英雄ギルガメシュと野人エンキドゥのコンビが永遠の命を探し求めて右往左往します。
古代メソポタミアの英雄叙事詩『ギルガメシュ』には様々な派生作品があったとの学説がある。各地で発見される粘土板ごとに違いがあることが、その根拠だ。暴君ギルガメシュと野人エンキドゥが<永遠の命>を求めて旅をしたというバージョンはシリアのダマスカスで個人所有されていた粘土板に記載されていた。
標準版と称される物語ではギルガメシュはエンキドゥの死にショックを受けて<永遠の命>を探し求める旅に出たとされているが、上記のバージョンではエンキドゥは生きている。ただし、二人とも健康状態が悪かった。彼らは戯れに身分を隠してギルガメシュが治めるウルクの街を彷徨い、そこで謎の店に入って食べた料理で腹を壊したのだ。
一杯の蕎麦(実際に蕎麦だったのかは不明。麺類だったようだが、その詳細は謎だ)を、無理に二人で食べようとしたため、嫌がらせだと思った店主が一服盛ったとの噂が街に流れた、とある。本当のことかどうか、誰も分からない。
とにかくギルガメシュとエンキドゥは旅に出た。神託で「永遠の命を手に入れないと死ぬ」と言われたので、それを見つけようとしたのだ。二人が向かった先は東方だった。第二の神託で「東の方へ行け」とお告げがあったのだ。行った先で彼らは裸の美しい女たちや色黒な男や四つ目の男が楽し気に遊ぶ芝居を見た。それを見ているうちに元気が回復したので、西へ戻ってウルク市へ帰還した、とある。これが何を意味するか、誰も分かっていない。
この話を記録した粘土板はシリア内戦におけるダマスカス陥落時の混乱で行方不明になった。
似ているが多少の違いを認める話がロシアのロマノフ王朝に保存されていた。
暴君ギルガメシュと野人エンキドゥが<永遠の命>を探す探索の旅に出た、というのは同じである。違うのは女神イシュタルが二人に同行した点だ。ちなみにイシュタルはギルガメシュに求婚して手酷く拒絶され恨みを抱いたとされている。そんな彼女が、どうして<永遠の命>を求めるクエストに参加を許されたのか? エンキドゥが嫌がるギルガメシュを説得したのである。大変な困難が予想される探索行に女神イシュタルの力は必要不可欠と親友から力説されるとギルガメシュでも我がままを貫き通すのは難しかったようで、三人での出立となったのである。
向かった東方の地でイシュタルは、その美しさを存分に発揮し人気者になったそうだ。彼の地で多くの男から求婚されたそうだが、それらの結果は不明だ。続きが記録された粘土板を解読途中でロシア革命が勃発、それらの貴重な遺物が行方不明になったためである。