・圧倒的フィクション
・痛々しい中二病表現
・他作品ネタ
・安易な設定
・原作履修した方が良し
他、原作『ブルーアーカイブ』へのイメージを崩したくない方はブラウザバックを激しく推奨します。作風が合わない場合も即ブラウザバック推奨です。忠告はしました。
原点回帰。何回も書いては消してを繰り返しましたが、これが一番しっくりきました。これでダメなら失踪します。
001 裏切りの『容疑者』
数千もの学園で形成された学園都市『キヴォトス』。
学園が実質的な『国』として機能し、天使の輪っかを付けた女子学生や二足歩行の獣人、正体不明の異形、未知の機械生命体が蔓延り、各々が銃器携えドンパチする摩訶不思議な世界。
そしてココは学園都市に属する学校が一つ、キヴォトス三大校と揶揄されるマンモス校の一角、『トリニティ総合学園』である。元々は別々の学校だったものが統合され、一つの大きな学園へと形成された……と某書物で目にしたことがある。
無論、この学校に通う生徒は九割九分が女子生徒であり、ぶっちゃけると『お嬢様学校』と言い換えても問題ないくらい、ここの生徒はブルジョアの巣窟なのだ。
そんなお嬢様学校がキャッキャウフフする花園の片隅……いや、本当に片隅なのだろうか? こういった催しに参加したことがないので表現が陳腐になってしまうが、お嬢様のお茶会風の場所に現在進行形で俺──島津 オウカは呼ばれてしまった。
特に緊張しているわけではないが、こういった場所での作法と言うものはキヴォトスでも
「──そろそろ本題を伺いたいのですが。
「あら、紅茶はお気に召されなかったでしょうか?」
対面に座るのは一人の少女。
『深窓の令嬢』という第一印象を抱かずにはいられない、気品と優美を兼ね備えた女性。
彼女の名前は桐藤 ナギサ。
トリニティ総合学園の3年生であり、生徒会的な役割を果たす組織『ティーパーティー』の生徒会長の一人。
前述したとおり、このトリニティ総合学園という学校は複数の学校が併合されてできた所で、大変面ど──ゲフンゲフン、複雑な生徒会のシステムを導入している。大まかには3つの主要な『分派』がココには存在し、彼女は『フィリウス分派』の
……記憶違いでなければ、役順的には別分派の
そんな彼女は静かに微笑む。
一見すると聖人君主のような心優しき美少女に見えなくもないが、ティーパーティーの一人であることを決して忘れてはいけない。ここはキヴォトス。『学園』
政治の中枢たる彼女の言動に本心が含まれていないことを念頭に置くべきだろう。
「いえいえ、この紅茶はとても美味ですよ」
「それは良かったです」
「しかし、どうにも──えぇ、『腹芸』というものが苦手でして。桐藤さんが茶会だけで俺を呼んだわけではないと言うことは理解しているんですが、その真意がよく分からないものでして。性格上、単刀直入に言ってくれた方が気が楽なんですよね」
「……そう、ですか」
一瞬だけ彼女の瞳が鋭く光ったようにも見えるが、次の瞬間には穏やかに微笑む彼女へと戻る。あくまでも『ようにも見える』だけなので、俺は思い違いだろうと忘れることにする。
そもそもの話、俺が彼女と対面するのは
「オウカさんは『エデン条約』というものをご存知でしょうか?」
「いや、全然全くこれっぽっちも知らないっす」
「……説明させていただきますね」
彼女は語る。
『エデン条約』というのは、キヴォトス三大校の一つ『ゲヘナ学園』との
ぶっちゃけると、トリニティとゲヘナは仲が悪い。
この対立関係が深い2校が全面戦争に発展しないよう、双方の学園から選出された生徒で『エデン条約機構(ETO)』を結成し、両自治区の紛争解決に尽力しましょうね、っていう約束事らしい。銃火器でドンパチしている世界なので、全面戦争とかが真実味を帯びているのだからタチが悪い。
要するに日ソ不可侵条約みたいなもんである。『果たして本当に履行されるのか』という意味合いも込めて。
正直に言うと、彼女の言うエデン条約のことを俺は知っていた。
まぁ、俺に直接的に関係あるもんじゃないし、聞きかじった程度の知識だったので、この際だから学園のトップに説明してもらいましょって魂胆で無知を気取ったが。
「オウカさんはこの『エデン条約』をどう思いますか?」
「エデン条約を結ぶことは両学園での決定事項のはずです。自身の主義思想に何の価値もないかと思われますが」
「それでもです」
「……まぁ、少しでも平和になればいいなぁ、とは思います」
またしても彼女の視線が一瞬だけ厳しくなる。
トリニティの一般ピーポーの俺なんぞの意見なんざ路傍の石なのは事実なので、彼女の質問の真意っていうものが良く読めない。
「えぇ、私もそう思います。そのためにゲヘナ学園とも調整を重ね、エデン条約締結に尽力してきました」
「素晴らしいことだと思います」
「ありがとうございます。……しかし、一つ問題があるのです」
このクソデカ案件で懸念事項が一つとは大変立派なものである。
まぁ、俺に言ってないだけで問題なんぞ山積みだろうけど。
「エデン条約締結を阻止しようと企む者がいるのです」
「それはまた」
だろうな、というのが素直な感想である。俺は詳しくは知らんが、トリニティとゲヘナの溝は深い。エデン条約を良しとしない勢力なんて両学校に少なからず存在するだろう。
俺にとって驚くようなことではない気持ちだったが、それがバレてしまったのだろうか。ホストは三度目の
「裏切りの嫌疑がある者を表向きは『成績不振者』として、最近創設した『補習授業部』に入部させることを決定しました。エデン条約締結は必ず成し遂げなければなりません」
「なるほど……」
「その中には──アイリス・ワルフラーンさんも在籍することになりました」
「ヒョエッ」
俺は思わず喉が鳴った。
同郷であるアイリスの名前が出てきたからだ。
彼女が『成績不振者』という名称を持ち出してきたときから嫌な予感がしたが、壊滅的な成績を叩き出す身内の『補習授業部』参加に、思わずよろめきたくなったのは言うまでもない。そりゃ、あの馬鹿は学園周知の事実なので、逆に『補習授業部』に入ってないとおかしい。
『1+1』は『味噌スープ』を地で行く女なのだ。
これは仕方ない。うん、なんか涙出てきたわ。
「私もアイリスさんを疑っているわけではないですが、成績が……その……大変よろしくないのは事実ですので、これを機に学力の向上を目指して頂きたいのです」
「……ウチの大馬鹿者がホントマジですみません」
「オウカさんはアイリスさんと一番親しいと耳にしました。どうか彼女の学力向上に協力して欲しいのです」
そして、と彼女は口にする。
「これは『シャーレの先生』にも依頼する予定ではありますが、オウカさんにも手を貸してほしいのです。どうか──トリニティ内の『裏切り者』を探して頂けないでしょうか?」
どうしてエデン条約と関係ない俺がスパイ探しなんぞせにゃならんのだ……と思わなくもないが、バチクソ面倒臭いという気持ちを押し殺し、俺は笑顔で了承の意を彼女に伝えるのだった。
ウチの馬鹿を矯正するついで、である。
「分かりました、微力を尽くしましょう」
「ありがとうございます」
彼女は深々と頭を下げた。
その後、俺は彼女といくつかの軽い雑談をして、茶会を後にする。
トリニティはマンモス校ではあるが、その人数に比例して学園も大きい。誰一人すれ違うことのない廊下で、彼女が『補習授業部』に加入させる生徒の名を思い出す。
某犯罪組織との関与の疑いあり、
最近転校してきたらしい、
奇行に走る元・才女、
ただの馬鹿、アイリス・ワルフラーン。
そして──
「……俺も疑われてんだろうなぁ」
数か月前に『キヴォトス』へなぜか転移してきて、トリニティ学園に編入してきた男。疑うには十分である補習授業部&俺という錚々たる面子に、思わず大きなため息をつくのであった。
♦♦♦
出ていく彼の背中が見えなくなって、私は初めて深呼吸をする。
思わず眩暈がするが、睡眠時間を極限まで削ったせいだろうか。
しかし、ティーパーティーの一人であるセイアさんが何者かの襲撃を受け死亡し、その犯人も捕まっていない以上、気を抜くわけにはいかない。ましてや、自分が倒れれば次は──ティーパーティーは自分の幼馴染であるミカだけになってしまうのだ。何としても生き残り、エデン条約を完遂しなければならない。
あの
そのためなら、私は──
「彼は一体何を……」
アイリスさんもそうだが、数か月前にトリニティへ編入してきた少年。双方とも経歴に問題はなかったが、それが彼や彼女への不信感を増大させる。
私が彼を疑わしいと思った一番の理由は、彼が
曰く、ヒフミさんとは別ルートでアビドスの問題に関与し、カイザーグループとの癒着が疑われている。
曰く、ミレニアムから多額の資金を横領し、横領した金で豪遊している。
曰く、ゲヘナの温泉開発部と共にビルを爆破させた。
曰く、レッドウィンターでデモ活動を頻繁に行っている。
曰く、元SRT特殊学園の生徒を拉致監禁している。
必ずしもすべてが本当であるとは思っていないが、どれか一つでも該当するのであれば大問題である。トリニティで何も起こしていないことが、逆に「大きなことをやらかそうとしているのでは?」という疑心を増幅させた。
私自身、彼のことをよく知らない。
故に、彼との茶会を前に『補習授業部』へ参加させる予定の生徒、アイリスさんと個別で話をした。結果から言うと……おそらく彼女は何も知らないだろう。終始仏頂面で何を考えているか分からない点は疑わしいが、彼女はおそらくスパイそのものに全く向いてない性格だった。
『──という経緯もあり、大変申し訳ございませんが、アイリスさんには補習授業部に参加してもらうことになります』
『りょ』
『……えっ、あ、他に何か質問は?』
『????』
逆に話をしていて心配になるほど、彼女は
スパイ云々より、彼女の将来が心配になった。
トリニティに編入時の試験はなかったのだろうか?
なので、当の彼と話をして──彼への疑いが増えるに至る。
一見すると、整った顔立ちの少年。今まで出会ったことのないタイプの殿方であり、違う出会い方であれば非常に魅力的で興味深い方だったと思われる。
しかし、心の内が全く読めない。彼の機微を確認しながら、言葉で揺らそうにも、巨木を相手にしているかのように動くことはなかった。トリニティ内での交友は皆無だが、話をすれば普通、成績も良好。どう『補習授業部』に関与させるか非常に迷った。
「………」
それに、最後の言葉。
『オウカさん、最後に一つ質問をしてもよろしいでしょうか?』
『答えらえる範囲であれば』
『貴方は──裏切り者は誰だと思いますか?』
彼はその言葉に微笑んだ。
まるで息を吐くかのように、軽い回答を述べた。
『
『ぜん、いん……?』
『そうです。環境立場などの条件が重なれば、人間ってモンは大小問わず裏切るときは簡単に裏切りますよ。自身を産んだ親であろうが、
『………』
『なので重要なのは、裏切られたときにどうカバーするか、に尽きるんじゃないでしょうか。裏切りなんて気にしてたら、いくつ
彼の内心は計り知れない。
彼は裏切り者に一番近い人物である。
でも……
「……ミカ、さん」
彼の言葉が脳裏から離れなかった。
♦♦♦
「なんかエデン条約関連でティーパーティーの桐藤さんから疑われてんだけど」
『
「良さそうな転校先知らない?」
『まだ始まってすらないんだけど!?』
【簡単な自己紹介】
アイリス・ワルフラーン:キヴォトスに転移してきたキチガイ五人衆の一人。原作知識皆無。生物学上は一応女性。無表情で仏頂面がデフォルトで、よほどのことがあっても表情を崩すことがない。知恵・教養が低く『補習授業部』入りを果たす。反比例して戦闘能力は高く、臨戦ホシノを常時圧倒するレベル。後に『トリニティの
Q.各話にサブタイトルって必要ですか?
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いる。そっちの方が見やすい。
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いらん。数字だけでOK。