兵提督の無人島鎮守府記   作:休日ぐーたら暇人

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遅くなってごめんなさい。
仕事の関係で執筆時間が取れないもので…。
では、二作目です。


28 夜戦と駆け込み寺

暫くして……空母隊舎の一室

 

 

「龍驤、部屋の掃除は終わったぜ」

 

第六駆逐隊と北方棲姫、木曾が空室ばかりになっている空母隊舎の一室を掃除し、木曾が終わった事を龍驤に伝えた。

 

 

「了解や。さあ、今日からこの部屋は君ら姉妹の物や。今日はゆっくりしいや」

 

掃除を終えた面々がゾロソロと戻って行く中、龍驤が祥鳳・瑞鳳姉妹を部屋に案内した。

 

 

「……あの、1つ訊いていいですか?」

 

 

「ん、なんや?」

 

出ようとした龍驤が祥鳳が引き留めた。

 

 

「あの…私達はどうなりますか?」

 

「う〜ん、提督次第やから、何とも言えんけど…まあ、事情も解らんのに脱走やからって突き出す事はせんやろうし…まあ、憲兵の提督や、今はゆっくりしとき」

 

2人に手を振りながら部屋から出ようとする龍驤……だったが、入り口で立ち止まる。

 

 

「まあ、我ても元は脱走やけどな。ここに居る間は安心してええで」

 

そう言い残し、龍驤は出ていった。

 

 

 

その日の夜……無人島鎮守府担当海域内

 

 

 

「夜戦♪ 夜戦♪ 夜戦〜♪」

 

嬉しそうな呟きを口にしながら川内を旗艦とする夜間哨戒隊は夜の海を疾走する。

まあ、嬉しいのは川内のむで、他の面々はと言うと……

 

 

「眠い…帰りたい…引き篭りたい」

 

 

「いや、初雪はん、引き篭ったらあかんで」

 

 

「そうですよ〜、こう言う時は踊りましょう」

 

 

「あの、舞風さん…今は夜ですから危ないですよ」

 

 

「……今日の夜は騒がしいですね」

 

 

「や、夜戦…や、やれるかな?」

 

上から初雪、黒潮、舞風、弥生、レーベの5人。

特にレーベはドイツ海軍所属時代にやらなかった夜戦に対する不安もあって少し心配気味である。

 

 

「大丈夫だよ、レーベ。神通さんの訓練に付いてこれてるんだか〜。ほ〜ら、踊〜ろ〜♪」

「え、う、うわ〜! ま、舞風、ふ、振り回さないで〜〜」

 

 

「大丈夫、大丈夫〜」

 

レーベの手を取り踊る……と言うより振り回す……舞風と振り回されるレーベ。

この光景をチラリと見た川内は微笑む。

 

 

「さすが神通が鍛えた子達…我が自慢の妹が鍛えてるだけあるわ」

 

自らが夜戦バカと呼ばれ、一番下の妹がアイドルと言って騒がせているなか、真ん中で中性的な神通には迷惑を掛けてばかりであった。

そして、妹が育成した駆逐艦達ならば……存分に暴れまわれる事も……。

 

 

「川内さん、敵艦隊です…こちらから3時の方向、距離50、大型3、中型2、小型1」

目を回したレーベを姉の黒潮に預け、電探の反応を報告する舞風。

 

 

「重巡クラス以上3、軽巡2、駆逐艦1か…ふーん、いいじゃない、肩慣らしにはね」

 

報告を聞いた川内がニヤリと笑い、指示を飛ばす。

 

 

「総員砲雷戦用意! 魚雷は次弾もチェック。夜戦、いくよ」

 

 

 

2時間後……無人島鎮守府 執務小屋

 

 

 

「それで、戦闘結果は?」

 

 

「重巡3、軽巡2、駆逐艦1…川内隊が見付けた艦隊は全滅であります。対しこちらは至近弾などでかすり傷程度。最大でも先頭で突撃した川内殿の服が破けたぐらいであります」

 

「つまり、川内隊の初陣はパーフェクトゲームだったってことね。川内達は?」

 

 

「ドックです。点検後に異常が無ければお風呂に入るとの事であります」

 

 

「そう…なら、午後に作っておいた鳳翔さんのアイスを出しておいて。黒潮達にとっておいた物だから、人数分はある筈よ」

 

 

「わかりました。では、ちょっと言ってくるであります」

 

そう言ってあきつ丸は執務小屋から出ていった。

 

 

「さて、続き、と」

 

そう呟いて能義崎は閉じていたノートパソコンを開く。

そこには最近、脱走・失踪・行方不明などの各鎮守府の艦娘のデータが入っていた。

 

 

「……単艦なら知らず、姉妹で脱走なら目立つ筈。でも、届けられていないとなると…捨て艦か、表には出せない理由か…どちらかね」

 

 

「祥鳳姉妹の事ですか?」

 

……いつの間にか青葉が居た。

 

 

「えぇ…何か思い付く?」

 

 

「さあ…まあ、私も提督と同意見ですよ。それと、これは噂ですけど…」

 

 

「なに?」

 

 

「一部の艦娘では、この無人島鎮守府を『駆け込み寺』と見ているそうですよ」

 

 

「喜んでいいのか、迷惑と思っていいのか…悩むところね」

 

皮肉そうに言いながら苦笑していた。

 

 

 

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