第34話
:風見幽香:
さて私は、次期当主組が【怪異封じの陣】にて茨木童子の身体行動を封じることに成功したのを見て、感心していたのだが、そこで茨木童子を封印するか、それとも退治して祓うかについて、決まらずに悩んでいるのを見て心配になった私は、どうせ菅原傑には気付かれているから、さっさと合流してしまいましょうと決めてすぐに、次期当主組の前に姿を現して降臨したら、菅原傑以外全員が驚きの声を上げて驚愕してしまったのを見て、あぁバレずに見守り続けるつもりだったのになっと、脳内で後悔の念を抱いつつ、私は笑顔で次期当主組に話しかける。
「どうも、皆さん先程ぶりね、右腕の無い弱体化した鬼が相手だったとは言え、無事に仕事を終えられて良かったわ、思ったよりも度胸も術裁きも磨かれていて、思わず感心したわ」
と私は苦労を労うよう語り掛けると、各々喜ぶも者や照れ臭くする者を見て、思わずほっこりしてしまうが、菅原傑だけは物凄く胡散臭い笑顔を浮かべて居るのを見て、こいつはいつでも変わらんなっと呆れを覚えたのは内緒である。
「ふふふ、褒められて少し嬉しくて照れているのは良いけど、まだ茨木童子の退治も封印も出来ていないは忘れてないわよね」
「「あぁ・・・どうしたらいいですか?」」
と私は安心して浮かれ始めた菅原傑以外の次期当主組に、まだ茨木童子の動きを封じただけで、まだ退治も封印も出来ていないことを忘れていないかと聞くと、一瞬何とも言えない間を置いてから、私にどうしたらいいかと問いかけて来たので、少しだけ思考を巡らせて考える。
(あぁそうよね、腕を切られて衰弱している鬼だとしても、腐っても伝承に残る大妖怪の一角だし、この子たちの実力じゃ封印は無理そうだし、かと言って退治させると面倒事が起きそうなのよね)
と私は次期当主組の実力では茨木童子の封印はほぼ無理であり、かと言って退治させると、面倒事になりそうな状態だと、茨木童子の様子を見て察する。まず退治して祓うことは菅原傑が居る時点で可能なのに、なぜそれをせず【怪異封じの陣】による拘束に切り替えたのか、それは茨木童子の右腕が原因だった、何せ今の茨木童子は魂が二つに別れているような状態であり、恐らくこれは渡辺綱が咄嗟に怪異の魂を切り裂くことが出来る髭切で、茨木童子の右腕だけを切ったことで起きた状態であり、もしどちらかが消滅したら、残っている方が本体になるだけでなく、別れていた茨木童子本来の力が復活してしまうので、現代において茨木童子を祓うことは、自ら地雷を爆発させる所業になるので、退治はダメである。
「うーんそうね・・・・・・あぁそうね、良いことを思いついちゃったわ♪」
と私は考えを巡らせていると、突然脳内に流れる前世の記憶のから、存在しない場面の記憶が思い浮かんだ、それは巫女服姿で術師たちの指導をしている茨木華扇を。
あぁ風見神社で働く鬼の巫女かぁ・・・あら良いわね、丁度家の神社に鍛練相手になる強い奴が欲しかったし、尚且つ傘下の術師たちの練度上げの鍛練相手にも使える訳だし、うちの巫女にしちゃおう。
「ねぇねぇそこで惨めに苦しがっている生き恥茨木ちゃん、あなたはこれから二つの選択があるの、だからどれか一つ選んでね」
「この人間に尻尾を振るう神がぁ・・・あぁその二つの選択って何だ」
と私は怪異封じの陣で身体を拘束されている茨木童子の傍にまで近づくと、軽く素で神経を逆撫ですることを告げながら、茨木童子に対して今から提示する二つの選択の内一つを選べと言うと、茨木童子は苦々しい表情で私を睨みつけながら悪態を呟きつつ、その二つの選択とは何なのだと聞いて来たので、私はその反応を見て笑顔を浮かべながて、提示する二つの選択について語り始める。
「まず一つ目の選択は、このまま私に封印されて、蔵の収容物なり果てること、勿論ちゃんと自己認識出来るようしてあげるから、茨木ちゃんは一人寂しく蔵の中でゆったりと過ごすことになるわ」
と私が語った一つ目の選択の内容を聞いた、茨木童子は引き攣った表情を浮かべて睨みつけて来るが、私はそれを笑顔で眺めながら反応を楽しんでいると、ふと後ろの視線に気が付き少し振り向くと、菅原傑以外の全員が凄くドン引きした表情で怯えているのを見て、いや何であんたらまでドン引きしているのよっと、不思議に思う。
「・・・それで二つ目の選択は何だよ」
「そうね、最近私って強くて便利な巫女が欲しいのよ、うちの神社って神主は居るけど巫女って呼べるほど強い子が居ないからどうしたものかと考えていたの、そんであなたの容姿を見てこう思ったのよ、鬼で巫女って萌えよねぇて、だから茨木童子よ、私の式神契約を結んで、鬼巫女になってよ♪」
と茨木童子が二つ目の選択は何なのかと聞いて来たので、私は最近強くて便利な巫女が欲しかったので、風見幽香の式神にして風見神社の巫女にならないかと告げると、茨木童子は呆れた表情でしばらく無言になった後。
「・・・あぁ、分かった封印されて蔵の中で生涯を過ごすより、お前の式神でも巫女でもなった方がマシだ」
「そうか良かったは、これから式神兼巫女としてよろしくね」
と茨木童子は私が提示した選択の二つ目を選択する旨を告げたので、私はその選択を告げられたことで思わず悪役とも見える程の笑みを浮かべながら、式神兼巫女としてよろしくねっと言ってあげた後、その光景を見ていた次期当主組は、それぞれ驚愕した表情を浮かべて驚きながら、菅原傑はスマホを取り出して各家の当主に連絡を入れ始め、そして唖然と困惑した表情を浮かべて固まっている裕也に、賀茂憲成と土御門天子は同情するような表情を浮かべてただ一言。
「まぁその何だ、新しい住人が増えて良かったな風見裕也!」
「えぇほんまに、ご苦労様と言えば良いのか、まぁどんまいどす」
「・・・うっ嘘だ、ただでさえ実家は魑魅魍魎なのにばかりなのに、うちの巫女にあの茨木童子を就職するとか、これは悪い夢じゃない、うっウソダアアアア!?」
とそれぞれの慰めの言葉を受けるが、より魑魅魍魎な実家になっていく現実に、精神が耐えられなくなった風見裕也の悲痛な叫びが、大江山中に聞こえ響き渡るのであった。
こうして大江山で発見された片腕の鬼女こと茨木童子は、術師たちの活躍と、気まぐれ的な思いつきによって、茨木童子の身柄は、風見神社の預かりどころとなり、以後風見幽香の式神として名を華扇と与えられた茨木童子こと茨木華扇は、巫女服姿で境内の掃除や参拝客の接待などをしつつ、時々先輩風を吹かせる風見幽香の眷属達におちょくられながら、不機嫌そうに風見神社にて人間相手の接待をする日々をすごすのであった。
と言ったところでここまです。
これにて茨木童子は風見神社の巫女として日々雑用を送る鬼巫女エンドになりました。
見た目は東方原作に出た巫女服姿の茨木華扇です。
何か妖怪枠で巫女が欲しいなっと考えた時に、ふっと茨木童子に関する話を丁度思い出して、こういう感じの落ちに持って行きました。
今後原作本編が始まった後に、参拝しに来たコナン君が、巫女服姿の茨木華扇を見て、どう反応するのか楽しみですね。
また投稿期間空くと思いますが、次は警察学校組の最後についてや救済などをこなしつつ風見神社と米花町の日常でも書こうかと考えてます。