次回もストーリー進めなきゃ。
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Q.天気が回復したや否や、こんなクッッッッソ遅い時間にティーパーティーのトップに出頭を命じられた俺の心境を述べよ。
A.早く寝させろ。
ハナコの提案により夜のトリニティの繫華街へと補習授業部+αが遊びに行くとの事で、用事があると見送った俺は、夜のトリニティ学園校舎の某所にて、桐藤さんとお茶会デートをしていた。(歪曲表現)
俺もみんなと一緒に夜遊び(歪曲表現)に行きたかったが、上より呼び出しがかかったのであれば無視できるはずもなく。有給中に会社から呼び出された社畜の心境が如く、捨てアカのメールアドレスで送られて来た場所に足を運んだわけだ。
補習授業部設立前に呼び出されたときと同じく、ここにいるのは桐藤さんと俺のみ……いや、外には警備用の人員が配置されている。実質的には一対一だが、俺が何か不穏な動きをすれば拘束される方が早い。
……なーんて、桐藤さんは思ってんだろうなぁ。
「夜分遅くに申し訳ございません。こちらも多忙の身ですので、なかなか時間が取れず。このような時間に来て頂き、本当にありがとうございます」
「……いえいえ、心中お察しします」
とりあえず社交辞令から入る。
が、彼女が言っていることは本当だろうよ。
前に会ったときのように毅然とした佇まいではあるものの、どこか疲労感を抱えているようにも見える。見た感じ髪質も若干痛んでおり、目の隈も誤魔化している……かな? エデン条約の調印式は刻一刻と近づいているので、その忙しさは俺の想定を遥かに超えるものなのだろう。
今頃は俺の記憶の中を読み漁りながらチェスト錬しているセクシーフォックスにも見せてやりたいものだ。
そんな超忙しい桐藤さんが俺をこのタイミングで呼び出したってことは……そろそろ『トリニティの裏切り者』を見定めたいってことか。それとも『トリニティの裏切り者』の容疑をかけている俺への牽制か。
「──いかがでしょうか、何か判明したことなどありましたか?」
「いやはや、面目ない。こちらも血眼になって調査している身ではありますが、全くもって予想もつかない状況でございます。桐藤さんの依頼に応えることが出来ず、
彼女が知りたいところはそこなんだろうなぁ、と思いつつ、あらかじめ用意してあった返答をして頭を下げる。
すっとぼけていると思われようが知らん。こちとら初めから疑われている身なので、逆に彼女がこれで俺を『裏切り者』認定するのであれば、そうすればいいとさえ思っている。
案の定、桐藤さんは若干眉をひそめながらため息をつく。
「……それは、困りましたね。『トリニティの裏切り者』探しは先生にも協力を断られてしまい、もう頼れるのがオウカさんだけなんです。このままですと──」
「──補習授業部を全員追放する際に、連帯責任として俺も退学ってことですか?」
彼女の発言を遮って出てきた俺の推測に、桐藤さんは目を見開く。しかし、それは一瞬のことで厳しい視線を俺に向けてくるわけだ。想定の範囲内。
逆に想定内過ぎて、内心は苦笑するばかり。対パテル派リーダー戦を控えている俺にとっては、言葉を尽くし相手を説得できるのであればそうしたかった。しかし、最初から廃棄処分が確定されている以上、
『桐藤さんさぁ、ひどいよ』
『なんで俺を疑っちゃうの? 悲しいじゃん』
『今回は俺もエデン条約締結をサポートするつもりだったのによぉ?』
『少しでも平和になればいいなぁって言ったもんなぁ?』
『なのに、なんでこんな真似すんの? 徹底的に疑われたら、桐藤さんのこと助けてやれないよ』
『──もう殺すしかなくなっちゃったよ』
的な心境になるわけだ。
疑心暗鬼の桐藤さんが俺を信用できる要素はないけど。
ぶっちゃけると、トリニティ学園のトップの匙加減では、現段階で特に悪いことをしていない俺を退学にはできない。補習授業部の全員ボッシュートだって、シャーレの超法規的権限を使って初めて成立するゴリ押しだもん。
ましてや、俺にとって『退学』のカードは期限切れの割引クーポン券以上に価値がないものとなっている。個人的目的に関してトリニティ内じゃなきゃできない工作は既に終え、対聖園さん戦もアイリスが補習授業部側にいるのであれば問題ないように手配している。
というかセイアっていう協力者の影響が強すぎる。だって、トリニティでやりたいことがあればセイアかアイリスに任せれば大方は上手くいくし。
何の考えなしに桐藤さんと『対立』してるわけじゃねぇんだな、これが。
え? 拘束される可能性?
その時は……
「退学するのは嫌なので、こっちも時間が許す限り探してはみますが……いやー、誰なんでしょうかね? その『トリニティの裏切り者』ってのは。皆目見当もつきませんわ」
「
「
明確に彼女に『敵対している』と思わせるつもりはないが。
相手方に大義名分を与えるようなマネはせん。
あくまでも俺は『ドチャクソ怪しいトリニティの裏切り者第一候補』に留めておく。
桐藤さんは一呼吸おいて紅茶を口に含み、話題を少し変える。
「話は変わりますが、オウカさんはトリニティの外部でも能動的に動いていらっしゃるとか。誰とでも友好関係を築けることは、とても素晴らしいことだと思います」
「あんまり出身校とか考えたことはありませんが、確かにアビドスやミレニアム、レッドウィンターに……あぁ、ゲヘナにも。俺の大切な友人はいますね。機会があれば、是非とも桐藤さんに紹介したいような、とてもフレンドリーな方々ばかりです」
外でコソコソ何してんだ?って言いたいのだろう。
「風の噂では、あの大企業である『カイザーコーポレーション』とも面識がおありだとか?」
「えぇ、度重なる幸運のおかげでしょう。カイザーグループのお偉いさんと『ちょっとした』縁がありまして。この前はゴルフのコンペにも参加させていただきました。あ、その時の写真見ます?」
……これはアビドスで暴れたことを知られてるか?
それとも悪徳企業と何してんねん、って意味だろうか?
「ここ最近、オウカさんはシスターフッドや正義実現委員会から勧誘があったと聞いてます。どちらかに所属するご予定は?」
「双方とも身に余る光栄ではありますが、俺は言わずもがな非才の身ですので、お断りさせていただいてます。大変心苦しいですが」
中立を保つシスターフッド、反ゲヘナの正実とも関りがあるんかオメェ、って心境なんだろうなぁ。羽川さんとモモトーク交換して以来、稀に勧誘されることもある。大半はダイエットの悩みを聞いてるだけだが。
そんでトリニティの宗教派閥であるシスターフッド。その頭目である
複数の派閥から必要とされているのは、言った通り光栄なことなのだが、俺には矯正局に所属する使命があるので、泣いて馬謖をたくさん斬ってる。
それから何個か桐藤さんから指摘があり、俺はそれをのらりくらりと回避する問答が続く。
しかし、正直途中で面倒臭くなったので、ここで言葉のカウンターパンチをブチかます。
「あ、桐藤さんに一つ聞きたいことがあるんですけど」
「なんでしょう?」
「
「──っ!?」
さてさて、俺の言葉は彼女にどう映るのだろう。
死んだセイアの場所を聞くことで、『俺がセイアを殺した犯人』だと匂わせている黒幕なのか。彼女が探している『トリニティの裏切り者』ではなく、セイアと懇意にしているサンクトゥス派の協力者か。
全員が全員、信じられる状況ではない彼女にとって、これほどの劇薬みたいな情報は中々にないだろう。一手間違えれば、全てがご破算になりかねない爆弾。
敵であれば彼は既に自身を殺せる距離におり、彼が動く前に処理したとして、万が一にでもセイアの協力者だったとしたら、彼女は『トリニティの裏切り者』を探す手段がなくなる。最悪の場合、サンクトゥス派を敵に回す可能性も十二分にある。
「どう、して」
「いやー、前まではモモトークだったりで交友があったんですが、最近はぱったりと返事が来なくなってしまいましてね。何かあったんじゃないかって思ったんですが、誰に聞いても『入院中』としか回答が得られず、どこにいるのか分からないんですよ。ティーパーティーのホストたる桐藤さんなら何か知ってるんじゃないかと思いまして」
「……セイアさんと、随分仲良しなんですね」
「そうっすね。志を同じくした者同士、仲はいいですよ」
桐藤さんは俺を怪しいと断定するには、再度情報の洗い出しが必要となって来る。まさか、トリニティのほとんどと交友関係を持っていなかった彼が、サンクトゥス派と繋がっているなんて新情報を手に入れたのだ。
ここで悩んだ後しても思考の千日手にしかならない。
俺がセイアとの関係を匂わせたのは、彼女が思考する『時間』が欲しかった。どうせ聖園さんとアリウス分校をチェストすれば、補習授業部の進退がかかった状況に一区切りをつけることができる。
これをホストに邪魔されたくないので、俺は手札の一つを彼女に叩きつけることにしたわけだ。
あとはオフトゥンでスヤァした後に、中庭でチェストしているサンクトゥス派リーダーに話を通しておくだけ。
「っと、これ以上お忙しい桐藤さんのお手を煩わせるわけにはいきませんね。ここでお暇させて頂きます」
俺は椅子から立ち上がって、終始手を付けてなかったティーカップの茶をグイッと飲み干す。毒が入っていることは警戒せず豪快に飲むことで、桐藤さんの思考をさらに揺さぶる。
「では、失礼します」
「──っ、ま、待って下さい」
足早に立ち去ろうとしたところで、ホストに呼び止められる。
俺に話したいことはなかったが、足は止めて聞く姿勢を見せる。
「もし、もしもですが。セイアさんが、その『トリニティの裏切り者』に殺害されたとしたら、オウカさんはどうされますか?」
「はははっ、面白い冗談ですね。しかし、ふむ。もしセイアが
俺は振り返って彼女に微笑みを向ける。
彼女は「ひぃっ!?」と怯えたように震え、顔を恐怖で歪ませた。
「──セイアん
♦♦♦
「やっぱ俺に
「その割にはセミナーの会長とは懇意にしているそうじゃないか」
「あの人は合理性の塊だから、アホったらしい腹芸を気にせんくて楽なんよ」
縁側で寝転がってゴロゴロしていると、同じく縁側でゴロゴロしながら『神道』の本を読んでいるクレイジーフォックスが反応する。とうとうウチんところの宗教にまで手を出しやがった。一神教のシスターフッドも木陰で泣いてるで。
「ナギサの呼び出しを無視して、補習授業部との楽しい楽しい夜遊びに同行したかったかい?」
「なーんかトゲのある言い方だな。実はそうでもなくて、あっちはあっちで正実の手伝いで、トリニティ区内で強盗した『美食研究会』の捕縛に付き合ってたらしいぞ。ある意味助かった」
「『美食研究会』と面識が?」
「面識も何もカネサダと一緒に飯食いに何回か会ったことあんねん。まさかゲヘナのテロリストと面識あるとか、桐藤さんから疑われる身としてはバレたくないじゃん?」
確かに、とクレイジーフォックスも納得する。
美食とアイリスは面識ないから、俺との関係性が漏れる可能性は少ない。たぶん。
「桐藤さんの行動も制限させてもらったし、あとは対聖園さん戦まで気長に待ちますか」
「……ん? 準備は出来ているのか?」
「細かいところは当日の話になるが、9割は完了している」
「仕事が早すぎる」
慄くセイアに、俺は「まぁな」と軽く返した。
これが聖園さんが勝てない理由よ。
「基本的に戦ってのは、それに到るまでの準備の帰結ってコト。聖園さんがアリウス分校と結託して秘密裏に準備してることがバレている時点で、もう聖園さんに勝ち目ってないに等しいんよ。ましてや目的がガバガバのガバ。これで負けたら次元ブチ抜いて
【簡単な自己紹介】
ナギサ「オウカさんはサンクトゥス派とも関りが? 実際に聞い
サンクトゥス派「「「「「チェストおおおおおおおお!!!」」」」」(木刀バンバン)
ナギサ「: (((;"°;ω°;)):ガクガクガクガクガクガクガクガク」
Q.各話にサブタイトルって必要ですか?
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いる。そっちの方が見やすい。
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いらん。数字だけでOK。