ネビュラ・カルテット   作:KQ

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今回でChapter01完結です!


思わぬ再会

 

--デッドエンドホロウ--

 

「こいつはやべぇ!ちょびっとだけだが、後悔してきたぜ!」

 

「集中しろよ!ゼロとプロキシが来るまでの時間稼ぎだ!」

 

そう言うとクロウはブッチャーに突撃する。

 

ガキィン!

 

(ただパワーと重量があるだけ…スピードはオレの方が上だし小回りも効く…!)

 

クロウの電気を纏った杖とブッチャーの斧がぶつかり合う。

 

キィン!

 

「くっ…!」

 

「クロウ!」

 

ズバァ!

 

『Gya!』

 

攻撃を弾き返されたが、寸前でアンビーが出たことで逆にダメージを与えた。

 

「俺達を忘れちゃ困るぜ!」

 

バババッ!

 

ブッチャーがよろめいた隙にビリーがゼロ距離で弾丸をぶっ放す。

 

「これでも喰らいなさい!」

 

ドガァン!

 

さらにエーテル爆弾の追撃。衝撃でブッチャーの斧が壊れた。

 

「ハァ!」

 

グサァッ!

 

『Gyaaa!!』

 

バリバリバリッ!!

 

ブッチャーが膝をついた隙に、クロウがブッチャーの背中の隙間に杖を突き刺し、至近距離で電撃をお見舞いした。

 

「さらにこれは…」

 

スッ…

 

「差し入れだァッ!!」

 

ボガァァァァン!!

 

『Gyaaaaa!?』

 

ドスン!!

 

杖を抜きブッチャーの背中から降りると、杖の先端で電気の塊を生成。ブッチャーに思いっきりぶつけると、そのままダウンした。

 

「ふぅ…なぁんだ、思ったより大したことないわね」

 

ニコが安堵するが…

 

「いや…まだ終わっちゃいない…」

 

「え?」

 

「…ッ!ニコの親分!あいつ様子が変だぞ!?」

 

突如、ブッチャーの体が紫に光り出すと、背中のコアが露出し、2本の巨大な腕が生えた。

 

 

『Gyaaaaaaaaaaaaa!!』

 

 

「こっからが本番ってかぁ…?ゼロと店長はまだか!?」

 

「敵は疲弊してる!あと少し耐えれば…!」

 

すると猛スピードで近づき、アンビー目掛けて引っ掻き攻撃をしてきた。

 

ズバァ!

 

「ぐっ…!」

 

「アンビー!」

 

「クソ…!」

 

バッ!

 

クロウは杖を構え突撃するが…

 

「フン!」

 

ガシッ!

 

「なっ…!?」

 

背中の腕で杖を掴まれ、そのまま投げ飛ばされた。

 

「ぐぁっ!」

 

ドシィン!

 

「…ッテテ」

 

投げ飛ばされたクロウは何とか立ち上がり杖を拾った。すると…

 

「クロウ!避けろォッ!!」

 

「!?」

 

ビリーの声が聞こえ急いで回避しようとするが…

 

バシィン!

 

ドガァァァァン!!

 

ブッチャーが上空から飛びかかり、その場で衝撃波を出した。

 

「クロウッ!!」

 

ニコがクロウに呼びかけるが、返事はなく、ただデッドエンドブッチャーが突っ立っていた。

 

「チッ…よくもクロウを…!」

 

ビリーは2丁拳銃をブッチャーに構えた瞬間、アンビーが呼び止めた。

 

「待って、クロウの姿が見当たらない!」

 

すると…

 

ヒラッ…

 

「ん?」

 

突如空から黒い何が降ってきた。

 

「これ、カラスの羽か…?」

 

「なんでこんなところに……まさか!?

 

邪兎屋メンバーは一斉に空を見上げた次の瞬間…

 

ズドォォォォン!!

 

『Gyaaa!?』

 

空にいた何かが急降下し、ブッチャーに思いっきりぶつかった。

 

「クロウ!!」

 

それは、背中の羽を展開したクロウだった。

 

「…ハァァ…」

 

クロウは大きく溜息をつくとブッチャーの背中から降りて再度武器を構えた。

 

 

 

 

「吹き飛ばされんなよぉ!!」

 

 

 

 

杖が青白い電気に包まれると、クロウはそれを構えてブッチャー目掛けて突撃した。何百万ボルトもの電撃がブッチャーの体全体に広がると、ブッチャーは思いっきり吹き飛んだ。

 

「おっと…これで終わりじゃねぇ…ゼロ!パエトーン!出番だ!!

 

『まもなく列車が到着いたします!線の内側までお下がりください』

 

突然アナウンスが聞こえると、爆薬を積んだ列車が現れた。列車の上には仁王立ちのイアスと仮面を外したゼロが立っている。

 

「ちゃんと奥までしゃぶれよぉ!!」

 

そう言うとゼロはイアスを抱えて列車から降りた。列車は落下し、ブッチャーにそのまま激突した。

 

『Fairy!仕事だよ!』

 

『はい、空気中の電荷を測定します』

 

「ビリー!ゼロ!」

 

「任せろ!」

 

Let’s fu◯king go!(ぶちかましてやる!)

 

ニコの合図と共にゼロとビリーが爆薬に向かって発泡。さらにアンビーの剣とクロウの杖が突き刺さる。

 

『臨界電位差到達まで残り4秒、3…』

 

「早く」

 

「急げゼロ!」

 

「ああクソッ!スーパーヒーロー着地なんてするんじゃなかった!!」

 

一同は急いで物陰に隠れた。ゼロも膝を抑えながらなんとか隠れた。

 

『…0!』

 

 

 

シィン……

 

 

 

「お、おい、何も起きねぇぞ!?」

 

すると、デッドエンドブッチャーが爆薬を持ち上げ立ち上がった。

 

「おい急げこのポンコツAI!あの野郎起き上がったぞ!!」

 

『やり直します!43210!』

 

2つの落雷が剣と杖に直撃すると…

 

 

 

ボガァァァァン!!

 

 

 

爆薬が爆発し、なんでも屋を幾度も邪魔してきた肉屋は無様に散った…

そしてその場に出来た大きなクレーターを見ながらクロウはこう呟いた。

 

Hasta la vista, baby.(地獄で会おうぜ、ベイビー)

 

 

 

--ヴィジョンの爆破解体本部--

 

「そうか…パールマンはただの操り人形。陰で糸を引いて爆破解体を企てたのは、あんただったんだ!どうして…ヴィジョンにとってこのプロジェクトは、人の命より大事なものだったの!?」

 

「大事かどうか?あなたみたいな小物に尋ねる資格はないわ。無駄話をしすぎたわね。そろそろ本題に入りましょう…」

 

するとサラはスイッチのようなものを取り出した。

 

「それはなんだ!」

 

「この小さなおもちゃ?もちろん、爆薬の起爆スイッチに決まってるじゃない」

 

「そんな、待っ…だめだ!!」

 

「私からも…存在しない住民たちに、お悔やみを申し上げるわ」

 

そう言うとサラはスイッチを押した。

 

「さようなら。すべては私たちのヴィジョンのため…」

 

カチッ

 

 

 

 

 

 

「サラ長官、爆破の完了を確認s「爆薬を起爆した…なんて、その気になってたお前らの姿はお笑いだったぜ!」…何ッ!?」

 

するとトンネルから大勢の人混みが姿を現した。先導を歩いているのは邪兎屋の3人と仮面をつけた2人だ。

 

「ヴィジョンは命を軽んじたわ!ヴィジョンを倒すのよ!」

 

「ヴィジョンの手は血まみれだ!その体の隅々まで、罪なき一般市民の血に塗れているんだ!」

 

「いつまでも私たちの口を封じられると思うな!」

 

「ニコ!それにみんな!」

 

「あら、爆破エリアから抜け出してくるなんて…中々やるじゃない」

 

「絶対無敵の"邪兎屋"と、正義のアウトロー"ネビュラカルテット"、この2組が揃えばどんなピンチも乗り越えられるってわけ…それに、これだけじゃないぜぇ?」

 

すると、遠くからパトカーの音が聞こえた。

 

「速報!速報です!あのヴィジョンに、重大な人命軽視が発覚しました!情報を受け、本局の記者は治安局の部隊の後に続いて、デッドエンドホロウ入口付近の爆破解体本部に駆けつけました!」

 

「マスコミ連中に治安局、それに…」

 

さらに上空からヘリが現れると、そこから出てきたのは白祇重工だった。

 

「ふふん、ヴィジョンが大人しく交渉に応じるわけないと思って、ホロウを出て真っ先に白祇重工に連絡したのよ!さっすが競合他社。行動が早いわね〜」

 

「サラ長官、我々はどうしましょう…?サ、サラ長官?い、いないぞ!?」

 

 

 

「チッ…どさくさに紛れて逃げやがったか…そういうずる賢い所はパールマンそっくりだ…」

 

ゼロがそう言うと…

 

スタッ…スタッ…

 

「失礼します。現在、治安局が事情聴取を行っていますので、ご協力頂けますか?」

 

一人の治安官の女性がメモとペンを持ってゼロに近づいた。

 

「ん?ああ、別に構わな……ッ!!」

 

 

そして、ゼロはお面越しにその女性の姿を見た。

 

黒髪のロングヘアーに赤いメッシュ、ワイシャツをロングパンツにタックインしており、その上から治安局のベストを着ている。

 

彼女のそんな姿を見て、ゼロは思わず小声でこう言った。

 

 

「……朱鳶…先…輩」

 

「…?」

 

「い、いや…別に、気にしないでください…」

 

不審に思った朱鳶に対し、ゼロはそう言った。

 

「そうですか…ところで初対面の相手にこんな質問するのも変ですが…」

 

「?」

 

 

 

「私たち、どこかでお会いしましたか…?」

 

「ッ!」

 

 

 

「す、すみません!その…一年前に辞めてしまった職場の後輩に雰囲気が似ていたもので…」

 

「そ、そう…か…すみません!ちょっと急用思い出してしまって!…お先に失礼します!」

 

「あ!ちょっと!」

 

その場から逃げるように立ち去る般若の男の背中を朱鳶は思わず見届けてしまった。

 

(行ってしまった……しかし、彼の声、どこかで…?)

 

 

 

「ハァ…ハァ…」

 

夜、脚が千切れそうになる勢いでその場から立ち去ったゼロは壁に寄りかかりながらその場に座った。

 

「畜生…また…逃げてしまった…」

 

ゼロの体から汗が噴き出し、呼吸を整えようと深呼吸を繰り返した。

 

(思い出したくもねぇのによ…)

 

そう思った瞬間…

 

「ゼロ!こんなとこにいやがったのか!」

 

「…クロさん」

 

「どうしたんだお前?なんか疲れてるっぽいが…」

 

「別に平気だよ…クロさんこそどうしてここに…?」

 

「お前探してんだよ。事情聴取が終わって、これから飯食いに行こうってニコが…」

 

「ハァ…金ないくせに…」

 

「それにオレ達も誘われたんだが、気づいたらお前がいなくなってたからよ…」

 

「それで探してたってことですか…」

 

「ああ…どうだ?行くか?」

 

そう言うとクロウは座り込んでるゼロに手を差し出す。

 

「…たらふく食っていいんだよな?」

 

「ああ、ぶっ倒れるまで食おうぜ!」

 

「…ノッタ!」

 

ガシッ!

 

ゼロはクロウの手を掴み立ち上がった。

 

 

 

 

 

…半年前にこの男に拾われ、オレはネビュラカルテットに入った。

 

けど、不審に思う点がいくつかある…

 

なぜホロウ外でも連絡が取れるパエトーンのH.D.D.システムに似たものを持っているのか…

 

クロさんはパエトーンと一体どういう関係なのか…

 

そもそもネビュラカルテットはどういう目的で結成されたのか…

 

…けどまぁ、今はそんなことどうだっていいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

…いつしか猫又みたいに…オレも、過去と向き合う日が来るのかな…

 

 

「…朱鳶先輩」

 

 

Chapter01 完

 

 

 

 




書いてたら日跨いでた…
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