ハイスクールD×D 心を刃に変える騎士と羽ばたく不死鳥 作:ogachan
いま、俺は白髪の少女悪魔とともに夜道を歩いている
目指すは駒王学園。そこで少女の主であるグレモリーの悪魔が俺を待っている
少女曰く、俺に興味を持ったから会ってみることにしたそうだ
(なにはともあれ、こちらの誘いに応じてくれたようで何よりだ)
しばらく歩いたところで学び舎と思しき敷地内にある木造の建築物へと入る。やがてとある教室の前にたどり着く
「部長、連れてきました」
「入って頂戴」
「……どうぞ」
入室を促す少女に従い、中へと入る
教室の内部は薄暗く、明かりはろうそくだけ。いたるところに魔法陣の類が刻まれており、奥の机を中心として陣取る3人の悪魔がいた。その中の1人は暗闇の中でもはっきりとわかる紅の髪をしていた
「貴女がグレモリーか」
「ええ、私がリアス・グレモリー。ようこそ元
紅髪の女悪魔がチェスの駒を手に、怪しげな笑みを浮かべる
「……と、いつもならこう言うのだけど、今日はそういうのはやめね。目的は早く済ませちゃいましょうか」
「?」
怪しげな笑みから一転、苦笑するグレモリー。対して俺はその意図がわからなかった
「あなたの誘いに応じたのは会わせたい子がいるからなのよ」
「会わせたい子?」
「ええ……出てきて頂戴」
陰で見えなかったスペースからグレモリーの声に応じるように茶髪の少年が1人の少女の手を引いて現れる。現れた少女の姿に俺は見覚えがあった。見間違えるはずもない、その少女は――
「――アーシア、なのか?」
「……はい。お久しぶりです、レイさん」
どこか後ろめたそうな表情をしたその少女は、俺が教会を出るきっかけにして決め手であったシスター、アーシア・アルジェントだった
「……正直、いろいろと言いたいことがある」
「っ」
ビクリと震えるアーシア
「けど――」
俺は一番言いたいことを言う
「また会えて嬉しいよ、アーシア」
「……はい。私も、また会えて嬉しいです、レイさん」
涙をにじませながら答えるアーシア。その顔は俺の知っている彼女の笑顔と何ら変わりなかった
ここに、教会を捨てた戦士と、教会に捨てられた聖女は再会した
***
「……そうか、そんなことがあったのか」
アーシアとの再会後、彼女の身に何があったのかを聞かされた
この町へと来た経緯、悪魔となるに至った過程を
数秒の沈黙が場を支配する中、俺は茶髪の少年に目を向ける
「兵藤一誠くん」
「え、あ、はいっ」
「――ありがとう。アーシアを助けてくれて、彼女と友達になってくれて」
「い、いえ、俺はただやりたいようにやっただけで……それに、結局間に合わなくて、アーシアは一度――っ」
「確かにアーシアの死も、悪魔となってしまったことも残念ではある。けどそれは君の責任じゃない。あまり自分を責めるな」
「だ、だけどっ、俺がもっと強かったら!」
少年――兵藤一誠はそう言って感情をあらわにする。その様子から彼がどれだけアーシアのことを大切に思っているのか、痛いほど理解できた
「後悔する気持ちはわかる。だけど、もっと強かったら、そんな考えはやめておけ。それは傲慢というものだ」
俺は諭すように、彼の心をほぐすように話す
「君はついこの前まで異形とは無縁の生活をする学生だったんだろう。そんな人間が、悪魔になったからと簡単に勝てるほど異形の存在との戦いは甘くない。それに君がそうやって自分を責め続けていたら、それこそアーシアが報われない。いまの君を見て、彼女が笑ってくれると思うかい?」
「そ、それは……」
「アーシア自身が何を思っているのか、聞いたことはあるのかい?」
「……」
俺は促すようにアーシアに目配せをする。アーシアも気づいたように兵藤一誠に一歩近づく
「イッセーさん、顔を上げてください」
「アーシア……」
「確かに悪魔になってしまったことはショックでした。でも私は、もっと早くに助けてほしかったとか、そんな考えを持ったことは一度だってありません。イッセーさんには感謝こそすれど、恨みの気持ちなんて抱いてません。だから、イッセーさんも御自分を許してあげてください」
「ごめん、それと……ありがとう」
溢れる思いとともに涙を流しながらそう言う兵藤一誠
(よかった、これで彼の心もきっと晴れるだろう。あとは……)
俺は視線をリアス・グレモリーに向ける
「こちらの要求に応じてくれたこと、感謝する。おかげでアーシアと再会できた」
「気にしないで頂戴。始まりはどうであれアーシアもいまは私のかわいい下僕だもの。教会を去るときにあなたに別れを告げられなかったことが心残りだったみたいだから、その願いを叶えてあげたかっただけよ」
「……普通の対応をしただけです」
「まあ、そういうことにしておくよ」
どうにも2人とも素直じゃないようだった
「それで、あなたはこれからどうするつもりなの? 教会を抜けたと聞いたけれど」
「当面は監視に専念するつもりだ。アーシアの主として信用できるのか見極めたい」
「そう、まあそのくらいなら構わないわ。ただしこちらからも監視をつけさせてもらうわ。アーシアには悪いけれど、こちらとしてもあなたを信じていいのかわからないもの」
「わかった」
「ふふ、決まりね。じゃあ、改めて自己紹介させてもらおうかしら」
そうしてお互いに自己紹介を済ませ、今夜の会合は終わった
(まさか、こんな極東の地でアーシアと再会できるだなんて思っても見なかったな。これこそきっと主のお導きなんだろう。なら、俺の役割はきっと――)
憑依ライザーとどっちがよろしいのかな~
こっちの方が筆進んじゃうんだけど、いいですかね