つわけで夢の中回です。あと公式から出てない情報の為、とりあえずセクシーフォックスの学年を3年としてますが、場合によっては修正します。許してヒヤシンス。
感想お待ちしております。
『人はなぜ夢を見るのか』。
とある百合豚は言った。
『夢から覚めるため』と。
とあるロリコンは言った。
『日常生活で知見した出来事等を蓄積し、脳がその整理をするための副産物として見ることが多い。夢の内容に関してはメカニズムがいまだに解明されていないが、脳が過去に経験した記憶がベースになっ──』
とある熟女キラーは言った。
『オフトゥンがめっちゃ気持ちいいから』と。
とある神話生物は言った。
『……?』と。
要するに、人が夢を見る理由というのは多種多様、様々な視点から各々に回答を導き出し、その答えには……おそらく正解というものはないのだろう。
科学的根拠という一点で論ずるなら、ロリコンが長々と語った戯言から要約するに、夢を見る『内容』は、過去に己が知見した内容が関わってくると思われる。確かに、俺の知識・経験外の夢を見ることはない。フェルマーの最終定理の内容とか夢に出てきたことは一度もないし。
そう、夢に『自分が知らない・自分には想像しえない内容は出て来ない』のだ。
「初めまして──君に挨拶する言葉は、これが正しいのだろう。あぁ、警戒しないで欲しい。君は確かに私を知らないだろうが、私は君を知っている。無論、その経緯を説明するとも」
ところで俺ん夢に出てきた幼女は何者や。
俺は実家の縁側に座っている。元居た世界の母屋であり、もう二度と戻ることが出来ない俺の帰る場所。それを夢によって模された場所であることは理解しているが、その横にケモ耳の幼女が鎮座している。
少なくともロリコンから半強制的に履修させられた
直近の記憶は、補習授業部との合宿。
明日も彼女らの為に食事を用意せねばと、比較的早めに切り上げてオフトゥンにダイブしたのは覚えている。朝食の件もそうだが、浦和さんからの視線が妙に気まずいというのもある。本当に知られないように、意識しないように彼女が配慮しているのは十全に理解しているが、配慮しすぎて逆に「俺に何か聞きたいことがあるんやろうなぁ」と感じるのだ。
なので、俺は先生に後を託して割り当てられた自室に戻ったのだった。先生との相部屋も提案されたが、先生に相談しに行きたいときに俺がいると不便だろうと、俺は俺で女子勢が寝るところとは別に、俺専用の部屋が割り当てられたのだった。
先生がいるとはいえ、周りが女子ばっかだと色々と気を遣うからなぁ、とオフトゥンでスヤァしたのに。
どうして夢の中でも女の子がいるんですかねぇ。(静かな怒り)
俺、そんなに欲求不満なのかな?(焦り)
「……初めまして。俺のこと知っているのであれば、できれば名乗ってくれると嬉しい」
「
「……セクシーセイアですまない?」
「待て。私はそのようなことを言ったことはないのだが?」
いや、前にミナから『セクシーミナですみません』と馬鹿なことを言われて殴り飛ばした時に、元ネタがそれだと聞いたことがある。その元ネタにも元凶的なセリフがあるらしいが、そこは割愛しよう。ネットミームの元ネタに会えるとは思わんかった。
……まぁ、エデン条約のあれこれを馬鹿共から聞かされた時、ちらっと名前を出されたことがるけど。
トリニティの3年生にしてトリニティ三大分派の一つ『サンクトゥス分派』の頭目、
死んだと言われているが、実は生きている……というのはミライから事前に聞いていたので、俺は彼女の登場に驚くことはない。嘘。俺の夢に邪魔するで~していることにはめっちゃ驚いてる。
「……なるほど、ティーパーティーの方でしたか。今回はどういったご用件で?」
「そう畏まることはないさ。私は……そう、君の流儀で話すのなら『腹を割って話をしたい』ということだ。混沌としたトリニティの情勢下で、信頼できるのが君と先生しかいない。全幅の信頼という点で言えば、先生より君の方が上だろう」
そして百合園さんは俺をしっかりと見定める。
「正確には──戦国最凶の戦闘殺戮集団、島津家が一門。キヴォトスの理から外れた存在。
俺は目をスッと細め
「君の友人から聞いてないかい? 私は明晰夢で過去や未来を見ることができる。君にとっては不本意であることは申し訳なく思うが、私も事情が事情だ。君の
「……別にいいわ。遅かれ早かれ、同郷の馬鹿共が口を滑らせたと思うし」
百合園さんの口をどう塞ごうかを思案したが、彼女は早口で敵対するつもりはないと明言する。信ずるかは別として、夢の世界である以上、彼女を
上記のことをコンマ数秒で脳内で導き出し、俺は諦めながら小さく肩をすくめる。その様子を見た彼女は、会話の主導権を握っているはずなのに、安心したように胸をなでおろしていた。
俺の疑問を未来予知したのか、それとも分かりやすく表情に出ていたのか。
彼女は引きつった笑みを浮かべながら心境を語る。
「私は言ったはずだ。君の過去を見てしまったと」
「見苦しいもん見せてごめんなさい」
「君の故郷の風景、キヴォトスとはまた違ったベクトルで喧騒の絶えない地であり、私としては新鮮で楽しませてもらったよ。話を戻すが、君の過去を見てある程度の君の人となりを知ることが出来た。知ることが出来たからこそ、今回の邂逅がいかに危ういかを私は推測できる」
「……俺は地雷か何かか?」
「言い得て妙だ。私としてもカイザーグループの二の舞にはなりたくないさ。君は他者の異なる価値観や信条を尊重し、相手方に己への畏怖や敬意さえあれば裏切りや敵対ですら良しとする。一方、君は自身を軽んじる者を
故に、『君の過去を勝手に覗き見る』という軽んじていると受け入れられかねない行為を明かすのは、賭けにも等しかったと百合園さんは愚痴る。
彼女の苦悩を聞き、俺は内心マジで自省する。
いや、まぁ、自覚はあるんよ? あれだけ普通の男子高校生自称していたけれども、俺の思考回路って主導者と薩摩兵子の
「そんな厄介さに拍車をかけて、君はそれを悪ふざけと友好的な態度でコーティングしているのだから、少しでも違和感に気づけば不気味に感じてしまう。ナギサが警戒するのも無理はない。私も生きた心地はしなかったよ」
「……あー、うん。本当にすみませんでした」
「何度も言うが謝る必要はない。確かに各校のトップ泣かせの性質ではあるが、君がトリニティに敵対していないという事実だけで十分だ。故に、私は協力を持ちかけているわけだが」
そこで最初の話に戻るわけだ。
彼女としてはトリニティの為に協力してほしいと。一応は向いている方向が一緒なので、手を取り合えないわけじゃないからね。
「つか俺の頭ん中より、ミライやミナの脳ミソ覗きに行けばいいんじゃね? エデン条約の先を知るって言っても、俺はあいつらより詳しくは知らん」
「私の能力も万能ではないのさ。望むものを観測できるわけでないし、精神的摩耗が非常に激しい。現実と夢との境界が曖昧にもなる。それに──ここ数か月、突発的に見る夢は君の過去が大半だった」
「何でもかんでも見れるわけじゃねぇってことか」
「それに、一つ奇妙なことがある。君の過去や現在を何度も見たが、他の夢を見るときより精神的疲労が極端に少ない。君の過去がキヴォトス外だから、現実との境界で混乱することがないのも原因かもしれないね」
勝手に変な夢を見るより、君の過去を覗いていた方が遥かに楽。この評価に喜べばいいのか憤ればいいのか分らんが、病弱体質の少女の避難場所と化しているのであれば、俺の夢なんぞ好きに使ってくれても構わん。他者に見られて恥じるような生き方は──たくさんした覚えはあるが、もう今さらである。
そんなわけで俺と百合園さんは協力関係となった。
もちろんキチガイ共に共有することは一切ない。百合園さん推しだったロリコンに文字通り木っ端微塵にされちまう。他の馬鹿共から情報が漏れる可能性も否定できん。
「私の夢、特に未来予知は正確だ。私はどれだけ変えようと試行錯誤したが、結局は予知を変えられたことはなかった。君たちの
「要するに百合園さんの予言と、あの馬鹿共の原作知識に乖離がある。いくら先生が大団円にしてくれると分かっていても、それでも不安と?」
「……協力を申し出た私が言うのもおかしな話だが、ね」
「別に。むしろ的中率100%の悲観的未来があんのに、正体不明の楽観的結末の予言引っ提げてきた俺らを信じろって方が無理な話だ。俺たちが動くせいで、もっと最悪に変わる可能性もある。逆もまた然り」
そう言いながら俺は腰を上げて立ち上がる。
……生来から住み慣れた家ではあるが、やっぱり夢の中だな。あまりにも綺麗過ぎる。
「動いて変わる保証はないが、動かなきゃ絶対に変わらん。なら動くしかないやろ」
「それで変わらなかったら?」
「頭を搔いて誤魔化すさ。でも、まぁ、良くも悪くも変わるとは思うよ。百合園さんの行儀良い優等生みたいな未来予知が、頭のネジを何十本も捨ててきたイカレてるキチガイ共の予知を完全にできるとは思わんし」
やれるならやってみろよ、と俺の言葉に百合園さんはぽかーんと唖然とし、次の瞬間には困ったように笑い出す。根拠も証拠もない俺の戯言を、彼女がどう感じたのかは理解できないが、彼女が俺ん家モドキの縁側で見せる姿が答えなのだろう。
俺らが分かりやすい奇行をしてたんなら、既にキリシタンや熊、猿や古狸に潰されてるっての。
「んじゃ、この夢もいつ覚めるのか知らんが、第一回作戦会議でも始めましょか」
「異議はない──が、その前に君の考えを一つ聞かせてほしい」
彼女は一つの『悪魔の証明』を提示する。
それはキヴォトスに伝わる『七つの古則』の話。古則ってなんや。食いもんか?
その5番目が『楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか?』というモノらしい。『楽園』とは至上の満足と喜びがあると呼ばれる地であり、そんな楽園から出ようと考える馬鹿はいないはず。出る者がいるのなら、そこは楽園に非ず。楽園の存在を確認するには楽園に行かなきゃ分らんし、たどり着いたのなら戻って証明しようと考えることはせず、楽園に滞在し続けるはず。じゃあ、楽園は本当に存在すんのか?
あれやな、一種の存在証明のパラドックス。
「まさに悪魔の証明だ。しかし、私はこの古則は問いたいのは『証明できない楽園に価値はあるのか? 証明できない真実は無価値なのだろうか?』ではないかと考える」
「ほうほう」
「君はどう思う? 証明できない楽園を信じることに、意味はあると思うかい?」
「んー……」
俺は少し思案し、
「あるでしょ」
「そう考える根拠は」
「意味の有無を、意味の価値を決めるのが個々だから。科学の発展により『嘘』であることが証明された『天動説』、楽園証明とは角度が違ったモンだが、どちらも現段階でそれが真であると証明するのは不可能に近い」
だが、と俺は逆接で続ける。
「『天動説』に意味はなかったのか?と言われたら、俺はそうだとは思わんし、学者連中の何割かは俺と同じ答えになるだろうよ。間違った考えと謳われる『天動説』だって、当時の宗教観念や思想を知るための歴史的資料とも呼べる。パッとは思いつかんが、『証明できない』ことに意味があるケースもあるとおもうぜ」
「………」
「ちと話が逸れたか。俺が何を言いたいのかってのは、価値は見出すものであり、信ずることを無意味だとは思わないってこった。あくまでも俺の持論だが」
はてさて、これで百合園さんが納得したかは分からない。
俺は哲学者でも科学者でも思想家でもなく、ただの異邦のキチガイなのだから。
「しっかし、楽園の証明かぁ。確かに有無の証明は難しいが」
「?」
「あるって考えた方が絶対に
俺の存在証明ガン無視の稚拙かつ論理的ではないアホ丸出しの
【簡単な自己紹介】
Q.各話にサブタイトルって必要ですか?
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いる。そっちの方が見やすい。
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いらん。数字だけでOK。