【完結】悪夢的異世界転生レビュアー   作:サイデリア

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11 ティンダロスの猟犬

 ……ここまでが、転生してから今日までの私です。

 私は陛下直属の隠密機動部隊「ティンダロス」の新人隊員として、セキシスの部下となりました。あの屋敷での一件から、もう一年近く経っています。

 入隊と同時に宙ぶらりんだった戸籍も正式に取得。帝国臣民として「クェル」のファミリーネームを得ました。

 

 12歳になった私ってば、自分でもどうかと思うぐらい綺麗になってしまいました。

 身長がちょっと……いえ、正直かなり物足りませんが、その分胸のサイズがだいぶ規格外に成長。片側だけで3キロ近い、H寄りのGカップにまで達しました。

 確かに服には困っているし、下着も自作しないといけません。んが! 実は前世の性的趣向を引きずっている私です。自分でも見惚れる身体を着せ替え人形感覚で好き勝手できるのは、背徳的な悦楽と言えましょう。ビバ、ロリ巨乳。

 諜報員としてもハニートラップとか覚えて、評価は鰻登り。直属の上司にしてパートナーであるセキシスを差し置いて、すっかり部隊の超新星です。

 

 ま、本業はセキシスとエルドリッジドリームワークスの方ですがね。

 

 セキシスから逃げようとしたり、示されたシナリオと著しく乖離する行動を取れば、即刻暗黒空間に閉じ込められてオシオキされます。それはそれで楽しいのですが、通算720回も捕まっているのでそろそろマンネリ化しています。

 

 セキシスも神や悪魔を自称するだけあって、暗黒空間にいると外での時間が経過しません。あれは時空間を超越した異能です。

 例えセキシスが近くにいなくても、逃げると同時に真っ暗闇に落とされます。

 プライベートも皆無で、以前に激しい独り遊びに興じていたら有無を言わさず暗黒空間に放り込まれました。監視に抜かりはないのです。

 

 現状、彼女からの指示はティンダロスの一員として実績を積むこと。その先でどうするのか、何を目指すのかは、黙して語らずでした。

 私の立ち位置からでは、完成するゲームのジャンルが恋愛ゲームなのか、アクションゲームなのか、はたまウォーシミュレーションなのかも見えていないのです。

 

 こうなってくると素直に従うのがお利口さんだと思えてきますが、それは断じて否。

 だってですよ? エルドリッジのシナリオ、引いてはゲームデザインに従うってことは……私の人生がクソゲー化するってことじゃねーですかぁぁっ!!

 

 冗談じゃない! 冗談じゃないッ!!

 絵柄が古い! センスが壊れてる! 流行を掴めていない! 生産性の欠片もない!! エンターテイメントをナメるな!!

 これまで浴びせてきた罵詈雑言を、他でもない私が! 受けるなど! ガマンなりませんッッッ!!

 

 だから、何がなんでも私はエルドリッジの策略を突破し、同じクソでも堆肥となって美しい花を咲かせる土壌となるべく反逆するのです!

 

 でも手立てなんて全然ないし、バカ正直に脱走を企てても無意味ですから、アプローチを変える必要を感じているのも事実。

 なので今は、隣で無防備に眠るセキシスの、瑞々しく張り出す美味しそうなヒップを揉みしたくことで意趣返しとしましょう。

 

 ……おおっ! 厚手のレオタードと網タイツを隔ててなお、なんという弾力! 大きいけど引き締まっているので、低反発クッションのように包みこんでくるじゃないですか!!

 

「これに顔を踏まれて死ねるなら、地獄に堕ちても――あ」

 

 なんて言ってたら目の前が真っ暗に。

 と同時に、全身が全方向から、柔らかくてものすごい弾力を持った物体で押し潰されます!

 

「そうですの。じゃー望み通りに圧迫してさしあげますのっ!」

 

 おごごごごっ!? や、ヤバイ!! 顔に張り付いた高反発物質が鼻と口を同時に塞いできます!

 極上の触感は天にも昇る寝心地で……もしかして私! セキシスのお尻に包まれてるぅ!?

 

「んなわけねーですのッ、この変態が!!」

「んげぼろ」

 

 内臓が口から逆流しかねない圧迫感により、私は意識を手放したのでした。おやすみなさ……ガクッ。




続きは12/15 8:00ごろに投稿予定
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