第35話 幽香のお手製カラクリ義手①
第35話
私こと風見幽香は、風見神社の自宅の縁側で、優雅に紅茶を楽しみながら、境内の入り口に辺りにある、石製の鳥居から風見神社の本堂へと真すぐに続く石畳の道を、慣れない手つきで掃き掃除をしているのは、1ヶ月程前に私の式神兼巫女となった、茨木童子こと茨木華扇の仕事に茶々を入れつつ、眺めていた。
「そうよ、その調子で、優しく落ち葉とかを掃きなさい、竹箒は繊細なんだから、酒瓶を扱うようにしなさい」
「おっおう、これぐらいかな?」
と私は心配そうな表情で、掃き掃除のやり方を再度指導するが、今だに不慣れな様子で、竹箒を慎重に扱っている茨木華扇の姿を見て、ひとまず安心して眺める。
まぁ最初の頃は、力の加減ミスなのか、誤って竹箒を握り潰してしまう不器用な茨木華扇だったけど、今では慎重にやれば、掃き掃除が出来る子にまで成長したのは、ちょっとだけ感動的ね。それにしてもお胸が大きいわね。
「あぁそう言えば、その右腕での調子はどうかしら? そろそろ1ヶ月経つし、腕の付け心地や動作の機敏さとか答えてくれる?」
と私はそう言って、1ヶ月ほど前に茨木華扇に右肩辺りから取り付けた、木材と金属の部品などを複雑に組み立てた、お手製カラクリ義手の調子はどうかと聞いてみる。
「えぇまぁ、付け心地は正直言って不快だな、なんか妖力を吸われている感触があって嫌だな、そんで動作の反応速度が遅いし、意外と可動域が狭くて高い所に物を置く際に不便かな」
と茨木華扇は不快そうな表情を浮かべながら、正直に義手の使い心地や不満点などを答えてくれる。
うーん思ったよりも不評ねぇ、やっぱりかつて吉右衛門と共も初めて設計し、作り上げた初期型のカラクリ義手じゃダメかぁ、蔵にあった義手の設計図はこの不評だった義手しかないし、現代化させた新しいカラクリ義手を設計図から作らないといけないはね、それか次郎吉辺りに、試作25号カラクリ義手の設計図がないかどうか、後でスマホで聞いておこうかしら。
「そうやっぱり初期型の性能じゃダメか、うーん不満点を総合しつつもう少し使い心地の良い義手作るけど、それまではその義手で我慢しなさい」
「おう、分かったが、なぁあんた祟神化した大妖怪だよな、人間が崇める職人の神じゃないよな?妙に芸達者だけど」
と私は今後設計図を用意するかそれとも図を書くにせよ、新しく作るであろう義手が出来るまで、右腕に付けている義手で我慢しなさいと告げると、茨木華扇は渋々だが分かったと答えた後、不思議そうな表情で、人間が崇める職人の神でもないのに、妙に芸達者奴だと感心される。
「まぁ長いこと人間の社会に住んでいると、色んな人々に出会うからね、時にはカラクリ技師の元で技術を学んでいた時もあるし」
と私は芸達者な理由を、長いこと人間社会で生きそして学んで来たからだと答えると、茨木華扇は我も何か学べば良かったかなっと呟きながら掃き掃除続けていく。
さて、吉右衛門のカラクリ義手の設計図を手に入れてないかを次郎吉に連絡して確認するとして、その前にスマホで今日のニュースでも見ようかしら。
「さて、今日は何かってあら、怪盗1412が忽然と現れることがなくなり、死亡説や引退説が唱えられるかぁ、あぁそう言えば近年のニュースで、見なくなったわよね」
と私は次郎吉に連絡を入れる前に、スマホでニュースでも見ようかとネット記事を覗いたら、怪盗キッドの姿が忽然と現れることがなくなり、色々な説が唱えられ始めたと言う記事を見て、まじっく快斗の黒羽盗一が、自身の死亡偽装を行った時期だったと思い出し、今年起きた事件で、マジックショーで黒羽盗一氏が事故死した記事を見つけ、徐々に原作に向かいつつあるなっと再認識する。
原作本編が始まるまであと8年なのだけど、感想としては今でも殺人事件や誘拐事件が頻発している米花町に住んでいる身だから、原作始まったからと言って、私の生活習慣は変わらなそうね。
「あぁでも裕也が刑事試験に合格したことと、配属先が警視庁捜査一課になったらしいから、今後米花町の事件に巻き込まれたら、身内が出てくるのよね」
と私は風見裕也が公安に行かずに、家の仕事も兼用できる警視庁捜査一課になったので、今後米花町で事件に巻き込まれたら仕事中の裕也に、遭遇することができるようになるのかと、少し期待感を覚えながら、スマホの電話帳から次郎吉のスマホへと電話をかけると、数十秒してから電話がかかり、騒がしい次郎吉の声が聞こえてくる。
「はいはい鈴木次郎吉じゃが、何か用事ですかな幽香様?」
と次郎吉は何か用事ですかと察したように聞いてきたので、早速要件である吉右衛門が残したカラクリの設計図を持っていないかと聞いてみると、しばらく電話先から騒がしい物音が聞こえてくるが、次郎吉が待たせたなと言って来たので、吉右衛門の設計図があったのかなと、期待を膨らませる。
「カラクリ吉右衛門の作品はいくつか入手しておっての、当然じゃがそれらの設計図を束ごと保管しておるが、何か作るのか?」
と次郎吉から吉右衛門の設計図をいくつか束ごと持っていると伝えられたので、その中に義手の設計図があるかも知れないと、私は期待を膨らませていると、次郎吉から何か作るのかと聞いてくる。
あぁそう言えば、昔何かの話題で吉右衛門の元でカラクリの技術を学んでいたことと、偶に再現して作っては蔵に押し込んでいるの知っているし、自宅に来た時に見せたりしてたわね。
「えぇそうね、ちょっと私の式神に取り付けるカラクリ義手を作りたいのよ」
「おぉカラクリ義手、それは気になるものじゃな、設計図を貸す代わりにカラクリ義手を組み立てていく様子を見学してもよろしいじゃろうか?」
と私は吉右衛門の設計図で、カラクリ義手を作るつもりだと答えると、設計図を貸す代わりに組み立てる過程を見学したいと言って来たけど、別に見られても困るものでもないので、別に良いわよっと答えると、次郎吉は今から数日後に吉右衛門の設計図を持って、風見神社に来ると告げると同時に電話が切れる。
さて、数日後に次郎吉が来ることになったし、ちょっとカラクリを作る際に利用している工房部屋の掃除と素材用意をしないといけないわね。
と言ったところでここまでです。
とりあえず茨木華扇が装着する義手を作るようですが、一体どんな物が出来上がるんでしょうね。あと次の投稿は少し期間が空くかもです。
あと名探偵コナン版の風見幽香作ってみたよ、素材元はベルモットです。
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