その決闘を終わらせに   作:arc5

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どうも、原作キャラを勉強中のため、オリジナルキャラに逃げている作者です。


六芒星の呪縛3

 ヒーローたちは、予想外の展開に苦戦していた。オールマイトを動員し、他にも数々の実力あるヒーローを集結して万全の態勢で向かったにもかかわらず、謎の光が現れて……正確に言えば、謎の地上絵が現れてから、個性の使用が出来ない事態に、武装した集団との交戦は拳銃や警棒を持った警察官とも連携して対処しなければならず、これまで個性を使用した戦い方を行ってきたヒーローには慣れていない戦いだった。

 

 

「名高い英雄さんも、力がなけりゃただの一般人だなぁ!底が知れるぜ」

 

「これなら可愛いねぇちゃん方も……はは、この後が楽しみ……ぐあぁ!」

 

 

 

 

「警察官のこと、舐めてもろたら困るわぁ……」

 

 

 警棒一本。一般人の中では長い舌を這わせながら、釣り目を細めて笑顔を繕いながら素早く処理していく長髪の男。顔は整っており、蛇のような威圧感がある。

 

「あんたらがわんさか群がったって、所詮虫けらなんやから、大人しくしとけアホ」

 

 

 気だるそうな猫背からは、一匹たりともただでは帰さないという意思が伝わってくる。(もっと)も、その最たる理由は担当区域外の自分をここまで引っ張り出してきたことに対しての苛立ちではあるのだが……。

 

 

「全員いてこましたるから覚悟せぇよハゲ」

 

 言葉遣いが荒いのが玉に瑕である。

 

 

 

 

 

 

 

 19時10分。少年は騒動に乗じて避難区域内に侵入。()()()()()個性を使用できていないことを不審に思いつつ、少年は比較的人員が割かれていない区域の武装集団を制圧しつつ、それらに事の詳細を訪ねる

 

 曰く「ヒーローがいるから世の中が息苦しい」だの「個性は伸ばすもの」だの、全く聞くに値しない思想家達の妄言だったので、少年はもっと強い者のところへ赴くことにした。がしかし、この集団で唯一強者が集まっているのはオールマイトがいるところ。拾ったスマホで、自分が指名手配されたことは既に確認済。危険を冒してでも自分が情報を聞きに行くに値するか、悩んでいた。

 

 結局、ハンドガンに刻まれていた刻印や、ここまで大規模な犯行に及んでいるその自信を鑑みて、少年はオールマイトと交戦している男のもとに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 はずだった。

 

 

「なんやお前、ここにも残っとったんか……向こうに制圧された奴らがおったが、仲間割れか?えらい哀れやなぁ」

 

 

 

 蛇のような目で自分を嘗め回すように見る男。猫背で肩を巻いており、腕がだらりとおろされている。が、手には警棒を持っており、こちらがどう動いても対処できるような余裕のある構えである。少年は最初自分から棄権に飛び込むことがなくて助かると安堵したが、こちらに向かって仲間割れかと問うてきたことでその気持ちを捨てる。

 

 

「……ヒーローか」

 

「阿保か。こんなんがヒーローやっとったらおこちゃまが泣いてまうやろ?」

 

 

 少年は過去の人生経験で確信していることがある。ヒーローは個性に頼った戦い方であるが故に、それを看破できれば全く危険はない。がしかし、こと警察においては、そのような安堵は戦いが終わるまで訪れない。自身が非力だとわかっているから、自分はヒーローではないとして仕事に励んでいるから、特にこれで戦える警察官というのは心底鬱陶しい。

 

「やる前に、一つ聞きたいことがある」

 

「ど阿保。敵に塩送るやつなんざ江戸に一人だけや」

 

 右腕を思いっきり振って警棒を伸ばす。カチンと金属音が響いたのち、風を切る音が真横から聞こえてきた。少年はそれを左腕にはまっている機械で防ぐ。

 

 

「ごっつデカいもん持ってんなぁ。肩こるで!」

 

「余計なお世話だ」

 

 

 ガン!と重たい音が響く。少年は防戦一方ではあるもののダメージは全くなく、警察官もこちらの出方をうかがっているのかあまり全力を出しているそぶりはない。

 

 

「この地上絵みたいなやつなんとかしてくれたら見逃したってもええんやで?」

 

「生憎俺はこんなもの知らない」

 

「嘘つけぇ。ほななんでこんなとこおんねんって話やろ!」

 

 

 警棒ばかりに注意を向けていた少年に逆手からの肘が横腹に入る。その痛みと衝撃に耐えながらなんとか素早く受け身をとって攻撃に出ようとするが、すぐ目の前に男は走ってきており、がら空きになった鳩尾に前蹴りを入れようとする。少年は腕を十字に組んでそれを防ぐが、硬いアスファルトに後頭部を強打し、動きが一瞬遅れる。

 

「チェックメイトや」

 

 

 男の警棒が倒れこむ少年に振りかざされた。刹那、少年の左腕が赤く光る。男は今まで少年が力を隠していたのだとすぐさま攻撃をキャンセルして後ろに飛びのく。

 

 

「流石にこれは、正当防衛……だろ?」

 

 

 少年がはめている機械の色が……全体的なフォルムが変わっていた。スタイリッシュなその形には、さきほどの機械には見られなかった箇所がいくつもあり、その一つであるワイヤーアンカーが男の左腕を絡めとり、その瞬間体が千切れるような電撃が男に走る。

 

 男は予想外の痛みに苛立ちながらもそのワイヤーを掴んで少年を力任せに引き寄せる。

 

 

「お前、なんで個性使えるんや……ますます怪しいなぁ」

 

「……使えないものなのか」

 

「そりゃなぁ……こっちだって個性使えたらお前なんか一瞬や」

 

 

 男は少年の腕をそのまま後ろで組んで前方に倒れこむ。少年もむやみな抵抗はせず、ひとしきり戦闘が終わる。

 

 

 

「んで?これはなんや。お兄さんがゆーっくり聞いちゃろ」

 

「言葉が通じないのか?俺は知らない」

 

 

 何度も聞かれているからか、少年の語気が少し荒む。それを見てか、男は質問を変える。

 

「何が目的や」

 

「質問をしに来た」

 

「質問?知恵袋やとあかんのか」

 

「あったら来てないだろうが」

 

 

 それもそうかと一人で納得した男は、さっきよりも神妙な面持ちで少年に尋ねる。

 

 

「お前、捜索者(サーチャー)やろ」

 

 

「……不本意ながら」

 

 男はやっぱりかぁと笑い出し、組んでいた手を外す。拘束を緩めたことに少年は怪訝に思いながらも、それを逃さずすたっと立ち上がり少し距離をとる。

 

 

「お前、どうせここから逃げられへんぞ」

 

「別に警察くらい……」

 

 

「俺が逃がさへん」

 

 その眼は確実に獲物を捕らえたといった眼だった。先ほどまで久々に慎重を重ねた戦闘を行っていたため、向こうからの戦闘音に気づかなかったが、それは益々激しくなっており、時折破片のようなものが飛んできている。

 

 

 

「お前、いつまでもお尋ね者は嫌やろ」

 

「……なんのつもりだ?」

 

「俺の仕事手伝ったら、やりたいことも警察から逃れるんも全部叶えたるって言ったら、どうする?」

 

 

 蛇は手中に収めた獲物を弄ぶような顔で、じっくりその眼を少年から離さない……




キャラ紹介
四条 京水(しじょう きょうすい)
36歳 警察官
蛇のような目、長い舌(常人にしてはレベル)、あまり笑えないジョークセンス
個性???
使用武器 警棒
動きが素早く、1対多の戦闘を得意とするが、タイマンも強く、タイマンではその相手の全力に全力で勝つことが楽しみでもある。
基本何事にも気だるげな姿勢だが、仕事は完ぺきにやり遂げる。

座右の銘「出来んことはせん」
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