TS転生後の静かな高校生活は愛が重い子たちに囲まれておしまい!   作:あずももも

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57話 楽しいデート(死へのカウントダウン)1

「あれっ?」

 

「おはよう、白げふんげふんシーニュちゃん」

 

「……前に会ったとき名乗ったから普通に白鳥でいいですけど……ごめんなさい、私、遅かったでしょうか」

 

「ううん、まだ30分前だし全然?」

 

「……アキノちゃんさん……じゃない、お姉さんは」

「1時間くらい前かな? ああ、いつものことだから気にしないで」

 

待ち合わせした駅前。

 

休日の朝とあって普段に比べると人は少ないけども、代わりに僕みたいに遊ぶ格好になった人がそこそこ居て、僕みたいに彼氏彼女を待っている。

 

「……女の子に、慣れていますものね」

「うん、レディーのエスコートだからね」

 

じとっと見上げてくる彼女を、さらっといなす。

 

「女の子を食い散らかしている、悪ーいお姉さんですからね」

「恋多き乙女だからね」

 

じとーっと見続けてくるから、さりげなく周囲の観察だ。

 

けども、ああかわいい。

 

これが学校トップ層の美少女度。

 

明るいストレートな髪を綺麗に撫でつけ、アクセントにリボンを巻いて。

 

リボンも派手だけど、それは顔も髪色も胸もおしりも派手な彼女を演出する程度のイヤミじゃないチョイス。

 

服は、何と清楚なイメージ通りに白系統のワンピース。

 

……何この子……自分のかわいさを熟知してる……お持ち帰りしたい欲よりも愛でたい欲が優る……!

 

「けど、1時間って」

 

「ん、大丈夫。 普通に本とか読んでたし。 ほら、休日だけどさ、電車とか遅れることってあるじゃん? 念のためだよ、念のため」

 

実際、黒木さんおすすめの小説とか読んでたし。

 

おすすめされた以上には読んで感想言わないとね。

あの子たちのコミュニケーションは奥ゆかしいんだ。

 

「……もう、そういうところはマジメなんだから……」

 

そうそう、箸休めで同じように誰かを待ってる女の子たちに声かけて連絡先いくつかゲットできたから普通に楽しかったし、僕は得しかしてないもんね。

 

『先輩先輩、こいつ、デート待ちでカレシいる別の娘とのデートの予約とかしてたんスけど』

 

『節操なしだからな』

『慣れろ、これの内面は淫蕩ぞ』

『えぇ……信じられないッス……』

 

「けど、びっくりしちゃった。 だってお姉さん、すごくかっこいいんだもん」

 

「そう? ありがと」

「っ…………ずるい」

 

ぷいっと目を逸らす白鳥さんがかわいい。

 

ふむふむ、どうやらかっこいい系ってのはこの子の趣味にも合ったみたいだね。

 

この子は……まぁノーマル、つまりは恋人作るなら彼氏だろうし、だからこそ今回のかっこいい系は効くかなって思ってたけど問題なさそう。

 

マジメ系統だけどやんちゃ成分が少し加わっている感じの服装だからね。

 

あ、もちろん下はパンツ――ズボンだよ。

 

だって今日の僕は紳士だから。

 

「じゃ、行こうか。 お手を、お姫様?」

 

「~~~~そういうのはダメですからっ!」

 

うんうん、この子は純真な女の子、だからこういうのに弱いのは――もう真っ赤になってる顔からも明らかだ。

 

けど、いじけたようにしながらも手を取ってくれたなにこのかわいいいきもの。

 

 

 

 

「あ、白鳥さん」

「優花」

「えっと」

「優花」

 

「……うん、じゃあ優花」

「っ! ……は、はい……」

 

なにこのかわいいいきもの。

 

「優花ちゃんって、女の子同士とか理解ある方?」

 

「うぇっ、いきなり!? ……言ったじゃないですか……その……」

「え? なんだって?」

 

もにょもにょと聞き取れない返事が来る。

 

けどもニュアンス的にはOKだね。

 

あ、そういやこの前学校で何か言ってたね……「銀藤さん」の方にだけども。

 

「け、けど、せめてもっと雰囲気ある場所で……」

 

女の子っていうのは、ときにはこうして明確には返事を返してくれないもの。

 

「……あの2人を裏切っちゃうけど……でも、しょうがないよね……」

 

あとで「無理やりだった!!」ってこともあるけども、そこはしょうがない。

 

女の子相手だからね、気分で全部変わっちゃうからこそかわいいんだ。

 

そのあともずっと、後腐れなくなるくらいまで良い気分にさせ続けて良い思い出にさせれば問題はないんだ。

 

「すみません、僕たち、この……」

「そっ、そうよ! 黒木さんの貸してくれたマンガだって、ヒロインとか……」

 

「カップルプランですね! はい、どうぞ!」

「だって。 入ろ、優花ちゃん」

 

「はい。 ……はい……?」

 

下を向いてずっとぶつぶつと、たぶん自分への言い訳をしてただろう彼女の手を引いて入ったのは――。

 

「……わぁっ! ここ、予約が取れないって!」

「うん、たまたま今日取れたからね」

 

有名なスイーツのお店での、スイーツとか楽しむスペース。

 

いろんなコースがあって、でも基本的にはお茶とスイーツとかを何種類か、おしゃべりしながら味わうものらしい。

 

「……アキノちゃんさん、だから取れたんですか?」

「あ、これは本当に偶然。 権力とか案件とか使ってないから安心して」

 

コネは使ったけどね。

 

ほら、店長さんの。

あの人、顔が広いから。

 

「デートを3件も1日で!? ……もうっ! ちょっと待っていなさい、安全なところを……!」って、すぐに取ってくれたんだ。

 

何が安全なのかさっぱりだけども、たぶんあれだね。

僕が送り狼にならないって意味での安全なんだ。

 

ほら、ホテルのランチとかだとさ、そのまま上の階の部屋に連れ込みそうだし?

 

僕はしないって決めてるけども、店長さんは信じてくれなかったからなぁ。

 

「はぁー……ネットで見て取ろうかなって思ったら、予約が早くて3ヶ月待ちだったのに……」

 

ぽーっとした顔でメニューを見ている彼女。

 

「カップルプランで入ったけど、いいよね?」

「ふぇっ!? か、カップル!?」

 

「うん、それにするとお値段据え置きで種類増えるんだ。 ま、女の子同士でも母娘でも良いんだけどね」

 

「……あ、そ、そういうこと……」

 

どうしたんだろこの子……今日来てからずっと顔紅いけど。

 

カゼ?

 

『………………………………』

『先輩、これが女の敵ッスか』

『左様』

 

「よーし。 ……すみませーん、このコースでお願いしまーす」

 

「……え? あの、そのコース、お値段が」

「いいのいいの、僕がおごるから」

 

「で、でもっ!」

「――優花ちゃん」

 

僕は――2人席のテーブルの対面に座って、メニュー表の金額見てびっくりしている彼女へ――腰を浮かせて中腰になり、ぐっと顔を近づける。

 

「ふぇっ!?」

 

彼女の――うわ、目の色素まで薄いんだ、あ、まつげも――おっとり系美人な顔を、きめの細かいお肌まで見える距離まで近づいて。

 

「僕が、君に、おごりたいんだ。 ……ダメ、かな?」

 

「……ふぁい……」

 

よしよし、了解は取った。

 

お姫様扱いされて嬉しくない女の子なんて居ないからね。

 

「紅茶も飲み放題だから、いろんなの飲もうね」

「ふぁい……」

 

「まぁお昼前だから、スイーツはおかわりはしない方が良いけどね」

「ふぁい……」

 

ふむふむ。

 

お店の雰囲気は入り口から綺麗で内装はもっと豪華。

 

メニューの内容も女の子が満足するものだし、働いてる人たちの教育もばっちり、あとみんなかわいい。

 

ふんふん。

 

ここ、今度から毎月くらいで取っといて、女の子誘い込むのに使おっと。

 

『邪悪ッス』

『目の前の女子をこの顔にさせておいて』

『腹の中では次の獲物か……』

 

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