第22話
:視点:工藤新一:
俺はあの時経験したことを二度と忘れないし、誰にもそれこそ家族にすらあの時起きた出来事を語るつもりもねぇ、高校生になって、色んな殺人事件に遭遇したけど、あれほど冷たくて冷酷な犯人、いや狂気すら感じる歪んだ愛を持った存在に出会うことはないのだろうと思う。
あれは蘭の親父と母親が別居してすぐの頃だった、あの日の俺は蘭と変な口調をしている天照って言う日本神話の神様の名前を持った女の子と公園で遊んで居た時だ、まだ日も明るい昼頃ぐらいの時間帯だったのに、急に辺りが暗くなっていって、幼いながらも何か異常なことが起きているって、言う考えはあったから急いで蘭と天照って奴に声をかけようとしたところで、心から凍えるほどの冷酷で、狂気と愛情が混ざり合った視線を感じ、あの時の俺は震える身体で振り返ると、そこには蒼く染まった髪をし、瞳は暗く淀んだ水色しているが、その奥から感じる人間を愛し人間を素材としか見ていない視線を宿し、服装は青白いハーフジャケットに水色のハーフワンピースを着用し、足には白いハイソックスに黒いハイヒールを履いている、凡そ成人女性くらいの人の形をした、腐敗しきった邪悪な者が俺達を見下ろしながら冷たい笑みを浮かべて居た。
「あら、あら、なかなかの品質をした
とその蒼髪の女は俺達を特に蘭に対してそう告げながら、手を掲げると暗く濁った霧のような弾丸が蘭へと発射された瞬間、俺は本能的な部分に確信した、あれが蘭の身体に触れたら永遠に後悔の日々を送ることになると思い、普段では考えられない反射にて蘭の手を掴んで、俺の方へと引っ張ることで暗く濁った霧状の弾丸を躱させると、傍にいたはずの天照がそいつに向かって両足跳び蹴りをお見舞いしするが、蒼髪の女は余裕そうな笑みを浮かべながら片手で防ぎ、体格からは考えられないほどの速度にて天照を吹き飛ばして、俺と蘭が居る方へとゆったりと、綺麗に歩いて来る。
俺は初めて経験したんだ、どこまでも暗く冷酷で、心の底から嫌悪感を抱く、陰湿な愛情を宿した悪意って奴を知ったんだ、だから俺はここに居たらやばいという本能的な直観に理解して、ここから逃げようと蘭に声をかけるが、一向に反応も声もなくて、どうしたんだよって蘭の様子を確認したら、俺は信じられないものを見た、蘭の右腕と右頬辺りが暗く濁って荒れていく肌を見て、俺は慌てて蘭に揺すって起こそうとするが、魘されるように苦しそうに表情を浮かべるだけで、一向に目覚めることは無かった。
「起きてくれ蘭!?何で意識が目覚めない、それにこの黒い頬と腕は一体なんで、こんなの可笑しいだろ、だってこれじゃあまるで、オカルト本みたいな展開が有り得るか!?」
あの時は本当に何が起きているのか、自身が信じる科学的常識な世界ではありえない現象に、思考が追い付かずただただ、一向に目覚めない蘭を呼びかけ続けていると、凄い衝撃音が響き振り向くと、住宅の石塀が破壊され、そこに血だらけで倒れ伏す天照の姿を見て、俺は蒼髪の女の方を振り向いた、今思えば振り返らずに居れば、この世の裏に漠然と存在する者を認識しないで済んだだろうか。
「あら、人間の子供にしては強いなと不思議でしたが、どうやら自身の権能を封じて、子供の姿に扮した神様だったようですね、魂の質量からして本来の力ならば私など、すぐに倒せたでしょうに、邪魔が入る前にあの可愛らしい子供を手に入れないとね♪」
と蒼髪の女はそう呟きながら、陰湿な愛情を宿した狂い無き瞳と笑みを浮かべ、俺と蘭の元へとゆったりと優雅に歩き迫って来る光景に、俺は意識が目覚めない蘭を守る為に、地面にある土や小石などを投げて抵抗するが、蒼髪の女はそんな抵抗する姿を見て、嘲笑を含めた愉悦的笑みをより深く浮かべると、一瞬で姿が暗く染まって地面へと消えて行くと言う、超常的な光景を目撃し、思わず腰が引けて倒れた瞬間だった、先程まで自身の頭が存在していた高さに強烈な疾風が通り過ぎ、何が起きたのかと後ろを振り向いて確認した時、俺はその光景を見て絶望の淵に叩きのめされた、何せ俺の頭上を通っていた疾風が、いとも簡単に横一線に切り裂かれて崩壊していく住宅群の光景だったのだから。
俺はその時に自身の科学的常識観は砕け散ったのを確信した、親父や学校で学んできた科学的根拠による常識が、どれだけ不変として存在する真実を見ずに語った嘘であり、この世の現実は人間が考える小説などよりも奇なりな世界だと言う現実を、幼いながらも脳の隅々にまで理解して、今からこの蒼髪の女により振り下ろされる死神の鎌にて失われる小さな命だと言うことも。だが傷だらけの天照が蒼髪の女の横顔を殴り飛ばしてから、俺の方へと振り向き。
「に、逃げるんじゃぁ新一くん!早く蘭ちゃんを連れて、出来るだけ遠くへ!童が時間を稼ぐ!」
と天照が大声で蘭を連れて逃げろっと言う叫びに、俺はその言葉に無意識で今なら逃げられるじゃないかと言う水上の希望に縋って、意識が目覚めない蘭を背負って、走って逃げる、天照がどうなったのかは分からない、だけど俺達が居たら邪魔になるのだと言うことだけは理解できた、だから振り向かず夜のように辺りが暗くなった無人の米花町を限界になるまで走り続けていると。
「ウワァ、見ツケタ見ツケタ、標的、捕マエテ、竜胆様ニ、モッテイク」
と身の毛がよだつ穢れた声が住居の屋根から聞こえて来たので、俺は自然とそちらも視線を向けた瞬間、俺は余りにも生命に対する冒涜的で不気味な姿をした化け物を見たことで、言い知れない吐き気を覚えながらも釘付けになる。そいつの姿は暗く紫色に変色した肌をし、胴体は蒼黒いドレスを着た人間の女性になっていたが、左右の肩辺りから異様に長い黒い指をした八つの腕が生えており、下半身に当たる部位からは巨大なムカデのようになっており、そして頭は黒色の長い髪であるが、その容姿はどことなく幼い少女ぐらいの顔をしているが、肌は腐り変色し、辺りには腐敗した死体臭がしていたと思う。
そんなムカデと人間の少女が組み合わさって出来た化け物が、俺と蘭を追って来たのだと理解し、疲れ切った足で一生懸命逃げ続けるが、体格差でも移動速度でも負けている幼い子供の足で逃げ切れる訳でもなく、もうすぐ傍までムカデ女の顔と手が見えたところで、俺は怯えて目を瞑った瞬間、大きな打撃音とムカデ女が痛みでのたうち回っている光景が目に入ったんだ。一体何が起きたのかって思ったら、渋い老人の声が聞こえて、振り返ったら苦労人気質な顔だちでありながら、どこから自信と野性味に満ちた和服姿の老人が、俺と蘭を守るようにして、ムカデ女前に立ち塞がっていたんだ。
「何やら変な結界に閉ざされた場所があったので来てみたら、ムカデのような女に襲われる子供、うーむとりあえず助けてから考えるとするかのう」
俺はその自信に満ちた後姿を見てこう思ったのさ、俺と蘭を救ってくれるヒーローがやって来たってな。
と言ったところでここまです。
とりあえず今の状況を分かりやすく表示するとですね。謎の女に襲われて、蘭が意識不明で、弱体化している天照が新一と蘭を逃がす為に頑張って戦い。謎の女の仲間らしきムカデ女に追われてあと少しで捕まるところで、乱入者が新一と蘭を助けるところまで進めましたが、一体どうなるんでしょうね。
蘭は意識不明の為この件に関して覚えません。
新一はこの事件をきっかけに、この世には常識で測れないものが存在すると察します。
とまぁこんな感じにて進めていきます。ちなみに園子の思い出話での新一と蘭の態度に対する矛盾は起きないと思います、だって別に新一は園子の話を嘘だと思っていません、ただ変な推理した園子に呆れていただけですし、そもそも蘭はこの件について覚えてないのでね。
風見裕也はどんな警察になる?。ルート選択。
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警視庁公安部なる。原作通りルート
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二足の草鞋になる。神主兼刑事ルート
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