第38話
さて、風見幽香こと私は、当てもなく海岸沿いの山奥にある森の中を分身体で赴いていた、理由は現代にありふれた普通の森で、癒しを求めたくなったからである、風見神社の周辺に広がる神域の森では、のんびりと過ごせないからね、特に今の時期はねぇ。
何故のんびりと過ごせない原因は、神域の森に生息する生き物が相当危険だからである、何せ神域の森に住むのは、かつて日本中に居た絶滅危惧種であるニホンオオカミや、体格が5m以上を誇る巨大な猪や鹿などが生息していたり、少し前には10m超えの大熊が出没したりと大変危険な森なのに、どいつもこいつも妖獣化しているので、通常兵器では歯が立たずというやばめの地なのである。
なので管理者である風見家が、年に数回ほどの頻度で、私の眷属と傘下の術師達と外部の術師達に、間引き目的の討伐や、市街地に出ないように、森の奥へと妖獣達を誘導したりする仕事などを斡旋しており、そして当然ながら眷属や傘下の術師たちに払う給料や依頼料などもあるので、毎年とんでもない額が消費されることになるので、極めて管理が難しくて大変な森なのである。
だが、その苦労の分だけ利益もあり、例えば森で採れる山菜や薬草などは、術師の扱う効能の高い調合薬に利用できる物や、大規模な儀式に用いられる媒介に使える素材なども採取でき、そして狩猟した妖獣の死骸などは、術師が使役する式神の素材や、妖力を宿した特殊な武器を製作する素材になったりするので、遥か昔から術師界や、海外に存在する魔術師といった連中などに、まぁそして大量に高く売れるので、風見家自体は神社の修復や改築に使える程儲かっているし、そして今の日本政府からは怪異出没区域として認定されているおかげで、固定資産税などの税金が安くさせてくれているし、戦後以降に設立した国家機関である、怪異対策部からもお得意様として購入してくれるので、今はまぁまぁ儲かる森と言えようか、まぁ管理維持労力がクソ高いが。
そして今週の風見家は年に数回の神域の森での討伐時期であり、なので日頃は風見家と眷属しかいない境内には、遠くから依頼して招集した術師が数百人程来ており、医療班のテントや調理班のテントや休憩所などが設置されており、まるで境内で祭りでも開催しているのかという有り様になり、そして手伝いに来た大妖怪なども来ているので、それらに対する応対などを本体の私が、率先してやらないといけないので、マジで大忙しな時期であり、そして気分的にも相当疲労して疲れるので、精神を癒す目的で分身体を生み出して、こうして当てもなく海岸沿いの山奥にある森に赴いている訳である。
「あぁ・・・静かな森ねぇ、普通の小鳥の囀りが、癒しに思えるわね、そして本体は参加しに来た、顔見知りの大妖怪とかの対応とかで、忙しいのだけども、こうして意識を統一したまま、身体を分身できる力が有って良かったわよ、こうして並行的に色々なことを同時進行で取り組むことが出来るわけだし、まぁ欠点としては本体よりも3割程度の力しか保持できないところなのよね」
と私は普通の森で感じる自然豊かで静かな空間から時々聞こえる小鳥の囀りなどで癒しを覚えつつ、独り言を呟いているが、今現在の本体は、風見神社主催の、神域の森での妖獣討伐に参加しに来た、術師や大妖怪へと配置指示や対応指示などを、眷属達に指示したりなどと、忙しく駆け巡っているのだが。
「最低一体は精神的な疲弊を癒させる為に、分身体を生み出して、のんびりと静かな森に赴いていると、やっぱあの森は絶対に可笑しいと思うのよね、何せ太古の時代がそのまま存在しているような生態系だから神秘濃度が高いの高いので、過ごしやすいのよね、何でかしら?」
と私は時々静かな普通の森に赴いては、自身が住む風見神社の周辺に広がっている神域の森、この現代ではまず見なくなった神秘溢れた時代の太古の森が、今もその神秘を失うことなく存在を維持できているのかと疑問符を浮かべて思い悩む。
「うーん何故なのかしらね、こうして普通の森に来るとより感じるのよ、あの神域の森から溢れる神秘の濃さに、だって普通はこの森のように自然豊かなだけで、神秘なんて欠片も発生していないから、普通の生き物しか居ないし、何で神域の森だけあんな風になっているのか、最初は私が居るから神秘が濃いのかと思っていたけど、数百年くらい前に聞いた、天照様の話からして神が居るからと言って生態系に影響を及ぼすほどの神秘は生まれないって話だし、うーんますます謎が呼ぶはね」
と私は神域の森に対する謎について考察し、その考えを独り言として呟きながら、海岸沿いの森の中を歩き続けていると、森の奥からデカい物体が川に落ちて、水飛沫あげたような音が響いてきたので、何か落ちたのかしらと、興味本位で、音が聞こえた場所へと向かって歩いていく。
(うーん響いてきた音の方角からして、確か流れの速い川があったはよね、そんでその先には大きめの滝があったはずだから、樹木とかが川側に落ちて、そのまま流された結果、そのまま滝から落ちて行ったのかしら?)
と私は脳内で、枯れた樹木かが倒れた結果、川に落ちてそのまま流されて行き、そして滝から下流へと落下したことで起きた水飛沫だろうと予想しつつも、一応何が落ちたのか気になりはするので、川から滝へと続く崖沿いまでのんびりと日傘をさしながら向かうと、そこには川から滝が流れていく先の浅い池にて巨大な丸太と、元気なく仕込み刀を持って佇む石川五ェ門の姿を、キャンプ用のテントと携帯式焚火セットを設置して、その様子を遠目で見物している次元大介とルパン三世の姿を発見する。
(あれってルパン一味じゃないの、何でこんな森の奥地にある滝が近くにある場所で、キャンプなんてしてんのよ?)
と私は何でこんな普通の森の中にある滝の傍でキャンプしているのかと疑問符を浮かべるが、よくよく見ると滝の真下にある池に浮かんでいる石川五ェ門の様子からして、何かの修行をおこなっているのだと察しするが、一体どんな修行をしているのか気になるので、川から滝へと流れている近くの崖上から身を乗り出しながら。
「あらあらこんなところで遭うなんて、偶然よねルパン三世、数年ぶりかしら?」
と私はルパン一味に、滝の音中でも、透き通って聞こえる声で、笑顔を浮かべて、優しそうに挨拶してみるのだった。
と言ったところでここまでです。
風見神社の周囲を囲むように存在する森についての補足とか書きましたが、まぁどうしてこんな環境になったんでしょうね、風見神社の境内あるかつて住居として利用していた、巨大な花も現在進行形で生えていますし、何か地面にあるんですかね。
次回は若き頃の五ェ門を主軸とした、血煙の石川五ェ門編に突入しますが、一体どうなるんでしょうね?。