TS転生後の静かな高校生活は愛が重い子たちに囲まれておしまい!   作:あずももも

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45話 黒木さんはブラックツリーちゃんだった

「ふんふーんっ」

 

僕は反省した。

 

白鳥さんみたいな良い子には手を出しちゃいけないって。

 

ああいう子は近くで眺めてるのが最高なんだって。

 

なら、僕にガチ恋してくれてるタイプの子なら――僕に依存度高くなってる子相手なら、後腐れなくって良いんじゃないかって。

 

『何故こうも馬鹿は行動力だけはあるのか』

 

今日はね、そのうちの1人。

 

配信では新入りさんだけど、熱心にコメント送ってくれて、かつ、明らかに僕にお熱で、かつ、あっちにも下心ありそうな子をチョイスしたんだ。

 

ブラックツリーちゃんって言うんだって。

 

楽しみだね。

 

『馬鹿は死んでも治らないか』

 

え?

 

なんかこの名前とかコメントの雰囲気、黒木さんに似てるって?

 

いやいや、よく考えてみようよ。

 

3人連続で知り合いに当たるとか、確率的にあり得ないでしょ?

 

僕だって学習するよ?

 

『………………………………』

 

それに、この子は違うんだ。

 

最初からお泊まりばっちこいっていうノリノリな子なんだ。

 

えっちな質問にもちゃんと答えてくれたし?

 

これで「部屋には上げたけどそんなつもりなかったの」っていう女の子のずるい反論は受け付けない。

 

つまり僕は、今日こそ女の子を楽しむんだ。

 

るんるん。

 

ああ楽しみ。

 

どんな子なんだろうね。

 

メガネっ娘らしいことは聞き出してるし、低身長らしいし……だぶだぶな服着てもらったままってのがぐへへへへへ。

 

普段はしないけど興味あるって言ってたし、いろいろ持ってっていろいろ教えたげてぐへへへへへ。

 

「じゅるっ」

 

あ、いけないいけない、思わずよだれが。

 

『……こんな目的のために、肝心の腹を守る相方は不在……せめて首は死守せねば』

 

お泊まりってことは服脱ぐ訳だし、だから矯正下着さんはお留守番。

 

あー、何気にあれ、おなかのお肉を制限してくれてたんだなって。

 

さーて、近くまで来たから連絡っと。

 

「……あれ?」

 

なんかこの辺、つい最近に来たことあるような?

 

 

 

 

「………………………………」

 

「お、お姉さん……わたしを、食べて?」

 

来たことあったわ。

 

思いっ切り堪能したお部屋だったわ。

 

……黒木さんのお部屋だったわ。

 

なぁんでぇ……?

 

「わ、わたし、お姉さん……とっ、ぎ、銀藤さんに助けられてて……でも、わたし、何もできないし……」

 

――ピンポンしたときから嫌な予感はしてた。

 

ばちばちしてた。

 

けど、「偶然に同じマンションの同じフロアの別のお宅」って可能性がまだかすかに残ってたから突撃しちゃったんだ。

 

……思わないじゃん!!

 

黒木さんだったなんて!!

 

ありえないじゃん!!!

 

こんなの絶対おかしいよ!!

 

「だ、だから……は、恥ずかしかったけど、お、お姉さんは……お、女の子が好き……で……だから……め、メガネしてなければそれなりってお母さんに言われるし、わたしの体でって……」

 

この前はぐったりしてたベッドの上で、この前はパジャマだった彼女。

 

今日は――ああそうだった、「最初は普段着てる制服でが良いな、その方が興奮できるから」って言ったからだ僕のバカ――制服姿で横になって、スカートをちらりとめくろうとしている。

 

普段はぷるぷる震えてるだけのジャンガリアンハムスターが、真っ赤な顔して自分からスカートめくろうとしている。

 

「いやいや……いやいや」

 

あ、ふとももほっそーい……この子、体格からして小動物だからなぁ……。

 

「お、お姉さんがDMで言ってきた、プ、プレイ……とか、がんばります……」

 

うん、言っちゃったよ……白鳥さんみたいな悲劇生まないように、そこそこ突っ込んだ話して、それでも良い子って思ってたから言っちゃったよ。

 

「い、言ってたこと、全然分からなかった……けど、調べながらお返事、してました……あぅ」

 

……こんな庇護対象でちっちゃいジャンガリアンハムスターに、あんなえっちな妄想とか叩きつけちゃったよ……!

 

ごらんよ、顔真っ赤だよ。

 

僕の中の狼さんが「ごちそうだ」ってよだれだくだくだよ。

 

「……さ、触ってこない、んですか……あ、そ、それとも、わたしが脱ぐのを見たいって言ってたから……」

 

スカートはどうしても恥ずかしかったらしく、先に上着を崩してシャツをスカートからゆっくり出して、ボタンをぷちっぷちっと外して――。

 

「――ちょ、ちょっとタンマ! 一旦休憩!!」

 

「え」

 

「ほ、ほら! うん! その様子見ると初めてみたいだし!?」

「は、はい……付き合った人なんて、今まで誰も……」

 

「だからね! そんな黒――ブラックツリーちゃんには、そう! もっとムードのある感じにしてからラブラブって感じでしたいなぁって今思ってる!! うん!!!」

 

「……そ、そう……ですか……」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

中途半端に着崩れてそれがまた恥ずかしがり屋さんが僕のために脱いでくれるっていう劣情をかき立ていやいや心頭滅却煩悩退散輪廻転生『阿呆は死んでも変わらない』。

 

「……わ、かり……ました……」

 

もそもそとボタンを付け直し始める彼女。

 

……ふぅ……危なかった。

 

このままじゃ僕、おとなしい地味系メガネっ娘に「助けた代わりにひと晩抱かせてよ」とかクズみたいな要求する男になっちゃうところだったんだもん。

 

『違うのか?』

 

違うよ?

 

僕はあくまでお互い合意の上なのが良いんだ。

 

純愛が好きなんだ。

 

あと、やっぱリアルの――しかも高校で1番接してる時間の長い黒木さんとそういう仲になっちゃうと困るっていうか、それは違うっていうか。

 

「……あ」

 

何か思いついた顔をした彼女が――ああそうだったメガネ外してるんだね小動物系の美少女ロリっ子で大変にかわいいね。

 

「……先に、わたしがお姉さんにご奉仕すれば」

 

「しなくていいからさっさと服着ようね! うん!」

 

やっば。

 

僕、調子乗ってえっちな質問するとき、知らなさそうなことを僕好みの解説叩き込んじゃったよ……しかもそれを調べたとか健気すぎる……こんな子に僕はなんてことを。

 

……けどさ?

 

ひとつだけ良い?

 

こればっかりは僕のせいじゃないからね!?

 

『???』

 

学校で1回もそういう系統の話したこともなかったし、感想言い合う小説とかでもお色気シーンとかはわざと話さないから、そういうの苦手なんだって思ってた子がさぁ!?

 

DMでえっちな質問にもかなりノリノリで返してきてた子と同一人物とは思うわけないでしょ!?

 

そうだよ、「あ、この子はヤれるな」って僕の本能がささやくレベルだったんだもん!

 

僕は悪くない。

 

少なくとも、今日ここに来るまではなんにも悪くない。

 

「……お、お風呂も沸かして……」

「いやー! 親御さんに迷惑かける前に」

 

「……お願いして、今日、帰って来ないように……」

 

「えっ」

 

え?

 

「交通事故、から、助けてくれた人だから……って言ったら……あ、あと、友達……の、お姉さんでもあるから……って、説得して……」

 

「えっ」

 

………………………………え?

 

何この子……覚悟決まりすぎじゃない……?

 

黒木さん……ビン底メガネと生き別れて覚醒してるの……?

 

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