第23話
:視点:風見籐也:
ことの始まりは今日の朝辺りのことだった、偶に情報収集や怪異相談などで、警視庁怪異対策部に所属している警察官こと国家術師や、妖怪や幽霊の存在を知る刑事などが風見神社に居る儂の下に訪ねて来ることがある、そして必然的に術などで悪さをする人間の情報も回って来ており、今回国家術師らが長年追っている連続殺人犯である竜胆彼岸が、米花町のどこかに潜伏していると言う知らせを聞き、散歩がてらに町の見回りをしておったら、何やら別の次元と現世を分ける結界が張られていたのを発見した儂は、とりあえず中の様子を確認するために、張られている結界をすり抜けて侵入し、暗く夜の街並みになっている無人の住居区を軽く警戒しながら歩いて進んでいると、道先から極めて邪悪な霊力を感じ取り、そして子供が誰かを背負って走っている音も聞こえたので、儂はその場へと向かって走って行くと、白い光を放つ魔人に取りつかれた子供とその子に背負われた、角のような髪型をしている小娘が、背後から追いかけて来ているムカデのような女から逃げている場面に遭遇する。
儂はなにかに巻き込まれたのじゃろうと察しながら、瞬時に仙人術の【跳び兎】を発動して、ムカデのような女の懐へと一気に跳び込むと、仙人術の【鉄皮膚】にて強化し、霊力で纏った拳にて、ムカデのような女の胴体部をぶん殴り飛ばした後、子供二名を守るように位置しながら、相手の様子を観察する。
(ふむ、結構な威力で殴ったのじゃが、痛そうにのたうち回っている程度で済んだか、感触からして恐らく肉体強度は鋼鉄以上と見たな、なかなかに強い人造虫じゃな、なかなかに良い腕の術師が、死霊術を用いて改造して創り出したとみえる)
と儂は殴った感触からムカデのような女の強度は鋼鉄かそれ以上だと把握し、そしてムカデのような女の正体が死霊術を用いて創られた、かなり強い人造虫であることを瞬時に看破する。
『人造虫』、それは死霊術にある式神の創り方の一種であり、その創り方は生きた人間の子供と大量の虫の死骸を用いて創られる邪悪な存在であり、自然によって生み出される妖怪と違い、保持する力の源は素材となる人間の霊力に依存する。
「さてさて、一体どれだけの幼子が犠牲になったのやら、全く悪趣味じゃよ」
と儂は呆れた表情を浮かべながらそう呟きつつ、後ろで怯えている子供に視線を向ける。まず妙な白い光を放つ魔人らしき霊に取り付かれている男の子は無事なようだ、ふむ恐らく白い光を放っている魔人が、邪気ある者から守っているからだろう、だが角のような髪型がある女の子の方は少々不味いの、頬と腕に穢れを受けて意識がないと見える、後ほど治してやらぬと永遠に目覚めぬぞ。
「おい、そこの白い子よ、角の小娘は穢れを受けて意識が死にかけておる、後で治してやるから動くでないぞ、守ろうにもその辺をうろうろされては、邪魔じゃからのう」
と儂は白い子に後で角のある子を治してやるから、その辺をうろうろせずに動くなと告げ、そして痛みから復帰したムカデ女が、儂へと殺気を発しながら居るので、柔道の構えを取りながら向かい合う。さて、一撃入れたが、まだまだ元気に動けるようじゃし、軽く遊んでやろうて。
「ほれ、さっさと掛かってこぬかムカデ女よ、それとも今の一撃で怯えたか?少しは儂の遊び相手になれよ」
「グググガ、許サナイ、爺コロス、オ前コロシテ、ソノ子供捕カマエルルウウウウウ!」
と儂はわざと挑発して相手の出方を伺うと、ムカデ女は相当ムカついているのか、儂に対して殺気を向けながら、全身うねり、八つの腕をムカデのようにバタバタと走らせながら、幼子の口が裂けて鋭い歯茎で噛み殺そうと攻撃してくるが、儂は敢えてその噛みつきを腕で受け止め、ムカデ女はそのままの勢いによって腕を食いちぎろうとするが、一向に鋭い歯茎は腕の皮膚に傷すらつけられず、それどころか鋭い歯に亀裂が入ってしまう。
「ふーむまぁまぁな力じゃな、並みの術師の【鉄皮膚】ならば、そのまま食い千切れるであろう鋭さじゃが、相手が儂では、赤子の甘噛み程度の威力じゃよぉて!」
と儂は笑みを浮かべながらそう呟きつつ、儂の腕を甘噛みし続けるムカデ女の顔面を霊力で覆った拳で殴り飛ばし、続いてムカデ女の胴体に目掛けて膝蹴りをお見舞いし、数十mの高さにまでぶっ飛ばす。
追撃とばかりに両足に仙人術の【跳び兎】を発現させ、天高く飛んで行くムカデ女よりも早く上空へと跳んでから落下速度を載せた拳による瓦割拳を再び胴体へとお見舞いすると、ムカデ女は地面が砕け散るほどの勢いにて道路へと激突し、痛そうに呻き声を上げながらも立ち上がるが、儂は空から地面へと軽く着地し、そして煽るように手首を軽く曲げて、掛かってこいとムカデ女を挑発する。
「ギャア、舐メヤガッテ!、コロスコロスッコロスウウゥ!!」
ムカデ女はそう怒りに満ちた声を上げながら、反撃とばかりに自身の下半身であるムカデ部位を大きくひねって薙ぎ払いしてくるが、儂はそれを軽々と受け止めてから、そのムカデ部位を力強く握りしめて、まるで子供が縄跳びを振り回すように、ムカデ女を片手で振り回しながら、最後は勢いよく地面へと叩きつけ、道路はムカデ女の図体にそって砕けていき、ムカデ女も流石に身体が限界に来たのか、口から血を吐き出し、白目を浮かべて気絶しかけていた。ふむ、軽い運動程度にはなったか。
「それでは止めじゃよ、陰陽術【神楽火】」
と儂はそう呟きながらムカデ女に向けて浄化の炎を秘めた陰陽術の【神楽火】を放ってその醜く偏した魂ごと燃やしていき、ムカデ女はこの世の者とは思える醜く濁った泣き声を上げながらその巨体はボロボロと燃え滓へとなり果て消滅する。安らかに眠れよ縛られた子供の霊魂よ。
「さて、待たせたな白い子よ、早速その角の小娘を治してやる」
と儂は白い子に優しくそう告げてから、意識の死にかけている角の小娘の額に手をかざして、穢れを治療すること出来る仙人術の【聖痕手】を発動し、角の小娘を蝕んでいた穢れは徐々に跡形もなく消え失せていき、白い子はその光景を瞼を大きく開き驚きの表情を浮かべている。
「綺麗に無くなった、お爺さん蘭を助けてくれてありがとう、だけどお願いだ、天照を助けてくれ、俺と蘭を逃がす為にあいつは!!」
と白い子は角の小娘の穢れがなくなったことに感謝の言葉を告げた後、儂の手を強くつかんで天照と言う自分たちを逃す為に残った奴も助けてくれと懇願してくる。ふむ、一刻も早く逃げたいであろうに、善人な子じゃな。
「ガハハ、そうか善人な奴じゃな、いいじゃろうその天照って子も助けてやるから、道案内は出来るか?」
と儂は白い子の頼みを了承し、道案内は出来るかと聞いてみると、白い子は震えながらも強く頷いてから天照と言う子が居るであろう方角へと道案内し始める、そして儂は角の小娘を担ぎながら、白い子の後を追っていくのじゃった。
と言ったところでここまでです。
何か籐也爺さんが軽く倒して行ったムカデ女ですが、別に弱くないですよ、下手な機関銃程度なら弾き返せるし、動きは素早く俊敏で、力は軽く電柱柱を握りつぶし、その鋭い牙は装甲車すら噛み砕く強度をしているので、下手な軍隊だと全滅する危険性がある存在であり、術者の腕も良いので、通常の個体よりも、まぁまぁ強いんですよ。
ちなみに強さはこんな感じです。
風見籐也☆22
ムカデ女☆15
通常の人造虫☆12
幼少期の新一☆0.3
と言った感じになってます。あれ?京極さんなら軽く勝てますね。
新一「てか白い子ってなんだよ??」
風見裕也はどんな警察になる?。ルート選択。
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警視庁公安部なる。原作通りルート
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怪異対策部になる。国家術師ルート
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二足の草鞋になる。神主兼刑事ルート
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退職して神主なる。家業専念ルート