なお、二作目は午後、占守島分駐所とマルタ島鎮守府はこの後に投稿します。
翌日……占守島近海
歓迎会が行われた翌日、マリア大佐と武蔵からの提案により、無人島鎮守府と占守島分駐所の艦娘達が演習を行っていた。
今まで双方、提督同士の演習をやった事が無かったので実力把握&レベルアップを兼ねて演習を行う事になった。
そして、状況はと言うと……
「さすが鳳翔さんと龍驤さん…相手に不足はありません」
そう言って空を睨む加賀。
しかし、現状は加賀達に不利だった。
確かに加賀は高レベルで強かった…しかし、大鳳・雲龍は編入されたばかりで実戦経験があまり無かった。
対し、経験豊富な高レベルの鳳翔・龍驤に加え、実戦経験が有り、姉妹ゆえに連携プレーを得意とする祥鳳・瑞鳳の繰り出す航空部隊に加賀達は苦戦していた。
加賀の紫電改隊が迎撃するが、鳳翔、龍驤の零戦52型隊がこれを妨害する。
そして、それを尻目に祥鳳・瑞鳳隊が加賀達に襲い掛かっていた。
加賀はキレのある回避をするが、大鳳と雲龍は何処か鈍い。
故に次の瞬間、加賀の持つ旗艦用タブレットに被弾報告が入った。
『雲龍被弾 中破』
『大鳳被弾 軽微』
横目で見て密かに舌打ちをする加賀。
中破では装甲空母では無い雲龍は艦載機の運用が出来ない。
大鳳の被弾は痛くない……今のところはだ。
「次は雷撃機ですか…上手いですね」
艦爆の急降下爆撃の次は艦攻による雷撃だ。
しかも、急降下爆撃に間髪入れずに行う程に連携が出来ている。
故に中破判定の雲龍は忽ち捕まった。
『雲龍複数被雷 大破・戦闘不可』
タブレットに出た文字に加賀は一瞥して顔を上げる。
そんな事は今はいい。次はどうするか……そう考えた時、タブレットに情報が更新された。
『大鳳複数被雷 大破・戦闘不能』
その表示に加賀は思わず聞こえるくらいの舌打ちをした。
いくら加賀とは言え、軽空母4隻では不利だ。
が、そんな思考をする前に先程より手強い第2波が来た。
「あれは…鳳翔さんと龍驤さんの攻撃隊!」
接近する艦攻と艦爆の編隊を見て加賀の表情が厳しくなる。
今まで2人の艦戦隊だけが存在していたが、これに攻撃隊が加わる。
と言う事は……向こうの取った戦法は時間差攻撃しか無い。
しかも、祥鳳・瑞鳳の護衛隊と鳳翔・龍驤の艦戦隊を先行させ、制空権を確保させたのだ。
「はぁ…やはり、『御艦さん』には敵いませんね」
そう呟きつつも全力で走る加賀……そうそう簡単に当たる気など無かった。
暫くして……
「負けてしまったわね」
「申し訳ありません。私が不甲斐ないばかりに…」
結果を語ると加賀は鳳翔・龍驤隊に捕捉され、爆弾4発、魚雷4本を受けて大破・戦闘不能判定が出た。
「まあ、今回は練度と連携プレーに負けたわね」
「はい…大鳳と雲龍にはまだまだ訓練が必要です」
「それは当然だけど……能義崎さん。お願いがあるのだけど…聞いてくれるかしら?」
鳳翔達とあきつ丸と共に今回の反省会をやっていた能義崎にマリアは声を掛ける。
「やれる事ならいいけど…何を?」
「鳳翔さん達を指導役として貸してくれない? 加賀1人だと指導や訓練に限界があるし」
「私は別に問題無いけど…鳳翔さん、そちらは?」
「私達も問題はありません。それに私達も分駐所を借りている身ですから」
「だそうよ。加賀、鳳翔さん達と一緒にあの2人を鍛えてやって」
「わかりました」
暫くして……
「さて……航空戦は自信があったけど…問題は艦隊戦ね」
鳳翔達を送り出してから能義崎が呟いた。
「そうでありますな……戦艦は無し、重巡洋艦は互角、軽巡洋艦・駆逐艦が有利…戦艦の有無だけで圧倒的であります」
あきつ丸の言葉に能義崎が額に手を宛てる。
「……不利は覚悟の上。武蔵が居ても居なくても同じ…やるわよ」
「その意気であります。ですが何の策も無しにと言うのは…」
「策と言うか、なんと言うか…軽巡洋艦と駆逐艦の数、そして、夜戦に掛けるしかないわね」
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