ネビュラ・カルテット 作:KQ
--デッドエンドホロウ--
「は、初めまして、調査員様!カリン、ただ今電車をくぐり抜けて参りました!」
チェンソーを使いやってきたカリンは一同に深々とお辞儀した。
「…こりゃまた随分物騒なのが来たな」
「クロさんどうする?こんな危ない子連れてきちゃって大丈夫?」
「えっ…?先ほどからお話しされていただいたのは、こちらのボンプ様だったのですか…?あわわ、すみません!ボンプ様のご身分を疑っているわけではなくて…」
『…本当に、ただの家事代行会社?』
「すみません、その…弊社は幅広い分野でビジネスを展開していまして、中にはホロウ関連の業務もあるんです…」
「あーなるほど…けど、そんな小さい体でよくチェンソーなんか使えるな…」
「そうだ!調査員様は先をお急ぎなんですよね?き、きっと道中お役に立ちますので、どうか私をホロウから連れ出してください!お、お願いします!」
「いいぜチェンソーウーマン。戦えるヤツが増えるだけで道中楽になるからな」
『けど、あんまり詮索しないようにね!』
「はっ、はい!」
「よし、それじゃあ先を急ごう!」
「死ねこのクソッタレッ!!」
道中邪魔してくるエーテリアスを3人は次々と倒していった。
「にゃーっ!」
猫又は小刀を扱いながら素早い動きでエーテリアスを斬り刻んでいく。カリンはチェンソーでエーテリアスを斬りさき、
一方のゼロは右手に青龍刀、左手にデザートイーグルを装備し、次々とエーテリアスを倒していく。
(すごい…普段はお喋りで威厳も風格も感じられないのに、戦いになると一切容赦がない…これがハンニャカーメン…!赤牙組が警戒する理由が分かった気がするぞ…)
猫又はエーテリアスと戦いながら、ゼロの戦い方を見てそう思った。すると…
「右失礼!!」
「うにゃっ!?」
バァン!
『Gya…!』
ゼロが突然猫又の方に銃口を向けて引き金を引いた。弾丸は猫又の横を通り過ぎ、後ろにいたエーテリアスのコアに命中した。
「危なかったね」
「ハァ…もう少しで当たるところだったにゃ…」
「………」
「あー、その…詮索なしって言ったけど黙れとは言ってないからな?」
カリンがずっと黙っているのに気づいたゼロはそう言った。
「そ、そうだったのですか?すみません、勘違いしていました…!」
「いいって…家事代行会社っつってたよな?会社のみんなもカリンちゃんみたいな感じ?」
「えっ?わ、私なんかより、よっぽど凄い人たちばかりです!」
「チェーンソーメイドより…?ちょっと想像できないぞ…」
そんなこんなで進んでいくと…
『注意。半径百メートル以内にホロウの出口を確認。旅のお供、家事代行会社の従業員:カリンの依頼を達成可能』
「ん?パエトーン、何か言ったか?」
『カリン、出口の近くに着いたよ。そっから出れば大丈夫』
「ほ、本当ですか?出口が見つかったんですね?よ、よかった…!あの…本当に、ありがとうございました!調査員様のお力がなければ、カリンはきっとこのホロウを永遠に彷徨っていました!」
「いやぁ、もうカリンちゃんのおかげでスムーズに行けたよ!礼を言いたいのはこっちだ」
「その…ボ、ボンプのホロウ調査員様には初めてお会いしました!よ、よろしければ、お二人の名前も教えていただけませんか?今後、従業員一同でお礼に伺いたいんです!」
『気にしないで!ホロウでは持ちつ持たれつ、でしょ?機会があったらまた会おう。元気でね、カリン!』
「バイバイ、カリンちゃん!」
「バイバ〜イ♡」
そうしてカリンは3人の背中に向かって、深々とお辞儀をしてホロウを出ていった。
『あとは列車の到着を待つだけだね』
「ふぅ…さぁて、爆薬を乗せた無人電車が来るぞぉ!」
爆薬を積んだヴィジョンの電車が減速し始めた。
「来た!ゼロ、猫又、注意しろよ!」
「オッケー!」
ゼロはエンペラーを、猫又はイアスを抱えて移動し始めた。
『マスター、間もなく列車が予定地点を通過します。依頼人共々、行動できるよう準備してください』
「プロキシ、今だ!」
すると猫又はイアスを列車の上に向かって投げた。
トスン!
『気をつけてください、マスター。お尻を列車のルーフにしたたかに打ちました』
『この体、思ってたより不便だなぁ…手が短すぎ!』
イアスはメンテナンスハッチを開け、運転室に侵入した。
「ちっ、面倒くせぇな。任務とはいえ、こんな格好しなきゃならんとは…」
「少しは我慢しろよ、俺だって靴が合わなくて辛いんだ…」
「おい、列車がルートを外れてると隊長が言ってるぞ!どういうことだ!?」
なんと列車の中には爆薬だけでなく、治安官の格好をした人たちもいた。
バリィッ!!
「な、何者だ!?」
「ぐあぁイッテェ……スターライトナイトだ」
「え?」
「せやっ!」
バシッ!
「ぐわぁ!」
窓から侵入したゼロに気を取られているうちに、猫又が攻撃した。
「な、何っ!?うわぁっ!」
「こっちだ!ここはあたしに任せて、先に戻って!キャロットがあるから大丈夫、後でお店に行く!」
すると猫又はイアスを抱き抱え、窓から放り投げた。
「…やっぱ何かしら隠してることがありそうだなぁ、子猫ちゃん?」
「………」
「まぁいいや。細かいことは後で聞くからさ、今はコイツらぶっ飛ばそうぜ?」
「!りょーかい!」
--六分街 ビデオ屋『Random play』--
「無事でよかった、おかえり。リンは休んでて。僕が後でイアスの状態をチェックしておくよ」
あの後列車から放り投げられたイアスは、無事ホロウを出ることが出来た。
「爆破の件はどうなったの?」
「さっきニュースで言ってたんだけど、ヴィジョンは爆破解体を『技術的な要因』で明日の夜まで遅らせるそうだ。猫又とゼロから連絡はまだないけれど、焦る必要はないだろう。何しろ、列車を止めることはできなかったけど、せめてもの時間稼ぎになった」
ガチャッ
「そうだな…とりあえず一息つけれるぜ…」
「クロウさん!」
2人が話していると突如扉が開き、クロウが中に入った。
「さっきゼロから連絡が入った。列車に乗ってたヤツらを倒し終わって、猫又と今ここに向かってるらしい」
「ってことは、二人共無事なんだね?よかったぁ…」
「でも、何かおかしい…ヴィジョンは列車がルートを外れたことに気が付いていたのに、それをメディアには口外しなかった…何よりも怪しいのは、爆薬を積んだ無人電車と言っておきながら、実際には完全武装の兵士を何人も乗せていたことだ」
「でもアイツら、治安官の身なりしてたくせに"靴が合わない"とか言ってたよな?…となると、治安局の人間じゃないんじゃないか?」
「ああ…それに、猫又はまだ何かを隠している気がする。戻ってきたら、徹底的に問いたださないと…」
すると…
ガチャッ
「…噂をすれば何とやら、だな」
扉が開き、今度はゼロと猫又が入ってきた。ゼロは脇にエンペラーを抱えている。
「よう。やっぱコイツ、オレちゃん達に隠し事してるっぽいぞ?」
「うぅ…」
「全部話してもらおうか…治安官に偽装していたヤツらが乗っていたにも関わらず最初から知ってたような反応だったよな?」
「…猫又、君と邪兎屋は一体、どんな面倒事に巻き込まれているんだ?」
「正直に言って。私たちのこと、こっそり嵌めようとしてない?」
「あたし…そ、その…」
クロウとリン、アキラは猫又に詰め寄るが、そこに待ったをかけたのはゼロだった。
「ハイハイストップ、詰問と変わらないって…ったく」
そういうと猫又の前に現れ、視線を合わせてこう言った。
「アンタは人助けがしたい、そうだろ?」
「!」
ゼロの質問に、猫又はハッと驚いた表情をした。
「人助け?でもそんなこと、今まで一度も言わなかったよね?」
「怒りたいのは分かるけど待てって…クロさん、最初にカルテットに来た依頼、覚えてる?」
「あ?…確か、カンパス通りにいる夫を助けてほしいって依頼だったな」
「そう…カンパス通りは爆破エリア、そこに人がいるなんて絶対におかしい…しかもそれを聞いた時、猫又の表情が明らかに変わった…」
「…まさか!?」
「そう…邪兎屋やその夫以外にも、爆破エリアにはまだ人が大勢いる」
「ゼロ、僕達は今真剣なんだ。君の探偵ごっこに付き合ってる暇はない」
「……あーもう!じゃあこうしよう!猫又、アンタのボンプなら色々記録してるだろ?それ見てもらえ!そんでこの分からず屋二人にも説明しろ!」
「そ、そうだ!それを見ればきっと分かってくれる!」
久しぶりに生きたなぁ…オレちゃんの勘。
治安官時代もこの勘のおかげで幾つもの事件を解決できたからなぁ…
にしてもオレちゃん信用されて無さ過ぎじゃね?
今朝やっとニネヴェ倒しました
スマホでやってるもんだから動作が重くて…