女性憲兵提督の無人島鎮守府記   作:休日ぐーたら暇人

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プロフィール 4


時雨 艦娘

所属 横須賀鎮守府 南方方面分遣隊

言わずもながらの駆逐艦娘のボクッ子娘。
無人島鎮守府の建造第一号であり、木曾戦隊の一員。


木曾 艦娘

所属 横須賀鎮守府 南方方面分遣隊

無人島鎮守府の建造第二号にして、初の軽巡洋艦。
夕立、黒潮、時雨(+あきつ丸)を加えた『木曾戦隊』戦隊旗艦。
なお、黒潮とは相性がいい。


6 護衛任務 前編

数日後……無人島鎮守府 司令部(提督執務室)

 

 

「護衛任務…でありますか?」

 

 

「そう、護衛任務」

 

執務中にあきつ丸が持って来た横須賀鎮守府からの通信を見て話していた。

 

 

「トラック鎮守府から南方方面各鎮守府へ送られる資源・物資を輸送する輸送船団が通過するそうよ。その護衛が私達の任務」

 

 

「なるほど…では、今回も全力出撃でありますね」

 

 

「そうね……まあ、もう1つあるんだけど」

 

 

「もう1つ…でありますか?」

 

 

「えぇ、横須賀鎮守府から此処に護衛を兼ねて艦娘が配備される…みたい」

 

 

「……なぜ、不確実みたいな言い方なのでありますか?」

 

 

「通信内容も付け加え程度にそう書いてある程度だから、よくわからないのよ」

 

 

「そう言った事ははっきり書いて欲しいであります」

 

呆れた様に言うあきつ丸に能義崎は苦笑する。

 

 

「そうね……まあ、それは置いておくとして、護衛任務は確実よ。合流は1000(ヒトマルマルマル)…いいわね?」

 

 

「わかったであります。木曾殿達に伝えておくであります」

 

 

 

1000 合流海域

 

 

「そろそろ合流海域であります」

 

 

「あれじゃあないのか?」

 

旗艦を務めるあきつ丸の言葉に木曾が前を指差しながら言う。

指差した先には複数の輸送船とタンカー、そして、これを護衛する3人の艦娘が見えた。

 

 

「横須賀鎮守府南方方面分遣隊所属のあきつ丸であります」

 

 

「水雷戦隊旗艦の木曾だ」

 

合流したあきつ丸と木曾は軽巡とおぼしき艦娘に挨拶をする。

 

 

「軽巡洋艦、神通です。ただいまをもって神通戦隊は指揮下に入ります」

 

 

「わかりました。ところで神通殿の指揮下の艦娘は?」

 

 

「駆逐艦の綾波と潮です。2人共、来てください」呼ばれた2人の艦娘が神通の所へやって来た。

 

 

「う、潮です。よろしくお願いします」

 

 

「ごきげんよう。綾波と申します」

 

 

「以上2名が私の指揮下に居ます」

 

 

「潮殿と綾波殿ですね。わかりました」

 

 

「それで、神通達は俺達の所にそのまま配属か?」

 

 

「はい。命令書の方にもその様に…こちらは輸送船の積載リストです」

 

 

「わかりました。引き継ぐであります」

 

データリンクによって送られてきたリストを確認する。

 

 

「(やはり、公認鎮守府への補給は多いでありますね…これ程の補給があれば少しはマシでありますが……ん?)神通殿、このリストにある『栄養ビタミン剤』と言うのは?」

 

「えっ、普通にビタミン剤か何かでは?」

 

 

「そうでありますか…いえ、何も無いであります」

 

そう言ってあきつ丸は神通との受け継ぎを終える。

しかし……内心ではやはり、この『栄養ビタミン剤』が気になっていた。

 

 

(栄養ビタミン剤……これは人間用なのか、我々艦娘用なのか…非常に気になるであります……能義崎殿に連絡しましょう)

 

そう内心で呟きながら憲兵用の回線を繋いで能義崎へ連絡をとる。

 

 

『こちら、能義崎。あきつ丸、どうしたの?』

 

 

「はい、無事に輸送船団と合流出来たであります。ですが、ちょっと気になる事が…」

 

 

周りを気にし、声のボリュームを抑えながら手短に事情を話した。

 

 

『……確かに気になるわね。わかった、こっちで調べてみる』

 

 

「お願いするであります」

 

 

そう言ってあきつ丸は通信を終えた。

 

 

 

 

数時間後………

 

 

「ところで神通殿達はなぜ此方に転属を?」

 

 

「私は司令部からの命令です」

 

 

「私は南方と聞きましたので志願しました」

 

 

「転属願いを出したら…此処になりました…」

 

……三者三様の理由だった。

「あ〜、島は無人島だから、当分は大変だぞ」

 

 

「「「………」」」

 

「木曾はん、不安にさせたらあかんって」

 

 

「いや、事実なんだし…」

 

 

そんな会話を交わしていた時、それぞれ左右を警戒していた時雨と夕立から声が挙がった。

 

 

「左舷方向より敵航空機多数ぽい!」

 

 

「ソナーに感! 右舷より敵潜水艦複数!」

 

 

「敵ですか…しかも、海中と空…厄介で難しいですが、やるしかありません。神通殿達は潜水艦を、木曾殿達は航空機に対処するであります!」

 

 

「「了解!!」」

 

 

 

その頃……近くの海域

 

 

「……もう、矢駄。引きこもる」

 

 

「何処に引きこもるの?」

 

 

「こんな海の真ん中で引きこもる場所なんてないぞ」

 

 

「初雪、今の状況を理解しいや」

 

龍驤を旗艦とする浜風、長波、初雪の艦隊が海上を航行していた。

ただ……

 

 

「でも、流石に不味いね〜。このままだと、餓島の陸軍連中になっちゃうよ」

 

 

「燃料も弾薬も余りが怪しいです。どうにかしないと」

 

 

「……せやな…」

 

長波と浜風の言葉に龍驤は頭の帽子を深く被り直しながら考える。

その時、初雪が龍驤の肩を叩いた。

 

 

「龍驤、あれ、敵編隊」

 

 

「ホンマや…けど、目標はわてらやないな」

 

 

「だと、近くに味方が居る…わね」

 

 

「でも、今は近寄れない…味方であっても」

 

 

「わてらが見た物が物やしな……手が回っとる可能性は否定出来ひん……けどな…」

 

 

自分達の事情もあるが味方の危機を見てるだけでいいのか?……と言う問いには考える龍驤。

視線を3人に向けると3人の答えは決まっていた。

 

 

 

「……しゃあない。行こか!!」

 

 

 

 

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