余談ですがキチガイ5人衆は全員2年生です。
感想ドシドシお待ちしておりますm(__)m
連邦捜査部
連邦生徒会長が失踪する前に立ち上げた、キヴォトス全土の
無論、んな強力な権限を持っていれば、相応の
シャーレの先生とやらは権力を好き放題できる良い御身分でやんすねぇ……なーんてことは全然なく、むしろ連邦生徒会が本来対応するべき業務を皮切りに、各校からの要請や雑務等、過労死させるための策謀としか思えんような多量のタスクを先生は抱えていると聞く。
キヴォトスには労働基準法というものが存在しないらしい。ブラック企業大歓喜である。
そんなシャーレには過労死寸前の先生を救うための『当番』制度がある。
先生の業務を生徒が肩代わりするわけやな。
「先生こんにちはー。ハロー、
「ちわー」
“今日はよろしくね”
俺はシャーレのオフィスで書類の山に囲まれる若年の優男──先生に挨拶をする。
今日は俺とアイリス、そして──
「遅いですよ、重役出勤ですか?」
「うっせー。別に遅刻したわけじゃねぇから別にええやろ」
先にシャーレのオフィスに来ていた男、ミレニアムサイエンススクール2年生に所属している同郷の一人、
キヴォトスの生徒の大半が女子生徒であることは周知の事実であり、先生としては可愛い女の子に仕事を手伝って貰った方がモチベーションも上がるかと思われるが(ド偏見)、悲しいことに今回の当番に女子生徒はいない。野郎×2と神話生物のみである。加えて、ことデスクワークにおいて神話生物に処理能力は存在しない。SAN値を減らしてくるだけの完全な置物である。
「さてさて、オウカも来たことですし、ちゃちゃっと仕事を片付けてしまいましょう。……その前に」
ミナは先生に耳をふさぐようジェスチャーする。
細身の体型で優男風の先生はきょとんと首を傾げ、ミナの言われるがままに座りながら耳を塞ぐ。
何をしたいのか察してしまった俺は肩をすくめ、おもむろにオフィスの中央へ移動した。アイリスは面談用かと思われるソファーにちょこんと座る。
俺は大きく息を吸い込み、
「きぃぃいイいいエエエエエエえええええェェェええええぃぃぃいいいッッッ!!!!」
……後にトリニティの放課後スイーツ部に在籍している某キャスパリーグ曰く「
あんまり自分たちと先生との会話を第三者に聞かれたくないという意味だろう。いや、別に聞かれて困るような話をするつもりはないが、俺たちはただでさえキヴォトス民に言えんような超ド級の爆弾を抱えているため、その点を警戒しての奇行と思ってもらって間違いはない。
そもそもの話、先生ん部屋を盗聴するのは良くないじゃん?(ド正論)
「さて、お仕事を始めましょうか」
“あ、あはは……”
何事もなかったかのようにミナが微笑み、先生がドン引きしている。そりゃ、当番来た瞬間に爆音で叫んだら、誰だって「なんやコイツ」となるだろう。それでも引きつった笑みだけで済ます先生の聖人さよ。
原作知識を持つミライとミナは、先生は『頭がおかしいくらいの聖人』だと口をそろえて評していた。マジかよと話半分で当時は聞いていたが、実際に会って話してみると、キヴォトスで生きていけるのか心配になるレベルのお人よしとしか言いようがない『大人』だった。あれだな、『大人とは、子供たちのため責任を負うもの』という理想論を本気で体現している
『
「……と言いたいところですが、オウカは夕食の準備をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「先生の仕事の手伝いはどうする?」
「
「私は?」
「そこで座ってお菓子でも食べていてください」
俺は「んじゃ冷蔵庫ん中身貰うで」と、冷蔵庫を漁る。
元々書類仕事を捌くことに関してはキチガイ5人衆内で右に出る者がいない男が、ミレニアムに在籍することでさらに処理能力を得たと聞く。むしろ、他の生徒さんと同等かそれ以下の手伝いしかできないであろう俺が邪魔してしまう可能性もある。
ゲヘナの給食部には遠く及ばないにせよ、料理は人並みにできると自負している。時間帯的にも夕方だし、今から準備すれば良い時間に飯が食えるかも。
ミナが買ってきた冷蔵庫の中身と相談しながら腕を振るうとしようか。
♦♦♦
「俺、シャーレで馬鹿みたいに騒いで飯作ることしかしてないけど、よくよく考えたら『当番』する奴の仕事じゃないよね? え、これ大丈夫?」
“大丈夫だよ。むしろ、こんな美味しい晩御飯を作ってくれてありがとう!”
「お礼はそこのミナにお願いします。仕事したのも、食材買ってきたのもコイツなんで」
日が落ちて少し経っただろうか。先生とキチガイ3名はシャーレの応接スペースで、土鍋を囲んで晩飯を嗜んでいた。別で用意していたおにぎりを頬張る先生は、涙を流しながら俺に感謝してくるので少し歯痒い。
ミナも溜まった仕事を片付け、なんと業務を一部自動化するプログラムまで構築していたらしい。前々から当番の度に用意していたらしいが、今日でそれが完成したとミレニアムのキチガイは語る。これで幾ばくか先生の仕事が短縮されるだろう。
置物だと思われていたアイリスも、シャーレ近くであったヘルメット団の銃撃戦を鎮圧してきたらしい。かっぱらってきた戦利品をシャーレに担いできたことから、真実であることは明白。
それに比べて大した仕事をしていない俺だが、今回は
一応は郷土料理に分類されるのだろうか。わざわざミナが用意してくれた味噌も、若干だが甘みを感じるタイプだった。サツマイモもそうだが、どこで見つけてきたんやコイツ。
“味噌汁みたいなのに甘い? 不思議な味だね”
「それはサツマイモ本来の甘みと、味噌が若干甘いのを使ってるからですかね。ウチの地元、醬油ですら甘いですから。本土出身の先生にはなれない味かもしれません」
“初めてだけど美味しいよ。……それにしても、みんなはやっぱり日本の出身なんだね”
先生の故郷と俺たちの地元が、果たして同じ世界線なのか分かりかねるが。そう思いつつも「俺もミナもミライもカネサダも、そこにいるアイリスも純日本人ですね」と返す。すると先生は目を見開いて驚く。
“えっ、アイリスも?”
「ん? ……あー、そうっすね。思いっきり外国人っぽい名前してますけど、コイツはれっきとした日本生まれの日本育ちの日本人ですよ」
「彼女はオウカの母方の妹の娘なんですよ。海外出身の男性と結婚して、日本で出産して育てたので、思いっきり西洋人に見えますが、日本から出たことないんじゃないでしょうか?」
無表情で握り飯を頬張っていたアイリスは、自身が話題の中心になっていることに我関せずを貫き、ただひたすらに目前の食事を食らいつくしている。
オカンの妹の娘なので、一応は『いとこ』の関係になる。つかキチガイ5人衆全員が幼いころからの馴染みであり、日本人がどうとか考えることすら久しい状況だ。無論、コイツは純日本人なので外国語を全く話せないし、何なら日本語すらも怪しい。
「なので、アゼルバイジャン語で教えなきゃ……!みたいな話にはならないので、安心して母国語でコイツに勉強を教えてやってください」
“……その話をオウカは知ってるんだね”
「えぇ、桐藤さんから聞きませんでした? 今回、俺は『補習授業部』で先生のサポート役に任命されてしまったわけです。俺自身、そんなに勉学が得意ってわけではありませんが、微力ながら『補習授業部』の学力向上をお手伝いさせていただきます」
先生は警戒心ゼロの表情で“頼りにしてるよ”と返してくるので、俺は内心で「ほーん」と考察をする。先生の反応を鑑みるに、『補習授業部』に召集された面々の中に、トリニティの裏切り者がいることは聞かされてないように見受けられる。桐藤さんはどこで『補習授業部』設立の目的を彼に話すのだろうか。
ましてや、俺は桐藤さんから聞かされてない重要情報を、某キチガイ経由で知っている。
『『補習授業部』っていわゆる『ゴミ箱』なんだよねー。裏切り者を見つけてとか言われたかもしれないけど、そんな難しいことしなくても
ティーパーティーのホストが俺に語っていない部分を、原作知識によって補足するミライはそう語った。俺も監督責任が──的な理由で、アイリスもろとも退学にされる可能性は十分あるとの事。推定無罪の原則が泣いてるぞ。
裏切り者の件、連帯責任での退学の件、先生はティーパーティーから聞いてないんじゃね? まぁ、聞いてたら聖人君子の見本のような先生が黙ってはいないだろう。どこで桐藤さんは先生に目的を話すのだろうか? そこまではミライから聞いてないわ。
「……ふむ、エデン条約の件が影響しているのでしょうか? 先生もオウカも、無理しない程度に頑張って下さい。何かお困りであれば遠慮なく仰っていただければ、助力することを約束しましょう」
最近は物騒ですからねぇ、とミナは暗に協力することを宣言する。
頑張っても何も、この胡散臭いミレニアムの阿呆は原作知識持ってるから、ここからどうなるのか知ってるんだよなぁ。ストーリーを普通に読んだだけのミライと違い、コイツはブルアカに廃課金して全キャラ所持星カンストのレベルMAX勢だったとかなんとか。
俺も何か困ったら、この課金ジャブジャブマンを絶対に巻き込んでやろうと心に決める。
「あ、そういえば先生ってゲヘナの風紀委員長と仲が良かったんでしたっけ?」
“? ヒナがどうしたの?”
補習授業部の詳細は桐藤さんがいつか話すやろと勝手に判断し、俺は話題を変えることにした。先生はどうやら彼女のことを知っており、『ヒナ』という言葉にミナがビクッと肩を震わせる。
皆様ご存じの通り、ミナは生粋の『ロリコン』である。幼い少女を見れば極限まで興奮し、しかしながら過度に干渉することは決して行わず、ロリ体型の少女の為ならば神すら殺す勢いの自称紳士。コイツとロリは会わせたくねぇなぁって気持ちと、コイツならロリに変なことはしないという信用と信頼を持つ、何とも不思議な男なのである。でも個人的にはヴァルキューレの公安局に捕まってほしい。
俺にとって風紀委員長は『暴』の化身のイメージだが、ミナにとって彼女は『推し』なのかもしれない。確かにザ・美少女って感じだったもんなぁ。
「前に温泉開発部の面々に巻き込まれて、短期間ですが空崎さんとエンカウントしたことがあるんですよ。素顔は見られてませんが、たぶん俺も指名手配扱いになってるかと」
“……あんまり危ないことはしないでね”
「俺も彼女とカチ会う騒ぎを起こすのは勘弁願いたいです。その時なんですが、彼女めっちゃ疲れてるように見えましたので、先生が今度彼女に会うときは体調面を気にしていただければ幸いです」
“覚えておくよ。ありがとう”
「騒ぎに加担してアレなんですが、ストレス溜め込んでも良いことなんて一つもないですからね」
先生なら彼女とパーフェクトコミュニケーションしてくれるだろうという期待と、ゲヘナで起こした騒ぎの詫びも含めて、風紀委員長のカウンセリングを依頼する。これで指名手配解除してくれたら嬉しいな。絶対に無理だろうけど。
なんて雑談をしながら、キヴォトスの夜は更けていくのだった。
【簡単な自己紹介】
アイリス・ワルフラーン:キチガイ五人衆の一人。余談だが、幼いころに交通事故で両親を亡くしている。
先生:シャーレの顧問。全生徒の味方であり、良い大人。なのでキチガイ共に胃を破壊される運命にある。
空崎 ヒナ:ゲヘナの風紀委員長。先生と自分を会わせてくれる機会を作ってくれた主人公には感謝している。なお白いヘルメットは警戒対象。
Q.各話にサブタイトルって必要ですか?
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いる。そっちの方が見やすい。
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いらん。数字だけでOK。